悪魔の百唇譜
評判
悪魔の百唇譜の評価:
3.15/5点 レビュー 13件。 D ランク
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全34件 1〜20 1/2ページ
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悪魔の百唇譜の評価:
3.15/5点 レビュー 13件。 D ランク
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小説の詳細ページを閲覧すると、ここに履歴が表示されます。最近閲覧した小説詳細ページへ簡単に戻る事が出来ます。
後期の定番になってきた「警察もの」の一冊。
東京を舞台にした事件では、捜査を指揮する等々力警部が耕助を引っ張り込む展開がままある。それだけ聞くと、映画やドラマで描かれる等々力(若しくは彼に類する日和警部)のイメージから、さぞ傲慢でがさつなのだろうと想像しがちだが、原作シリーズを読んでいくと、そういったイメージとは随分違うことに気がつく。
休みを合わせて海水浴場で待ち合せたり(しかも何度もw)、緑ヶ丘荘の耕助のフラットで一緒に風呂に入ったりと、現代の間抜けなご時世ではあらぬ妄想を喚起することも可能だがw、時に耕助の懐具合にまで気を回して幾許かを融通したり、かなり仲の良い友人――というか、面倒見の良い兄のような雰囲気である。
金田一耕助は、捜査も終盤になって犯人の目途がついてくると、メランコリックになって時に自己嫌悪まで抱えるようになるという設定は、映画やドラマでは(わたしの知る限りでは)ついぞ描かれない点で、一方原作小説では何度も言及されてきたが、本書ではその耕助の癖を慮って、そういう孤独感を追い払って彼を活き活きさせるために、半ば無理やりにでも事件に巻き込むのだとまで描写されている。兄心であるw
ついでながら、服装以外はむしろ西洋化されている耕助の朝食はこれまでも何度か描写されていたが、本書ではなぜか箇条書きで強調されている。曰く、
・真っ黒焦げのトースト二枚。
・みごとに煮えかたまった卵二個。
・アスパラガスのかんづめ半分。
・牛乳一本。
『獄門島』や『犬神家の一族』とはジャンルが違うということだけは銘記しておかねばならないが、かなり複雑な構造の事件を少しずつ解明してゆく秀逸な展開が楽しめる。
ただし金田一耕助ものの代表作のひとつに選ぶかと云われればまた別の話。
事件がほぼ解明された時点で、彼は結局メランコリックに襲われて逸早く退場wし、犯人確保には立ち会わなかったというのもあるが、徐々に追い詰められていく犯人側の焦燥がまるで描かれないことや、このなかなかのパワーワードだった「百唇譜」が、結局は強請りのネタに過ぎず、しかもそれとセットとは言え、強請りネタ本体は恥ずかしい写真なのだから、強いて言えば「百唇譜」がなくても話は成立してしまう。
このあたりは、そのパワーワードを作った変質者が、本作の開始時点ですでに故人というのもあるだろうが、個人的にはマイナスポイントだった。