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六番目の小夜子
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六番目の小夜子の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.72pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全99件 41~60 3/5ページ
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超自然的な力がアリな世界なのかそうでないのか、途中まで濁されている。そのためジャンル分けに困るところが批判の集中する要因か。スルーされている伏線とおぼしきシーンや、乏しい擬音語表現なども目に付く。 それでも緊迫した状況を描くのは巧いので、伝奇的な作品を好む人は読んで損は無いだろう。 | ||||
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面白くて、2日で読んでしまいました。 絶妙な間合いと、読者を飽きさせることない文体は素晴らしいと思いました。 私的には、後味の悪さによって、学校というものの特別な感じや脆さを一層引き立てている気がして、逆にスッキリ終わってしまうより著者の言わんとするところが伝わるように思いました。 是非一度は読んでみて下さい! | ||||
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この作品は、最後がいまいちはっきりとしないような感じがあるため、結局何が言いたい訳?というような人には少し不満があるのかもしれない。しかし私は、あやふやな感じで終わっていると自分で色々と想像ができて楽しい。この作品で最も印象強かったのが、学園祭の内容。全校生徒が暗闇の中に集まって皆で学校のひそかに伝わってきた歴代サヨコの再現。学校というものは、皆同じ話を教室で聞いてでも、考えてる事はばらばらで…同じ歳の子が一カ所にいるのにみんなてんでバラバラの事を考えている当たり前の事だけど、そう書かれちゃうと何だか面白いよね。昔の自分もそうだったかも、と懐かしく思ったりね。他にも嘘でしょ…と衝撃が走る場面も沢山。普通の高校生では有り得ない事ばかりで読んでて楽しかったかな。 | ||||
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青春物語のなかにどこか不気味さが漂う作品 不安定でどこか不器用な少年少女の描き方がとてもうまいと思った 加藤くんはちょっとかわいそうでしたが、もっと出番がほしかったところ 思春期のちょっと不気味な、わくわくする物語をぜひお試しあれ | ||||
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新聞を読むと、これはどこまで広告上なのだ、と時々思う。この本もしかり。おそらく学生を監視する学生の制度のことだと、思った。戸惑い。裏切り。切なさ。悲しさ。真摯さ。そして、胸落ち。 彼らは、あるドラマのモデルとなったり、現実に事件を起こしたりとする。是非この本を読み、さまざまな事件がどこまでそのとおりなのか、桁間を読んでみてください。きっと、相当なオカルトです。 仮に、監視の学生が事件を起こした場合。どうするのか、と、言うと。やはり、突っぱねるしかないのでしょう。大学としては、使用者責任を問われかねませんから。そのためには、学生証を発行しておいた方がいい。その意味するところは、即ち学生でないものが、学生証を持ち、学生として生活をするのです。つまり、報道されれば、学生として。また、学生として収監。などなど。と、言ったように。 しかし。でも、考えすぎると、現実と夢の接点を、見失いかけるのでは? | ||||
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幾つか疑問の残った箇所もあるが、やはりとても面白い。沙世子は沙世子か、しかし謎は解き明かされない方が効果的であるという良い見本だと思う。一つ一つのエピソードが凝っていて、飽きさせないし、人物や、事象を描写する筆致はデビュー作とはいえ流石。近代日本文学を読んでいるときの様な、美しい表現に出会うと、嬉しくなる。 | ||||
