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破線のマリス
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破線のマリスの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.62pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全26件 1~20 1/2ページ
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私にとって、最高の本 ほんとにほんとに切実にKindle化していただきたい | ||||
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報道番組ほどむつかしいものはない。編集者の主観がどうしてもはいるからだ。 遠藤瑤子という女性が、主人公。 タフで、視聴率のとれる編集者。「想像力と勇気」と励まされる。 麻生公彦 郵政官僚。バランスを崩している生活。器物を破損する。 やらせとは、どこまでやらせなのか? ひとつの罠としての、内部告発。 | ||||
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事件が起こって、それを解決する。そう思い込んで流れに身をまかせている終盤で深い落とし穴にはまってしまった。そんな感じです。 各所に感じる違和感はありましたが、それなりに楽しめました。 | ||||
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首都テレビの契約社員である遠藤瑤子。 映像編集では業界で知られた存在だったがある弁護士の転落事故をきっかけに殺人事件の関係者である郵政省の役人の不可解な笑いに注目しビデを編集に意図して犯人であるかのように印象付けた。 そのことから展開は思わぬ方向へ進展し、彼女へのストーカー行為、謎の私生活盗撮へと発展した。 常に彼女を追い回す執拗な行為の影に潜んだものは以外であった。 自らの編集技術に溺れ報道の自由という武器を盾になりふり構わぬ態度に視聴者からの警告となればよい。 一般文学通算884作品目の感想。2014/09/11 22:00 | ||||
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読み出しの初め頃はあまり面白くない感じだったが、後半に入り予期せぬ展開に魅かれていった。 思わぬ展開にどんどん引き込まれていく納得の1冊である。 | ||||
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著名な脚本家の最初の小説。自らが席をおくテレビ業界での犯罪を描いている。一人の腕は立つが家族を捨てた孤独な テレビ編集マンの女性がやがて何者かが仕掛けた罠にかかる。彼女はまんまとある官僚を犯罪の当事者かの如き編集で 彼を追い込んだだけでなく、彼を殺してしまう。それによってやがて彼女は自分の歩んできた道を振りかえざるを得なくなるのだ。 彼女を執拗に追いかけていたのはなんと自分の息子だった。プロットといい表現力といい非常に優れた作品だと思う。 野沢は数年前自殺お遂げたが、惜しい人材だと思わざるを得ない。 | ||||
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元テレビ屋な作者だけあって、メディアを使った話の構成が上手い 現実にテレビのせいで人生を破壊された人が少なくないのが、この作品の題材の上手いところだろう ただ怪しげにでてきた連中が誰なのかが不明なまま終わってしまう点と、 あのラストはちょっと首を傾げるところがあった 乱歩賞作品の中では安心して買えるレベルの作品 | ||||
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江戸川乱歩賞受賞作だが、本作を本格推理ものと思って読むと、驚愕のラストは全く納得できないオチになってしまうだろう。ラストでも事件の肝心の真相は全く明かされず、終始思わせぶりに複線が張られていた隠し撮りのカメラを録っていたのは自分の○○というのはあまりにも納得がいかない。結局本作は独りよがりの女性編集ウーマンがマスコミの権力を最大限利用して一人の無実の官僚の人生を破滅させ、最後は殺してしまうという確信犯なのか全くミステリーの主人公と悪役が逆の立場になってしまっている。ミステリーとしては完全にアンフェアというかルール無視だが、つまらないかと言われると、リズムのある文体とテレビ業界の熾烈な内幕が描かれ一気に読ませる。中盤までの話の展開が素晴らしいので一気に最後の真相が気になって読むと結局オチがついていないという不完全燃焼感が残るが、一種のサイコサスペンスものとして読めばかなりの力作だと言えるだろう。 | ||||
