深紅
- 吉川英治文学新人賞受賞 (10)
- 映画化 (231)
- 犯罪被害者 (23)
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これは昔あった「練馬区一家5人殺人事件」をテーマにしていると思う。「ある男性が仕事で自分を騙した男性の一家を皆殺しにするが、その日に学校で修学旅行(林間学校か何かだろうか)に行っていた娘だけは家におらず、事件にまきこまれなかった」というもので、この本も事件もその点が一致する。さらに言えば、殺害された一家、というより、「事件のきっかけを作った被害者男性(父親)には欠片ほどの同情もできない」点も一致した(主観ですが)。事件の方は、犯人の死刑は執行されてしまい、事件自体も1983年なので、随分昔のものになった。(自分は世代的に分からないからネットでひたすら調べた) ネタバレみたいなことは書きたくないが、この本は読み始めたら夢中になるとともに、野沢尚さんの犯人や生き残った女児、犯人の娘に対する暖かい眼差しを感じる作品だった。野沢さんのこの手の作品だと『眠れる森』思い浮かべる人が多いと思うけど、『眠れる森』より歪んでいない犯人の心理が痛いほど分かるし、追い込まれた人間の苦しさに寄り添う野沢さんが素晴らしかった。 恐らく、『眠れる森』でさえ、あんなに大ヒットしても再放送すら難しかったから、この作品も映像化は難しい。世の中、凶悪な犯罪が起こりすぎて、殺伐としているように見えても、事件が起こる背景には、人間らしい感情の行き違いや葛藤や、死ぬような苦しさがあるのは、いつの時代も変わらない。 今は素晴らしい作品を残してくれた野沢尚さんの新しい作品にもう出会えないことだけが、何より悲しい。 | ||||
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紙本で読んだが、キンドル版が欲しい。著者の他作品もまとめkindle化してもらえるとうれしい。 | ||||
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12歳の頃、両親と二人の幼い弟を父親の仕事仲間に皆殺しにされた奏子が、 20歳になった頃、加害者の一人娘である同じ年頃の未歩と出会うことで 紡がれる物語。 犯罪被害者の遺族と、犯罪加害者の遺族。 出会うべきではなかった二人が出会ったことで、どうなるか。 未歩の夫であるDV男の明良の存在も手伝い、 物語は思いもよらない展開を見せることになる。 家族を皆殺しにされた体験から心の中に蓄積され、 誰にも悟られないようにしまい続けてきたわだかまりを 「心の隠れ家の中に満たされた黒い液体」と表現したり、 自身の辛い境遇から他人に気を遣わせ、迷惑をかけることのないように 鈍麻させてきた自分の感情を「黒い芯」と表現したりなど、 奏子の心の裡を表現する描写の上手さ、的確さに感服しながら 夢中で読み進めてしまった。 事件を想起させる現象をきっかけに奏子に起こる 「四時間」の描写も圧巻の一言。 後半にかけて加速していく物語を読み切り、 ラストシーンのある一文にたどり着いて、 その意味するところ、象徴するところを 拙い感性ながらも読み解けた気がした時、 いい終わり方だ、と思えた。 自分とは違う誰かになって、違う世界を体験することが 小説の醍醐味の一つであるなら、この本はその目的を 十分に達成していると思う。読んで損はしない。 | ||||
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購入したのは数年前ですが、もう一度読みたくなる秀作。実話ベースだそうですが、とにかくストーリーが面白く、結構なページ数ですが途中で止められず一日で読んでしまいました。 | ||||
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明示はされていないが、1983年に起きた練馬一家5人殺害事件をモデルとしたストーリー。描かれる事件のプロットは、多少の作り変えはあるがおおむね実際の事件の経緯に忠実で、著者の筆力とも相まって導入部からぐいぐいと引き込まれる。 ただ、展開としては後半がやや尻つぼみの印象。エンディングは事件のインパクトにふさわしいもっと破滅的なものを期待していたが、この辺はやや不満を感じる。 全体的にはかなり面白く読める一冊で、興味のある方へはおすすめ。 | ||||
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