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半落ち
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半落ちの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.74pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全344件 101~120 6/18ページ
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警察官が妻を殺害。自首するものの犯行から2日間の空白が…。 その2日間については語らず「完落ち」ではなく「半落ち」。 2日間の空白の謎を追い続け、最後に理由が明らかになります。 このオチに素直に共感できる人は絶賛するでしょうし、 共感できない人は中途半端に感じるのでしょう。 私はどちらかというと後者でした。 作者ならではの重厚な描写、6人の登場人物の視点を変えながらの構成など 読み始めると止められない魅力があったので、 最後の最後で、少し釈然としないというか、 犯人である警察官の行動に共感しきれませんでした。 | ||||
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クライマーズ・ハイに続いて、横山さんの2冊目として読ませていただきました。 映画を先に見たことがあったので、内容はわかっていましたが、 感動でした。 また、ラストがとてもいい。 40歳手前のオジサンだからなのでしょうか。 人生の浮き沈みを知ってきた年齢になってきているからなのでしょうか。 男たちの熱い思いが、 そして、生きるということが 重く響いてくる作品だと思います。 | ||||
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登場人物像や構成は緻密で引き込まれる。 そして、最後まで一気に読みきらせる面白さもある。 だが、「落としの志木」や「カミソリ」などの古臭い表現方法には少々違和感を感じた。 とうに使い古された言い回しなので、もう少しなんとかして欲しかった。 登場人物像は緻密と評したけれども、警察官僚の面々や、中軸人物である梶の設定には違和感が残る。 まず、梶の人物像が綺麗すぎる。 目が澄んでいると連呼されてはいるが、そのバックボーンが描かれきれていないので、まるで梶だけがおとぎ話の主人公のようで現実感が無い。 そして、警察官僚 保守的な姿勢はあるにせよ、あんなに馬鹿ではないだろう。 梶が歌舞伎町に向かった事実をもみ消したいのなら、リスク管理として歌舞伎町での行動を一通り調べなければ隠蔽のしようも無い。それぐらいは頭が働くはずだ。 いくら悪役としてのポジションであるとはいえ、あそこまでヒステリックに描かれると小悪党にしか見えず味が無い。 全体的には良作だと感じただけに、あげつらねた細かい部分の描写が非常に残念だった。 | ||||
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警察・検察・司法・刑務所それぞれの組織の物語であると同時に、白血病で息子を亡くし、アルツハイマーの妻を手にかけた梶という男の個人の物語でもあるなぁと思う。 オムニバス形式で出てくる各話の主人公の中で、志木(警察官)、佐瀬(検事)、藤林(裁判官)、古賀(刑務官)はそれぞれの組織の論理に縛られながらも、梶を厳しくかつ優しく見つめている気がする。 あらためて、作品のオチについて、直木賞の選考時についたあやは特に気になりませんでした。 空白の2日間の謎についてひっぱり過ぎな気はするものの、作品としては綺麗にまとまっている気がします。 | ||||
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ミステリとして読むか人間ドラマとして読むか、賛否両論にはどちらも納得がゆく。 個人的には、ミステリも人間ドラマも楽しめるのでかなり高評価だが、組織の汚点を残したまま人間ドラマとして決着してしまったのは、ミステリ好きには物足りなさを感じる。それでも、ミステリを基軸としながら、各章の登場人物の背景や視点は間違いなくドラマだろうと思う。 その点で言うなら、ミステリにありがちな大げさな種明かしで決着してしまうより良かったのかもしれない。 実際、志木にしろ佐瀬にしろ、洞察力と行動力の高い「できる」人間として描かれるが、その洞察力は「理性」だけでなく、どちらかと言えば「内面」への高さが際立っている(この辺りも非常に楽しく読めた)。 その登場人物達が「肩入れ」する流れで、このオチは出来過ぎだと言えるほど良かったのではないだろうか。犯人役である梶は、登場人物たちの期待通り、優しく温情深い男だったのだ。黙秘の心理も良く分かる。 ああ、そう言う事だったのか――。と思った時、自分も涙が出た。 目立った派手さは無いが、人情とミステリが絡み、期待通りの人物像に接した時に大きなカタルシスを得られた。読後感は非常に良い。 ただ、ミステリを期待して「人の揺れ」を読み飛ばせばつまらんだろうと思う。頭脳戦は読み応えたっぷりだと思うが……。 | ||||
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残念なのは、例の直木賞に関わる一件で、大まか「空白の二日間」についての謎が、読む前から謎ではなかったこと。 人情話としての落としどころも良いと思いましたし、複数視点から同じ事件を見つめる構成は好きでした。 | ||||