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第43回江戸川乱歩賞受賞作品。 第一線のシナリオライターであった著者が、テレビの報道番組の内幕を描いた作品。 テレビの編集という仕事(特にニュース番組)には、翌日への持ち越しなどできないという スピード重視の迫力と緊張感がビシビシと伝わってくる内容です。 全21章から構成される長編小説ですが、1章のスタートからぐっと引き込まれていきます。 途中、あまりにも主人公・遠藤瑤子の執念が強く、非現実的にも思える展開から かなり怖さを感じる場面もありました。 ストーリーテンポが良いので、最後まで一気に読めます。 「方言の端々に東京言葉が標準語だと誰が決めたんだという反骨精神をにじませている」 最初の方にあるこの文章表現・描写が結構好きです。 結局、春名誠一の身元は割れたものの、事件解決までが描かれていないので 少し歯がゆいです。 また、息子の淳也が母親をカメラで「いつも見ていた」という展開も、真実なのか 不思議な感覚になりました。 | ||||
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首都テレビの名物ニュース番組「ナイト・トゥ・テン」のなかでも一際視聴者の 注目を集めるのが、9時35分すぎからのコーナー「事件検証」。そのコーナー を担当する敏腕編集マンの遠藤瑶子のもとに、ある組織の内部人物からたれ 込みが舞い込んだ。それは青い封筒に入ったビデオ。彼女がこの世でもっと も扱いに慣れた、映像という形によって…。 映像は「ありのまま」ではない。切り貼りによるモンタージュや光と音の調整、 それらによって作り替えられ画面に表出されるのは、なによりも525本の破線 が創り出す幻影に過ぎないのだ。普段はそれを駆使して扇情的な映像を作る 側にいた彼女は、ミイラ取りがミイラになるよろしく、いつしか映像とその作り手 に仕掛けられた罠にはまっていく。 本作はいわずとしれた故・野沢尚による、いわば「報道ミステリー」だ。「内部の 人」の彼がこういうものを書くというのは、単なるエンターテイメント以上の「啓発」 的な意味合いが込められているのだろう。今では「マスゴミ」と揶揄されその権 威も失墜したテレビだが、当時はちょうど例の松本サリンなど、この第四の権力 が大いに揺さぶられはじめた時期であって、今以上のセンセーションを読者にあ たえたはずだ。 ミステリーでありながら、放送局と担当省庁とののっぴきならない関係にもやん わりと言及される。これに広告代理店の問題ももうすこしたせば、放送局につい ての下手なルポタージュよりも読み応えがある。地デジ化が進むなか、この「電 波利権」をめぐる問題は今まさにビビッドなのだ。 ラスト、遠藤による渾身の映像が流される。それを放送することには心底反省し た放送局の反省だけがあったのだろうか、僕はいぶかしむ。現実問題、あれを 流せば絶対的に多くの視聴者が取り込める。見つめる視線がどんなに見下した ものでも、テレビは「数字」をとるためにどんなことでもする。とりあえず放送免許 を取り上げられるまでは… | ||||
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主人公・遠藤瑶子は首都テレビの看板ニュース番組「ナイン・トゥ・テン」の映像編集者。 映像を切り貼りし、視聴者に先入観を与えるような、虚実曖昧だけど刺激的なニュースを作っている。 郵政省の官民癒着の内部告発とされる持込みのテープを、編集して番組で流した所から始まる、 一人の郵政官僚の転落と、同時に遠藤自身にも降りかかる災厄。 絶望的なラストに凹まされます。 結末を知ってて読んでも、ボタンが掛け違うようにずれていくストーリーに背筋が寒くなる感じ。 映像ひとつで世論を動かしたり、人を破滅させたりが簡単に出来ると思うと、すごく怖いし、 マスメディアの言う事を鵜呑みにして、踊らされるのは本当にバカみたいだし格好悪いなって思う。 でも世論ってそういうものなんだよなー。 メディアに流されずにいろんな情報を吟味して、きちんと自分で考えることの出来る大人が増えるといいなという思いを込めて、たくさんの人に読んでほしい作品です。 | ||||
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中盤から読むのを止めることができなくなり一気に読んだ、というか読まされた。この話しの主題は、テレビとかメディアに対する批判であり視聴者への警告ということになるのだろう。確かに読後のニュース番組に対する見方はちょっと変わった。私は、主人公の心理描写に驚いた。現実と幻想が入り混じった感覚というのは、それを文字にするのは難しいし、普通しようと思わない。それを見事にやっている作者の感覚の鋭さはすごい。それだけの感受性を持っているがゆえに自らの命を絶つということになったのだろうと想像する。自分が温めてきた毒をサスペンスの衣を着せて吐き出した感じさえする。 | ||||
