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秋期限定栗きんとん事件
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秋期限定栗きんとん事件の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.19pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全70件 61~70 4/4ページ
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ライトノベルとの境界領域で、コージーな「日常の謎」ものとして発表された(ように見えた)『春期限定いちごタルト事件』、思春期の全能感を「名探偵」という本格ミステリの装置と組み合わせることで戯画的に照射してみせた『夏期限定トロピカルパフェ事件』に続く待望の〈小市民〉シリーズ第三弾。 依然、ミニマムすぎるぐらいにささやかな「日常の謎」本格のフォーマットをたもちながらも(バスの降車ボタンのエピソードがお気にいり)、思春期の自意識に試練をあたえる物語としてはより容赦がない方向へ、ユーモラスな外装につつまれた苦い味わいがたまらないです。 個人的には、自意識をめぐる青春ミステリという点で、法月 倫太郎『密閉教室』、真木 武志『ヴィーナスの命題』につながる系譜だと思いますし、田中 ロミオ『AURA ‾魔竜院光牙最後の闘い‾』に通底する部分も感じます。【以下ややネタバレにつき注意!】 本作では、小鳩 常悟朗の「名探偵」にくわえて、小佐内 ゆきに情報・人心操作(ミステリのタームでいう「操り」)を駆使して復讐を果たす「名犯人」の役割があたえられていることが暗示されます。 二人が〈小市民〉をめざすのは、トラブル回避だけが目的ではなく、「名探偵」「名犯人」として全能感に身をまかせることの痛々しさを知っているからです。 小鳩・小佐内とは対照的に全能感に距離をとれないあるキャラクター(中学時代の2人に重なる人物造形です)が本作で辛辣な結末をむかえることは実に象徴的です。 しかし物語のラストでは、2人は〈小市民〉の皮をかぶりながら他人を見下す今の自分たちもまた、ひどく醜悪であるということを自覚せざるをえなくなります。全能感に身をまかせることも、見ないふりをするもできなくなった2人は、どうやってやっかいな思春期の自意識に落とし前をつけるのか?それが語られるであろう「冬季限定」がとても楽しみです。 | ||||
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小鳩君の小気味の良い推理も、小佐内さんの暗躍っぷりも健在です。 本筋は連続放火事件ですが、日常の謎やスイーツの薀蓄もアクセント的に散りばめられています。 シリーズのファンならば、買って損は無いでしょう。 | ||||
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小佐内ゆきファンとしては、もう小佐内ゆきの一挙手一投足のみに全神経を研ぎ澄ませて読むべし、読むべし! ……と思っていたら、上巻では新恋人との日常に現を抜かしていた(いや、実際は現を抜かすことすらできていなかった)小鳩常悟郎の活躍と言ったら、小市民シリーズの真髄を両の眼に叩きつけられた思いがしました。 ……ととと、それだけで終わるかと思いきや、最後に待っているのは我らが小佐内ゆきの超絶暗躍。これぞまさに、「そこにシビれる!あこがれるゥ!」改めてファンになること必至。 内容が内容なので深く突っ込んでは話せないけれど、上巻を読んで想像していた、甘っちょろい小生の予想を大きく、あらゆる方向に飛び抜けていました。傑作です。そして栗きんとんが食べたくなりました。が、今は冬です。 | ||||
