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月の扉
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月の扉の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点2.93pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全46件 21~40 2/3ページ
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飛行機の乗客で、事件に巻き込まれた座間味くんが印象的だった。死体を発見した女性の恋人で単なる一般人に過ぎない彼が、犯人グループから死体の謎を解くように要求され、次々と推理を展開していく。その推理によってハイジャック犯を動揺させる作戦、それに気付きながらも調査を続けさせる犯人、そのやりとりがとてもおもしろかった。ただ、ハイジャック犯の動機が傑出したカリスマによる再生の世界への誘導というファンタジックなところが、新興宗教的な話のようで個人的には好きではなかった。 | ||||
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〜ハイジャックされた旅客機のトイレで起きた密室殺人〜 本作には、さまざまな意匠が施されていますが、 あくまで、このハウダニットが核です。 本格ミステリの稚気を解さない「大人の」読者は、ハイジャック犯が 緊迫した状況下にあるにも関わらず、探偵役に抜擢した乗客とまったり 密室殺人の議論をすることに違和感を覚えたり、いかにもとって付けたような カリスマ教育者の類型的な人物像にリアリティを感じないのかもしれません。 しかし、それらは本質的な問題ではないのです。 (カリスマ教育者の造形の浅さは、批評性を付与する ため、半ば確信犯であった可能性もあります。) ある種のカルト的価値観を持つハイジャック犯とその関係者が、 旅客機という閉鎖空間に集まったことで招来された状況や事件を あくまで論理的に推理し、細部まで議論しているところに、 本作の美点があるといえます。 そして、犯人が特異な価値観の持ち主だということを理解すれば、 ラストに至る流れも、ある程度、予想の及ぶ範囲のものであり、 密室殺人以外のホワイダニットは興味の中心とは言い難いのです。 ともあれ、処女作と同様、本作においても野心的に(クローズド・サークル) の新機軸を打ち出してくる著者の姿勢には、頭が下がります。 これからも、美しいロジックを展開して欲しいです。 | ||||
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うん♪ これはおもしろかった。 宗教ではないのだが、 社会的に適応できない子どもたちを引き受け、 キャンプに行き、 彼らを回復させて、社会にもどす。 “師匠”と呼ばれる、 圧倒的なカリスマ性を持った男。 その男が、皆既月食の夜、 月の扉を開くと言う。 その月の扉の向うに行けば、 生きながらに別の世界へ行けるという。 ユートピアへ。 信じるものだけが行ける世界。 しかし、その約束の日を前に、 師匠は略取誘拐の容疑で逮捕されてしまう。 約束の日を迎えるために、 師匠奪還のために、 師匠を慕う者たちは、 ハイジャックを試みる・・・。 宗教チックな説得力が、 ちょっと卑怯かな、と思いつつ、 そのおかげで、最後まで興味を引っ張られた。 登場人物たちも魅力的で、 犯人とは思えない。 目的が、人を傷つけるのではないことが、 なんとなく同情心を生む。 二重、三重の、アクシデントも、 その解決への展開も、 なかなか秀逸。 そして、 エンディングも、とっても悲しくて、 なんだか、やられました。 惜しむらくは、 物語の重要なファクターである、 月の扉の向うの世界については、 作者が逃げたな、 と言うのが、僕の感想。 そこまでいけてたら、 まちがいなく、★5つだったなぁ。 | ||||
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良くも悪くも、今日の「本格ミステリ」のありようを示す作品として、それなりに楽しく読んだので、他の方の評価が低いことに驚いた。 『生ける屍の死』(山口雅也)は、ありえない状況下での、ありえない事件を描いて、日本のミステリの新たな可能性を開拓した。 猫丸先輩シリーズ(倉知淳)は、素性のよくわからない素人探偵が“推論”を語るだけでも、ミステリ的興趣が生まれることを示した。 となれば、ありえない前提を踏まえた、ありえない状況下で、素性のよくわからない素人が推論を組み立てるだけでも、ミステリは成立し得ることを目指した“野心作”が、あっても良いことになる。 そうした意味づけで本作を読んだので、それなりの成功を収めていると思えた。 事件の関係者はあらかじめ限定されているのだから、フーダニットやハウダニットではなくホワイダニットが主眼であるのは明らか。 しかし、本来ありえない事柄が前提なのだから、本来ありえない動機が成立してしまう。 なるほど、と思える展開である。 本作がランキング本で高い評価を得たのは、ミステリを読みなれた者にとっては、こうした小説の存在が許せてしまうからであろう。 そういう意味では、一般向けではないのかもしれない。 | ||||