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10歳の子供が夜遅くまで母を追っかけてビデオを回す・・・ ちょっと難しい気がしないでもありません。 ですが、その部分は置くとして、内容はさすがにテレビ業界で生きる人って感じ。 登場人物たちの心理描写も入念で読みごたえは抜群です。 | ||||
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不快感が伴う作品です。何がそうさせるのかわかりませんが。 マスコミの過熱に伴う被害は今やみなが知っています。 その「種あかし」でしょうか。 作り出された映像に「事実」を見てしまう、見ようとしてしまうことの恐ろしさ。 クライアントである私達視聴者はきっとだまされたがっているのでしょう。 ラストにもう少し救いがあってもよいのではないかと思ってしまいました。 最初に読んだのは、かなり前で「この展開には無理があるのでは?」 と思った箇所も、今こうして読み返してみると「あり」に思えるのがぞっとします。 野沢氏は先を先を見てらしたのでしょうか。 早すぎる死を改めて惜しまずにはいれません | ||||
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私はこの本を読み終わっての感想は正義は勝つだと思います。誰が正義で誰が悪なのか?究極の正義と悪を探す推理小説でした。どちらが正しくて、どちらが間違っているのか? 今のテレビの在り方、マスコミの在り方を示す意味ではとても興味深い作品でした。野沢氏の作品はどこかノンフィクションぽいですよね。それでいて、この破線のマリスは半ノンフィションではないのでしょうか?とてーも細かい描写でテレビ業界について書かれています。 マリスとは悪意。色んな悪意が見えてきました。 | ||||
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今頃読みました。初版は1997ですから、もう10年前になります。でも、今読んでも一気に物語世界に引き込まれます。さすがは江戸川乱歩賞です。 タイトルにもなっている破線とはTVの走査線、マリスとは報道の送り手側の意図的な悪意のことだそうです。その通り、これはテレビ局のニュース映像の編集者を巡る、捏造と紙一重の情報処理が主題となっています。登場する人々の追い立てられるような生き方が、非常に辛いですね。 思いもかけないエンディングも鮮やかですが、現在の「あるある問題」を先取りしたようなメッセージ色の強さもまた、特徴といえるでしょう。こういった硬派路線も、たまにはいいものです。 | ||||
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悪くはない。テレビの世界の実情を内部から告発した作品として見ればわかる。でも、新聞だけじゃなくてテレビのニュースの報道が嘘だらけ(っていうか真実じゃない)というのは、普通に見ていればわかる。事件の検証なども明らかに自分達の都合のいい情報しか流して、(検証の以降があり、その曖昧な結論に向けての情報を流し込み、改竄している)、意図的にでっちあげの真実を作りあげているのだと思う。山本弘さんが「アンビリバボー」の舞台裏の様子をぶっちゃけちゃったのを見るとそういうのがよくわかる。 肝心の内容だが、前半はいい。中盤は普通のサイコサスペンスじみてきて少しテンションは下がる。ラストのほうはひどいっていうか、ちょっとありえないでしょうって感じ。しかし作品全体に色々な示唆を含んでいるのは事実なので、一読してみてもいいかも。 | ||||
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「深紅」の映画化で野沢尚さんを知り、何となくで購入しましたが、3時間で読み切ってしまいました。読みながら、映像が浮かんでくるさすが脚本家という作品でした。 | ||||
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映像は視聴者にきっかけを与えるだけ。見てどう判断するのかは視聴者しだい。だがそれは作り手側の詭弁にすぎない。一人の男が容疑者扱いされる。その中では容疑者と断定していなくても、見ている側にはそうとしか思われないように作られた映像・・・。映像が一人の人間を破滅させるさまはぞっとするほど恐ろしい。だが瑤子を支えてくれるはずの映像は、今度は彼女自身に牙をむく。追い詰める側から追い詰められる側へ。そして行き着く先は・・・?最初から最後まで続く緊迫感は、読み手を作品の中へと引きずり込む。一気読みだった。 | ||||
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しばらく海外に在住していたため、野沢尚氏の死はつい最近まで知らなかった。本作は、サスペンス、ミステリーとしてはプロットに荒さ、都合の良さが時折見られるが、この『映像喚起力』とでも言うべき筆力には脱帽する。本当に惜しい人をなくしたとの思いを強くした。 | ||||
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