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深紅



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【この小説が収録されている参考書籍】
深紅
深紅 (講談社文庫)

深紅の評価: 3.93/5点 レビュー 59件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.93pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全59件 1~20 1/3ページ
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No.59:
(5pt)

犯罪者に暖かく寄り添う

これは昔あった「練馬区一家5人殺人事件」をテーマにしていると思う。「ある男性が仕事で自分を騙した男性の一家を皆殺しにするが、その日に学校で修学旅行(林間学校か何かだろうか)に行っていた娘だけは家におらず、事件にまきこまれなかった」というもので、この本も事件もその点が一致する。さらに言えば、殺害された一家、というより、「事件のきっかけを作った被害者男性(父親)には欠片ほどの同情もできない」点も一致した(主観ですが)。事件の方は、犯人の死刑は執行されてしまい、事件自体も1983年なので、随分昔のものになった。(自分は世代的に分からないからネットでひたすら調べた)

ネタバレみたいなことは書きたくないが、この本は読み始めたら夢中になるとともに、野沢尚さんの犯人や生き残った女児、犯人の娘に対する暖かい眼差しを感じる作品だった。野沢さんのこの手の作品だと『眠れる森』思い浮かべる人が多いと思うけど、『眠れる森』より歪んでいない犯人の心理が痛いほど分かるし、追い込まれた人間の苦しさに寄り添う野沢さんが素晴らしかった。

恐らく、『眠れる森』でさえ、あんなに大ヒットしても再放送すら難しかったから、この作品も映像化は難しい。世の中、凶悪な犯罪が起こりすぎて、殺伐としているように見えても、事件が起こる背景には、人間らしい感情の行き違いや葛藤や、死ぬような苦しさがあるのは、いつの時代も変わらない。

今は素晴らしい作品を残してくれた野沢尚さんの新しい作品にもう出会えないことだけが、何より悲しい。
深紅Amazon書評・レビュー:深紅より
4062102854
No.58:
(5pt)

kindle版欲しい

紙本で読んだが、キンドル版が欲しい。著者の他作品もまとめkindle化してもらえるとうれしい。
深紅Amazon書評・レビュー:深紅より
4062102854
No.57:
(5pt)

会ってはならなかった二人。

12歳の頃、両親と二人の幼い弟を父親の仕事仲間に皆殺しにされた奏子が、
20歳になった頃、加害者の一人娘である同じ年頃の未歩と出会うことで
紡がれる物語。

犯罪被害者の遺族と、犯罪加害者の遺族。
出会うべきではなかった二人が出会ったことで、どうなるか。
未歩の夫であるDV男の明良の存在も手伝い、
物語は思いもよらない展開を見せることになる。

家族を皆殺しにされた体験から心の中に蓄積され、
誰にも悟られないようにしまい続けてきたわだかまりを
「心の隠れ家の中に満たされた黒い液体」と表現したり、
自身の辛い境遇から他人に気を遣わせ、迷惑をかけることのないように
鈍麻させてきた自分の感情を「黒い芯」と表現したりなど、
奏子の心の裡を表現する描写の上手さ、的確さに感服しながら
夢中で読み進めてしまった。
事件を想起させる現象をきっかけに奏子に起こる
「四時間」の描写も圧巻の一言。

後半にかけて加速していく物語を読み切り、
ラストシーンのある一文にたどり着いて、
その意味するところ、象徴するところを
拙い感性ながらも読み解けた気がした時、
いい終わり方だ、と思えた。

自分とは違う誰かになって、違う世界を体験することが
小説の醍醐味の一つであるなら、この本はその目的を
十分に達成していると思う。読んで損はしない。
深紅Amazon書評・レビュー:深紅より
4062102854
No.56:
(5pt)

久々にどハマりした秀作!