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この辺りが批判の強いところでしょうか? しかし、真っ暗な講堂の中で、ひとりひとりが一行づつ読んでいくところなんて、 ホラー小説のような怖さ、面白さでした。 構成としては夜のピクニックを思いだした。 もちろん、こっちの方が先、作者のデビュー作品です。 実に味わいのある作品に仕上がっていたと思います。 ただ、大学進学をやけに肯定的に受け入れているのが自分にはちょっとでした。 | ||||
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確かに拭いきれない謎があってやきもきする所もあります。 そこは多くの方がレビューしてくださっているので、割愛します。 「なぜ小夜子というゲームが受け継がれ続けるのか」 本書は、この学校という奇妙な一体感、集団心理にスポットを当てているように感じました。 (その表現が端的に出ているのがあの文化祭だと思います) 私はこの本を、登場人物と同じ年代のときに読みました。 自分は周りとは違う、個別に生きてる。と思っていても学校に呑まれながら生きている、そんな学生としての不安定さ、学校という共同体が生み出す奇妙さ、不気味さ。そういったものが非常によく表されてあって、ドキドキさせられたのをよく覚えています。もしかしたら畏怖に近い思いを抱いていたかもしれません。 今読み返すともう少し落ち着いて読めるのかもしれませんが、やはり人を惹きつける魔力のある本だと思います。印象に残る言葉も多いですし、オススメです。 | ||||
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ネタバレあるので、イヤな方は読まないで下さい。初期の作品ということもあって、所々に表現が怪しいところが見受けられますが面白いと思います。 ラストのすっきりしないなぜ? という終わり方は好みが分かれると思います。それも作中で語られていた「答えが用意されている問題ばかり考えてきた」弊害なのかもしれません。 黒川先生の行動の意味は、やはり学校をコマに例えて話すシーンに集約されていたのでしょうか? 何にせよ、力技感のある終わり方には違いありませんでした。 厳しい意見も多いですが、売れた瞬間注目されて批判が増えるのはお約束です。 作品を楽しむという意味では楽しめます。批判精神むき出しで読んだら楽しめません。これはそういう作品。黒川先生、幽霊と幽霊に操られた(?)野犬、小夜子の三人の意志が複雑にからまっているのがポイントなんでしょうね。 | ||||
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深夜のドラマをたまたま見る機会があって、気になっていた作品でした。 ドラマは最初の回しか見ていません。 ですが、学校伝説と謎の転校生というスリリングな設定に、すぐに引き込まれたことはいうまでもありません。小説も「サヨコ伝説」にぐいぐい引き込まれます。 ところが、多くの方がご指摘の通り、オチがありません。フランス映画を観たあとと同じ気持ちになります(「海辺のポーリーヌ」とか)。フランス映画はそのあと観客同士の話題提供のため、あえてオチがないそうですが、作者もそれを狙ってのことでしょうか。 どっちにしても読んだあと、あれこれ考えたいという人にはオススメ。しっかりとしたオチがないとイヤだという人はツラい作品かもしれませんね。 | ||||
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犬の出現、沙世子にハーメルンの笛吹き男のように犬を呼ぶ力があるんだと思っていたが、あとになってそんな能力はないことが分かる、とすると、沙世子が少年たちを河原に連れて行くのは不自然、部室の火事に多くの野犬が出てくるのも理解困難。「彼女」である加藤を、自室に居ながら心臓発作を起こさせるほど恐ろしい目に合わせたのは、誰なのか。二番目の小夜子の霊だというのか。読者を怖わがらすことには成功しているが、その恐怖を裏で操作している存在が何なのかがわからない。黒川だけでは説明がつかない。 ホラーを横に置いて、この小説を青春小説として読めば、有名進学高校の最終学年生たちの友情のぶつけあい、恋愛、受験勉強や学園祭での高揚感と喧騒、卒業時の愛惜感など、大人になるための通過儀礼ともいうべき学園生活の最後の一年間が、季節や情景の移り変わりとともに、後の「ネバーランド」や「夜のピクニック」に劣らないぐらい見事に描出されている。 思うことや言うことや行動は大人と似ていても、純粋で、まだ大人の世界の悪に染まっていないところがさわやかで、好感がもてる、その時期が懐かしい。 物語はハッピーエンドで終わったが、何故かマニアルは再製され、鍵も次年度の生徒に渡された。主人公の秋が終わらせたいと思った「小夜子」が、まだ続くことになるだろう。この力は何だろう、黒川の意思だけとは思われない、黒川や沙世子の後ろに何かがいる。それは、謎のまま残った。 | ||||