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3人の男女が離陸前の飛行機のハイジャックを企てる。 乳児を人質にし乗務員を介して、「警察署に留置されている人物を空港に連れてくる事」を要求した。 ところがそのさなか、乗客の女性が飛行機のトイレの中で死体で見つかる。 犯行グループの一人が、乗客の一人に「他殺か自殺か不明の死体」を調査するように命じる。 ハイジャック事件と、謎の死体。 二つの事件を平行して展開していきます。 場面がほとんど飛行機の中ですが、展開が速いため中だるみせずに読み進めることが出来ます。 沖縄でダイビングを楽しんだ観光客の一人が、偶然死体の調査を命ぜられ論理的な推論を展開ハイジャック犯たちと会話する場面が面白いです。 | ||||
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非現実的な設定と、非現実的な人物像、 到底、交わされないだろう会話の中身、 あまりにもご都合主義的な展開。 「このミス」の信頼性を揺るがす1冊、とも感じています。 | ||||
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「このミス」受賞作は「扉は閉ざされたまま」なんですよね、これではなくて。。。そちらをまだ読んでないですが・・・ 「月の扉」は・・・ ありえない状況設定すぎて、感情移入もできませんでした^^; 設定もそうですが、内容も薄くて。。。 二時間ドラマ的としか言いようがないかなw | ||||
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ミステリーと言うよりもファンタジーに思える作品だった。状況設定よりも、そこからの解明の過程が素晴らしい。狂言回しが本当によく効いている。人間はみんな自分勝手な生き物なのだと感心してしまう。生かすことよりも生かすことを止めることで目的の実現を図るなんてばかばかしいことだ。 | ||||
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沖縄の空港で3人の男女が、乳幼児を人質に取ってハイジャックを起した。犯人の要求は、拘留中の師匠を空港に連れてくること。しかしその飛行機の中で死体が発見された。 密閉された空間ものは、よくありますが、これだけ独創的な設定は、なかなかありませんし、ファンタジーの要素も詰め込まれています(が、人によっては、この部分が受け入れられないかも) ハイジャックの手法も、にわか探偵の理路整然たる推理も見事です。ただ出来過ぎなのが、玉に瑕。 | ||||
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ハイジャックされた機内で殺人事件が起こるという、今までに読んだことの ない作品だった。ハイジャックの目的は達成されるのか?そして殺人事件の 犯人は?読み手を飽きさせることなくラストまで引っぱっていく。 ハイジャックの鮮やかな手際のよさや、殺人事件を推理する座間味くんのキャラ クターが面白かった。ただ、師匠がカリスマ的存在であるということの説得力が 弱いのではないかと思った。3人がハイジャックという大きな事件を起こしてまで 師匠を連れ出そうとする目的も、非現実的過ぎないだろうか?結末も、途中の盛り 上がりに比べたらちょっと物足りなかった。 | ||||
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上の商品説明に加えて、素人探偵事件解決モノです。 事件に巻き込まれた男性がハイジャックグループと共に 事件を解決に導いていきます。 文章は独特の雰囲気をもっており、本はそれなりの厚さですが 重く感じさせず、とても読みやすいのです。 しかし、ストーリーにあまり動きがないので、少々退屈するかもしれません。 最後には少し「おおっ」と思わせる展開がありますがどんでん返し と言うほどのものでもありませんでした。 評価は時間を潰すのにはもってこいの作品なので☆三つです。 | ||||
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師匠はどうやって人の心を癒すのだろう? “あちら側”にはどうやって行くのだろう? ハイジャックまでするんだから よほどのことに違いないと思って読んでいったのですが、 結局何の説明もなく終わってしまいました…。 アッと驚く種明かしも無しです。 ミステリーというよりもSFに近いのでは? サクサクと読み進めていけるだけに残念です。 独特の空気感も悪くないんですけどねえ。 | ||||
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何故ハイジャックなのか?沖縄なのか?宗教なのか?超能力なのか? これがミステリーなのか??? 作品の内容、事件の設定、登場人物の背景、そして肝心の謎解き。 これらが全くといって良いほどかみあっていないし、必然性も見つけられない。 「命の再生」などという大きなテーマを掲げながら、そこまで届いていない。 事件そのものよりも、たまたま飛行機に乗り合わせた推理好きの青年。 この青年のまるで「名探偵コナン」ばりの謎解きがこの作品の主要部分。 ハラハラドキドキ。あっと驚くどんでん返し。事件の裏に潜む人間の闇。そして涙。 ミステリーに必要とされる主要な要素をこの作品で求めるのはやめた方がいい。 最初から最後まで何もなくスッと読み終える。それはそれでいいのかもしれない。 | ||||
