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中庭の出来事



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【この小説が収録されている参考書籍】
中庭の出来事
中庭の出来事 (新潮文庫)

中庭の出来事の評価: 3.13/5点 レビュー 56件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.12pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全56件 41~56 3/3ページ
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No.16:
(4pt)

惑わされるよろこびを味わいたい

私にとっては、とても魅力的な作品でした。
頭の中にストーリーを組み立てて、瑕疵をうんぬんしたり、矛盾を探したりし始めたら、
途端にこの作品の魅力は半減します。
いちばん正しい楽しみ方は、すすんで惑わされることでしょう。
「えっ、どういうこと?」と思って、ページを行ったりきたり。
読み進めていくうちに、だんだんと不安になっていきます。
まるで白昼に立ちくらみをおこして、一瞬、自分がどこにいるのかわからなくなる、
そんな足元のおぼつかない頼りなさ、それこそがこの作品の魅力です。
理解しようなんて思わずに、どっぷり作品世界に浸ることをおすすめします。
起承転結がはっきりした、ハリウッド映画のようなお話が好きな人には、確かにおすすめできませんが…。
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No.15:
(5pt)

メタ・フィクションの傑作

メタ・マセマティクスという言葉をご存知でしょうか。これは数学自体を研究対象とし、そこで使われる論理を分析したり、理論の無矛盾性を問題としたりする学問のことです。この「メタ」という用語の用法を使えば、この小説はメタ・フィクションであり、メタ・ミステリーです。つまり、作者の読者への挑戦として、この小説自体の構造が問われているのです。ここで、僭越ながら、私から皆さんへ問題を一つ。『作品の中の「中庭にて2」の最後で、女性が死ぬシーンがあるが、これは「小説中の現実」か、「小説中の劇」か、「小説中の劇中劇」か、それとも別の状況かを答えよ。また、その理由を述べよ。』
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No.14:
(1pt)

難解を通り越して・・・

第20回山本周五郎賞受賞作品であり、他のレビューアーの方の評価も高いのだが、残念ながらこの作品は私の好みには合わなかった。
作品のスタートから、何が起きているのかが理解出来ず、100ページ目前後で、やっと作品設定の説明(めいたもの)があるのだが、多分そこから1ページ目に戻っても理解出来なかったと思う。実際には、1ページ目に戻るほどの魅力を作品に感じなかったのでそのまま読み通したのであるが、とてもつらい読書であった。
内容が理解出来なかったため、内容に関するレビューが書けずすいません。
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No.13:
(3pt)

わかりにくい物語でした

とにかくわかりにくい・・・が正直な感想です。
内側の物語と外側の物語の二つの話が平行に進んでいるということにさえ初めは気が付かず、???と思いながら読み進みました。ただ読み進むうちにわからないながらもなんとなく形のようなものが現れてきて、少しずつ糸がほぐれてきたように思います。
演劇には詳しくないのですが、これは舞台化を頭に置いて書かれているのかも知れないと思いました。
この著者の作品は読後がすっきりしないことがよくあるので、”ああ、またか・・・”という思いはありますが、それも味なのかなと思っています。
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No.12:
(3pt)

メタフィクション

 非常に楽しく読ませていただきました。特に最後の、種明かしとなるべき女優1、女優2、女優3の相談あたりはコミカルで笑みを禁じえませんでした。
 一人の作家が殺される。容疑者は女優1〜女優3。3人はオーディション中でキャストが決定する前に殺害された。この女優がまったく同じ状況を言葉を替えて語ることにまず読者は戸惑うだろう。これが内側の話。
 その一方で挿入される、この脚本を書いた脚本家が、それを思いつくに至った事件やら会話やらアイディアの切れ端をつかんだエピソードが挿入されていく。これが外側の話。
 読み進むうちに、『内側の話』こそが外側で練られていた脚本ということが分かるという趣向で、内側も外側も同時に脚本家殺人事件が進行しはじめる。そして、しまいには外側までもが内側に飲み込まれ……
 という壮大な話なのですが、シナリオを褒めたりするのがもう作者による自作の自画自賛に見えてメタフィクションの難しさを感じました。そこはちょっとアレでしたが、最後らへんのオールキャストによる、ミステリの幕切れにはあまりにもほのぼのとしたぐだぐだ加減がかなり好きでした。☆は3か4で迷って、でも瑕疵が多いなぁとも思うので3にさせていただきます。
 いつもの膨大な与太話がこれでもか!ってほど突っ込まれているのはいつもの恩田陸っぽかったです。ところで最近の恩田陸の話、リフレインによる『ズレ』に焦点があたってますよね。ねじの回転、ユージニア、夏の名残の薔薇…、この作品はまだ未完成ですが、次はどこにたどり着くのかとわくわくします。
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No.11:
(2pt)

