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象と耳鳴り
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象と耳鳴りの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.18pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全33件 1~20 1/2ページ
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「六番目の小夜子」のドラマ再放送を見てからまた原作を読みたくなり、その後、「小夜子」の登場人物に会いたくなってこちらを再読しました。この連作集の主人公は関根秋の父親で判事を引退した関根多佳雄です。他にも奥様の桃代、秋の兄の春、姉の夏、他、いとこや姪も登場します。 1999年作品。当時リアルタイムで読んだと思います。今回、内容はすっかり忘れていて2度楽しめました(苦笑)。 あとがきで恩田さんが書いておられますが、「読者として一番好きなのは本格ミステリである」(←意外でした)、「自分は三段論法の使えない人間である」にもかかわらず「本格推理小説への憧れ捨てがたく」悪戦苦闘して数年がかりで書き上げたということ。なのでいつものような幻想ファンタジーやサスペンス寄りの話ではなく、推理がメインです。が、いかにも恩田さんらしい不穏な雰囲気は健在で、なにげない日常がある時突然ざらりとしたものに変わる瞬間にはぞくそくさせられます。 最初の2、3話は話の進行に無理を感じてしまい、あれれ、いまひとつかなと思ったのですが、後になるに従ってだんだんと奇妙な迫力が増していきました。 まず主人公ですが、粋にツイードのスーツを着こなし、文豪のような丸眼鏡をかけた長身のおしゃれなおじさま(おじいさま?)で、その飄々とした個性が際立っています。 登場人物たちは実際に出かけ、現場を歩き、動いているのですが、中心になる事件が過去のことであったり、知り合いに謎解きを持ち掛けられたりで、どこか安楽椅子探偵のような趣があります。以下、気に入った作品をあげてみると、 「給水塔」住宅地に建つなんでもない給水塔が、そこで起きた事を知るに従って不穏なものに変わる不気味さ、 「海にいるのは人魚ではない」たわいない子供の言葉と思われたものが、実は殺人事件を暗示していた、 「ニューメキシコの月」次々に担当患者を殺して埋めた医者からの絵はがき、 彼はなぜそのような犯罪を犯したのか? 「誰かに聞いた話」ちょっとしたしゃれた掌編。記憶というものの不可思議さがよく出ています。 「廃園」むせかえるようなバラの庭園、関根元判事の過去の恋、そして子供の残酷さ。 「待合室の冒険」関根春が活躍します。この本の中では唯一ちょっとした活劇になっています。 「往復書簡」関根の姪、孝子が巻き込まれたトラブル。 手紙のやり取りから人間心理と犯人を推測するおもしろさ。 「魔術師」バスの中で死んでいた男、都市伝説の赤い犬、教室から椅子だけが消えていた、 それ自体がまるで意思を持っているかのような都市、 いろんな要素がカチリと音をたててはまるように最後に真相が明らかになり、爽快な読後です。 やはり恩田さんの作品はいいですね。これから順に再読していこうと思います。 | ||||
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大好きな単行本 何度読んだかわからない 装丁と内容の世界観が合ってるのもすき | ||||
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近くの本屋で取り寄せになってたのでついでに購入。 新品を既に持っていたので中古で充分。 外装も綺麗だし、なんの問題もありませんでした。 曜変天目の夜がとにかく面白い。 | ||||