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学校に伝わる奇妙な伝説を題材にしたホラー、美しい謎の転校生、探偵めいた男子との攻防、彼女に憧れるイノセントな女友達・・・と素材は古典的。あとがきに「NHKの少年ドラマシリーズへのオマージュとして書いたつもり」とありますが、あえて古典的な枠組みを踏襲し、その中で新しいものを生み出そうとした著者のパワーが感じられる作品だと思います。つっこみどころや首をかしげる点も少なくないのだけれど、読み始めると止まらなかったし、怖かった! 学校という場、高校生という対象だから成立しうる物語で、説明口調が気になる箇所もあるものの(そのくせつじつまは合わないんだなあ・・・)、臨場感たっぷりで、実にゾクゾクと恐ろしい。ちょっと古風な高校生活が丹念に書かれているのが好ましく、その時代をなつかしむ人にとっては甘美な怖さかもしれません。 著者の『三月は深き紅の淵を』という作品に次のような文章が出てきます。ある女性編集者が言う言葉。 「名作や傑作って、インパクトはあるし感激するけど、意外にすこんと抜ける。うまく出来てる小説ってそうです。長く心のどこかにひっかかってる小説って、そういう小説じゃない。印象に残る作品っていうのは、アクの強いオリジナリティのあるものの方でしょう」 あれー、これってまさに『六番目の小夜子』じゃないの??と思いました。まったく、妙なアクがあって後を引く作品なのです。 | ||||
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ラストの批判が多い作品だ。(本作に限らず、恩田氏の作品は総じてそうだが…)しかし、私は十分素晴らしい、何度も繰り返し読むのに値する作品だと思う。どこにでもある進学校で、優秀な生徒たちの手によって、サヨコゲームが脈々と続いていく。プロローグ、エピローグで顕れる、「川」ということば。ささやかで、キラキラと輝いて、そして澱みなく永遠に流れ続ける。まさしく、恩田陸が書こうとする「青春」そのものだ。彼女はいつも、永遠に続く流れを書こうとしたのだと、私は思っている。だから終りがない。綺麗に終わらせてはいけないのだ。ページが終わっても、登場する人物たちの人生は終わっていない。だから恩田陸は謎を謎のままにする。ラストをラストにしない。そうすることによって、読者はいつまでも登場人物を追い続けることが出来るのだ。 | ||||
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これは、学園ものなのかと思えばホラーっぽい要素があったり、恋愛があったり、学校はこういう風にできているというような、不思議な作品でした。 私は、謎ときの要素が一番魅力的で、「サヨコ」らしい人物がたくさん、たくさんでてきて、読んでいて一緒に悩まされたし、学園祭のシーンの緊張も一緒に味わいました。 なんだか、自分もこの作品の登場人物の一人になった気分です。 | ||||
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なかなかおもしろかった。 実はこの、装丁がちょっと苦手で、買ってなかった。 古本屋で見つけて購入。 デビュー作を大幅に加筆したとのこと。 デビュー作にはあたりが多いと思うが、やはりこの本も例にもれず、どんどん、引き込んでいくエネルギーを感じました。 シュチュエーションを作り出すのに、かなり無理があるなぁ、とか、 アクシデントもちょっとなぁ、などと、思うところもありますが、 それを補うほどの、主人公4人のキャラが強い。 高校という、まさに得意な社会の中でしか起こりえない、奇異なイベント(?)だが、高校ならばありうる、と、誰もが思ってしまうところに、この小説のうまさがあると思う。 謎が解決されないまま、というのも、何気に好みな終わり方でした。 | ||||
