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(短編集)
影踏み
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影踏みの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.77pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全10件 1~10 1/1ページ
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「消息」、「刻印」、「抱擁」、「業火」、「使徒」、「遺言」及び「行方」の全7つの短編から構成される通称"ノビカベ"との異名を取る泥棒を主人公とした連作短編集。ノビカベには啓二という一卵性双生児の弟がいて、啓二は母親の一家心中放火のために焼死した過去がある。そして、ノビカベの耳には啓二の声が絶えず響き、その会話が作中にそのまま記されるという工夫があるが、これは会話によって物語の進行を助けるというよりは、<啓二=ノビカベの影>という意味合いが濃いと思う。これらの設定といい文体といいハードボイルド小説の様な趣きで、これまでの作者の作品とは肌合いが異なる。 各編には各々の謎があるが、意外な犯人の「業火」、クリスマス・イブと女の子とサンタクロースをテーマとしたメルヘンティックな「使徒」を除くと、悪徳警察官、ヤクザ、同業者を含む裏社会の人間模様を押し出していて、ミステリ的興趣は薄い。全編を通した狙いは"ノビカベ"と(生前の)啓二とが共に愛した久子という女性に対する"ノビカベ"の踏ん切りだと思う。"ノビカベ"は<影>である啓二に遠慮して、正業に戻って久子と家庭を持って安定した生活を持つ事が出来ない。そして、最終編「行方」で啓二はある告白をして、"ノビカベ"の耳から消えるのだが...。 幾らハードボイルド小説風とは言っても、一介の泥棒がヤクザと渡り合ったりするのは流石に無理があろう。また、この設定なので"ノビカベ"の技をもっと披露しても良かったと思う。最終編の後で、"ノビカベ"が<影踏み>出来たか否かは定かではないが、これが余韻というものだろう。片方が焼死した一卵性双生児と「***」との愛憎を題材とした異色の連作短編集だと思った。 | ||||
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横山ファンならばいいかと思います。 隠語が多くて、本当に警察があのように隠語を多用しているのかもしれないけど、やや抵抗を感じる。 最後も結論まで語らないところがファン向けか、と。 | ||||
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特になし、自分の読後感メモが空白でした、事件の解決法もおざなり?俺だけかなこんな感想でした。 | ||||
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淡々と進む犯罪者目線の小説。 特に面白かった!という感想は無いです。 | ||||
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7編からなる連作短篇集。 横山秀夫の作品としては異色の作品だと思ふ。 といふのも、ひとつには、この短篇集は犯罪者の視點で書かれてゐるといふこと。 また、もうひとつ、主人公が異常な状況に置かれてゐるといふこと。 異常な状況とは、どういふことか。 じつは主人公・眞壁修一の内部に、雙子の弟・啓二がゐて、二人は修一の意識の中で會話するのだ。 啓二はかつて盜みに手を染め、絶望感に捉はれた母に無理心中を企てられて燒死してゐる。 そして、修一と啓二はかつて同じ女性を愛してゐた。 その啓二がいま修一のこころに住んでゐる、さういふ設定なのである。 かういふ、超現實的な状況設定は、ほかの横山秀夫作品には見られない。 タイトルの「影踏み」とは、作中での文章に、 「雙子といふものは、互ひの影を踏み合ふやうにして生きてゐるところがある。」 といふ箇所があることから、この異常な状況を表はしてゐることがわかる。 ミステリーとしても十分樂しめるが、人によつては、この異常な設定を受け容れにくいかもしれない。 私もじつはそのひとりだ。 中途半端なのだ。 かういふ設定で書くのであれば、もつとその異常さを掘り下げて書いて欲しい。 兄と弟の葛藤そのものを描くことが、それだけで重厚な作品になつただらうと思ふのだ。 | ||||