購入したのは数年前ですが、もう一度読みたくなる秀作。実話ベースだそうですが、とにかくストーリーが面白く、結構なページ数ですが途中で止められず一日で読んでしまいました。
深紅Amazon書評・レビュー:深紅より
4062102854
No.55:
(4pt)

エンディングは評価微妙なるも…

明示はされていないが、1983年に起きた練馬一家5人殺害事件をモデルとしたストーリー。描かれる事件のプロットは、多少の作り変えはあるがおおむね実際の事件の経緯に忠実で、著者の筆力とも相まって導入部からぐいぐいと引き込まれる。

ただ、展開としては後半がやや尻つぼみの印象。エンディングは事件のインパクトにふさわしいもっと破滅的なものを期待していたが、この辺はやや不満を感じる。
全体的にはかなり面白く読める一冊で、興味のある方へはおすすめ。
深紅Amazon書評・レビュー:深紅より
4062102854
No.54:
(4pt)

深紅

父と母、幼い2人の弟の遺体は顔を砕かれていた。秋葉家を襲った一家惨殺事件。修学旅行でひとり生き残った奏子は、癒しがたい傷を負ったまま大学生に成長する。父に恨みを抱きハンマーを振るった加害者にも同じ年の娘がいたことを知る。正体を隠し、奏子は彼女に会うが!?吉川英治文学新人賞受賞の衝撃作。
深紅Amazon書評・レビュー:深紅より
4062102854
No.53:
(5pt)

Very nice

Very nice
深紅Amazon書評・レビュー:深紅より
4062102854
No.52:
(5pt)

底なし沼(いい意味で)

【ネタバレ無し】
とても技法の豊かな作品です。
お勧めしますが、読みだしたら抜け出せません。
深紅Amazon書評・レビュー:深紅より
4062102854
No.51:
(4pt)

殺人の狂気は遺伝するのか?

小学6年生の時に、自分をのぞいて、父、母、弟2人が、惨殺される事件。
そのころされたシーンが、真っ赤な血の海で、迫力ある文章。
さすが、テレビドラマの脚本を書いて人だ。
その犯人にも、小学6年生の女の子がいて、20歳になったときに、あおうとする。
殺人の狂気は、遺伝するのか?

被害者である自分の心理が、加害者の娘の言葉で跳ね返る。
そのゆれ動く心が、微妙にせつないおもい。

最後の結末が、予想外だった。
しかし、ほぉ とした。なにか、人間っていいね。
野沢尚は、人間が好きなんだなぁ。
深紅Amazon書評・レビュー:深紅より
4062102854
No.50:
(4pt)

忘れられない作品

5人家族の内4人が顔をハンマーで砕かれ殺害される事件を基点に描かれる作品。
物語の前半は一家で1人難を逃れた小学生の長女秋葉奏子の視点と裁判長に宛てた上申書という形での犯人の視点で事件を描くのだが、これが息を飲む怒涛の展開で読者に読むことを辞めさせない迫力がある。
後半は心に傷を抱えながらも大学生になった奏子が事件の加害者の娘、未歩に近づいていく展開となっている。だが、前半部分とはまるでテンポや描き方が違う。後半で失速したとの声が出るのもわかるが、私はこの後半にこそ心掴まれた。前半とは別の作品だと割り切ってでも最後まで読んでほしいものである。
主人公、奏子の事件後の8年間や未歩と出会ってからの心理描写に引き込まれ、様々に感情を揺さぶられる苦しくも愛おしくもある傑作だ。
深紅Amazon書評・レビュー:深紅より
4062102854
No.49:
(4pt)

自分の家族を殺した犯人の家族に対して、どうすべきか。

野沢氏の本は、こちらの気力が充実していないと、とてもじゃないが読み続けられない、そんな重さがある。

自分を除く家族全員がある犯人に殺され、一人だけ生き残った主人公。
月日がたち、とあることから犯人に自分と同い年の娘がいることを知る。
その娘の所在を突き止めた主人公は、復讐を決意する。

こちらの感情お構いなしに話が進み、何か危険な方向へヒタヒタと近づいていく。
先を読むのが躊躇われ、結末を知りたくないと思いつつも、どうなるのかも気になる。
限りなく可能性のない話ではあるものの、もし当事者となったら、非常にリアルなテーマだけにとても考えさせられる。
被害者の家族と加害者の家族、特に後者について我々はどう向き合うべきか考えさせられた。
深紅Amazon書評・レビュー:深紅より
4062102854
No.48:
(5pt)