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「六番目の小夜子」の関根秋の父・元判事の関根多佳雄の日常不思議日記。 【曜変天目の夜】 曜変天目茶碗を美術館へ見に行き、10年ほど前に亡くなった友人が「今日は曜変天目の夜だ…」とつぶやいたのを思い出す。 【新・D坂の殺人事件】 渋谷のD坂で雑誌のライター風の謎の男が、ビルを見上げる老人を見て、何を見ているのか聞くと「堕天使を」と。すると急に男倒れて亡くなった。この作品は謎の男目線で、最後に老人が関根多佳雄だと分かる。 【給水塔】 前作のライター風の謎の男・時枝満と多佳雄が時々会う散歩仲間になっていて、満が「人食い給水塔」へ連れて行き話をする。 満は何がしたかったのだろう。真相を知って欲しいのか、知られるのが怖いのか。。満が出てくるのはここまで。 【象と耳鳴り】 喫茶店で老婦人が「象を見ると耳鳴りがする」と語り始める。 ラストは。。なんともいえない重さが残る。 【海にゐるのは人魚ではない】 長男で検事の春と伊東に住む元実業家の家へ行く途中、「海にいるのは人魚じゃない」という子供の会話が聞こえる。一家心中の事件と結び付けて二人で推理するが… 【ニューメキシコの月】 多佳雄は脛にひびが入り入院する。お見舞いに東京地検の貝谷毅が来て、ニューメキシコの月の写真の絵葉書を見せる。九人の男女を殺して床下に埋めた医師・室伏信夫から届いたと言う。 動機はなんともやるせなく壮大で重いかな。。 【誰かに聞いた話】 妻・桃子と夕食時に、誰かに聞いた話だか思い出せないと話し…桃子が話題を降りつなげていく。 何の話かと思ったら。。最後は。。本とうに? 【廃園】 従兄弟の結子が亡くなり、娘の結花に招待され、かつて結子が愛した薔薇の庭があった屋敷を訪れる。結花はあの時何があったのか知りたいと言う。 【待合室の冒険】 春と出かける途中電車が止まり、待合室で足止めをくう。男が携帯で話しているのを聞いて… 【机上の論理】 春と妹で弁護士の夏が従兄弟の隆一から一枚の部屋の写真を見せられ、この部屋の人物像を当てられたらおごると言われ推理する。 【往復書簡】 桃代方の姪・渋谷孝子が新聞社へ就職をし、お礼もかねて多佳雄に手紙を書き、文通をする。その文章から放火魔を推理し… 【魔術師】 貝谷が地検を辞めて宮城にある実家の農家を継いだ。多佳雄が遊びに行く。そこで、街には意思があるという話になる。 あとがきにあるように、長編を考えて短縮した話で、他のショートショートよりも長め。 主人公の年齢が高いのと、関根一家は皆インテリなので理屈が多いので、かなり落ち着いた、へたをすると暗めになってしまう。父目線でなく、息子目線で、一家総出の長編が読んでみたいかな。 | ||||
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恩田陸さんは独特の不思議な世界観で有名ですが、この作品はどれも現実的で(少し不思議な出来事は起きますが)、推理や解決に重点を置いた、ちゃんと「推理小説」といえる作品だと思います。 他の作品のような、不思議でちょっと不気味で、迷宮のような世界観はかなり抑え目ですが、不思議すぎないのでその分読者でも考察や推理がしやすく最後にはしっかり謎が解けて、読んだ後にすっきりできる良作だと思います。 この作品で関根多佳雄さんのファンになりました。別作品にもぜひ出してほしいです。 ちょっと関根さん家族が全員優秀すぎて(人としても頭脳にしても…)気後れしてしまう部分もありますが、まぁ恩田陸さんの作品にはどれも超優秀なインテリがわんさか出てくるので、まだ判事や弁護士などの現実的な職なだけリアリティがあると思います。 最近ちょっと恩田陸さんは不思議世界観が先行して、推理・解決されないまま(または超常現象・特殊能力おち)で終わり、という作品が多い気がするので、またこの作品のような推理や解決に重点を置いた推理小説書いてほしいと思います。 | ||||
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緑と白の表紙が気に入り購入しました。 いっきに読めたし面白かったです。 | ||||
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恩田陸作品大好きで殆ど全て読んでいますが、個人的にはベスト3に入る一冊です^^(ショートなので比べ辛いですが‥) 何度も読み返してしまう魅力的な作品です!! | ||||