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待ちに待った小市民シリーズの最新刊です。 「春季限定いちごタルト事件」「夏季限定トロピカルパフェ事件」から続くこのシリーズは、高校一年生の二人、小鳩常悟朗と小佐内ゆきの二人が、さまざまな事件を一般の人には目立たないようにさりげなく解き明かしていくというもので、二人の偽装ぶりとキャラクターが魅力的でした。天才的な謎解き能力をもつ小鳩、彼に勝るとも劣らない知力と復讐への暗い欲望をうちに秘めつつも外見はまるで中学生のような小佐内ゆき。どちらも実によく計算されたキャラクターで、特に小佐内ゆきの甘いスイーツへの偏愛と数々の仕込みは超絶的に破壊力がありました。 その二人の関係が激変、緊迫した状態となった前作から、はや幾年。 ファンや関係者は非常にやきもきしていたわけですが、ようやく続きが出ました。しかも、上下二巻組です。 早速前作のラストから二人の関係はどうなったのかと興味しんしんで読み始めたら、なんという驚愕の展開か、二人はきれいさっぱりと別れて、それぞれがそれぞれに新しい彼氏・彼女を作るではありませんか。小鳩は「ジョーって呼んでいい?」なんて言ってくる可愛い系の女の子に告白されるだけならまだしも小佐内さんのことをモノローグでは「嘘つき女」と表現しています。一方、小佐内さんは小佐内さんで年下からの告白に「わたし、はっきりした男の子って好きよ」なんて言って相変わらずのスイーツデートをしております。 その新しい彼氏であるところ年下の男の子の瓜生くんが追いかけている、市内連続放火事件(といっても最初はボヤくらいの話ですが徐々にエスカレートしていく)よりも二人の青春模様に気を取られていると、さすがは米澤先生。少しずつネタを仕込んでおられます。気がついてみれば、その関係すらも何かのネタではないのかというような何かが裏で動き始めます。上下巻ということで、全貌は明らかにされませんが、二人は結局その能力を使う事を余儀なくされるようです。果たして事件の真相は? 二人の恋愛は? 本当に恋愛として進んで行くのかそれとも、、、、。 幸せなことに、これで下巻がいつ発売かわからないとその凶悪な引きに怒りを覚えるところでしたが、来月には下巻が読めるようなので、とても下巻が楽しみです。予想を裏切る展開でしたが、とても面白かったです。 | ||||
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ついに出た『小市民』シリーズ第三作目。今まで小鳩君による一人称(そうでない部分もありましたが)で進行されてきましたが今回はもう一人、新キャラの瓜野君という語り手が増えます。 あの夏休みが終わり、二学期。小鳩常悟朗は一枚のメモを受け取った。内容は呼び出し。差出人はクラスメートの仲丸十希子。その用件は―― 新聞部では問題が起きていた。一年生の瓜野高彦は学外のネタを学校新聞に載せたいと考えていたが、部長である堂島健吾に反対されていた。彼にはいいところを見せたい相手がいる。その相手の名は小山内ゆき。瓜野君は小山内さんにいいところを見せることが出来るのか?! 目次を見ると章題に季節が入ってます。最初は『秋期限定〜』だから物語の舞台は最初から最後までずっと秋で、これは何かの比喩表現かと思いました。 違いました。 今回一気に時間が進みます。 その長い間の小鳩君と小山内さん、そしてその周囲の人々がどう動くのかを楽しみ、そしてどんな結末を迎えるのかと下巻の内容を想像する。こんな贅沢な楽しみが出来る作品はそうないかと思います。しかも下巻の発売が3月11日。そんなに待つことなく続きが読めるというのも嬉しいです。 シリーズ一作目の『春期〜』からずっと小鳩君と小山内さんはセットで動いていたので、彼らが「普通」の人から見るとどう映るのか、あまり気にしてませんでした。今作は小鳩君の推理癖だとか、小山内さんのスーイツ好きが変に浮いています。それがなんか新鮮。彼らがどうして『小市民』を目指そうと思ったのか少し、分かった気がします。 | ||||
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小市民シリーズもとうとう『秋』まで刊行されることになった 小市民シリーズ既刊の作品を未読の方はやはり『春期限定いちごタルト事件』から読むことを薦める 登場人物たちに惹かれたならば、おもしろさが倍増する 肝心の内容だが上巻では謎と謎解きが少ないように感じた 下巻においしいところが詰まっているとのことなので下巻に期待しよう 上下あわせて一冊だ それにしても、小佐内ゆきは魅力的過ぎる | ||||
