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インシテミル
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インシテミルの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.56pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全207件 61~80 4/11ページ
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この作家は好きだし、途中までのめり込めたのだが、オチで興ざめしてしまった。毎度海外ミステリーからの影響も色濃くあり、そういった部分での期待もあったのだか、今回は見事に裏切られた形だ。 映画化もされたそうだが、これではアイドルタレントものにでもなってしまいそう。次々にスリリングな場面を挿入していく力量などは、さすがとしか言いようがないだけに、残念だった。出版社に書かされた感じが残るように思う。 | ||||
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なるほど、作者は「淫してみたかった」んですよね。 やりたかったことは、映画「スクリーム」に近いのかもしれません。 推理小説(ホラー)の定番をあえてこれでもかと出すことによって、そういうジャンルをたくさん読んできた人間が、それをななめ上から笑うというか・・・。 う〜ん、でもちょっと中途半端になってしまったように思います。 途中で推理小説サークル所属の岩井が「まさか、ヴァン・ダインです。で、ぽかんとしたくちじゃないだろうな。」と主人公をばかにしたようにいうセリフがあるのですが、私は、綾辻さんの「ヴァン・ダインです。」でまさに、ぽかんとした人です。 クローズドサークルものとして、十角館の殺人は素晴らしいと思いますが、この作品は・・・「インシテミタ」んでしょうが、私はいまいち好きになれません。 自分が頭がいいということを周りに示そうとする人間は滑稽だ。みたいな上から目線もなんだかなあと思ってしまいます。 | ||||
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物語やトリックはまあまあ面白いと思いました。 ただ、他の方も書いてますが、主人公の設定がおかしすぎます。 綾瀬はるか、、じゃなくて謎の女性とか、結局何の話だったのかとか、謎のまま終わるのも良く分かりません。 なんというか構想だけ壮大だけど膨らまなかった話を読んだような気分になりました。 | ||||
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私は「吹雪の山荘」、「嵐の孤島」といったいわゆるクローズドサークルが好きです。 自身の命を失う可能性から、通常状態より遥かに犯人推理の切迫性が増す登場人物たちに 感情移入することによって緊張感や恐怖感が倍増し、読んでいる私もスリルを味わえるからです。 上述のものををクローズドサークルに求める私としては 後半部分での牢獄内描写は残念です。 牢獄とは言いながら、この舞台においては最も安全な場所。 主人公が牢獄に囚われたとき、それまで 主人公に感情移入しながら保っていた緊張感がすっと身体から抜けていってしまいました。 また、後半部分で主人公が突然切れ者になったかのような印象を受け、 逆に切れ者だと思われていた仲間が突然馬鹿扱いされていて、 前半部分でキャラクターのイメージを築いていたせいか、違和感が最後までありました。 全体として、前半部分が面白く、後半になって少し失速した印象でした。 | ||||
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設定は悪くないのだが無駄が多く、展開もいまいち、それにトリックはバレバレすぎて吹いてしまうレベル 最低限ゲリラ支援でもなんでもいいから、犯人が金を欲した理由は説明すべきだったと思う そして意味深なだけのヒロインは一体何だったのか。続編前提のキャラだったのだろうか、謎だ 無関係な殺人もいただけない そういうはサバイバルホラーでやるもので、本格風味の作品でやるべきことじゃないのでは まあ読むだけならたやすいので、中古なら買ってもいいかもしれない | ||||
