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大暗室
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【この小説が収録されている参考書籍】
大暗室の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.43pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全14件 1~14 1/1ページ
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推理小説は、ハラハラドキドキして正月休みも、本の虫となるものです。 | ||||
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『大暗室』は、乱歩の小説では最長となる1年7カ月にわたって雑誌に連載された。それだけにけっこう長い作品なのだが、乱歩らしい平易な文体で苦もなくスラスラと読める。 が、特に「話が面白い」というわけでもない。世代をまたいで復讐譚風に展開する前半部分はなかなか読ませるが、中盤のレビューガール誘拐の辺りから、作者自身が自嘲気味に言うところの通俗的な内容になっていく。 思えば、小学生のころは乱歩の子ども向け小説にどっぷりハマったものだ。が、今こうして大人向けの小説を読むと、ノスタルジーを感じる一方で、しらけている自分もいる。乱歩に夢中になる季節は、もうわたしの人生にはめぐってこないのかしらん。 | ||||
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後半になって、唐突に明智小五郎の名が・・・ なんだ結局明智モノかよ、と思わせつつまたヒトヒネリ いつも見え見えの展開でウンザリする大乱歩ですが、今回は不覚にも笑ってしまいました。 | ||||
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最初の方はちょっと読み難かったが、二世同士の対決になった「第二 渦巻と髑髏の巻」から面白さが出てきた。 やっぱり「自註自解」が反省も記述してあって面白かった。 ルパン(当然アルセーヌお爺ちゃんの方ね)を意識いているとか納得。 赤城毅「帝都探偵物語」は相手が人外だが明智小五郎パスティーシュ? ホームズのパスティーシュは多いけれどもルパン物はほとんど無いね。 森田崇「アバンチュリエ」はルブランの小説をコミック化した正統派だしね。 後は、瀬名秀明「大空のドロテ」かな? | ||||
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悪人の息子はより悪人らしく、正義の子はより正義の騎士らしく。乱歩の描く悪人はどうしても大いなる野望を有する。同作品は、『パノラマ島奇譚』のような巨大な楽園或いは地獄を帝都の地下に創造しようとする男とその男を仇とする美しい騎士の対立と、悪の権化が創造した大暗室の壮絶さを一挙にまとめた大作であろう。悪の権化の異様な趣味は、パノラマ島以上に耽美的でグロテスクであり、それは楽園と言うよりは地獄であろう。それ故、悪鬼の最後も壮絶なものである。乱歩の得意な変態嗜好の凝縮された趣味の悪い、且つ対照的な敵同士の奮闘を描く躍動感の溢れる作品であった。個人的には、かなり高い評価をしたい。 | ||||
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一昔前まで流通していた、乱歩が武田武彦に二十面相ものとしてリライトさせたポプラ社ジュブナイル代筆版と、 本書収録のオリジナル「大暗室」を混同したレビューが書かれているようなので、新しい読者に誤解のないよう本文を書いておきたい。 世界的旅行家・有明友定男爵を裏切り海原の骸にした極悪人・大曾根五郎は、若き男爵夫人・京子を騙し、 男爵の一子・有明友之助とは異父兄弟となる五郎の子・大曾根龍次が生まれる。 幼い友之助の命を奪おうとした事から五郎の企みを知る京子。五郎は有明家を業火に包み莫大な財産を奪って姿を消した。 そして二十年の時が流れ、善と悪ふたりのアドニス、因縁の争闘が始まる…。 馬琴『近世説美少年録』の乱歩版とも云われ、謎解き・トリックが肝ではないから、 乱歩もストーリーの整合性に苦しむことはなかったようで、昭和11〜13年の一年半という長い連載。 ユートピア路線に括られるのは一読瞭然だが、興味を引くのは大暗室の主・大曾根龍次が「帝都を火焔地獄で焼き尽くす」暴帝ネロの夢を持っている事。 美女群の肢体に彩られたビザールな王国のみならず、破滅を賭けてまで攻撃的な最終目的を掲げるこの点だけは「パノラマ島奇譚」「影男」と少し異なっている。 昭和8〜9年の本格長篇「悪霊」を中絶、「緑衣の鬼」等の翻案はあったといえ大衆的通俗長篇しか書けなかった乱歩の厭世観が、 「自分も疎ましい現実も灰になってしまえ」と意識下で呟いていたのか。 物語中で父・五郎が龍次に何故そんな薫陶をしたか説明がなく、龍次の野望の根源がどこから来たのか読者はわからないので、上記の感想を持った。 また乱歩の通俗長篇には「猟奇の果」後半での「労働争議」のように、連載当時の世相の中から乱歩らしくないネタが時々ヒョイと顔を出す事がある。 「大暗室」でも後半で「軍隊」という単語が時折出てくるのも2.26事件の影響か。 いずれにしても、こんな壮大な面白い小説は乱歩にしか書けない。他の探偵作家には無理だ。 併録「怪人二十面相」も、戦前発表時のテキストに戻されているので、昭和11年の空気がよく伝わってくる。 | ||||