凄い小説です

自宅で両親と弟二人が殺されますが、修学旅行で不在だったため一人生き残った小学6年の秋葉奏子さんは、20歳になり、名前を偽って、加害者の娘で同い年の都築未歩さんに会います。一家惨殺に至る経緯、奏子さんの葛藤、未歩さんへの恨みと友情が綴られた物語です。
中ほどまで緊張感あふれる展開が続き、まさに文字通り一気に読みました。これはスゴイと、思わず独り言ちつつ。
一家4人を撲殺した都築の精神は病んでいますが、奏子さんの殺された父親は、確かに、そのトリガーを引いてしまうかもしれないと思える酷い人間です。その経緯も、幼い弟二人がついでのように殺された不条理も合わせて、奏子さんの中で揺れながら吐き出すことのできない心理描写が印象的です。平静を装う仮面の下で、恨みも怒りも悲しみも諦めもみな綯い交ぜになって、あふれそうになっている感情がリアルです。
終盤になっても終わり方が見えず、読み手を休ませない話術は素晴らしいと思いました。
ですが、奏子さんと未歩さんの作った犯行計画は、複雑な割に説得力が無く、この二人だから杜撰さがリアリティなのよということかもしれませんが、シンプルに面白くありません。奏子さんの恋人の渡辺拓巳くんが彼女を思う気持ちは随分強いように書かれていますが、それにしてはどうだろうか?と思う行動もありますし、全部納得ではありませんが、最近読んだ中では一番だと思いました。
深紅Amazon書評・レビュー:深紅より
4062102854
No.47:
(3pt)

前半のつかみは最高

第一章、第二章でこれからどうなるのか非常にひきつけられそのまま最後まで読むことができた。いろいろと釈然としないところもあったがそれなりに楽しめた。
深紅Amazon書評・レビュー:深紅より
4062102854
No.46:
(4pt)

自殺の原因が…

この本を読み、この後に書かれた本を読んでいると、自殺の原因が分かるような気がしてきます。

『深紅』は、かなり高い評価を得た作品ではないでしょうか。
前半は、特にワクワクさせられます。
後半は、失速する感じなので、そこが惜しいです。
深紅Amazon書評・レビュー:深紅より
4062102854
No.45:
(5pt)

救いようのない暗闇に、光を当てる温かなまなざし

犯罪被害者と加害者をテーマにしたものに興味があり読んでみた。
かつて家族を皆殺しにされ、自分だけ生き残った女の子と同じ年齢の加害者の娘の物語。
これまたテーマが激重い。序盤の事件が起こるところの緊迫感がすさまじい。
読んでる間中常時、眉間に皺がよってしまうほど。
とみせかけて読者の感情移入を、そっくりそのままひっくり返す第2章。
この構成力はたいしたもの。

著者はドラマの脚本家としての名前は知っていたが、生粋の小説家好きとしてはそれだけで敬遠していた。
しかし、構成力と人物描写どれをとっても一流の小説家だった。
ラストに向かう部分は少し浅はかな展開かなとも思ったけれど、
救いのない、救いなど入る隙間もないようなところにも、なんとか光をあてようとする著者の温かな意志が伝わってきて感動した。
そう考えると、とても自殺でなくなってしまうような人ではないと思うが残念。他の本も読みたくなった。
深紅Amazon書評・レビュー:深紅より
4062102854
No.44:
(5pt)