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警察官が妻を殺し、自首するまでの空白の2日間の謎を、刑事→検事→新聞記者→弁護士→裁判官→刑務官と それぞれ全く異なる立場の者たちが一様に空白の2日間に疑問を持ち、思惑やハプニングがありながらも 真相に迫っていく物語の構成はテンポも良く、一気に読み進めることができた。 そして、いよいよ真相が明かされるとき。 その結末は、正直なところ、あまりにキレイ過ぎるかなーという印象である。 結末を予測できたかといえば不可能だが、犯人のイメージどおりであり、驚きもなければ、感心もしない。 やもするとさらっと読み飛ばしてしまいそうな印象すらある終わり方であり、ここまでの流れを考えれば もったいないと感じる結末だと感じた。 | ||||
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一言で言うと「浅い」です。1日で一気に読んでしまいました。 しかし、なんと言うのか、「はじめにオチありき」といった感じで、 あとから肉付けして膨らませましたといったような、ただそれだけの話です。 様々な人物が次々と語っていく形式で、飽きさせないうまさはありますが、 さんざんひっぱっておいたあげく、オチにたどりついてガッカリさせられます。 単なる美談で終わってしまってます。 人間の深い部分や、本質的なものがまったく描けていません。 まあ、初めからそのつもりで読めば、時間つぶし程度にはなると思います。 | ||||
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難しかった。日本中が震えた……とこの言葉で期待してガッカリ。メインの謎の2日間は徐々にに解決していく物ではなく最後まで一切わからない。その分期待感が高まり、読み進めやすかったのですが、最後まで引っ張った割に…… ただ人間味は凄くよかった。でも友達に「これ貸すよ」とは薦められないですね。 | ||||
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横山秀夫の作品を全て読んだ読者であれば、本作を横山の最高傑作であるとは言わないだろう。横山作品の真髄は短篇にこそあり、長篇もむろん面白いものの、横山の代表作として選ぶのはやはりはばかられる。まして本作は横山の全長篇の中でも少々感傷的に過ぎ、あまり出来がいいとは個人的には思えない(とはいえそれは他の作品の水準があまりにも高すぎるためだが)。オムニバス形式は短篇を得意とする横山の苦肉の策と取れなくもないし、現職警察官が自首直前の空白の二日間にどこで何をしていたかという問題だけで、あれほどの大騒ぎが起こるとも思えない。 にもかかわらず、本作はおそらく横山作品の中で最も知名度が高い。映画の興行的成功も寄与しているのだろうが、やはり直木賞落選時のゴタゴタが、よくもあしくも本作の名前を読者の記憶に刻み込んでいるのだろう。しかし本作を横山の代表作と誤解し、これ以外を読まずに横山秀夫を評価する読者がいるとしたら勿体無い話である。 本作に対する評価がもとで横山は直木賞と決別し、その後は候補に挙がることさえなくなった。むろん横山秀夫ほどの大作家であれば、直木賞などという看板は必要ないであろう。横山作品の価値は読者が一番よく分かっている。しかし必要ないとはいえ、看板がないのも少しさみしいような気がする。横山側のみならず直木賞側にとってもそれは同じではないだろうか。 小説とはフィクションであり嘘なのだから、その評価に感情が絡んでしまうのは、やむをえないとはいえ少し滑稽なような気もする。しかし最後に残るのは賞ではなくて作品であり言葉である。直木賞落選は本作の価値をいささかも損なうものではない。横山作品の到達点ではなくして通過点に過ぎないことを改めて強調しておきたい。 | ||||
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小説を読んだ後、テレビに放映された映画版も観ました。 まず小説の感想・・・ 小説のほうは、主に事件を通して組織のゆがみが描かれていたように思われます。 例えば調書を捏造したり、自分がした不祥事を隠していたりと、 普段これといった事件がない限り、我々にあまり知られないことがけっこう描かれていました。 一方で映画版では、妻を殺してしまった男の悲哀が表現されていたように思います。 嘱託殺人を通して、人の命とは何なのか、ということが考えさせられます。 どちらも秀作だと思います。 小説は登場人物の息づかいまで聞こえてきそうなほどの表現でしたし、 映画だとBGMがいいし、役者も最高でした。 | ||||
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現職警察官・梶聡一郎がアルツハイマー病に苦しむ妻を苦悩の末に扼殺し、2日後に自首する。この2日間に何をやっていたのかを明らかにしようとしない梶を巡り、警察、検察、マスコミそれぞれの思惑と駆け引きが交錯する。 物語の大半はこの空白時間の謎にのみ焦点が絞られて進行する為、いやが応にも真相解明への期待が高まるものの、最後の最後まで引っ張った『真相』は、(どんな理由があろうと)妻の「命」を奪った人物の心理とは相容れない内容であるように思う。 | ||||
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捜査の過程はすごく面白かったのですが・・・ 面白かった分、肩すかしをくらったというか、 え?それがオチ?というような終わり方でした。 同じ横山秀夫さんの「クラマーズハイ」の方が 臨場感があり、個人的には断然お薦めです。 | ||||