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とかくこの作品はエログロ度数が高いのです。 特に悪のほうの男の欲にまみれきった地下基地は 本当に地獄に値するものです。 本能を満たしているのだから天国でしょう、 とお思いでしょう。 いやいや… たぶんその部分を読めばお分かりになるかと思いますが 気持ち悪いの一言に尽きます。 人の欲のリミットが外れるとやはり 極端に走ってしまうのか… 異父兄弟として生まれた兄弟の戦い。 一人は善、一人は悪。 出し抜きつつ出し抜かれつつ… 最後はついに一騎打ちとなります。 ミステリーではない珍しい作品ですが すごく読者を選びます。 読む際には要注意。 | ||||
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ポプラ社から出ていた少年向きシリーズでは ≪大曾根 = 二十面相≫ で無理矢理書き直されています。 だから、二十面相は平気で ≪殺人≫ をやりそうになるだよなぁ。少年時代びっくりしました。 あっ それはあくまで少年向きシリーズの話です。話が脇にそれました。 本作は乱歩らしい夢物語がたっぷりと広がって楽しい妄想(犯罪)小説です。 | ||||
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ポプラ社から出ていた少年向きシリーズでは ≪大曾根 = 二十面相≫ で無理矢理書き直されています。 だから、二十面相は平気で ≪殺人≫ をやりそうになるだよなぁ。少年時代びっくりしました。 あっ それはあくまで少年向きシリーズの話です。話が脇にそれました。 本作は乱歩らしい夢物語がたっぷりと広がって楽しい妄想(犯罪)小説です。 | ||||
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1972年に「江戸川乱歩長編全集12」として出たものの新装版。 正義と悪のぶつかり合い、残虐味、ねじれたエロス、超科学、地下世界といった、乱歩お得意のテーマが渾然一体となり、魅力的な世界をつくり出している。 どちらかというと娯楽色の強い活劇的な作品で、馬鹿馬鹿しいとか思わず、楽しんで読んで欲しい一冊だ。 | ||||
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1972年に「江戸川乱歩長編全集12」として出たものの新装版。 正義と悪のぶつかり合い、残虐味、ねじれたエロス、超科学、地下世界といった、乱歩お得意のテーマが渾然一体となり、魅力的な世界をつくり出している。 どちらかというと娯楽色の強い活劇的な作品で、馬鹿馬鹿しいとか思わず、楽しんで読んで欲しい一冊だ。 | ||||
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小学校の図書室でむさぼるように『少年探偵シリーズ』を読んだあの頃を思い出し、読了後「はーっ・・・」と溜息。昔、同シリーズを面白いと感じた人は即買いで。今、読み返してみるとトリックや展開は予想がついてしまうけど、乱歩の少年探偵モノに、玄人好みのテクニックは必要ない!冒険、スリル、そして正義・・・多くの人が忘れてしまったもの、なくしてしまったものがこの中にあり、それゆえの新しさが感じられます。一つ残念なのはポプラ社から発行されていた際にあった挿絵は移植されていないこと。でも星五つ!なのです。 | ||||
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少年探偵団シリーズも非常に面白くて、購入したその日に読んでしまったほどなのですが、「大暗室」にも感激したので…。「大暗室」、メインの青年二人はまさに白と黒の対のような存在。まずこの二人の性格と立ち位置の、明確に対照的なところから面白い。悪と正義と、あまりにはっきりし過ぎていて、この事からもラストがどうなるかは解り切っているのだけれど、小説においてラストなどはどうでもよくて、要は過程をどれだけ描けるかというのが小説家には問われるもので、その点においては流石乱歩といったところ。しかも、正義と悪と、どちらが勝つかは解り切っている、だからラストがつまらないというわけでは決してない。壮絶な結末に、悪の美しささえ感じる。悪は単なる悪でしかないと決め付けたキャラ作りではなく、悪は悪たるゆえに美しい、そういった幻想思想が乱歩の世界の根底にはあるような気がする。 | ||||
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「怪人二十面相」が収録されている!!少年時代に貪るように読んだ、あの二十面相だ。ページを少しめくると、明智小五郎が出てくる! 小林少年が、少年探偵団が・・(涙)嬉しくて涙が出てくる。話の内容そっちのけで少年時代のワクワク感がよみがえる。もちろん内容だって面白い。乱歩によってミステリの面白さに目覚めた人。少年時代に少年探偵団シリーズを夢中で読み漁った人。絶対にオススメです。感涙にむせびます。初めて乱歩を読む人。夜眠れなくなります。中毒になります。 | ||||
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