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ブラザー・サン シスター・ムーン
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ブラザー・サン シスター・ムーンの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.56pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全25件 1~20 1/2ページ
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再掲 恩田陸(1964- )さんの本は「夜のピクニック」以来である。 自分の母校にも伝統としてある夜の長距離歩行という行事を題材にしていて興味を覚えたのである。そして素晴らしい作品だと思った。 その後、恩田作品を読むこともなかったのだが、今回の作品のタイトルにやられてしまった。自分の最も感動を受けた映画3本のうちの1本が、このブラザー・サンシスタームーンであったからである。 まったくの個人的想像であるが、本作品は恩田さんの高校時代から大学時代、そして今につながる個人史なのだと思った。自分を含めた3人の登場人物に青春時代ともいう不思議な時代を語らせていく。よわよわそうでいて筋が通っているような、そして少し感傷的な時代を。やはり恩田さんの心象描写は上手だとおもう。ただ、本題名の映画のことはあまり出てこないのが残念ではある。そんなこともあって廉価盤のDVDがあることを知り、思わず買ってしまった。 ちなみに感動の3作品の残りは黒沢明監督「デルスウザーラ」と「ある愛の詩」である。 | ||||
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楡崎彩音、戸崎衛、箱崎一・・・。ザキザキトリオと呼ばれた高校時代の同級生3人が過ごした大学時代を、鮮やかに描いた作品。 とりわけ大きな事件が起こるわけでもなく、時がゆるやかに流れていく。三人三様の大学生活。その中で彼らの接点はほんのわずかでしかない。抱えている思い出も違う。けれど、3人は確実に同じ時を過ごした。同じ空間にいて同じ物を見たこともある。進む道はそれぞれ違っても、彼らは時々人生のどこかで学生生活を懐かしむに違いない。時にはほほえましく、そして時にはほろ苦く。 この作品を読みながら、自分の学生時代と重ね合わせてみた。楽しいことばかりではなかったけれど、とても自分が輝いていたように思う。未来への希望もあった。どんなことにでも挑戦しようという意気込みもあった。この作品は、学生時代の自分自身にたまらなくいとおしさを感じさせる。 淡々とした話ではあるが、どこか人を惹きつけて離さない不思議な魅力を持った作品だと思う。 | ||||
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テーマはおもしろいと思いますが、第一部と第三部の口語体が冗長に感じました。 また視点は変わるものの三人をつなぐエピソードが繰り返し出てくるため、若干しつこい。 第二部は読みやすく、空気感も味わえました。 きれいなタイトルだなと思って読み始めましたが、映画のタイトルの引用だったらしく、 その映画を見たことのない身としては、余計に十分に味わえていない感はあります。 大学時代を思い出すきっかけにはなりました。 | ||||
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アタラシイ。 こういった感じの作品もこれまでにもありましたが、それらの進化系。時間の流れとかは実は現世の中に幾つかの時間が複合して存在していてそれらが行き交い、それぞれの主人公から見える風景の色合いとかカタチとか、それこそ時間がとても心地好く感じた。 アタラシイ。この一言です。 俺は好きですね。 | ||||
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同じ高校出身で同じ大学に進学した2人の男性と1人と女性の心象風景を綴った良作。 小説、ジャズ、映画と3つの表現方法と、3人がそれに触れたり接する時期が違っていて、もちろん考えていたり感じていることも違っている。それをぼんやりと眺めているだけで、自分自身の心象風景を眺めることになる……そんな作品。 事件が始まるわけでもなく、事件が終わるわけでもない、恩田陸さんらしい作品ですが、それだけに「好きやなぁ」という人が多いかも。 映像には向かないと思います。 | ||||
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分かれるために出会うということ。 田舎から出てきた3人はそれぞれの視点でもって学生生活を送る。 そして、そこには恋愛もある。 思っていた構成とは違って、 3者3様の視点から、物語が描かれる。 メインのストーリーを描いていくというのではなく 3人の学生生活の背後に共有された記憶が描かれる。 あくまで間接的に、あいまいに。 結びついては、離れる現実と離れていても繋がっている記憶。 青春とは案外希薄な繋がりの中で必死にもがく若者たちの営みである。 その営みの合間に横たわっているのが青春小説なのである。 けして、明確なものが描かれているわけではない。 読んで、すっきりしたり号泣したりするわけではない。 はっきり言って、第1章は面白くなかった。 でも、「リアル」である。 かつて経験したものが、確かに描かれている。そんな小説である。 | ||||