この本に5つ星を付けられる人を私は尊敬する。

芝居の脚本と現実が交錯しすぎて、
私には何がなんだかさっぱりわかりませんでした。
とにかく話が次々に飛ぶし、どれが真実で脚本なのか判断できない。
自分がどこに立っているのかも、彼らがどこにいるのかもわからない。
頭の中で全然まとまらないのです。
おそらく紙に丁寧にメモを取っていたとしてもキチンと把握しきれなかったと思う。
私の頭が悪いとかそういう問題ではないと思うのですが・・・。
後半はなんとなく確信がつかめてくるんだけど、
そこにすら圧倒的に引き込まれるような魅力は感じられず・・・。
実際にこれを舞台化してみせてもらったほうが、
よっほどわかるかも。
好きな作家の本じゃなかったら、
間違いなく途中で投げ出してたこと確実です。
とってもチャレンジングな試みであったことは認めます。
でも、これには世のほとんどの人がついてこれないのも確か。
作り込みすぎです・・・。
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No.10:
(4pt)

不思議な世界

あるひとつの「真実」について、様々な視点からの「事実」が断片的に語られているような印象を受けました。幾つものパラレルワールドが描かれているような感じです。私たちは、自らの属する「現実」を「パラレル」と対比しますが、この作品では基軸となる「現実」がどこにあるのかが分からないのです。しかし、語られる事実の多くは主観というフィルター越しの世界、ある人にとっての「事実」が必ずしも他の人にとっても「事実」であるとは限らない・・・果たして「事実」とは何なのでしょうか。そんなことを改めて考えさせられる作品です。また、著者独特の知的・幻想的雰囲気も相変わらずで、魅力的な作品であると思います。
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No.9:
(1pt)

失敗作?

著者の「Q&A」みたいな実験的な作品だと思います。が、書き方もキャラクターもストーリーもトリックも、魅力的なものは何一つありませんでした。
最近の恩田さんはどうしたんだろう?昔みたいなおもしろい作品はもう読めないのかな。
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No.8:
(3pt)

よくわからない・・

私の頭が悪いのだと思います・・
ストーリーが全く理解できませんでした。
所々”なるほど”と思わせる逸話もあり一瞬興味をもつのですが、
全体を通して考えた場合、霧の中を歩いているようなモヤモヤ感でいっぱいでした。
残念ながら、
何を伝えたかったのか、何を表現したかったのか、
わたしには意図不明です。
年末から年始にかけて頑張って読みましたが、
途中であきらめて他の作品に移れば良かったかなとちょっと後悔しています。
作者の方には申し訳ないのですが、
私の率直な感想です。
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No.7:
(1pt)

まさにマグリットの作品ような劇中劇。

なんとかやっと読み切りましたが、いまいち理解できません。
もともと「新潮ケータイ文庫」で長々と配信していたせいか、
ぶつぎりの幕間劇のような感じで、最後に謎解きのような一章がありますが、
すっきりせずに終ります。
著者自身、作品中でマグリットの作品「光の帝国」について書いていますが、
(マグリットが好きな方はわかると思いますが…)
むしろ表紙のようなアクロバットの「幕間劇」のがふさわしい。
「ユージニア」や「チョコレートコスモス」で恩田ファンになった方は
気をつけた方が良いかもしれません。あまり期待はできません。
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No.6:
(3pt)

