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生首に聞いてみろ
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生首に聞いてみろの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.20pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全82件 81~82 5/5ページ
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本来は書き下ろし長編として準備しながら、200枚の原稿を破棄して構想を練り直し、何とか雑誌に連載したが、かなり加筆修正が必要だった…という経緯は作者自身が公表していました。それだけに期待して読みましたが、期待通りの仕上がりと満足しました。犯人の意外性に欠けると感じる方もおられるでしょうが、おそらく作者の意図は、意外性ではないのです。錯綜した人間関係の中での殺人事件であっても、起こるべくして起こった悲劇ではなく、防ぎ得たかもしれない悲劇として描くこと。その「神話的悲劇」の前には、真相にたどり着いても勝利感は得られず、探偵も癒しを求めるしかない(真相を語る前に、綸太郎が儚い期待感を抱く場面があるのは、彼が能天気だからではない)こと。そこに作者なりの「新本格の真髄」があるのだと思います。その「真髄」ゆえに星5つ。 | ||||
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川島伊作の死をきっかけに、事件が悲劇の色を濃くしていく前半から、作品としての手応えを感じた。始まりの事件そのものに、それほどインパクトがある訳ではない。しかし、事件関係者間の葛藤やきしみが、法月綸太郎の目を通して徐々に明らかになっていく展開が読ませる。なかなか魅力的なダミー解が提示されるなか、綸太郎が真実の頂点に向けて推理をめぐらせていく様子がスリリング。 話が二転三転して訳が分からなくなってくる中盤では、正直、いらいらすることもあった。綸太郎や父親の法月警視が、適当なところで、現在までの状況を要領よく説明してくれているにも関わらず。その時は自分の頭の回転の遅さを呪いたくもなったけれど、ラストで「ああ、あれはそういうことだったのか」と腑に落ちたということは……ん? 作者が仕掛けた術中に知らずにはまっていたのかもしれない。タイトルの「生首に聞いてみろ」というのは、何か先行作品を意識して付けたのだろうか。ひょっとして、都筑道夫の『なめくじに聞いてみろ』をもじったのか。 このタイトルよりはむしろ、表紙カバーに小さく印字された「THE GORGON'S LOOK」という英語のタイトルのほうがいいと思った。ちょっと気になって、ロス・マクドナルドの作品リストにあたってみたら、「THE GOODBYE LOOK」(邦題『別れの顔』)というのを見つけた。関係があるかどうかは分からないのだけれど。 | ||||
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