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生首に聞いてみろ
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生首に聞いてみろの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.20pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全33件 1~20 1/2ページ
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タイトルは明らかに都筑道夫の「なめくじに聞いてみろ」のパロディだろうが、あまり作品内容に合っていないというか、もっと詩的で芸術の匂いのするタイトルにした方がよかったのではないか。 内容的には法月綸太郎お得意の「芸術家の狂気」を題材にしたもので、この分野では「カット・アウト」という大傑作短編があるのだが同系譜の長編である。法月ファンならば「石膏像は必ず目を閉じている」という作中の記述が出てきた時に、なんとなく異様な熱気を感じ取り、作品の出発点となるアイデアは多分ここだろうと察せられるはずだ。だから真相は薄々わかるのだが、明かされた時にはがっかりするというより「待ってました!」という感じである。 もちろん核になるアイデア一発の作品ではないのでパズラーとして周到に組み上げられてはいるのだが、作者の書きたかったことがあまりにも明確すぎていて、その外側が張りぼてに見えてしまうところがやや難点。短編でやるべき話だったかもしれない。コンパクトにまとめれば「カット・アウト」に並ぶ傑作になったのでは。 | ||||
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法月綸太郎は「ノックスマシン」が面白かったのでこの作品に手を出したが、本格ミステリは初読。作者と同名の名探偵と警察関係の父と言うのはエラリー・クイーンそっくりの設定で、首無し死体を扱った「エジプト十字架の謎」を彷彿とさせた。キャラの性格付けも含めて、クイーンのリスペクトぶりがミステリファンの心理をくすぐる。 それはともかく、なかなか殺人(と言うか生首)が出て来ない異色の構成で、伏線を張るためなのだろうけど、多少読むのに難渋する。その替わりに彫刻に関するペダンチックな知識が語られ、嫌味とも取られ兼ねないが、本格ミステリにありがちな稚気として好意的に解釈した。法月探偵は行動派だが、誤算と失敗を重ねてしまうのが、ハードボイルドみたいで面白かった。反対に犯人側も同様にドタバタして、妙にリアルと感じたが、作品として整合性を持たせるのは大変だったろうと推察する。 生首が出て来る中盤以降は実にスリリングで読み応えがあり、一気に読書スピードが上がった。「生首」と言うインパクトのあるモチーフを終始描き切った力作と評価する。 | ||||
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かなりの長編ながら無駄のないストーリー、後半に行くにつれ驚かされる仕掛けがいくつもあるので読みごたえもすごいです。 頼子のためにが面白かったので強烈なタイトルに惹かれ本作も手に取りましたが買って正解でした。このミス1位を獲得していた作品だということは他の方のレビューを拝見して初めて知りましたが、それも納得の出来です。 メインの殺人事件が起こるのは中盤とかなりゆっくりめの事件発生ですが、その前に小さな事件をいくつも挟んだりして飽きさせない構成になっています。そのため物語の密度がすごい。そして伏線が上手いなぁ。回収も鮮やか。さりげない伏線ながらその伏線を印象付けるのが上手いのでそんな描写あった?なんてことにはならないはず。 頼子のためにもそうでしたが、事件自体は解決しても物悲しい、やりきれない雰囲気が漂うラストが印象的。犯人にさほどの意外性はありませんが幾重にも仕掛けられたトリックはお見事なので文句なしにおすすめの一冊。 | ||||
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読了したあとにamazonでのレビューを眺めていくうち 自分がこの作品に感じた違和感が浮かんできたように思う というのもこの作品を読んでいて思ったのが 探偵が動かされている ということである。 探偵が動く先々で何かが起こり、それを探偵はとめることができず すべてが終わったあとで探偵が推理する。 大体の探偵ものはそうなんですが、どうにもこのシリーズは 探偵が著者のいいように動かされ手いる間がぬぐえない。 他の多くの探偵ものとは異なり、探偵が深くそしてリアルタイムに 作品にかかわっています。(探偵が被害者を救える可能性があったことからも わかるように) そこでの探偵の行動 思考がどうにも動かされている感が 多分に感じられそこが私がこの作品に感じた違和感なのかもしれません。 とまあなんかこの作品を批判しているようですが、伏線回収はミステリーのなかでも 随一なのでそういった作品が好きな方にはいいと思います。 | ||||