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話題になっていたのと、自分がこういったジャンルのものが大好きなので読んでみました。 簡単に評価すると、物凄くさっくりしたクローズドサークルものです。 さっくりというのは、細かい裏付けや深い描写、綿密な掘り下げのないという意味です。 密室に何人かが閉じ込められて、欲望と恐怖の葛藤の中で殺人が起き、 疑念と良心とがせめぎ合う。こんな感じがこのジャンルの一番面白いところだと思います。 この作品は、そこだけをさくっと味あわせようという感じです。 料理でいうなら、面倒な前菜やら、テーブルマナーやら無視してステーキがドンみたいな。 確かにステーキはうまい。すぐにステーキが出てくるのは手っ取り早くていい。 ですが私には合いませんでした…。 もっと突っ込めよ、とか、それ変だろ、誰か気づけよ!と思ってしまう部分が多すぎて、 途中から読むのがひたすら苦痛に。 主催者の意思も、登場人物の思考も何かと現実味を感じない。 物凄く都合よくお話が進んでいく感じです。 本当に自分が同じ立場になったら、そうは考えないと思うんだけど。その連続でした。 私は本は必ず最後まで読んでから評価することにしているので頑張って読みましたが、 ラストもかなり残念でした。 すっきりするわけでもないし、後味が悪いわけでもないし、何とも尻切れトンボでした。 夢オチやサイコオチ以下なんです。というか、オチてません。 夢オチやサイコオチは、それなりにそこに至るまでの伏線が埋め込んであったり、納得のいく描写がちりばめてあったり するものなのですが、このオチはそういった努力が感じられません。 本当に、何となく終わったという感じで。え?これで終わり?と思いました。 個人的に小説は、作家の知性がはっきり表れるものだと思っています。 この作品は、知性をあえて低くというか、単純なレベルにあわせて書いたのかもしれません。 私がちょっと贅沢になりすぎたのかもしれませんが。 失礼を承知で言わせていただきますと、どうしてこの作品が映画にまでなるのかよくわかりません。 同じジャンルなら、貴志祐介さん、土橋信二郎さん、二宮敦人さんをお勧めします。 貴志祐介さんは重厚な感じ、二宮敦人さんはライトな感じ、土橋信二郎さんはその中間です。 | ||||
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エラリークイーンのそして誰もいなくなったのカバー小説。 中盤にかけてはワクワクしたんだけどラストはなんかなぁて感じ。読後感がう〜ん。 深夜巡回してるロボットにはインパクトありました。 | ||||
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米澤の作品を読むようになった後、テレビで放映された映画「インシテミル」があまりに酷かったため、結果的に文庫化されている作品の中で唯一この本だけ読まずにいた。最近ようやく着手。一気に読み終えた。 映画を見て、まだ本書を読むかどうか迷っている人にできるアドバイスは一つ。「タイトル以外は違います」。 米澤作品の特徴は、ミステリの謎解きのストーリーの他に、もう一本人間のストーリーを絡めるところだと思う。それが太くて深刻なストーリーであることもあれば、さらっとしたもののこともある。ただ、謎解きに絡みついているそれは、謎のネタが割れても作品を再読しようという気にさせる重要な要素になっている。スパイスではなく、構成要素だ。 インシテミル、にはそれがない。 主人公は眼前で進行中の謎に対して推理を働かせるが、それは彼の人生観や、あるいは眼の前の人物の人生観と深く関わっていない。単に彼の趣味や、その場に集められた人物達の状況に関わることでしかない。ある意味で、人間味を徹底的に削り取った描写になっている。 ごく初期に主人公が見つけたメモから、主催者がミステリマニアであることがわかる。ここは米澤らしいと言えば米澤らしい、エンターテイメントなのか自己満足なのか微妙に判断をしかねる外連味にあふれていて、そうなると読者としては主人公の視点を追いながら、「こいつ、気づいているのかな」と気にしつつ、その辺にばらまかれているであろういろいろな「描写」にちらちらと視線を送らざるを得ない。