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分かれるために出会うということ。 田舎から出てきた3人はそれぞれの視点でもって学生生活を送る。 そして、そこには恋愛もある。 思っていた構成とは違って、 3者3様の視点から、物語が描かれる。 メインのストーリーを描いていくというのではなく 3人の学生生活の背後に共有された記憶が描かれる。 あくまで間接的に、あいまいに。 結びついては、離れる現実と離れていても繋がっている記憶。 青春とは案外希薄な繋がりの中で必死にもがく若者たちの営みである。 その営みの合間に横たわっているのが青春小説なのである。 けして、明確なものが描かれているわけではない。 読んで、すっきりしたり号泣したりするわけではない。 はっきり言って、第1章は面白くなかった。 でも、「リアル」である。 かつて経験したものが、確かに描かれている。そんな小説である。 | ||||
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恩田さんらしく、細かな描写はうまい。 リアルな青春のようなものをきれいに切り取っていると思う。 バンド関係の描写に関してはかなり資料にあたられたんじゃないだろうか。 でも、正直退屈でした。 延々と3人それぞれの心理描写が続いて行き、ストーリーラインらしいものは特になし。 ひとり分ならまだいいんですが、これを3人分やられると、3人目には少々食傷気味。 1人目の女の子は明らかにかなり恩田さん自身を投影していると思われるのですが、 その女の子をちょっとアイドル的に描いているのが… 恩田さんの心理描写がかなり好きで、それだけで1冊読んだって構わないという方にはおすすめ。 | ||||
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主人公3人の視点でそれぞれに大学時代を回想する。そして今いる居場所を確かめる。今はもう思い出すこともないが、実はあいつとの出会いって分岐点だったよな、なんてことありますよね。「あの頃って青春だったんだな」と気がつくことが... | ||||
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「夜のピクニック」のような感動は起こらなかった。 あっという間におわってしまった。 登場人物が苦労していないからだろうか? 人生はもっと感動しなければいけないのではないだろうか? | ||||
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恩田陸作品としては初めて読んだ作品なので、他の人とは異なったとらえ方をしているかもしれないです。 作品の構成としては、高校・大学の同窓生である3人の主人公がそれぞれ 1部〜3部の主役となっています。 面白いのは、それぞれの部ごとに、その「語り口」によって主人公のキャラクターが見事に表わされていることです。 また、一つの共通の思い出がそれぞれの視点から語られます。 第一部の「楡崎綾音」編は、一貫して一人称視点で描かれていて、 綾音が自分と周囲のことを、思うがままに語っていく形式で進みます。 そのくせ、自分にとって本当に大事な、ナイーブな部分についてはあまり触れず、 さも、「あれ、話さなかったっけ?」という風にとぼけたりするほどです。 (本当にそんな女の子と話しているような感覚になります。) 第二部の「戸崎衛」編は、一貫して三人称視点で描かれています。 衛は、音楽に熱中しながらもどこか冷めたところのある青年で、 周囲の状況を常に冷静に見ています。 個人的にこの作品のキモの一つとなっているのが、二部で衛の目から描写される綾音・一の人物像です。 それぞれの主観・客観の視点を重ね合わせることによって、 人物像がよりリアルに、多層的に感じられます。 第三部の「箱崎一」編は、一人称・三人称視点の混成で進みます。 それが、まさに一の人物像をそのまま表わしているようにも思えます。 一は、冷静で、基本的には自分の性格をよく分かっている人物として描かれますが、 自分でも把握できない部分もどこかに持っています。 それは、衛の視点を得て初めてリアルなものとして感じられます。 そして、最後作品のモチーフである蛇のシーンが描かれます。 ほかと比べると、ストーリー性が弱い作品なのかもしれません。 (自分は、作者の他の作品を知らないので気になりませんでしたが) しかしそれでも、自分と他者の「関係性」というものについて、あるいは「出会いと別れ」について 何らかの手ごたえを与えてくれる 唯一無二の作品であると感じました。 | ||||
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「いつも魅力的で肌触りの心地よい風呂敷を見せてくれるが、畳み方が大雑把なのが玉に瑕」という評価の多い著者が、おそらくラストシーンから逆算して描いたのではと思わせる一冊。もしくは、あらかじめ畳み終えていた美しい風呂敷を見せてくれたのか。 同じ高校を卒業し、学部こそ違うものの同じ大学へ進学し、そして別々に大人になった3人の男女が、それぞれの学生時代を回想する、もしくは描写される構成になっていて、大きなストーリーが展開するわけではない。けれども、一人一人の奥行きある人物造形が、不思議な味わいを残してくれる。 3人が高校時代に出会った意味は何だったのか、それとも意味なんて思い出としての価値しか持たないのか。今のように気軽にレンタルできるDVDのない時代、名画座で見た映画「ブラザー・サン シスター・ムーン」に彼らが感じたものが三者三様に違ったように、この小説の捉え方にも読者それぞれの志向が反映されるだろう。 | ||||
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男2人と女1人の物語。主人公3人は、地方の高校から同じ大学に進んだ同級生。 大人になった現在、3人それぞれの目から高校時代より大学時代にかけての思い 出を語る、連作短編小説です。 『夜のピクニック』でも感心しましたが、恩田陸の青春小説は、当時の生々し い気持ちが的確に表現されていると感じます。 「狭かった。学生時代は狭かった。」 「ようやく自分でおカネを稼げて、いちいち誰かにお伺いを立てずに済むよう になったのに、なんでってまた、あのクソつまんない学生時だしに戻らなきゃ なんないわけ?」 なんて感情は、歳を取れば忘れてしまいそうなものなんですが。。。 物語は淡々と進みます。学生時代のじゅくじゅくになった傷がちょっと痛くな るような、ちょっとせつない話です。 「私たちは、別れるためにであったのね」 | ||||
