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(短編集)

影踏み



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影踏みの評価: 3.77/5点 レビュー 84件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.77pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全84件 61~80 4/5ページ
No.24:
(3pt)

惜しい感じがしました

賛否ある作品ですが、わたしには違和感がありました。
「ノビ師」と呼ばれる忍び込みのプロ、34歳の真壁修一が主人公。彼の内には19歳で死んだ双子の弟の啓二が棲みつき、中耳から語りかけてきます。弟の死は母による無理心中。秀才だった弟が真壁も絡むある出来事から、自棄になり空き巣をはたらくようになったのでした。悲観して家に火を放った母、そして父も巻き添えに。やがて真壁も犯罪の道を歩むようになって・・・これを背景とした連作短編7篇が収められています。  
事件の謎に迫る鮮やかな手並みは横山作品ならでは。
双子の弟が19歳という年齢のまま真壁に棲みつくという設定も、読む上で苦にはなりませんでした。
警察にマークされつつ食べていくのに最小限の忍び込みを重ねる中、自らの危険を顧みず、結果的に他人におせっかいを焼いているという真壁の行動も、ある意味ハードボイルド小説にはよくあることでしょう。
では何が不満かというと・・・真壁が犯罪を重ねざるをえない苦悩と哀しみが十分に伝わってこないように感じたことです。
そのひとつには、弟の語りの物足りなさが挙げられる気がします。秀才だったはずがそう思えず、何とも軽い・・・ これがもっとよければ、時を止めた弟と30代の真壁とのコントラストが活きて、重たい荷物を背負いながら生き続けなければならない真壁の哀しみが一層際立っただろうに・・・と残念に思えました。
「横山作品の異色作」にとどまった感。惜しいです。
影踏み (祥伝社文庫)Amazon書評・レビュー:影踏み (祥伝社文庫)より
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No.23:
(5pt)

横山節炸裂の連作短編小説集

横山秀夫作品の中でもおそらく3本の指に入る連作短編小説集。7つの短編は全て独立した作品として読んでも、一つの長編として読んでも、完成度が高く十分に楽しめる内容になっている。これまでは、警察内部の人間を主人公に据えることが多かったが、この作品では”ノビ師”と呼ばれるプロの泥棒にスポットを当てている。
なんといっても、主人公の分身ともいえる死んだ双子の弟=啓二との会話に注目だ。心の中で交わされる会話なので声には出さないものの、二人(?)が発する<気>を時々周囲のリアルな人間に感づかれてしまう場面などはとても面白く読むことができた。さらに、主人公が移動手段に使う自転車も、この作品のかくし味として効いている。移動可能な範囲がとある町の狭い範囲に自動的に限定されてしまうため、いまどきのミステリーには珍しく、地域密着型の濃密な人間関係の描写になっている点にも好感が持てる。
主人公の<ノビカベ>こと真壁修一は、人の留守中を狙う空き巣とは違って、真夜中堂々(?)住人が寝しずまっている間に家にしのびこみ、音をたてることもなく仕事を片付けるプロ中のプロである。なので、泥棒仲間からも一目おかれる存在であり、修一自身も自分の仕事に一種のプライドのようなものを持っている。読者の主人公へのシンパシーを呼び込みやすくさせるこの辺の仕掛も、横山秀夫ならではの<冴え>を感じる、おすすめの一冊だ。
影踏み (祥伝社文庫)Amazon書評・レビュー:影踏み (祥伝社文庫)より
4396333293
No.22:
(4pt)

背負うもの

背負うものがあって生きている人というのは、自分の影を踏みながらの生活になるのだろうか?自分がしていることから、相手の行動を推理し、非合法的解決を図る。考えてみれば恐ろしいことだ。双子の弟が狂言回しになっていて印象深い。
影踏み (祥伝社文庫)Amazon書評・レビュー:影踏み (祥伝社文庫)より
4396333293
No.21:
(5pt)