そうしないと、「だって書いてあったでしょ」と大団円で米澤に言われることになる。 映画の駄目な印象が強かったせいか、読んでいる間中、登場人物達と映画を結びつけようとして集中できなかったのが残念。これは作者のせいではない。主人公が突然探偵に変化するところを批判する向きもあるが、叙述トリックってそんなものなので仕方ない。欠点として指摘すべき点があるとしたら、叙述トリックにこだわるあまり、冒頭の主人公が頭悪すぎる記述になったことだろう。 お嬢様キャラに対する批判があるようだが、わたしは楽しめた。彼女はBGMとしてよく機能している。品よくしつけられ、物腰もあくまで丁寧で、場違いなほど美しく、世間ずれしていないお嬢様。その女性が、氷のように冷たい心臓をゆっくりと見せていく様子は、お嬢様礼賛の強い米澤らしい記述だった。「儚い羊たちの祝宴」収録の作品を思い出させる。 彼女は最後に「興業」という言葉を使っており、これによってこのサークルを作った連中の意図ははっきりわかる。それで十分である。興業を行うのは組織であり、悪の組織の陰謀を暴き、戦うのは警察の仕事である。探偵の仕事ではない。 | ||||
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正直、アマゾン評価が大して高くなかったので、余り期待していなかったインシテミルですが、私的には米澤作品で最も楽しめました。 僕はミステリマニアではないので、『トリックのクオリティはそこまで高くない』という批評は『まあ、そうなんだろうな』と受け流せますが、最後の犯人の事情開陳が不徹底である、という事に対する低評価は、正直、『馬鹿だろ、お前ら』としか感じません。 その『最後が納得がいかない』の前に『中盤までは面白かったのに……』という文言が見えると、最早失笑物です。誤読も良い所。 そもそも、その中盤、終盤までを疾走感溢れるスピーディで軽妙な物にしていたのは、人物の描写を外見的な特徴や、言動の性質による書き分け(お嬢様、体育会系のリーダーシップ、頭は良いが嫌味、警戒心が色濃い、恋人への依存、ミステリマニア、ガンマニア)程度に留める事で、それぞれの登場人物の事情に必要以上に踏み込ませず、あくまで『インシテミル』という例外状況における事態の推移に集中させた事にあったからです。 まず、主人公が突然、探偵然としてしまう、という事に付いては、彼自身が殺し合いから抜け出た事で冷静さを取り戻した事、ミステリマニアの『先輩』の助力を得た事、紙とペンを使えるようになり、状況を整理しやすくなった事、等色々事態の推移が付加されていますので、それ程唐突には感じませんでした。主人公の性質が『ミステリマニア』であり、『探偵』の素質がある事は、そもそも運営者に感じたのが怒りではなく、軽蔑であった、という描写等にも現れ、伏線がない訳ではありません。 余りに超然としたヒロインに付いてですが、これには同意出来ます。というか、この物語には彼女の存在は特に必要ではありません。其れくらい『インシテミル』という限定状況下において役に立ちません。活躍しません。 最後に、犯人の『十億円必要な事情』が開陳されないで終わる展開に付いてですが、そもそも、この小説は『軽妙に推移する事態』を楽しむ物であり、『個々人の事情に立ち入って、その心情を慮る』性質の物ではないのです。主人公も米澤作品では珍しく、人間的情もあり、犯人役の願いを最終的には叶えてやったり、意図せず人を殺してしまった『先輩』に同情をしたりして、この人物への好感を抱かせますが、そんな彼も『犯人役』の事情には深入りしません。 このインシテミルに集めれた十二人は、本質的に他人であり、あくまで限定的状況に囚われた上での関係性です。それによって際立つ展開の軽妙さ、それを中盤まで楽しみながら、その軽妙さを貶める『黒幕及び犯人の事情開陳が足りない』と憤るのは、正に作者の込めた作風を読み切れてない、誤読、という言葉が浮かんでしまいます。 インシテミルにおいては、犯人役の苦悩は、最後自殺までも測ろうとした事等で、充分描写されていると自分は考えます。事情開陳ではなく、あくまで状況推移に対する反応や行動で、その人物の輪郭を浮かび上がらせようとしているのです。 『限定状況下の事態の推移』を軽妙に描き切る、という事にこのインシテミルは成功しています。主人公への好感も手伝って、米澤作品の中でも特にお気に入りの一冊になりました。 