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(短編集)
図書室の海
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図書室の海の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.69pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全17件 1~17 1/1ページ
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恩田陸さんはかなり読んでると思ったけど、多作なんだな、と言う印象。「六番目の小夜子」も「夜のピクニック」も理瀬シリーズも読んでるけれど、ジャンルがバラバラで雑多なイメージ。 この短編集も彼女らしく、良く言えばバラエティ豊かだけど、雑多でまとまりがないのは否めない。特に読んだ事のない人が、恩田陸さんを読んでみたい、とはならないと思う。単独で面白い作もあるのだけど、正直本編ありきの作もあって、余り感心しなかった。 | ||||
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恩田陸さんのアイデアノートを垣間見たような短編集。 このアイデアを長編で読みたい。 | ||||
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私の中では恩田氏は青春小説のイメージが強かった。共学高校生爽やか青春系。でも先日非常に驚きました。『球形の季節』でモダンホラー作品を書いており、普通に面白怖くて。この人は色々書ける人。 ところが更に本作を読んで、筆者の才能に改めて驚嘆した次第です。SFチックなのも書けるんだ、と。 本作では、いわゆるイヤミス的なモチーフの作品が多く、湊かなえ氏の作品に通底するものを感じました。書きぶりは作品に応じて変わりますが、相変わらず表現・言葉が美しく素晴らしい。情景が目に浮かびます。 本当に違った顔を見せる筆者ですが、私の好きなものを六つ、簡単に概要と印象を書きます。 『春よ、来い』・・・今日、高校の卒業式を迎える和恵と香織。少し家を早く出たばっかりに交通事故に遭う。もしも引き留めることができたら、もしも向かいの道路で呼びかけなかったら。もしも・・・。想像と現実が錯綜しながら、古今和歌集の春歌と共に詠まれる、『もしも・・・』のその後の物語。 『茶色の小瓶』・・・社内では目立たない。でもそつのない仕事ぶりの三保典子。看護学校を卒業した典子は、何故か会社でOLをしている。ふと気づくと、更衣室で彼女は茶色の小瓶を見て気味の悪い笑顔を浮かべる。彼女の正体は。。。 『ピクニックの準備』・・・明日は学校名物の「ピクニック」。それも高校最後のイベント。同じ父を持ち、高校入学前に父親を亡くした西脇融と甲田貴子。高校最後の「ピクニック」を前にして、それぞれに去来する物事をおもう。『最後のピクニック』スピンオフ作品。 『国境の南』・・・とある喫茶店の奥に居るウエイトレス。しっかり者の姉、といった風の望月加代子。そんな加代子に思いを寄せてか、喫茶店に集まる常連たち。そんな常連が一人、また一人と体調を悪くしてゆく。事件が発覚した時、すでに加代子はどこかに消えていた。 『図書室の海』・・・『六番目の小夜子』スピンオフ。関根秋の姉、関根夏を中心に据えた番外編。 『ノスタルジア』・・・「私の体験した不思議な話」、といった風情の中で語られる、私の体験した不思議な話。高校まで一緒に居た私の「天敵」。就職・結婚・離婚を経て彼女から呼び出されたが、彼女が現れることはなかった。なぜなら彼女は。。。 ・・・ おわりに。 短編集なので気軽に読めます。でも、やはり『六番目の小夜子』と『夜のピクニック』を読んでから本作を通読頂き、関連作の「図書室の海」「ピクニックの準備」を読めば、より味わいも深いと思います。読み方の是非については翻訳家の山形浩生氏が巻末で平和にまとめてくださっているので詳細はそちらに任せたいと思います笑。その他イヤミス系作品が多く、そうしたジャンルが好きな方にはおすすめできます。 | ||||
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一作目の「春よ、こい」はとても難しい物語。 語り手が次々変わり、季節は春3月、桜が咲き始める前と固定されているけど 同じ年だったり、前だったり、ずっと後だったり。 ゆっくり読まないと混乱しちゃいます。 短い話なのですが、私は何度もページを戻って読み直しました。 全てがユメなのか、ありえた未来なのか。 二人が手をつないで、同じ方向に向かっていくラストにはいつかたどり着けるのだろうか。 これに比べると「茶色の小瓶」はわかりやすいホラーミステリーです。 ちゃんと起承転結があって、「うん、これでエンドマークだな」と納得できます。 このなかで「ピクニックの準備」が気になった方は「夜のピクニック」を 「図書室の海」のあいまいな伝説を詳しく知りたい方は「六番目の小夜子」を 「睡蓮」のオカマさんに興味をそそられた方は「黄昏の百合の骨」を読んでみてください。 | ||||