素晴らしい心理描写

どちらかと言うと脚本家として有名だった野沢尚の作品を読むのはこれが初めてだが、非常に筆力のある作家だ。一家惨殺の
残された唯一の娘とその犯人の娘、お互い消えぬ心の闇をこの作家はきちっと描いていく。特に被害者の娘である泰子はまさに
家族が殺されたときに修学旅行の最中、4時間かけて現場にかけつけるが、この4時間がこの後も彼女のトラウマとして残っていく。
彼女は一種の復讐の意味から犯人の娘である未歩に近づく。彼女の夫の殺害を示唆するも、やがて二人は心が通じ合っていく。
そういう予想もしない展開に泰子は戸惑い、やがて未歩から離れていく。やっと彼女もそういったトラウマから逃れることが出来る
かも知れない。深い闇の中でやっと落ち着いた自分を見つけ出そうとする二人。二人は別れるがきっとどこかでまた交わるかも
知れないと言う余韻を残して作品は終わる。これは決してミステリーや他のジャンルで片付けられる作品ではない。犯罪の被害者の
遺族の心境をここまで描ききることの難しさ。なかなか面白い作品だった。
深紅Amazon書評・レビュー:深紅より
4062102854
No.43:
(3pt)

前半は面白い

前半は生活を破壊された加害者の娘との会合など面白いのだが、後半はややグダグダな作品
もう少し綺麗にまとめられなかったものか
それなりには楽しめるが、あまり期待しないほうがいい作品
深紅Amazon書評・レビュー:深紅より
4062102854
No.42:
(4pt)

印象に残るシーンが多い

主人公達が直接の加害者と被害者ではない部分に驚きです。
それと他のレビューで知ったのですが、著者が脚本家であったのは納得。印象に残るシーンが多く、良い意味で映像的に感じました。心理描写もくどくないギリギリの線で凝っているので、悶々とネガティブ思考を繰り返すような重苦しさはなかったですね。

ただ、切っ掛けとなる犯罪があまりに浮かばれないので、救いようのない悲惨な話が苦手な人は読まない方が良いかもしれません。それでも、その事件に間接的に関わりのある登場人物の心情や行動には読まされました。主要人物は二人の女性なのですが、悪い因縁を再び繰り返してしまうのか?と結構やきもきしながら考えさせられました。どちらも幸せになればいいなと思っていましたが、ハッピーエンドというほどでもなく、丸く収まります。

最後のシメは自分としてはうまい収め方だと思います。
自己投影の極地が最後の別れの場面であり、「吹っ切れる」ことに繋がるのでしょう。これも印象的でした。
深紅Amazon書評・レビュー:深紅より
4062102854
No.41:
(3pt)

最後に若干不満が残る

他のレビューの方々のおっしゃるとおりでした。しかし読後の印象はとても疲れる〜。三章以下の主人公の心理を順序付けて細かく描写していく構成には感嘆しましたが、「空白の30秒」の解明がなされていなかったのがとても心残りでした。またミステリーなら最後に逆転があってもいいかと期待しましたがそれもなかった。被害者の娘さんの心理はときどきすっきりしない。加害者の娘さんのキャラクターはちょっとどこかちがうんじゃないかと思った。作者の野沢尚さんはとても気まじめな方だと思った。もう少しユーモアがあれば、というか、いいかげんな性格ならご自身を追い詰めることもなかったんじゃないかと想像しました。読後感は苦しい。できたら、主人公の思考にもう少し別の要素、哲学的・宗教的なものとの精神的葛藤を入れてくれば救いも見出される小説になった気がします。とりあえず、最強に悪い奴は、被害者となった父親なのははっきりしている。
深紅Amazon書評・レビュー:深紅より
4062102854
No.40:
(1pt)

非常に単調でつまらない

ブックオフ等の書店で\100で購入するか、人から借りるなどして、
物凄く暇な時に10ページずつ飛ばし読みするには良い本だと思います。

小説として面白いのは前半部分のみで、それ以降は皆様が書かれている通り、
被害者の子、加害者の子、彼氏、友人、親族との日常を描いた非常に単調で
つまらないものです。

似たような文章が幾度も繰り返されており、それがたとえ人間の心情を強く
表現しようとしている書法だとしても技術的に巧くない。よって飽きやすい。

ノンフィクションならまだしも、フィクションでこれはいただけません。

個人的には「買って損した小説」に入ります。
(文庫本で買ったのがせめてもの救い)
深紅Amazon書評・レビュー:深紅より
4062102854

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