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この作品はとにかく凝った作りの作品で、その中心にあるのは首を切られた石膏像にあるのだが、 その謎は十重二十重に包み隠されており、さらに登場人物たちの勘違いやミスリードも重なり 中々解けないものになっているが、解決してみるとなるほどと納得できる形に収まるのが素晴らしい 作者の代表作といっても過言ではないだろう ただとにかく作者らしい作品なので、まどろっこしい筋書きや論理展開が苦手な人には あまりお勧めできない作品でもあるかもしれない | ||||
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生首に聞いてみろというタイトルと本格ミステリー大賞受賞というイメージから読む前は、猟奇的な大がかりなトリックの島田荘司系の推理ものかなと勝手に思い込んでしまったが、センセーショナルなタイトルとは裏腹にじっくりと読ませる人間ドラマ中心の彫刻をモチーフとした悲劇的なミステリーの良作である。半分ほぼ読み進んでも殺人事件が起こらないため、最初の方は正直カッタるいと思う人も多いかと思われるが、そこを我慢して最後まで読むと前半の伏線も全てピタリと符合し、被害者家族の過去の因縁に端を発する悲劇的な人間模様が浮かび上がる。読後の感想は久しぶりに大人の推理小説を読んだという充実感がある。やや地味ではあるが、よく練られた推理作品と評価できる。 | ||||
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作者作品は正直あまり好きではない。読後感は後味の悪いものが大半で、本格派という割には謎解きのロジックや驚愕度はそれほどでもないという作品が多く(作者長編作品で本当に本格派作品と言えるのは、法月親子デビューの「雪密室」だけだと思う)、これが良かったという作品がないからである。(唯一、ユーミンの「卒業写真」をモチーフにした「二の悲劇」だけは印象深かったが) それで、本書は「このミス」1位受賞作品として知られてはいたが、前述のごとき理由と別の「このミス」1位作品で期待はずれの作品に当たったことに懲りてなかなか読む気がしなかった。それがようやくこのたび読むことになったが、正直大して期待はしていなかったのだが、読了しての感想は「うん、良かった、面白い」。 本書では、伏線をこれまでかというぐらいに張り巡らしまくり、これらを余すところなくぴたりと当て嵌めるその構成の緻密さが実にすばらしい。残念ながらラストの驚愕度がイマイチなのと、相も変わらず読後感が悪い(読後感ワースト1の「頼子のために」に次ぐ後味の悪さ)ことから星5つまでは進呈できなかったが。 しかし、先日読んだ有栖川有栖の「女王国の城」といい本書といい、一時絶え果てたかと思われた優れた本格ミステリー作品が、今もこうして日本で読めるというのは実に幸せなことだと思う。 | ||||
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生首もの(という分野があるのかどうか知らないが)となると、猟奇的な犯罪に対する 恐怖感とホラー的要素で引っぱる小説という印象があるが、本作はそういう作品では ない。あくまで推理を主体とした本格ものである。というか、物語の中心をなしていた 人物が生首にされちゃったのに、あっさりと受け止められているような印象すら受ける。 現実に起きればかなり衝撃的な犯罪だと思うのだが、登場人物たちの感情はあまり 前面に出てこない。そんなわけで作者は物語の盛り上げに積極的に手を加えてない。 推理だけを純粋に愉しむ層は別として、小説としては物足りなさを感じるかもしれない。 私の乏しい探偵小説歴から分析すると、「生首」「双子」「仮面」「失踪」といった要素が くると、大抵はどこかで"すりかえ"のテクニックが使われると予想できる。私もどこで それがくるのかと思いつつ読み進めていたが、あれも不可能、これも不可能だし・・・と 可能性が狭められているうち、意外なところで「あーそうか」と。「言われてみれば可能 だよなぁ」という感じ。誤誘導が巧みでヤラレた。短時間で読了してしまったのだから、 面白かったことは間違いない。「このミステリーがすごい!」2005年の受賞作である。 | ||||
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ひさびさにちゃんとしたミステリを読んだ気分になるには十分な作品。きちんと伏線がはってあって、それが活かされている。最後には全ての伏線がつながるので読み返すと、なるほど〜ってなるのだろうなぁ。まぁ探偵役の法月がリアルタイムに追っている事件だけに伏線の数だけ事件が防げたということであり、そこに悲壮感漂う。 | ||||