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賛否ある作品ですが、わたしには違和感がありました。 「ノビ師」と呼ばれる忍び込みのプロ、34歳の真壁修一が主人公。彼の内には19歳で死んだ双子の弟の啓二が棲みつき、中耳から語りかけてきます。弟の死は母による無理心中。秀才だった弟が真壁も絡むある出来事から、自棄になり空き巣をはたらくようになったのでした。悲観して家に火を放った母、そして父も巻き添えに。やがて真壁も犯罪の道を歩むようになって・・・これを背景とした連作短編7篇が収められています。 事件の謎に迫る鮮やかな手並みは横山作品ならでは。 双子の弟が19歳という年齢のまま真壁に棲みつくという設定も、読む上で苦にはなりませんでした。 警察にマークされつつ食べていくのに最小限の忍び込みを重ねる中、自らの危険を顧みず、結果的に他人におせっかいを焼いているという真壁の行動も、ある意味ハードボイルド小説にはよくあることでしょう。 では何が不満かというと・・・真壁が犯罪を重ねざるをえない苦悩と哀しみが十分に伝わってこないように感じたことです。 そのひとつには、弟の語りの物足りなさが挙げられる気がします。秀才だったはずがそう思えず、何とも軽い・・・ これがもっとよければ、時を止めた弟と30代の真壁とのコントラストが活きて、重たい荷物を背負いながら生き続けなければならない真壁の哀しみが一層際立っただろうに・・・と残念に思えました。 「横山作品の異色作」にとどまった感。惜しいです。 | ||||
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切ない犯罪小説、という帯の言葉に惹かれて読んでみましたが、主人公の頭の回転が早過ぎたり、犯罪者側心理という点に共感しづらくなってしまい、共感どころを探している間に読了してしまいました。 男性の方の方が楽しめる作品かも・・・しれません。 主人公の心理が男性の方の方が理解できるのでは・・・・。個人的には主人公の周りにいるキャラクター達にふ、と意識を重ねる瞬間がありました。 イマイチスッキリしなかったのが残念ですが、最後の弟が真実を語るシーンでは、少し切ない気持ちになれましたので星3つ。 | ||||
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横山さんの作品は最近立て続けに読んでいるのだけれど、泥棒が主人公なのは今回が初めて。 そのせいではないでしょうが、最初の方はなかなかとっかかりがない感じ。主人公が双子で弟がすでに亡くなっていて、魂だけが耳の中に残っている・・・という設定を理解するまでに時間がかかりすぎたかもしれません。とても個性的な作品だとは思うのですが、最後まで読んでもなんとなく物足りなさを感じてしまいました。 | ||||
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今回の主人公は警官から一転して泥棒。短編形式で、やはり章ごとに繰り広げられる事件を、主人公のノビ師が解決していくわけだが、ストーリーは横山秀夫らしく、やはり悪くはないし、四章の使徒には素直に感動させられた。しかし、やはり主人公が泥棒であることが常にひっかかる。本来世間に背を向けているはずであろう泥棒が、こんなにも自ら好んで揉め事に顔をつっこむだろうかと、こんな世話焼きな泥棒ってどうなの、と。この設定のおかしさが結局最後まで気になり、はまることはできなかったし、泥棒という犯罪者に感情移入しようというのも自分には無理な話でした。 | ||||
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主人公、修一と双子の弟、啓二(享年19歳)が修一の思考の中で会話し、争い、問題提起などを繰り広げ作品自体のダシを効かせている。ただし双子の間に年齢差や言葉足らずな所が目立ちそれが逆効果になっている点も否めない。内容も8つの表題がそれぞれ関係者を浮き彫りにし、主人公を取り巻く過去、現在、今後について読者に興味を抱かせるものの「ほんの少し読者の裏をかく、こんなのでどうでしょう的」な作品構成にパターン化を感じてしまいます。横山作品のわりには捻りや、かわしが多すぎて面白さには欠けていると思います。ルパンと鬼太郎の親父が同居してるような正直、期待はずれです。 | ||||
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