異色だけど、まさに横山テイスト

警察小説の名手が、その好敵手(?)であるプロの泥棒を主人公に描いた連作短編集。
その設定だけでも横山秀夫らしくないな・・・と思うかも。
さらに主人公が死んだ弟と頭の中で会話しながら話が進むという異色の展開。
これだと、ただのファンタジーになってしまうところだが・・・。
さすがに横山秀夫。泥棒業界(?)独特の人間関係や仕事のやり方、警察との微妙な関係などを余すところなくリアルに描いているので、いつのまにかその不思議な世界にどっぷり浸かってしまう。
また、主人公はある事情により、非常に禁欲的にストイックに行動する。
ハードボイルド小説ファンも共感するかもしれない。
死んだ弟との対話も、奇を衒っているわけではなく、自分との葛藤、そして物語のヒロインである女性との関係を語る上で重要なファクターになっている。
切なくも、前向きな予感のするラストも、好感度大。
読み終えて、タイトルの意味をもう一度考えて、思わずうなってしまった。
影踏み (祥伝社文庫)Amazon書評・レビュー:影踏み (祥伝社文庫)より
4396333293
No.20:
(3pt)

ちょっと物足りない・・・・。

切ない犯罪小説、という帯の言葉に惹かれて読んでみましたが、主人公の頭の回転が早過ぎたり、犯罪者側心理という点に共感しづらくなってしまい、共感どころを探している間に読了してしまいました。
男性の方の方が楽しめる作品かも・・・しれません。
主人公の心理が男性の方の方が理解できるのでは・・・・。個人的には主人公の周りにいるキャラクター達にふ、と意識を重ねる瞬間がありました。
イマイチスッキリしなかったのが残念ですが、最後の弟が真実を語るシーンでは、少し切ない気持ちになれましたので星3つ。
影踏み (祥伝社文庫)Amazon書評・レビュー:影踏み (祥伝社文庫)より
4396333293
No.19:
(5pt)

ハードボイルドな連作集。

横山秀夫の小説にしては、かなり異色です。
主人公がいわゆる“警察の敵(お客さん?)”ですし、
死んだ双子の弟が意識の中(中耳)で同居するという
オカルト的な一面も持ち合わせています。
しかし、小説自体はは今までの横山さんの作品と同じく
精緻な描写、巧妙なストーリー展開が楽しめます。
そして全体に漂うハードボイルドな空気感も魅力的です。
何気ない描写の中に、何気なくヒントが隠されているので
何度も唸らされました…。
確かに異色ではありますが、これは紛れもなく横山作品です!
影踏み (祥伝社文庫)Amazon書評・レビュー:影踏み (祥伝社文庫)より
4396333293
No.18:
(3pt)

なんだか物足りない・・・

横山さんの作品は最近立て続けに読んでいるのだけれど、泥棒が主人公なのは今回が初めて。
そのせいではないでしょうが、最初の方はなかなかとっかかりがない感じ。主人公が双子で弟がすでに亡くなっていて、魂だけが耳の中に残っている・・・という設定を理解するまでに時間がかかりすぎたかもしれません。とても個性的な作品だとは思うのですが、最後まで読んでもなんとなく物足りなさを感じてしまいました。
影踏みAmazon書評・レビュー:影踏みより
439663238X
No.17:
(4pt)

何となく違和感あり

通常の長編小説とはちょっと違い、各章が繋がっているけれども、繋がっていないような感じもする、違和感のある小説の中に、ノビ師を主人公に、得意の警察ネタや、双子の葛藤、その中で揺れる女性の思いなどが散りばめられている。違和感をもたせつつも読者をひきつける力はさすがで、違和感は途中で消え、そこからは一気に読破したものの、それまでの歯に物が詰まった感じが読後感として残りました。
影踏みAmazon書評・レビュー:影踏みより
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No.16:
(5pt)

読めば読むほど深みが増す作品

 家人が寝静まった頃に忍び込み、盗みを働く「ノビ」を専門の生業とするノビ師の真壁修一は所轄警察からも同業者からも「ノビカベ」と呼ばれ一目置かれている。 修一には双子の弟・啓二がいた。しかし15年前、啓二の境遇を苦にした母親によって焼死させられてしまった。修一と啓二は同じ女性(久子)に思いを寄せるもお互いを認めあっていた。それだけに世間体を気にして啓二を奪った母親が許せずに、法を捨てノビ師となる。 連作の短編となる本作品はややオカルト的な設定だが特段奇異に感じるほどでもない。それは侵入のテクニックやオカルト的設定に任せた謎解きに頼ってはいないからだ。リアリティ云々よりも「修一が見ていた双子の弟」と「母親が見ていた息子」の明暗が色濃く出ているように思う。 巧妙な伏線や哀切たっぷりな心理描写はさすが。『影踏み』というタイトルにも深みがある。
影踏みAmazon書評・レビュー:影踏みより
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No.15:
(4pt)