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引き込まれて読んだ短編に限って、 「本編に続く」的に終わってしまうパターンが多かったように思います。 巻末の解説にあったように、本作の"予告編"をとっかかりにして、 その先の物語を想像するのが、正しい楽しみ方なのかもしれません。 収録作では、「ある映画の記憶」と「国境の南」が好きです。 | ||||
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恩田陸さんには珍しい短編集……なので、元々掲載されていた雑誌などの傾向がかなり違っていて、一冊の本としての統一性はあまりない。 長編「六番目の小夜子」の番外編である表題作「図書室の海」、「夜のピクニック」の前日譚「ピクニックの準備」も収録されているが、どちらもちょっと消化不良。「ピクニックの準備」は映画のPRとして作られた映像版の方が出来がいいなぁ。 と、文句を言いながらも、他の短編はそれぞれに違った味があってとても楽しめました。好きなのは「茶色の小壜」や「国境の南」のようにホラー色のあるもの。どちらも短いストーリーの間に背中がすっと冷える感触、ピンと背筋が伸びてしまいそうな「恐怖」を瞬間的に感じることができます。ただ、その怖さはどちらも元のスパイスが違っていて、これがまた良く効いている感じがします。 「春よ、こい」はこれもまたある意味「怖い」話ではあるのですが、繰り返される春の風景に恩田陸さんらしい味を感じてしまう作品。 うーん、やっぱりスパイスの効いた料理をそれぞれ摘んだような感じやなぁ。結構好きです、これ。 | ||||
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短編集。 たくさんの長編のサイドストーリーなどなど関連した作品が多い。 この一冊を読むと、 ぼくは彼女をうまく評価できない。 何冊か読んで、作品によって、 好き、嫌いとはっきり分かれてしまう、 そんな作家。 その多義的な作品傾向は、 宮部みゆきと重なる。 この作品の中では、 『ある映画の記録』 『国境の南』 『オディッセイア』 『図書室の海』 は好き。 他は、好きじゃない。 やはりきちんと物語が整理されている方が良い。 ホラーやミステリーだからといって、 書きっぱなし、 謎は謎のまま、 というのはどうも好きじゃない。 彼女の作品の入門編としては良いのかもしれない。 | ||||
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長編の予告編、番外編と短編競作アンソロジーのために書かれた短編を中心とした短編集。 タイトルに書いたように、印象としてはCDに例えればデモ&アウトテイク集のようなもので、寸足らずであったり、あらすじ書きのようであったりするものが混ざっている。 関連する長編を1つも読まないでこの短編集だけを独立して楽しめ、と言われたらかなり厳しいでしょうね。 裏表紙に「夜のピクニック」の前日譚として「ピクニックの準備」、「六番目の小夜子」の番外編として「図書室の海」収録、との宣伝文句が書かれているが、両方とも期待はずれだった。特に「ピクニックの準備」はまさにデモのレベルでしかなく収録しない方がよかったのでは。 | ||||
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デジャヴやホラータッチで読ませる作品を中心とした短編集。ある作品は別の長編の予告編や外伝であったりするし,巻末の本人による解説を読む限りでは,今後書かれるだろう長編のネタ帳的位置づけの作品も見られます。 正直言って,話に入れないままページが尽きてしまう作品と,作品の情景がスーッと浮かんでくる作品に分かれました。 個人的には「オデュッセイア」がお気に入り。“ココロコ”という,山のような巨大な生命体(?)と,移動するココロコの上で暮らす人々を淡々と綴るお話。ジブリのアニメに出てきそうなシチュエーションで,味付け次第で面白く展開できそう。 “高校時代を彷彿させるノスタルジックな文体”に引かれて読み始めただけに,表題作「図書室の海」も楽しく読めます。恋愛とか絡めずに,カラッと割り切って何でも話せる間柄の夏と克哉の関係が楽しそうだなぁ。 | ||||