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上下巻だからといって問題編―解答編というわけではなかった。 上巻は、事件の概要をさらりと登場人物紹介をちょろりといったところ。 今回も小鳩のプチ推理劇場があって楽しめました。 下巻で事件と小鳩と小佐内2人の核心に迫るんだなぁという感じ。 2人は今回も事件に各々噛んでいます。 それぞれ新たな相棒と行動を共にしているようですが、なんか突飛というか 物語上ぎこちない気がします。 そこに事件の鍵があるような気がしないでもないかな。 また小佐内もこそりこそりと不穏な動きを見せているので最後の最後で オチがあるのだろうと思います。 本単体としては下巻の出来次第といったところ。 | ||||
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『小市民シリーズ』の3作目,文庫書きおろしでシリーズ初の上下巻分冊となっています. 前作,おどろきの結末とともに『ずれて』しまった主人公の少年と少女の『その後』は, 他人行儀ではあるものの,何かにつけて少女へ対する意識が見え隠れしている少年の姿や, 少女にしても直接的ではないにせよ,やはり少年を連想させる様子が見られるのが印象的で, 恋愛関係ではないふたりに,わずかながらもそれらしきものが覗けるのも興味深いところです. ただ,物語は少年ともうひとりの少年,ふたりの視点を切り替えつつ並行で進むのですが, 下巻への準備というか,物語の中心となるもうひとりの少年のパートがどうしても多くなり, どちらのパートも楽しいのですが,もう少し主人公ふたりのそれぞれも読んでみたかったです. とはいえ,主人公ふたりの関係はもちろん,まわりの人間もまだまだ何か隠していそうで, 特に主人公の少年の昔と重なるもうひとりの少年,彼らが出会うときのことが気になります. 随所に張り巡らされた伏線の数々,そしてグッと惹きつけておいてからの幕引きもおみごとで, およそ1年間が描かれるという本作,完結の『冬』へと向かう意味でも下巻に期待が膨らみます. | ||||
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本作では、連続放火事件に共通項を見出し、独自に調査をすすめる新聞部員・瓜野君のパートと、 彼女(!)となった仲丸のために小鳩くんが謎を解く《日常の謎》のパートが、交互に展開されます。 二つのパートの関連については直接的な説明はありませんが、 裏で暗躍する「あの人」の思惑によって繋がっているのかどうか……、 その辺りの真相は、下巻に持ち越しとなります。 いっぽう、今回はデート中に二つの謎を解く小鳩くん。 満員バスのなかで、誤って降車ブザーを押したのは、女子学生と老女のどちらなのか? 仲丸の兄が住むアパートの部屋の窓が割られていたのに、何も盗まれなかったのはなぜか? 個人的には、前者の謎解きが印象的でした。 バスが市内一律料金であることや、市内学割定期券と敬老パスの存在など、謎を 解くための手がかりが、必要十分に説明されたうえで、絶妙に配置されています。 特に、「犯人」を特定する手がかりと思われたある人物の振舞いが、観察の範囲を 広げることで、「容疑者」を消去する手がかりに変わるという仕掛けはお見事でした。 不可解な連続放火事件を繋ぐミッシング・リンク(動機)とは、果たして何なのか? そして、小鳩くんと小山内さんはいつ再会するのか? 下巻の刊行が待ち遠しいです。 | ||||
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本当に待ちに待った『小市民シリーズ』の最新刊です。 前作のラストも衝撃的でしたが、今回は帯を読んで「えぇ〜!そうなの!?」って叫びそうになってしまいました(笑) 小市民的に青春を謳歌しながらも、推理はやめられない小鳩君。 観察から思考に思考を重ねていく推理は今回も小気味良く、十二分に楽しめました。 そして、小佐内さんの羊の皮を被った狼っぷりが、見え隠れ… ふたりは、また巡り会える事が出来るのでしょうか?(笑) 下巻での展開が楽しみです。 あぁ…でも男子というのは何故こうもニブイものなんでしょうか(笑) 下巻ではどんな展開が待っていても、挫けずがんばって欲しいものです(特に瓜野くん) やっと読めた!という喜びと、おもわず唸る物語の展開、そして下巻への期待を込めて、☆は4.5で♪ | ||||
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