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これが超話題作となったミステリーなのかと疑いたくなる小説です。 事件が起こった旅客機内は総勢250名に及ぶのにその臨場感が全くない。何とも期待はずれの物語が延々と続いていきます。 また、ハイジャッカーが師匠と呼んでいる人物のカリスマ性についても、読んでいて何も伝わってきません。 全体的にリアリティーに乏しく場面の臨場感が欠けている為、読み手を引き付ける魅力が足りないのが残念です。 これだけの長編推理小説なのに、作品の重みが感じられないのが不思議なほどです。 | ||||
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ツマンネ!!カリスマ師匠を慕い師匠と共に「あちら側」へ行く為、逮捕された 師匠を取り戻す・・・というのがハイジャック犯の動機だけど、その師匠がちーっとも 魅力的じゃないんだもん。カリスマ性は説明出来ないってことか? 読者に「この師匠って人はですね〜、接した人が皆癒されてしまう、そんな人なんです、 そういう設定でひとつヨロシク!!」って強要してるみたい。 またそれを慕うハイジャック犯3人も・・・弱弱。それぞれが辛い目にあって、師匠に出会い 立ち直って、今度は自分達が救う側になるボランティアをしてて・・・ふうん、ま、いーん じゃない・・・で、何でこういう行動に?甘えんなヨーーー! ハイジャック犯3人の機内への武器の持ち込み方、機内で起こった殺人(結果的には、 だけど)の方法はロジカルです確かに。 本格ミステリっていうのは人物の描写がペラッペラでも謎解きがちゃんとしてればいいってことかー。 だったら私は苦手だわ。失敗失敗!! | ||||
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なんのどんでん返しもなく 最初に こうじゃないかな と思ったとおりのことが もしかして!ってこともなく 解決する小説。 情報を小出しにすることもない。 謎を解く座間味くんのいっていることも 穴だらけで納得するものはないのに 小説の中のみんなは納得する・・・ 意味がわからない。小説だった。 | ||||
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とあるボランティア団体のカリスマであり、師匠と呼ばれる石嶺を救出するため、 ハイジャックという手段に出たメンバーたち。 師匠は決して宗教者ではなく、善意の人であり、只々そのカリスマ性のみをもって 尊敬を一身に集める存在。囚われたのも理不尽な理由によるもの。 その師匠を命を賭けて解放しようとするメンバーたちの思いや行動の綿密な描写が あり、また、乗客の中に探偵の素質を持つ若者を見出し、共に不測の殺人事件を 解決しようとするユーモアと、論理的な解決、それでいてファンダジックなラスト シーンと、石持浅海らしい独特な作風、斬新な作品に仕上がっています。 非常に映像的で、映画向きな作品と感じました。 | ||||
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ネタバレが怖いので詳しくは書かないが、ハイジャック犯が解放しようとしているのが、<新興宗教の教祖的な存在の男性>であることから、物凄くアンフェアすれすれのファンタジックな展開が予想できる。 教祖を本当に超能力者ならば、本来の推理小説では禁じ手とされるトリックも成立してしまう。 このため、筆者は一体どうこの物語を完成させるのだろう、と非常に興味深く、ページをめくる手が止まらなかった。 一方で、このファンタジックな物語を、きっちり成立させているのは、細かい部分まで美しく構築された犯人たちの行動だ。 この筆力があるからこそ、あり得ない犯罪がリアリティを持ち、あっと驚く探偵役や、同じくあっと驚く(途中で推測可能だが)殺人犯の存在が、説得力を増すのだと思う。 「アイルランドの薔薇」もそうだったが、人の書かないような個性的なミステリを書く筆者だから、ミステリファンはぜひ一冊読んでみてほしい。 | ||||
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ミステリーのなかでも密室殺人系に属するだろうか。ただ舞台が飛行機の中でハイジャッカーが一緒に謎解きをするという設定が新しいし独自の緊張感を生み出す。 心理的物理的根拠から数々の仮定と洞察を生み出す展開はとてもしっかりしていて、石持 浅海という作家の能力の高さを表していると思う。 映画化してもおもしろい脚本になるのではないだろうか。サスペンス好きにもお勧めしたい本である。 星5つがあげられなかった理由はこの物語の根幹をなす師匠とよばれる石嶺という人物がブラックボックスのまま終わってしまったところに消化不良の感があること。 | ||||
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閉鎖状況ミステリの佳作。 綺麗なリドルストーリーです。 ミステリに実在性を求めると、ホワイダニットがすっきり納得できないかもしれませんが、それを展開のなかできちんと纏め上げ、きちんと風呂敷がたたまれていて、むしろ好感が持てます。 どこにたたむんだろうとヒントを小出しにしながら最後まで読まされます。 ドキドキ感やワクワク感は少ないかも知れませんが、のんびり、じっくり読むにはかなりお勧めの作品だと思います。 | ||||
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