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古今東西数多ある推理小説の中で根強い人気を誇る「日常の謎」カテゴリ。 国産もので有名なのといえば北村薫「円紫さんと私シリーズ」(大好きです)加納朋子「駒子シリーズ」倉知淳「猫丸先輩シリーズ」などが挙げられるんですが、本書も日常の謎解きをメインに扱った恩田陸の佳作。 殺人事件や人死にが含まれる話も少なくないんですが、その殺人事件も過去の出来事で思い出語りができるほど風化されていたり、生々しさはそれほどありません。けれど面白い、すごく面白い。「謎」の最も純粋な部分だけ抽出し結晶化したような短編が多く、掌編といっても差し支えない長さのものも含まれてるのですが、どれひとつとってもはずれがないのは凄い。 主人公は退役判事・関根多佳雄。 成人した三人の子供をもつ愛妻家、物腰柔らかな老紳士で散歩が趣味。 そんな彼が遭遇した日常の謎を、退役してもなお衰えを知らぬ鋭敏な洞察力と推理力で解き明かしていくんですが、多佳雄さんのとぼけた人柄が浮世離れした雰囲気に相まって非常にいい持ち味を出してます。 どれも好きなのですが個人的ベストを選ぶなら「廃園」。 薔薇が咲き乱れる庭でかつて不審な死を遂げた美しい従姉・結花。 従姉の死から時が経ち、成長した娘は母が死んだ庭を家ごと売り払う決意をした。 母が愛した薔薇は枯れ果て、美しかった庭は朽ち果てた。 変わり果てた家を訪れた多佳雄は奔放な従姉の思い出とともに過去を回想し、彼女の死の真相を探り当てるー…… 「廃園」のタイトルが示す通り、多佳雄が来訪した現在の庭は跡形なく荒れ果てているんだけど、彼が追憶する庭の情景が非常に美しく華やかに描写されるせいで、読者の脳裏には現実には既に存在し得ない幻の庭が鮮やかに像を結ぶ。この仕掛けが憎い。 恩田陸は「もうここにありはしないもの」を巧みな語り口によっていまだあるように錯覚させる描写の名手なんですが、「廃園」ではその手腕が遺憾なく発揮されてます。 残滓にすぎないもの、残像にすぎないもの、残影にすぎないもの。しかし登場人物たちの中では確かに生きて、ともすると灰色の現在より鮮烈なイメージを持ち得る事柄。 色とりどりに咲き乱れる薔薇、濃密な芳香、麗かな天国の情景、如雨露を持って振り返る美しいいとこと愛くるしい娘……土が剥き出しの灰色の庭を前に、多佳雄が回想する情景は非常に美しく、それが現実には存在し得ず、当時を知る人間の記憶の中でのみひっそり生き続けるからこそ哀切な余韻を増し、感傷をかきたてる。 ほかに人間の命の尊厳を問う「ニューメキシコの月」、関根家の娘と息子といとこが一枚の写真をもとに推理合戦をくりひろげる「机上の空論」、現役検事の息子・春とドライブに出かけた先での出来事「海にいるのは人魚ではない」も好きです。表題作の時が止まったような喫茶店の雰囲気、ほろ苦く懐古的な余韻もいいなあ……。 | ||||
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どんな小さなきっかけも見逃さない登場人物たちに、身を委ねて付いていくだけで、面白い展開を見せてもらえる。そんな感想を持ちました。 特に主人公・関根多佳雄にかかったら、いくら平凡な日常にも事件が見つかるのでは?と思う。それほどまでに些細な出来事からでも、事件をひもとく観察力がある主人公です。 恩田陸さんの穏やかで緻密な文章がなかったら、「行く先々で偶然殺人がおこる率高すぎの金田一少年への白け」と同じ気持ちになったかも。 でも、白けるどころか、ぐいぐい引き込まれました。 作品全体に漂う上品さも魅力的です。シャーロックホームズのようです。 | ||||