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前衛彫刻家の川島伊作は、娘の江知佳をモデルに、彼女の母をモデル とした連作「母子像」の完結編を製作したが、その直後に急逝する。 その葬儀の後、何者かが「母子像」の首が切断し、持ち去るという 事件が発生し、さらに、間をおかず、江知佳が失踪してしまう。 そして、数日後。伊作の追悼展が開かれる美術館に、 若い女性の生首が入った宅配便が届けられる……。 石膏像製作が、作品のテーマに直結している本作。 伊作は、生身のモデルから型を取り、その雌型から雄型を 作る「インサイド・キャスティング」を得意とした彫刻家でした。 しかし、この手法では、モデルが失明する危険があるため、目を開いた状態で 型が取れず、結果的に目を閉じた状態の作品しか作れないという限界があります。 その限界を克服すべく、伊作が取り入れた アイデアが本作のトリックの源といえます。 この他にも、何者かに持ち去られた伊作の携帯電話や綸太郎が歯科医院を訪れた 際に読む、審美歯科医療の手引き書のなかの「磁性アタッチメント」についての記述、 そして、兄と弟を絶縁させた、血縁関係を表す言葉のダブル・ミーニングなど、 周到な伏線が緻密な計算のもとに張り巡らされ、もれなく回収されています。 過去の事件に淵源する二組の夫婦のクロス不倫関係という「事実」が背景にあり、 それが現在の首切り殺人に影を落としているのですが、関係者の誰もが誤解や 錯覚を抱いてしまうことで、それぞれの思惑と行動が複雑に交錯して謎を生みだし、 対応すべくなされた解釈が、また新たな謎を生むという悪循環が誘発されています。 そうした錯綜した状況を、結末で「石膏像/死体の首が切られた理由」の回答という 一点に収斂させていく犀利なロジックの切れ味と構築美は、やはり無類といえます。 | ||||
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色々な伏線が見事に張り巡らされていて (読み返してみても思わずうーーんとうなって感心してしまいます、本当に) 謎解きとしてももちろん良くできているのですが、 加えて登場人物たちの愛憎や思惑、痛ましい誤解などが絡み合い、 人間ドラマとしても退屈することがなく一気に読了してしまいました。 ゾクゾクッと背筋が寒くなるシーンも用意されておりますし、 本格ミステリ好きにはたまらない作品だと思います! | ||||
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読み終わって鳥肌が立った。物語は地味だ。事件は淡々とすすみ唐突に終息を迎える。息づまるサスペンスも残酷な描写もない。けれど、探偵がパズルを組み立てたとき、僕たちは想像もしなかった絵を見せられる。それまで思い描いていた世界が名探偵の導きで一変するのだ。導き出されるのは事件の構造だけではない。おぞましい犯人の悪意と、それにおどらされた被害者たちの悲劇。僕たちはトリックだけではなく、物語のホントウの意味を知るのだ。余分なものを削ぎ落とした探偵小説がこんなにも美しく輝くなんて。何十年も昔に出された問題と真っ正面からぶつかり合ってくれた探偵法月綸太郎と作家法月綸太郎に心からお礼を言いたい。 | ||||
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読み手の好みによって評価が分かれるだろう。 新本格のファンなら、大傑作ということになるだろうし、 社会派推理のファンなら、ストーリーに起伏が乏しく、 500ページもあるわりには退屈ということになろう。 ただ、両者とも否定できないのは、 伏線の張り方が見事で、回収もそつなく行われているという点だろう。 新本格のファンではない私は、その点を取って星4つとした。 減点の原因は「やられた」感がなかったこと。 丁寧に作りこまれているが、 もう少し「おおーっ」というのがあってもいいと思うんだが。 村上龍の「半島を出よ」でもそうだったが、この歳になると、 1ページにおける字数が多いと本当に疲れる。 最近は、できるだけ1ページに字数が少ない本を無意識のうちに選んでいる。 年取ったのかなぁ。 | ||||
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張り巡らされた伏線が鮮やかに回収されていく様は、流石だなーと思わせます。 最後まで読ませます。 ただ、人物の心理、特に事件そのものに関わる部分で納得いかない点がいくつかあったのは事実です。 例えば、 ・「生首に聞いてみろ」の「生首」の動機が、あれではちと薄すぎないか? ・回顧展の目玉になる石膏像の首が切り取られてるのに、関係者が一人を除いて「回顧展どうしよう」と心配してないのは何故? 等、一つ一つは小さいんですが、物語がきっちり作られてるだけに目立ってしまう・・。 逆に言うと、それでも最後まで面白く読ませるプロットは、凄いんですが。 | ||||
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2005年版このミス 1位 2004年文春ミステリーベスト10 2位。 文庫化を機に再読してみた。 私自身は、「新本格」といわれると、むしろ敬遠したくなるジャンルになるのだが、この作品については、作品の構成や、伏線の張り方が見事で、パズルの1片1片がはまり込んでいくような展開に、グイグイと引き込まれた。 作品のタイトルだけをみると「ホラー」の要素がありそうで、敬遠される方もいるかもしれないが、おぞましい内容は全くないので安心して読んで頂きたい。 なお、文庫版の巻末には貴志祐介との対談が掲載されており、なかなか興味深い内容になっている。 | ||||