まさに異色作

異色作という言葉がこれほど似合う作品もないだろう。静かにはられる伏線とどんでん返しのカタルシスは健在ながら警察小説の世界に新境地を開いた著者が「ノビ師」といわれる職業泥棒を主人公にしたことが異色であり、死んだ弟の声が聞こえているというオカルト的設定も異色。まさにこの異色さがこの作品の評価が分かれている理由であろう。しかし、純粋にエンターテインメントとして楽しめた。あえていうならこの主人公真壁修一は横山秀夫版「新宿鮫」とでもいうべき「異色さ」という十字架を背負ったダークヒーローなのではないだろうか。短編がまとまって長編になっている本作から1つ選ぶとしたら「抱擁」を選びたい。人間心理の機微と巧妙な伏線、待ち受ける意外な結末を堪能できた。
影踏みAmazon書評・レビュー:影踏みより
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No.14:
(3pt)

悪くないが、リアリティーに欠ける

今回の主人公は警官から一転して泥棒。短編形式で、やはり章ごとに繰り広げられる事件を、主人公のノビ師が解決していくわけだが、ストーリーは横山秀夫らしく、やはり悪くはないし、四章の使徒には素直に感動させられた。しかし、やはり主人公が泥棒であることが常にひっかかる。本来世間に背を向けているはずであろう泥棒が、こんなにも自ら好んで揉め事に顔をつっこむだろうかと、こんな世話焼きな泥棒ってどうなの、と。この設定のおかしさが結局最後まで気になり、はまることはできなかったし、泥棒という犯罪者に感情移入しようというのも自分には無理な話でした。
影踏みAmazon書評・レビュー:影踏みより
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No.13:
(5pt)

悔しいくて、くやしくて

悔しい、ほんとに悔しい。この本を読み終えたあとの率直な感想である。推理小説好きを自他ともに認め、初めの段階でおおよその犯人を言い当てることの出来ると自負していた自尊心を粉々に打ち砕かれた。全7章で構成されている影踏みは、今までの氏の視点を180度変えた作品であると、同時に推理小説という従来の作品を踏襲している。正と負、正義と悪など全く、反対の視点からとらえたアウトローものである。1章ごとの完成された結末が充実感を与えるとともに、7章が続き物ゆえ先に先にと読者を誘う面白さ。が、しかし1話ごとの結末にどんでん返しが読むものをうならせるすばらしい作品であると思う。
影踏みAmazon書評・レビュー:影踏みより
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No.12:
(4pt)

新境地に半歩踏み出した感じ

泥棒稼業の兄と、その双子の弟が謎を追う短編ミステリー連作集です。いつもの警察小説とは全く逆の立場の主人公達ですが、華麗かつ哀愁漂う見事なストーリー展開はいつものままです。しかし、今回は驚くべきことに、双子の弟はすでにこの世の者ではなく、二人は兄の脳内(中耳)で会話を繰り広げます。リアルな世界を書き続けてきた横山氏ですから、これには最初戸惑いましたが、たまにはこんなファンタジーもありでしょう。一つの体にニ人分の思考がある為、若干スーパーマン的な能力がありますが、それはそれで面白く読める要素だと思います。また、本作はミステリー色が強く、いわゆるどんでん返しが良く効いています。しかし、伏線はしっかり張られているものの、多少非現実的で、強引かな?と感じてしまうものも正直ありました。短編の7連作ですが、ストーリーの繋がりから、一つの長編としても読めます。「使徒」はなかなか感動的で気に入りました。横山氏の作品の中では若干毛色が違いますが、決して見劣りする作品ではないですよ。
影踏みAmazon書評・レビュー:影踏みより
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No.11:
(1pt)

キレのない小説

泥棒でありながら綺麗な世界泥棒の粋もない主人公が抱える確執だけ描写が緻密主人公が他者からは、クールで頭の切れる泥棒という設定に矛盾があるもうすこし、横山秀夫が煮詰めてから執筆してほしい内容どまりの本
影踏みAmazon書評・レビュー:影踏みより
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No.10:
(4pt)