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◆「新・D坂の殺人事件」 渋谷の雑踏の中に忽然と出現した、全身に細かい骨折を負った男の死体。 男の周りには、無数の通行人がいたにもかかわらず、目撃者がいない……。 現代人の利己的な欲望と無関心により生じた不可能状況を、 都市の風俗にからめて鮮烈に描いた寓話的な作品。 ◆「給水塔」 その周辺で事故や失踪があったことから「人喰い給水塔」と名づけられた建物。 時枝満から事件の詳細を聞いた関根多佳雄は、その謎を推理するのだが……。 事件間のミッシング・リンクを見事に繋げ、鮮やかな謎の解明をする多佳雄。 しかしそれは、多佳雄自らが捏造した解答から逆算した恣意的なものに過ぎません。 ラストの擬人化された給水塔のイメージは、多佳雄の推理 によって生命を与えられた謎そのもののように思われます。 ◆「待合室の冒険」 人身事故のため、駅の待合室で 復旧を待つ多佳雄と息子の春。 そこに居た男のケータイの会話、 「電車が動きださないことにはこっちだってどうしようもない。 七時三分だ。七時三分に迎えに来てくれ。間違えるな。」 に隠された意味とは? ハリイ・ケメルマン『九マイルは遠すぎる』を 嚆矢とする《推理連鎖》ものに属する作品。 はっきり言って、切れ味と完成度は本家以上。 本家の文庫本が小道具として作中で効果的な 用いられ方をしているのも、実に心憎いです。 | ||||
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恩田陸氏は優れた現代作家の一人だと思いますが、12冊目に読んだ本書は「あとがき」で著者自身が述べているように、小説としてもミステリとしてもとても未熟な内容で正直がっかりしました。小説やミステリを余り読んでない人には良いと思いますが、小説好きな方には著者の著書であればライオンハート等の他著をお薦めします。 〜あとがきより抜粋〜 読者の皆さんに楽しんで頂けるかどうか考えると一抹の不安が残る。立派な本格推理小説作家への道のりは遠い。ゲラ刷りを読み返す度、全部書き直したくなってとても困った。(1999年) 今読み返してみても全部書き直したくなってしまうという心境は変わらないが、、、「若かったのう」という境地になったのも確かである。(2003年文庫版) 只、「海にいるのは人魚ではない」の章で、詩人中原中也について(恐らく)著者の思いを主人公に「あの時代の詩人たちの、西洋と東洋の狭間−または、近代と現代の狭間の日本語がいちばんなまめかしかった時代の詩はもう二度と現われないだろう」と語らせたシーンは強く印象に残りました。 | ||||
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恩田陸氏は優れた現代作家の一人だと思いますが、12冊目に読んだ本書は「あとがき」で著者自身が述べているように、小説としてもミステリとしてもとても未熟な内容で正直がっかりしました。小説やミステリを余り読んでない人には良いと思いますが、小説好きな方には著者の著書であればライオンハート等の他著をお薦めします。 〜あとがきより抜粋〜 読者の皆さんに楽しんで頂けるかどうか考えると一抹の不安が残る。立派な本格推理小説作家への道のりは遠い。ゲラ刷りを読み返す度、全部書き直したくなってとても困った。(1999年) 今読み返してみても全部書き直したくなってしまうという心境は変わらないが、、、「若かったのう」という境地になったのも確かである。(2003年文庫版) 只、「海にいるのは人魚ではない」の章で、詩人中原中也について(恐らく)著者の思いを主人公に「あの時代の詩人たちの、西洋と東洋の狭間−または、近代と現代の狭間の日本語がいちばんなまめかしかった時代の詩はもう二度と現われないだろう」と語らせたシーンは強く印象に残りました。 | ||||
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12篇の短編からなる推理小説。 恩田陸さんの本の中では2番目に読んだ本。 私は話の顛末よりも、作品のところどころに出てくる 非常に印象的な表現、言い回しが気になって何度か振り返り読みをしました。 話の筋はうっすらぼやけているのに 文章の細部はありありと思い出せてしまう そんな感じの作品でした。 あ、でも、お話自体も面白いものは多かったし 登場人物もなかなか魅力的でした。 お話としては「魔術師」 、人物的には「給水塔」の散歩男に惹かれました。 「魔術師」 とある街の都市伝説の成り立ちについて、毎度よろしく 主人公である関根孝雄の推理が冴えるのですが、でも・・・ 本当にそれだけなのだろうか? もしかして都市が「意思」を持っているのではないだろうか? 読みながら、ふと「アースダイバー」を思い出したりしました。 | ||||