この作品に付いて、評価の高いレビュー群が、この作品の作風を読み切れていない事には正直不満を感じます。自分の読解力の無さをアマゾンレビューにより周囲に晒して、彼らは如何したいのでしょうか? 勿論、『インシテミル』という殺人ゲームに充分な説明が加えられないと満足出来ない。ディテールにこだわるタイプや、犯人の事情は深くまで知らないと満足出来ない真意、黒幕追求タイプにはこの作品は合いません。 余りにもあっさりし過ぎていますから、逆にジェットコースターのように軽妙に流れるエンターテイメントをお探しならば、インシテミルは十全にお勧め出来ます。 最後まで貫かれた軽妙さをきちんと理解出来る読解力があれば、この作品の結末を爽快に感じたまま、本を閉じる事が出来るでしょう。 (まあ、結局は読み方の違いなので、別に低評価な方がいても構わないのですが、その方々のレビューがこの作品に対する正当な評価だとは到底思えません。軽妙さ、人物の背景をあっさりさせた事は寧ろ、作者の計算だと思われます。誤読なのにも関わらず、恥晒しにも正当な振りをして意見を述べるのは如何な物でしょう。インシテミルが面白かっただけに、このアマゾンレビューには腹が立ちましたので、久しぶりに一つレビューを書きました)。 | ||||
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典型的なデスゲーム物ですが、エンタメミステリとしてとても秀逸な作品でした。ゲームのように非現実的な舞台設定に通され、謎の「おもちゃ箱」に動揺し、そして犠牲者が……と息つく間もなく進みますのでページをペラペラ捲っていけること請け合いです。結構ページ数がありますが私は一日で読んでしまいました。 はじめに、とにかく暗鬼館なる舞台の雰囲気がいいのです。不気味にうねった構造の廻廊。鍵のない個室。洋館には不似合いな高性能ガードマン。読んでいるだけでワクワクします。が、そこに入ることになる12人のモニタはそれぞれ「いかにも」この手の作品に出てきそうな典型的な性格をしているのではじめは笑ってしまいそうになりました。ただ、読み終わったいま思うと、シンプルな人物配置ゆえにそちらに余計な気を取られずに館の空気に大いに堪能できたのかもしれないとも考えられますね。この辺は読者がどの部分を重視するかにもよると思いますが、私は大変気に入りました。 アラを探すとすればやはり「大雑把な人物設定」これに限ります。トリックやら舞台設定などは凝っているのに、登場人物は誰かれ問わずに説明不足感がいなめません。例えば主人公の唐突な「変身」具合だったり、犯人の動機告白タイムだったり、須和名譲からの手紙だったりのことです。いずれも事前にそれらを匂わす描写がないので、それらをいきなり目の前にパッと出されて鼻白んでしまいました。主要人物だけでももう少し何とかしてほしかったです。 良いと感じた部分とその逆が二律背反になってしまいましたね。やはりあまりページを増やし過ぎることができないでしょうから仕方がないのかもしれません。本当に雰囲気は最高だったので、文庫落ちの際に加筆修正とかしてくれたら嬉しいんですけどね(まぁ、ムリか……) | ||||
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「コーヒーに砂糖は入れますか」と訊くような何気なさ。 うまい、と思います。 文庫本にして、513ページとなりました。最近、推理小説で、これぐらいの分厚いものが幾つも出版されています。大抵、表現および内容が重すぎて、早くは読めません。 本作を一気に読みました。言い淀みがないからだと思います。 | ||||
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おどろおどろしい設定だが、根底にあるのは作者のミステリーに対する愛。いろいろな有名ミステリーを本歌取りしていたり、重要な登場人物がミステリーという仕組自体を利用した仕掛けをするなど、メタファーにもなっていて、いろいろな意味で読者のインテリジェンスを刺激する挑戦的な佳作だと思う。ある程度本格推理の読書歴がないと良さがわからないかもしれない。 | ||||