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綾辻行人さんの「暗黒館〜」という、「今までで最低のミステリー」(個人的に)の後に読んだせいか、安心して読めました。 皆さんの書いていらっしゃるように、前半が長く、『生首』の出番が唐突で、謎解き部分がたたみかけるようになっている、と言えばそうですが、 綾辻氏の作品のように、『外連味たっぷりで、自分が一緒に沼に沈んでいってしまった』的作品の後では、『派手さは全くと言っていいほどないけれど、丁寧に誠実に書かれている』と印象を受けました。 「えぇーーー?」とか「うっそぉ〜ん」見たいな『大どんでん返し』はないけれど、大きな不満も残らず、次の作品を素直に期待できる作品です。 | ||||
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新本格と聞くと,「舞台設定に凝りすぎたパズル」と言う印象が強くて敬遠していたが,この作品に関しては全くの杞憂に終わった。 石膏ガーゼで人体をそのまま型取った作品で一世を風靡して「亜シーガル」と呼ばれる彫刻家の死にはじまるミステリー。 「目を瞑った表情=祈り」と捉えられてしまう葛藤,なぜ首が切り取られてしまったのか,魅力的なヒロイン江知佳との会話と行動ひとつひとつがすべて意味を持ち,終盤,謎が解き明かされていくにつれ,「そういうことだったのか」と納得すると共に,その伏線の張り方の見事さに感動すら覚える。 05年版「このミス」第一位はダテじゃない。新本格の看板で二の足を踏んでいた方も,文庫化されたこの機会に是非どうぞ。 | ||||
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愛読者なら御存知は思うが、作家(の方の)法月綸太郎に色濃く宿るもの、それは探偵が事件に関わる過程を通して、向き合わざるを得なくなる現代社会の無惨さや、探偵の方の(そしてそれはたぶん作者の方も)法月綸太郎の苦悩であった。そしてそのことこそが、これまでのいくつかの作品を特異なものとしていた。たとえば、『二の悲劇』、『ふたたび赤い悪夢』など。 しかし今回の探偵・法月はずいぶんとタフである。“恋に落ちていたかもしれない”女性の死という事態にあたって、彼にはそれを阻止できていたかもしれないというかたち通りの苦悩はあるものの、それは過去の名探偵たちが抱えた、いわば“お約束”の苦悩であり、その点では物足りない。デビュー作『密閉教室』において、名探偵が抱える矛盾について早くも述べていた彼にしてはと、この点については、少々肩すかしを食らった気がした。 『パズル崩壊』をお読みの読者なら、収録作である「カットアウト」(傑作!)との共通点に気づかされるだろう。「カットアウト」が和製ジャクソン・ポロックと称される画家と妻の関係を描いたように、本作もジョージ・シーガルと共通した作風である“亜シーガル”と呼ばれたこともある彫刻家と妻の関係が作品の核をなしている。だが、正直なところ、「カットアウト」ほどの哀切さが、読者に届かない点は残念だ。 と、まぁ、ここまで批判的な記述に終始はしたが、パズラーとしての作家・法月は健在である。たとえば読者にミスリードを誘うためのいくつかの仕掛けなどが、読むものを翻弄させるなど、読み込むにつれ、手練れの感を強くした。 悩める自営業者(by 綾辻行人)であった作家・法月も、探偵・法月同様、ある種の青春を多少過ぎてきたと言うことなのだろう。本作は、これからの作品の方向を占う意味で、後々象徴的な作品になることと思う。 | ||||
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久々の登場、法月綸太郎!! 確かに謎や物事の一つ一つはそんなに目立つものはないけれども、最後に集約するところは圧巻なのではないだろうか? 玄人受けする作品と言うつもりはないけれども、ミステリー好きにはたまらない作品といえる。 法月作品の長編には家族テーマがメインになるものが多いがこの作品もまた家族テーマの作品。ゆえに、エピローグの重さは計り知れないものがあると思うのだがどうだろうか? 個人評価は星5つ。でも、客観評価は星4つといったところか。 | ||||
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法月綸太郎シリーズの最高峰「頼子のために」が親子なら、この「生首に聞いてみろ」は兄弟姉妹の話。石像の首はなぜ切り取られ、運ばれたのか。そして著名な彫刻家の家族に隠された秘密とは。オドロオドロしい題名は、昭和ゴチックミステリを彷彿させますが、現代を舞台にした本格ミステリ。長編ものではよく「ハードボイルド」と「名探偵」を結びつけますが、今回は3:7くらいで名探偵もの。この作品でも目につくのが、シリーズを通して見えるリアリティのない主人公たちの立ち回りと、推理。ですが、お約束と割り切れって目をつむれるのが、シリーズものの強み。美術という専門分野の知識を過剰に描かない点や、会話を中心にした展開は、単調ながら、読みやすいです。何作か読んでからこの作品を読むと、純粋にミステリとしての評価ができるとおもいます。題名のもとになったものは、都筑さんの「なめくじに聞いてみろ」かな? | ||||
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