吉川英治文学新人賞

結城中佐の発案で陸軍内に極秘裏に設立されたスパイ養成学校“D機関”。「死ぬな、殺すな、とらわれるな」。

1000年後の日本。豊かな自然に抱かれた集落、神栖66町には純粋無垢な子どもたちの歓声が響く。

人生に敗れ、詐欺を生業として生きる中年二人組。ある日、彼らの生活に一人の少女が舞い込む。

高校ボクシング部を舞台に、天才的ボクシングセンスの鏑矢、進学コースの秀才・木樽という二人の少年を軸に交錯する友情、闘い、挫折、そして栄光。

帝政ロシア崩壊直後の、ウクライナ地方、ミハイロフカ。

江戸川乱歩賞史上に残る問題作。七年の構想を経て、いま復活。

「今から、俺たちの学年の生徒が一人、死ぬ。―自殺、するんだ」「誰が、自殺なんて」「それが―きちんと覚えてないんだ。

十一月七日水曜日。女子大生の藍は秋のその一日を何度も繰り返している。

走行中のトレーラーのタイヤが外れて歩行者の母子を直撃した。

「山の民」に置き去られた赤ん坊。

人類が衰退し、マシンが君臨する未来。食糧を盗んで逃げる途中、僕は美しい女性型アンドロイドと出会う。

竜崎伸也は、警察官僚である。現在は警察庁長官官房でマスコミ対策を担っている。

藤子・F・不二雄を「先生」と呼び、その作品を愛する父が失踪して5年。

高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。

佐和子の家族はちょっとヘン。父を辞めると宣言した父、家出中なのに料理を届けに来る母、元天才児の兄。

名古屋で地質会社を営む明石真人は、東海・東南海地震の連続発生を予測。

神奈川県警が劇場型捜査を展開した「バッドマン事件」から半年。 巻島史彦警視は、誘拐事件の捜査を任された。

闇に身を潜め続ける犯人。

愛しているから、私が、嘘をついた。

引っ越してきたアパートで出会ったのは、悪魔めいた印象の長身の青年。

その地に着いた時から、地獄が始まった―。1961年、日本政府の募集でブラジルに渡った衛藤。

思い描いていた未来をあきらめて赴任した高校で、驚いたことに“私”は文芸部の顧問になった。

不法滞在の外国人が暮らす木造アパートで放火!現場に出動した新米消防士・大山雄大は“水をかけると広がる炎”に疑念を持ち、独自の調査を開始する。

死の床にある父親から、僕は三十五年前に別れた元恋人を捜すように頼まれた。手がかりは若かりし頃の彼女の画。

１９４５年夏。敗け方を知らなかった日本。

死ぬ前にひとつ願いが叶うとしたら…。病院でバイトをする大学生の「僕」。

太古の森をいだく島へ―学生時代の同窓生だった男女四人は、俗世と隔絶された目的地を目指す。

父と母、幼い二人の弟の遺体は顔を砕かれていた。秋葉家を襲った一家惨殺事件。

女子高生・麻紀の父が経営する会社が破綻した―。

いつもあなたを見つける度に、ああ、あなたに会えて良かったと思うの。

洪敏成―記者でありスパイ。

不況にあえぐ鉄工所社長の川谷は、近隣との軋轢や、取引先の無理な頼みに頭を抱えていた。

櫛森秀一は、湘南の高校に通う十七歳。女手一つで家計を担う母と素直で明るい妹との三人暮らし。

「妖怪」はいずこより来るのか…。

在日米軍基地で発生した未曾有の惨事。