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内容も設定もすごく面白いです。 特に学園祭のシーンはものすごい迫力です。 ただ、ラストが・・・・ちょっと中途半端な感じ。 「結局、沙世子は何がしたっかったの?」って思いました。 設定とかキャラクターは魅力的で面白いのに、 もったいない感じです。 でも、やっぱり面白い作品だと思います。 | ||||
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この本は、ひとつの学校論である。 学校の内部にいる人は、学校のパワーで無意識に動かされ、生徒役や教師役を演じている。塾講師のバイトをやっていたとき「先生は演じるものだ」というアドバイスをもらったことがある。生徒の前に立って演説をする。恥ずかしいし、教室の外から見ると自分の姿はかなり滑稽だと思う。そういった意識を除去するため、あえて演じるのだ。先生の前に座っている大勢の人間も、ほとんどの場合無意識に生徒役を演じている。あの不気味な箱の中で呼吸するには、そういった方法をとるのが最適なのだろう。 学校の不気味さ。学校にいるあいだも学校を出てからもそれほど意識はしない。恩田陸は、そこをうまく取り出している。単なるホラーだとか、サスペンスだとかで終わらせてはもったいないや。 | ||||
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1つは14年前に出版された初版本の小夜子 NHKのドラマを先に見ていた私にとって、 違和感としかいえないほど、物足りなく感じたました 登場人物もドラマに比べて重厚性がなく、人物配置も浅い。 初版本と、改版され重版されたこの小夜子。 今は文庫の主流がこちらのようです。 初版本の表紙はかなり怖く、こちらを睨んでいる女性です。初版本と重版との決定的な違いは最後にまあと由紀夫が、秋と沙世子が将来何になるか(職業)を予想しあっているところ。 明らかにまあの意見に対し由紀夫の答えは、変です 。重版ではそれが改善されていました。 別に初版に書かれていた、職業を侮蔑しているわけではありません。まあの意見は、沙世子に当てはまるように思えますが、由紀夫の解答は「?」と、首を傾げてしまいました。読み比べの出来る方、是非。 内容は14年前に書かれた割に、古ぼけた感じがなく(携帯電話のない時代の小説ですが) ミステリだとは言い切れませんが、かなり良く書けた作品だと思いました。 恩田陸の作品は「六番目の〜」以後、有名になっていきます。小夜子がつまらない、退屈だと思う方でも是非、「麦の海〜」は必読といえます。 恩田陸の最高傑作は「麦の海にあり」です。 麦の海を気に入ったら「水晶の夜〜」「百合の骨」も続けて読むと、本当に楽しいです。 小夜子を気に入られた方「象と耳鳴り」または「Puzzle」オススメです。 | ||||
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恩田陸をこれから読もうという人は絶対にコレから!作者の特徴とも言うべき「懐かしきあの頃」を回想させ、更にノスタルジーな気分に浸らせてくれること請け合い。四季の変化と共に、サヨコと彼女を取り巻く人物達も変化を見せてくれる。ゆったりと、そして心地よいペースで読み込むことができると思う。謎めく要素も魅力的かつ神秘的な描かれ方がされており、青春時代の多様な体験と重なってくる、、 | ||||
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地方の県立進学校を舞台に繰り広げる,サスペンスタッチの学園群像劇。期待通りの読後感。今後も折にふれて手に取りましょう。 秋のキャラ設定が絶妙にいい。名家の末っ子で成績優秀。女の子にモテるんだけど,部室長屋で煙草をふかし,与太話に花を咲かす。自分が気になった事柄となれば,友情・恋愛そっちのけで議論に没頭。そんな彼の行動が,特に中盤以降でカギになります。 学校は長い年月を経てそこに在っても,そこに通う生徒は,ねじ巻きのように3回ループを回ったら,そこでオシマイ。大学や会社では見かけない“伝説”は,短い間に濃密な時間を過ごすからこそ,作り出されるのか。そして,その正しさや合理性を吟味する間もなく,その場から追い出されてしまう。 まさに不条理の巣窟。でも,その不条理こそが,ノスタルジー。 p.s.過去にドラマ化されたようですが,この作品は高校でこそ“伝説”の意味が生きると思います。 | ||||
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