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テレビのサスペンスドラマでは開始5分で人が死ぬのが基本だそうだ。 ミステリ小説も、人が殺されてから本題が始まるのが基本のようだ。 小説とは創作だから、「人が殺された」といっても心配はないのだが、死ななくてもいいのでは?とさほどミステリファンでないので思うことがある。 実際、人が死なないミステリ小説もある。がそれは実験的あるいは挑戦的意図で書かれただけで、本流は殺人事件の解明だ。 本書も高時給なんてもんじゃなくってなんと時給11万2千円! 年間1600時間働くとして、年収が約179百万円。2010年度の社長報酬と比較すると第93位がアステラス製薬の野木森社長で180百万円。第94位が幻冬舎の見城社長で177百万円だから、ここら辺。 とまあお金につられて主人公の大学生がアルバイトに応募するのだが、そこは閉じられた空間で12人いる。 あとはおきまりの人が死んで犯人捜しが始まるのだが、誰かわからない犯人と同じ空間にいるというスリルがある。 にもかかわらず、残された人たちは犯人捜しをする。 もちろん、犯人が一緒にいるのでおびえている描写もあるのだが、ミステリ作家なのでどうもそこは苦手のようで。 最終的には犯人も解明されるのだが、この殺人劇の動機が最後まで読んでぼくにはわからなかった。 それがミステリ。。。 | ||||
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本作の作者米沢穂信著「折れた竜骨」が面白かったのと、映画版があまりにひどかったので、原作は一体どんなものかと思って読んでみました。 感想としは素直に面白かったと思います。 折れた竜骨もそうですが、米沢さんの作品はミステリーのカテゴリーに入るのでしょうか? 私は最近のミステリーと呼ばれる作品に関して、トリックの奇抜さや犯人の意外性を追及せんがため、物語としての面白さがおざなりになっているような気がします。 そういう意味では、本作は物語としての面白さや、思わず先を読み進めたくなる展開、また読後のストーリーの広がりを感じさせる作品で、ミステリのカテゴリに無理に入れるべきではないと思います。 だって、謎解き部分よりシチュエーションやストーリ展開のほうがずっと面白いですから・・・。 たとえば、ミステリの構成要素として重要である犯行動機が最後まで明確化しないとか、10億円の使い道が判らないとかいう意見が多いのですが、作者は読んだ人それぞれ解釈できる余地をあえて残したのではないかという気がします。 逆に10億円必要な理由が明確にされた時点で物語全体が陳腐化してしまうと思いますが・・。 10億円規模のお金は自分だけでは使い切れない金額で、自分で使い道がイメージできない金額である以上、「それがなければ沢山の人が死んでしまう」という言葉で納得するしかないと思います。 逆にこの人はどんな立場の人で、後日談で家を出たとの記述しかないことで、もっと大きな使命を果たすためなのか(もしくは、単純に死ぬためか?)と想像してしまいました。 この人の視点からの物語で、もう一作長編が書けそうです。 小説を読んでみて、映画版を見た後の違和感をすべて払拭できたのでスッキリしましたが、なぜ本作を映画化したのかすごく疑問が残ります。 実写化するにあたり、13話分のドラマとして、細かな人物描写を含めてじっくりと取り組めばよかったのにと残念です。(現状のテレビ事情を考えると、放映できる内容であるかは疑問ですが・・・) 何にせよ、他作品も読んでみようという気にさせる作者が増えたことは喜ばしいことです。 | ||||
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とても長い間売れているので、読みました。 よくある設定と言えば、良くある設定です。 なんだかよく分からない、求人、もしくはパーティー、そんなものに引き寄せられた 人間達。そして疑いあい、だましあい、殺しあう。そしてあなたは誰? という、これもクリスティーが元祖なんですかね。私はミステリーマニアでは ありませんので。 こういう設定だと、とにかくその人間達の中に、応援したくなる、もしくは、 この野郎と思ってしまう、そんな強いキャラクターが必要かと。 須和名さん、良いですねえ。楽しめました。私の応援キャラでした。 こういう場合、完全にありえない世界なので、リアリティーを求めるのも変ですし、 昔読んだ小説と似ているからボツ、というのも、そんな事言ってたらかなりの作品が 類似品です。小説を読めなくなってしまいます。 文章も達者。ある程度の匂いを残して、隠すところは隠す。構成力もまずまず。 楽しかったです。(結末は別にして) 確かに類似品の中で、抜群かと聞かれたら、一番良かったのは岡島二人の作品なので、 90点はつけられませんが、80点かな。読んでいて楽しかったです。 | ||||