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12篇の短編からなる推理小説。 恩田陸さんの本の中では2番目に読んだ本。 私は話の顛末よりも、作品のところどころに出てくる 非常に印象的な表現、言い回しが気になって何度か振り返り読みをしました。 話の筋はうっすらぼやけているのに 文章の細部はありありと思い出せてしまう そんな感じの作品でした。 あ、でも、お話自体も面白いものは多かったし 登場人物もなかなか魅力的でした。 お話としては「魔術師」 、人物的には「給水塔」の散歩男に惹かれました。 「魔術師」 とある街の都市伝説の成り立ちについて、毎度よろしく 主人公である関根孝雄の推理が冴えるのですが、でも・・・ 本当にそれだけなのだろうか? もしかして都市が「意思」を持っているのではないだろうか? 読みながら、ふと「アースダイバー」を思い出したりしました。 | ||||
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こんなに「作られた感」の強い本は珍しいんじゃないですか。わざとらしくてとてもじゃないけど楽しめませんでした。 いいトリックを考えたなら、もっと上手に読ませて行かないとね。 それとあらゆる描写が子供っぽいです。いい大人が書いていい大人が読む本ってこうじゃないでしょ。がっかり。 | ||||
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こんなに「作られた感」の強い本は珍しいんじゃないですか。わざとらしくてとてもじゃないけど楽しめませんでした。 いいトリックを考えたなら、もっと上手に読ませて行かないとね。 それとあらゆる描写が子供っぽいです。いい大人が書いていい大人が読む本ってこうじゃないでしょ。がっかり。 | ||||
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創元推理文庫ばりの装丁が素晴らしい。掌篇の積み重ねが独特の世界を醸し出している。連休中に読むのにはピッタリの作品でした。筆致は見事としか言えない。 | ||||
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元判事 関根さんの探偵話の短編集。探偵っといっても、大きな動きは無くって、ちょっとした話やなんかから、経験?想像?で、解決してしまう感じ。ちょっと、シャーロック ホームズ的な天才探偵かも。最初の2作品は、江戸川乱歩のような、古い日本の探偵小説のおどろおどろしい雰囲気がちらちら見えて。江戸川乱歩へのオマージュというところかしら。表題の作品とか、意味深な題名と内容、ホーッと声がでるような落ちで、どれも、楽しめた。 恩田陸の作品って、一作、一作、雰囲気が違っていて、本当に同じ人がかいているのかと思う事がある。 | ||||
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まず、装丁がしゃれています。それが単行本そのまま文庫に移行してあるのが嬉しい。タイトルもうまい。関根家の人々に狂言回しをさせた分独立した作品としては損している様子ですがそれはそれで楽しめる部分とします。終始ノイズがまとわりつき短編ならではの余韻があります。かの作家に倣ってみたのでしょうか。本格推理小説というより初期ならではの意気込みを感じる作品集です。 | ||||
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何気ない日常の中に潜むさまざまな謎。見落とされがちなその謎を見つけ、 鋭い観察力で解いていく。その鮮やかさは見事!こういう作品を読むと、 いつも会っている人のいつもの行動の中にも、何か謎があるのではないかと 思ってしまう。ここに収められているどの作品も、さすが恩田陸!と思わせる ものばかりだ。私たちの日常生活も、目を凝らして見れば謎に満ちた面白い ものが見えてくるかもしれない。 | ||||
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