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10編の短編で構成されていますが、いつもながらどれも「予告編」のような小説になっていて、 それが許せるファンには「余韻がとてもいい」となり それ以外には「何だか消化不良」となるのではないでしょうか。 ファンとしては、早く本編が読みたいなぁという気持ちになります。 私が一番いいなぁと思ったのは「オデュッセイア」。 気の遠くなるような時間を生きる、動く建物つき土地区画(?)「ココロコ」! 世界が破滅の中に飲み込まれたとしても、すべての過ぎ去る出来事をじーっと見つめるココロコが、何だか切なく思えてきました。 ほんの14,5ページの物語でしたが、この予告編の本編を読みたい! という気にさせますね。 | ||||
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恩田陸さんの小説は長編よりも短編が気に入っています。この本も技の冴えが各篇に見え、恩田氏のエンターティナーとしての実力がを改めて感じました。しかし、『ピクニックの準備』は反則だと思えて仕方がありません。書き下ろしでわざわざ帰結されない一篇を混入されたら、読者としては納得できないのが普通ではないでしょうか。村上春樹さんなども、大長編の前に予告短編を書かれることが以前は多かったですが、必ず予告短編でも一つの小説として完結されていたと記憶しています。 この『ピクニックの準備』はまったくもって中途半端で、『夜のピクニック』を読まなければ何も分かりません。これはやって欲しくない手法です。 | ||||
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2つほど予告編が入っているが、短編に予告編は入れないで欲しかった。 予告編なのでもどかしい思いが残る。予告編としてはいい出来。 特に「イサオ・オサリヴァンを探して」は良かった。この本で一番のお気に入り。 「グリーンスリーブス」が楽しみだ。 「オデュッセイア」はキノの旅の動く城の話と類似。 | ||||
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この本事態の短編小説の是非を問うのはナンセンスだと思う。これはむしろ他に存在する「本編」を紹介又は補完するもの。恩田陸の本で次ぎ何を読むか迷っている人におすすめします。 | ||||
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1995年から2001年までに発表された短編を集めたもの。他作品の予告編や、エピソードや、外伝風のものが多い。したがって、恩田の代表作をいくつか読んでからの方が、落ち着いて楽しめる。 もう一つの読み方としては、恩田作品のガイドブックとしてである。作品の完成度というか雰囲気に少々バラツキのある作家だけに、本短編集を読んで、気に入ったものの本編を読むのもいいだろう。 巻末の作品自己解説と、山形氏の解説とを合わせて読めば、恩田文学のガイドとして結構いい線いっちゃうと思う。 | ||||
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ホラー系でミステリアスな余韻を残す作品が多く収録されている。プロット重視傾向にあり、文章自体にそれほど味わい深いものを感じなかったので、読後感の印象が希薄で少々残念。恩田ファンにとっては、「六番目の小夜子」(新潮文庫)の番外編、「麦の海に沈む果実」(講談社文庫)のヒロインの幼少時代を描いた作品、「夜のピクニック」(新潮社)の前日譚などが読めるので、とってもお得感があるだろう。逆にこれらの短篇をきっかけに恩田陸の長篇小説を読んでみるのも良いかもしれない。短篇集のレベルで言えば、「光の帝国 常野物語」(集英社文庫)に軍配があがるのではないかと思う。2005年「新潮文庫の100冊」の一冊に選ばれている。 | ||||
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幅広いジャンルから珠玉の短編を10編も集めてくれちゃったよ! というのが読み終わった時の感想。盛りだくさんという言葉がふさわしい1冊。 | ||||
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『夜のピクニック』で本屋大賞を受賞した作家の短編集ということで大いに期待して手に取ったのだが…。 基本的にはホラー&ミステリで、そこに読む人の心をちょっぴりノスタルジックにさせる甘酸っぱい寂寥感を伴った短編集といったところ。しかし、ストーリー自体が中途半端で、「で、なんなの?」とダメ出ししたくなる作品が多い。もっとも、読者の心をつかめそうな良い感性の片鱗を垣間見たので、これからもっと良い作品がかける作家だろう。 | ||||
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