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難癖や屁理屈を付けずに純粋のその世界観に没入出来る人、ぜひ読むべし。 レビューを書いてる人の中で、自分が生きているこの世界の価値観や常識を、こともあろうに小説の中に持ち込んで読む人がいる。 そんなつまらないことをいちいちしなくても良いと思うんですけどね。 自分は通勤用に買ったにも関わらず、我慢できずに家でも読み始めてしまい(笑)、 3日で読み切ってしまいました。 まさにあの閉鎖された空間に自分もいるような気持ちになり、 息も詰まるような展開をこの身で体験してしまいました。 いや〜、本当に楽しかったですね。 久々に本にのめり込みました。 これを機に、この著者の他の小説もいくつか買いましたが、なかなか面白いです。 久々に良い作家と出会えて嬉しく思いました。 | ||||
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本作品は、法外な時給を提示された12人が地下のクローズドサークルにて1週間、サバイバルする、というもの。 ただし、サバイバルには、ルール(殺したり殺されたり、謎を解いたりするとボーナス等)があり、そのルールに則って、各参加者が行動を律していくというころが面白い。 謎解きの半分以上は、ルールを読み込めば予測できる、ということが読了後に理解できる。 作中においては、当然のように、殺人が起き、謎解きがある。 この作品の醍醐味は、主人公結城の素性(ミステリ愛好家)をいつごろ見抜くか、というところにあるが、正直、メモランダムの解析をしている最中の説明で結城が明らかに愛好家であることはバレバレなので、その点が意外だ、という感想を持つことはなかった(むしろ当然であると思えた)。 個人的にはボトルネックよりは、楽しめた、というのが正直なところであろうか。 あと、須和名さんのキャラが最後まで「予想外」のキャラだったのはうれしかった。 | ||||
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もともと、米澤さんは「日常の謎」系が主流だと思っていたために、インシテミルには驚きました。 でも、さすがですね。人数が多いのに、ちゃんと何がどうなったか、よくわかる文章でした。 私はとても面白かったと思います。 他の皆さんのレビューをみていると、ちょくちょく「最後が……;」なことが書かれています。 説明が足りないとかも目立ちます。 でも、直接的な表現がないだけで、ちゃんと書かれていると思うんですよね……;あ、説明についてはですよ。 最後については、それこそが米澤さんの魅力ではないかと思うんです。 「書かない」部分が、「書いた」感情やその他もろもろを引き立たせている……。 よくよく、丁寧に噛み砕きながら読むことで、深みを増していく、素敵な作品だと、私は思いますよ。 | ||||
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……本当に、金の為だけに、みんなで殺しをするだけなんですね。しかも、“そこまでしてお金が必要な動機”も、全員持ってない。人間ドラマ的な部分が足りないのでは?『そして誰もいなくなった』の犯人には、明確な動機がありました。『十角館の殺人』もそう。だから、トリックに多少難があっても面白い。けどこれは…。ただ単に、著者が自分のミステリー通ぶりを自慢してるだけのよう。社会風刺的な側面すらないし……。 まだ、映画版の方が面白かった気が。関水の動機ぐらいは記して欲しかった。 | ||||
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皆さんのレビューは低いですが、普通に良い作品だと思います。 クローズド・サークルに興味を持ったきっかけになりました! | ||||
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