ロシアの人形

開けても開けても中から出てくるロシアの人形のようだった。自分が今どこにいるのかが分からなくなった。言葉には光があり、煌めきを残しているのだけれども、自分にはまだまだ理解できないままだ。
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No.5:
(3pt)

ふっふっふ。覗いてごらん、私の頭の中を。。。

著者の「ドミノ」に近い実験的な作品だと思う。
ドミノと違うのは、構成が複雑で一筋縄でいかないこと。
私は、何度も読み返してしまった。
恩田陸という人は、引き出しがとっても多い人で、
今作も、色んな引用とアイデアで満ちています。
つまり、今作は恩田陸の頭の中を覗いているようなものに近く、
その意味では、オブザーバー(?)として旅人二人(昌夫たち)が登場する場面で、
霧・闇・トンネル・彼岸花などの非日常な小道具が使われているのは、
著者の内世界に導く為の、確信犯的な部分がよく出ていると思う。
でもちょっと考えすぎな気もする。
只、こんな作品を発表出来るのは、恩田陸が絶好調な証拠で、
だからこそ、今でなければ描けない作品だとは思う。
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No.4:
(3pt)

渦にまきこまれる

不思議な本でした。
自分では中に向って歩いているつもりなのに、いつのまにか外にでてしまうような。エッシャーの「階段」の不思議な絵のような物語でした。
お話の中にお話があってさらにその中にお話が・・・わからない!
読み終わったあとも???がグルグルとまわって、もう一度、もう一度と読み返したくなるような本でした。
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No.3:
(4pt)

読めば読むほど深みにはまる・・・

誰でも自分を演じている。私自身もそうだろう。時には娘、時には母、そして時には主婦。
その時その時、その場に応じた役を演じている。人はだれでも、自分という役を演じる
役者なのかもしれない。
この作品、どこまでが芝居で、どこまでが現実か?劇中劇はどこまでなのか?線引きでき
ないほど混沌とした独特の世界がある。一度読んだだけでは絶対に理解することができ
ない。読み進んでは戻り、読み進んでは戻り、何度も繰り返した。読後も、もう一度最初
から目を通した。それでも、まだ納得できない部分がある。いったい何度読めば理解できる
のか?読めば読むほど混乱するだけなのか?恩田陸の世界は私を魅了する。読むたびに
違う顔を見せる不思議な、そして深い作品だった。
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No.2:
(4pt)

読み返しが必要

かなりじっくりと、読み返しながら読まないと、私には、読み進めることができなかった。かなり、頭をつかわされた感がある。作者の作風は、だんだんと、こみいって来ているように思う。ひねりが、効くに効いてきている。
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No.1:
(5pt)

恩田陸からの挑戦状

もはやミステリを越えた独自のジャンルを築きつつある彼女だが、本作ではそのありあまる実力を見せ付けた。本当にスゴイの一言。
「劇中劇」が本作の最大の仕掛けであり、もっとも意味を持つものというのは、少し読み進めばすぐに判る。劇中劇それ自身は古くから多くの作家に用いられてきた手法の一つで、読者を混乱に招きつつも、作品自体に深みを持たせる重要な要素であった。恩田陸は本作で劇中劇をひとつのジャンルとして昇華したといっても過言ではない。
さて、この「中庭の出来事」はその「中庭」で起こった事件を、幾重にも折り重なる劇中劇で展開していく。テーマは「芝居」であり、多くは役者(女優)にスポットが当てられる。章としては29あるが、全部で4つのパートに分けられ、それぞれが連動しながら展開していく。ちょっと進んで困難だったら展開図とも言えるメモを作成しながら読むべき。
何が芝居?どこまでが芝居?だれが演じている?何が真実?だれが真実?何が起こった?何が起こっている?何が起こるのか…?
恩田ワールド全開のすさまじい作品だが、どっぷり浸かれる素晴らしい作品。少し進んで「?」となったら、また戻って。ゆっくり読み進めましょう。
「自分を演じてない人間はこの世にはいないと思う。自分に与えられた役割を意識して、家の中でも、会社でも社会でも、望まれた姿を演じている」 作中335ページより
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