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孤独の歌声
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孤独の歌声の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.44pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全50件 41~50 3/3ページ
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犯人の孤独感、心理的な背景、そして犯行過程の描写が実になまななしく、その痛みが伝わってくる作品。 孤独と裏返しに痛いほどのゆがんだ家族愛が垣間見える作品。 秀作です。 | ||||
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登場人物をリレー走者に比喩するときは、圧倒的にアンカーが多いと思います。それまでの走者の思いをすべて請け負ってゴールに向かって疾走する・・・だけどこの作品は第一走者に比喩しています。そして劇中たびたび「第2走者」が登場し、第一走者である彼の人生にとって重要な役割を果していることを匂わせます。「お前は何も考えなくていい、バトンは必ず俺が受け取るから、お前はただ先頭で走ってくればいい」---バトンを受け取ることがない第一走者、そう、なんて孤独な役割なのでしょう。劇末での彼の言葉「ちくしょう、また渡すことしかできなかったじゃないか」-ひとは皆、例外なく孤独であり、だからこそひとりでは生きられない-そう感じさせる佳作でした。 | ||||
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主要登場人物たちは、それぞれ誰にも打ち明けられなかった過去を抱えていた。一人暮らしの女性たちを狙った連続監禁殺人遺棄事件に巻き込まれていく中で彼らは「過去」と対峙することになる。このあたりのプロットは処女作からしていかにも天童荒太らしい作り方である。読者は断片的に「過去」を知ることになり、「永遠の仔」(幻冬舎)同様、真相が気になって読書を中断することができなくなる。今回クローズアップされている問題は「孤独」。この言葉にはネガティブなイメージがつきまとうものの、本作では肯定的に扱っている。常に他者に関係性を求め続け、自分だけの世界、時間、秘密を犠牲にすることが果たして豊かな人生と言えるのだろうか? 読み終えたあといろいろと考えさせられるに違いない。 | ||||
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本作は「永遠の仔」「あふれた愛」のような癒やしを全面に押し出した大作ではなく、 ハードでスリリングなサスペンスタッチな作品。 しかしテーマは"家族のあり方" "心の傷" "ぬぐいきれない孤独"と同系のもので。 登場人物がそれぞれの立場、方法(善し悪しは別)は違えど、 それらをどう克服するか、どうやったら自分を救えるかともがきながら前へ進んでいく 意外にも前向きなストーリになっている。(猟奇事件犯人は除く) 軸になる事件が陰惨で残忍な描写が多いせいでホラーな印象が強く残りつつも、 ラストには、ホッと一安心できるような爽快感が待っていたりする。 この作品での「孤独」とは、主に都会に生きる女性のそれに焦点が当てられている。 著者は女性かと思われるほど故郷から上京し一人暮らしする女性の心理にリンクしている。 それだけに「自分がいなくなったら絶対捜して」と女刑事に頼んでいた女子大生が 救出され言った「ありがとう約束守ってくれて」という一言にはホロッとさせられた。 | ||||
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コンビニでバイトをしながらシンガーソングライターを目指す潤平。連続猟奇殺人犯の犯人。その犯人を追う女刑事の風希。この三人の間を視点が移動してストーリーが展開していく。この手法は、まだるっこく感じると同時に、他の二人からはどう見えているのかが気になり、思わず先を読んでしまう効果を生んでいる。ミステリーやサスペンスとしての質が低い訳ではないが、孤独な潤平と風希が心ふれあい、理解し合っていく過程を楽しむべき作品だと思う。 | ||||
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天童さんの作品はいつもどれも切なすぎて痛いです。だけど本当に優しさが溢れていて大好きです。読み終わった後は何とも言えない感情に包まれ暫くの間ボーっとしてしまいます。この“孤独の歌声”は三人三様の「孤独」を通して見えてくる人と人との関係や距離を考えさせられる作品でした。犯人の異常さには共感をおぼえる筈も無いのだけれど、その犯人も被害者でやっぱり悲しく泣いてしまう。子供の頃に自分自身を親から奪われ、大人になっても確立出来ていない犯人。悲しかった。 | ||||
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天童作品はどれも優し過ぎる。そしてその優しさは悲しみと弱さによって支えられている。弱く脆い人の心。どんな人でも罪を背負って生きてる、きっと生きていれば皆そうじゃないかな。だから松田(犯人)、風希、潤平も同じに見えるのだろう。ただ犯人と二人の違いは、自分の罪に気づき悲しくも辛くも抱えられているかということなんだろう。この作品以外でも天童作品には悪人は誰一人いないと思う。犯人=悪人ではなく、犯人=自分自身の存在を認め他者を受け入れられずに自爆してしまう人 だと思う。そして、善人なんてものは存在しないと思います。 | ||||
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あまりに面白くて一気に読みました。女刑事の風希、歌手を目指してる潤平、そしてキレまくりの連続殺人犯人。それぞれ立場は違うが、3人の根底に流れているのは「孤独」。このあたりが、天童荒太ならではの作風なのでしょうが、ただのミステリーではなく、切ない物語です。ミステリーは、一回読めば謎がとけ、二回は読まないものですが、これはもう一度読みたくなります。 | ||||
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読み始めてすぐに頭の中に映像が浮かんできました。ドラマを見ているようであっという間に読了。多分誰もが抱えているだろう心の「孤独」にすごく共感しました。闇に陥った孤独、陥りそうな孤独、それぞれの登場人物の心理描写もすごく描ききれていると思います。 | ||||
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最終章までは完全におどろおどろしい感じを保っている。そのため、最終章で謎が解けた時も、“ハッピーエンド全開”という雰囲気はしない。しかし、明るい感じはするのだ。最後の最後で、ホッとできる、ようやく。。。 かといって、決して重くて読みにくいのではない。3人の主人公の視点が、前触れもなくリズミカルに切り替わる。それぞれの孤独ワールドに切り替わる度に読者は付いていかなければならず、結構たいへんなのである。たいへんでも付いていきたいので必死にページを追う。。。 誰でも持ち合わせていると思われる、自分の“他人に知られたくない自分”部分。そこを見事に表現した本作は、誰もが同感、そして同様の気持ちを持ち合わせていることに衝撃を覚える。本当は認めたくない部分だから衝撃が痛いのだ。そう感じるのは私だけではないはず。おそらく人間誰もが。。。 | ||||
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