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映画の予告を見て、本を読んでみたい! と思い、読みました。 検事、刑事、新聞記者…。と、 語り手がどんどん変わって行くので、 ドキドキしたまま、ぐんぐん読めました。 もちろんオチが気になって読み進んでいくのですが、 組織の中で働く男たちのドラマが なんとも良い感じです。哀愁です。 サラリーマン生活12年目の自分としても 共感できるところがたくさんありました。 読後感も、じーんと美しく、良い気持ち。 会社で読み終えたので、オフィスでじんわり泣いてしまいました。 映画の配役も気になります〜♪ | ||||
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とても面白く読めました。推理小説と知らずに呼んだのですが(もともと推理小説は好んで読まないので)、トリックのオンパレード的なわざとらしさは皆無で、登場人物に自然と感情移入出来ました。刑事や検事の役職などの詳しいことは分かりませんが、人物像が生き生きと描かれていてそれぞれの人となりを十分に感じられると思います。2日間の謎は薄々気付きますが、推理小説の枠は飛び越えた作品ではないかと思います。一つの事件で明かされない・語られない奥に、真実やドラマが幾つもあるのかもしれない。映画も観てみたくなりました。 | ||||
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この本の最大のテーマは「空白の二日間」である。 この二日間の背後には、保身的な警察構図、警察・検察間の争い、マスコミの内部格差、介護問題etc… 複雑多様な問題を孕んでいた。 率直にいうと、こんなに小見出し盛り沢山だったのであまり印象に残らなかったです。 これはノンフィクションじゃなくて良かったなっていうくらいの感想で、 具体的な名場面が思い浮かばないです。 例えて言うなら、幕の内弁当を食べた感じです。 無難に美味しいけど、うな重のような魅力に欠ける(笑)。 可もなく不可もなかったので☆3つで。 | ||||
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読んでる途中でオチがみえちゃいました。期待していただけにしらけてしまいました。 | ||||
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刑事、検事、マスコミ、裁判官、刑務官。 さまざまな視点から主人公を見つめる。 オチはイマイチだと思ったが、物語としては面白い。 あなたは誰のために生きていますか? | ||||
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現職警察官の梶がアルツハイマーの妻を殺害、自首してきた。 事件に関わった県警の志木、検事の佐瀬、記者の中尾、弁護士の植村、 裁判官の藤林、そして刑務官の古賀を通して梶が殺害から自首するまでの 空白の2日間の謎を解明していく。 文章もさくさくと読みやすく、梶の事件に関わった人間達のそれぞれの境遇や 背負っている問題を背景にバトンを渡すようにストーリーが進行するのが面白かった。 最後の志木から古賀への申し入れは「賭け」というかやや強引な展開であったが、 みんなが梶に対して思う「願い」が叶うと信じられるラストになっている。 | ||||
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私は、横山秀雄を読むのは初めてなのだが、この人は、本当に筆力の高い作家だと思う。ミステリにおいて、「犯人はわかっている」、「動機もわかっている」というのでは、読者の興味も半減し、通常は、ミステリとして成立しないものだと思うのだが、事件後、犯人が自首するまでの空白の二日間という、いわば、「事件の余禄」に過ぎない謎だけで、読者を最後までぐいぐいと引っ張っていき、一気に読ませてしまうこの人の筆力には、素直に「凄い!」と絶賛するしかない。 この物語は、警視の志木、検事の佐瀬、新聞記者の中尾、弁護士の植村、裁判官の藤林、刑務官の古賀へと順々にバトンが渡され、空白の二日間の謎を解明しようとする過程が描かれていくのだが、作者は、それだけにとどまらず、そうした過程に、彼らそれぞれが引きずる人生を重ね合わせて描いている。さらに、綿密な取材をしたことを窺わせるそれぞれの組織の内幕や、それらの間の力関係・協力関係・取り引き関係も空白の二日間の謎の解明に絡ませて、物語に一層の深み・厚みをもたらしている。このあたりの絶妙なさじ加減で、読者をぐいぐいと引っ張っていき、一気に読ませてしまうこの人の力量は、相当なものだと思う。ラストも、読む者を、思わず「上手いなぁ」と唸らせるだけの感動的筆致で締めている。 ところで、この作品の直木賞選考にまつわる騒ぎについては、私は、この作品の読了後に初めて知ったのだが、北方謙三氏の問題提起はともかく、林真理子氏の「落ちに欠陥がある」うんぬんの批判は、どうかと思う。インターネットで検索すると、後に、その批判を否定する事実も明らかにされたようだが、そもそも、ノンフィクションならいざ知らず、フィクションを前提とした小説でそんな批判をして、作品の価値を論じようとすること自体が全くのお門違いであり、この作品の真価は、そんな批判で、いささかも揺らぐことはないと思う。 | ||||
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