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読んでから二週間くらいになるが、もうどんな話だったかあまり覚えていない。それなりに読ませるが、読後感といえるほどのものもない。そんな話。 | ||||
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第一部が★3つ。 第二部が★5つ。 第三部が★4つ。 平均すると、★4つです。 やっぱりプロだなあ、と思ったのが自叙伝的な第一部より、 創作であろう、第二部の方が圧倒的に面白く、 第二部だけを膨らませて書けば、ものすごいものになったのに。 ちょっと残念でした。 ただ、第一部の大学生時代のグダグダ感は共感でき、 やっぱり、そのグダグダ感を振り替えって、初めて、 新たな物語を紡げるようになるんだろうなあ、とは感じました。 | ||||
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恩田陸(1964− )さんの本は「夜のピクニック」以来である。 自分の母校にも伝統としてある夜の長距離歩行という行事を題材にしていて興味を覚えたのである。そして素晴らしい作品だと思った。 その後、恩田作品を読むこともなかったのだが、今回の作品のタイトルにやられてしまった。自分の最も感動を受けた映画3本のうちの1本が、このブラザー・サンシスタームーンであったからである。 まったくの個人的想像であるが、本作品は恩田さんの高校時代から大学時代、そして今につながる個人史なのだと思った。自分を含めた3人の登場人物に青春時代ともいう不思議な時代を語らせていく。よわよわそうでいて筋が通っているような、そして少し感傷的な時代を。やはり恩田さんの心象描写は上手だとおもう。ただ、本題名の映画のことはあまり出てこないのが残念ではある。そんなこともあって廉価盤のDVDがあることを知り、思わず買ってしまった。 ちなみに感動の3作品の残りは黒沢明監督「デルスウザーラ」と「ある愛の詩」である。 | ||||
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高校時代、たまたま課外授業のグループで一緒になった3人。 それが縁でなんとなく親しくなり、偶然にも一緒の大学に進んだものの、 大学時代は特に親しく付き合うことはなかった。 そんな3人が大学の4年間に自分にとっての生きる術ともなるようなかけがえのないものに気づく様子を描いた物語です。 さらさらと淡々と流れるように展開していきます。 特に印象深いエピソードがあるわけでもなく、どこにでもいるような学生たちの物語。 どんな本だったのかすぐに忘れちゃうように印象が薄いので、ちょっと軽く読む分にはいいんじゃないでしょうか? 三人の人生は時につながりつつも、あの日の三叉路のようにきれいに3つに分かれてしまった。 ここは彼らのスタート地点であり、いつの日かこの道がまたつながることを祈ってやまない。 さわやかな余韻が残りました。 | ||||
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本の帯に「夜のピクニック」の文字を見つけ、胸をどきどきさせながらページをめくった。 ・・・あれ?これは何の本?との疑問。これは大学生のお話です。 雑誌か何かに「大学時代はあまりいい思い出がない・・・」みたいなことを恩田さんが語っていました。 恩田さんは高校生を描かせると輝きを放つけれど、大学生はイマイチ好きじゃないようですね。 でも、やはりさすが恩田ワールドはいつ読んでもはまり込んでしまいます。 | ||||
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もしあなたがあの圧倒的に美しい同名映画のファンなら、けっして読んではいけません。 たとえ装幀に映画を思わせる罌粟の花畑の写真が使われていても… 主人公の小説家は映画の題名すら覚えておらず、同じく映画監督にいたっては「ピンと来なかった」のひとこと… しかし主人公たちの書く小説も、演奏する「ジャズ」も…ピアノトリオにエレベって…、映画も…「サンドイッチ航海」(YouTubeで見られます)に触発されて「脚本がしっかりしている群像劇」って… 同名映画の100分の1ほどの魅力も感じませんでした。 なにかとっても大切なものを汚された気持ちになりました。 | ||||
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ストーリーとよべるようなものははっきり言って無い。 大学の4年間。 それは第二章でこう表現される。 「大学生というのはあまり停車駅のない長距離列車にのっているようなものである。」 私は大学にはいって無いのであるが、 そのかわり工業高専というちょっと世間ずれした学校へ行っていた。 その感覚は良く分かる。 高校時代の課外授業の一環で偶然知り合い、 同じ大学に進んだ三人。 そして大学時代に 楡崎綾音が小説に 戸崎衛が音楽に 箱崎一が映画に 「気づく」話である。 「出会う」ではない。 そもそも三人ともそれぞれのジャンルに興味を持っていて、サークル活動をしているのである。 元に戻るが不思議な話しである。 一人ひとりの話がそれぞれ1章で全3章の構成なのだが、決して小説、音楽、映画を熱く語るのではなく、淡々と時間が過ぎた記憶を描くだけである。 しかも共通の思い出として描かれるのが 「泳ぐ蛇」と「名画座で見た映画」で 両方とも高校時代の話なのである。 読んでいて自らも学生時代を思い出したりするのであるが、それは決して「ノスタルジー」ではない。 おのれの語彙の貧弱さが恨めしい。 とにかく私にとっては「新感覚」だった。 | ||||
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