オカルトと論理的思考

いまや日本で一番読まれている作家、横山秀夫である。短編から出発した作家らしく、ベストセラーになった「半落ち」も短編連作の形をとった長編だった。現在のところ横山の作品で純粋な長編と呼べるのは「クライマーズハイ」くらいのものだろう。この「影踏み」もまた、短編連作である。主人公は真壁修一。寝静まった家から現金を盗む「ノビ師」であり「ノビカベ」の異名を持つ。さまざまな盗犯や刑事、ヤクザと織り成す6つのエピソードそれぞれが綿密に計算された謎ときを含む質の高い短編である。でありながら、異色なのは本編がオカルト的なところ。修一の頭の中には弟・啓二が住み着いており、この双子が脳内で会話をするのである。さらにそこに幼なじみで兄弟が奪い合った女性・久子がからんでくる。という複雑な構造。まっとうに生きる道を捨て犯罪者として生きるストイックな主人公なのだが、よおく考えると家族をなくしたショックで泥棒になり、アタマの中の弟と会話する、というイカれた人間の話でもある。しかし、主人公の論理的な思考と謎解きがすべてを救っているのかも…。
影踏みAmazon書評・レビュー:影踏みより
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No.9:
(4pt)

充実感はちょっと足りないかも

ノビカベといわれる出所間もない泥棒とその中耳に居ついている焼死した双子の弟の話。ノビカベを取り巻くさまざまな事件を1話としたオムニバス形式になっている。泥棒用語にはめちゃくちゃ詳しくなれます。全体の軸として主人公・真壁修一、双子の弟・啓二、そして修一の婚約者・久子の関係が描かれます。修一と啓二の仲がいい双子でありながら、あらがえない運命と心の奥底に隠された感情が最後にわかりますが、イマイチすっきりしないという点で、星4つです。言ってみればオチがない作品に私は感じました。
影踏みAmazon書評・レビュー:影踏みより
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No.8:
(4pt)

短編なので読みやすい

ノビ師とよばれる泥棒さんを主人公とした読みきり短編(4~5話)からなっていて読みやすかったです。警察関係に強い作家さんだけあって、結構警察関係の専門用語があります。泥棒がここまで詳しいか?などと思いましたが、そこはご愛嬌で、主人公が、降りかかる問題をエリート警察官並みの行動力と推理力で解決していきます。主人公は暗い過去を背負っていて、その過去と生きています。タイトルにも伏線として出てますが、読んでのお楽しみなので伏せておきます。結構意外な設定で面白かったです。さらっと読めてミステリーを楽しめる本でした。
影踏みAmazon書評・レビュー:影踏みより
439663238X
No.7:
(4pt)

するっと読めるいいミステリー

横山秀夫さんの「影踏み」であるミステリーなんだろうなぁ・・主人公は兄弟(?)の泥棒である深夜、寝静まった民家を狙い現金を盗み出す、その道では有名なプロであるその彼が逮捕され、2年の服役をして出所したところから物語はスタートする自分を通報した女、葉子の行方自分を待っていてくれた女、久子との過去と未来その久子を同時に愛してしまった弟との苦悩自分を捕まえようとする刑事達との心理戦理由も言わないまま自分を襲ってくるヤクザ達7つの短編で構成されており、それぞれに謎や殺人が発生し、主人公への覚えのない暴力もあるその謎を主人公は、ほとんど自分の 「盗みと頭脳と体力と自転車(?)」 で解決していくんである2への予感を感じさせる終り方には、賛否両論があるだろうが、けっこう本格的なミステリーとなっている(とオイラは思う)んである文字も大きく読みやすいので、読むのが早い人なら一日で読めるんであるいい本だと思うぢゃ。
影踏みAmazon書評・レビュー:影踏みより
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No.6:
(3pt)

期待はずれ

主人公、修一と双子の弟、啓二(享年19歳)が修一の思考の中で会話し、争い、問題提起などを繰り広げ作品自体のダシを効かせている。ただし双子の間に年齢差や言葉足らずな所が目立ちそれが逆効果になっている点も否めない。内容も8つの表題がそれぞれ関係者を浮き彫りにし、主人公を取り巻く過去、現在、今後について読者に興味を抱かせるものの「ほんの少し読者の裏をかく、こんなのでどうでしょう的」な作品構成にパターン化を感じてしまいます。横山作品のわりには捻りや、かわしが多すぎて面白さには欠けていると思います。ルパンと鬼太郎の親父が同居してるような正直、期待はずれです。
影踏みAmazon書評・レビュー:影踏みより
439663238X
No.5:
(2pt)

今回ははずれ

ノビカベと呼ばれる忍び込みのプロ真壁修一が、内耳の奥に住む死んだ双子の弟啓二と事件を解決していく連作、どこか時代小説を思わせる語り口は面白いが、時代小説的に話は小粒で安易。横山秀雄、前回のクライマーズ・ハイでは新境地開拓がうまく行ったが、今回ははずれ。
影踏みAmazon書評・レビュー:影踏みより
439663238X

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