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月の扉
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月の扉の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点2.93pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全20件 1~20 1/1ページ
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満足しています | ||||
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2003年。 ハイジャック。キャンプを主催する石嶺が誤認逮捕された。その石嶺を釈放するために、キャンプ仲間3人がハイジャックをする。舞台は那覇空港。折しもその夜には皆既月食。そうこうしている間に、機内で人が死ぬ。密室ミステリー。 最後はいまいちだが、最後まで一気に読んでしまう推理小説。 | ||||
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自分の「師匠」を警察の手から取り戻すためにハイジャックを決行する男女三人。彼らの目的は師匠を連れ戻して、「月の扉」 を開けてもらい、皆で別の世界に行くこと。ここら辺の目的からしてこの人間達の正常でない様が見えるが、作者は決して 彼らを異常とは捉えていない。そして、彼らの思惑が大きく外れる事になる予想もしない殺人。ハイジャックされた飛行機の 中で殺人の謎ときをのんびりと行うことにかなり違和感を感じたのは僕だけか。この飛行機密室の中の殺人のトリックと 彼らがどのようにしてハイジャックを成功させて「別の世界」に行くのか。なかなかこの二つのテーマで最後もまで読みきるこ が出来る。しかし、シチュエーション設定のわざとらしさがどうしても引っかかる気がする。 | ||||
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日本推理作家協会賞候補作ですが、ハイジャック中に密室殺人が起こるというあり得ない展開のため、あまりハイジャック事件自体の緊迫感が伝わってきません。 事件のスケールがでかいのに、終始2.3人の半径5メートル内で展開しているような感じです。 本作に限ってはトリックとプロットありきと言った印象で確かに斬新なストーリーですが、リアリティはあまりありません。 いい意味でも悪い意味でもマンガっぽいというのでしょうか。 退屈せずに一気に読ませるのは凄いですが、読み終わった後は深いテーマを語っているのに何も残らない感じです。 | ||||
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「座間味くん」シリーズの最初の作品という事で読んでみました。 面白かったですけど、スケールというかボリュームというか、そういった厚みはなかったかなあ、という印象です。 この作者さんの作品は、気合の入った世界観やストーリーというものはほぼ皆無で、設定の作り方や謎解きをパズル感覚で楽しめるのが良い所だと思います。 今回の設定は、 「閉ざされた密室(警察による科学捜査ができない飛行機のハイジャック)」 「『奇跡』が存在するという前提でのホワイダニット」 といったところでしょうか。この前提にリアリティを求めるタイプの方であれば、ちょっと白けてしまうかもしれません。 また、先述の通り、ちょっと間延びしてしまって冗長かなあ。短編のようなキレが無いなあという点も否めません。 この作者さんは長編よりは短編の方が合うのかな。 短編集は気軽に楽しめてお勧めです。 | ||||
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「つまらない」 と仰っている方が多くいらっしゃいますが、私はとても楽しめました。 大満足です。 新興宗教が出てきたりするから敬遠されがちなのかな?石持さんの作品は最初話に入りにくいけど、暫くすると続きが気になるのでハマります!「心臓に左手」よりこちらの方が面白かった!座間味くんも活躍してるし! | ||||
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ハイジャックされた旅客機のトイレで起きた殺人事件。 極限状況のなかで、なぜ犯人は殺人を犯したのか……? 事件の背景にあるオカルト思想は、あくまで本格ミステリを成立させるための設定に 過ぎないのですから、真に受ける必要はないですし、そうした特異な思想の持ち主で あることを前提にすれば、ハイジャック犯たちの言動に矛盾はありません。 本作では、自分たちなりの論理を貫徹しようとする生真面目なハイジャック犯たちとは 裏腹な、論理的一貫性など歯牙にもかけない被害者の振る舞いが不可能犯罪を生じ せしめたといえます。 その不可能犯罪は、実体的なトリックと突発的なアクシデントが複合して生じたもので、 シンプルながらよくできています。しかし、やはりホワイダニット、つまり動機探しのほう が主眼といえるでしょう。 その動機は、一般人にはとても共感できない代物ですが、犯人の 内的論理では、一切矛盾がなく、首尾一貫しているのが秀逸です。 そして、殺人の真相が明らかになった後、もうひと波乱あり、ハイジャック事件に 隠された狙いがあったことが判明するのですが、そこにおいても、歪ながら首尾 一貫したホワイダニットを展開しているのが素晴らしいです。 | ||||
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最近読んだ中ではすげ面白かった。 ハイジャックされた飛行機のトイレで女性が殺されていた。でも乗客は全員犯人に座らされている。 犯人は第一発見者の女性の恋人の男性を探偵役に命じ、事件の解決を迫る・・・ 別に探偵じゃないのに無理やり推理させられる通称「座間味」くん。もちろんその謎解きも楽しいんだけどハイジャック犯たちの動機も謎で、それが少しずつ明かされていくのも面白い。 タイトルの「月の扉」というのがその謎そのままなんだけど、謎解きまで読まないと全くわからない。 どうなるのか予想がつかないってのは楽しい。 | ||||
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〜ハイジャックされた旅客機のトイレで起きた密室殺人〜 本作には、さまざまな意匠が施されていますが、 あくまで、このハウダニットが核です。 本格ミステリの稚気を解さない「大人の」読者は、ハイジャック犯が 緊迫した状況下にあるにも関わらず、探偵役に抜擢した乗客とまったり 密室殺人の議論をすることに違和感を覚えたり、いかにもとって付けたような カリスマ教育者の類型的な人物像にリアリティを感じないのかもしれません。 しかし、それらは本質的な問題ではないのです。 (カリスマ教育者の造形の浅さは、批評性を付与する ため、半ば確信犯であった可能性もあります。) ある種のカルト的価値観を持つハイジャック犯とその関係者が、 旅客機という閉鎖空間に集まったことで招来された状況や事件を あくまで論理的に推理し、細部まで議論しているところに、 本作の美点があるといえます。 そして、犯人が特異な価値観の持ち主だということを理解すれば、 ラストに至る流れも、ある程度、予想の及ぶ範囲のものであり、 密室殺人以外のホワイダニットは興味の中心とは言い難いのです。 ともあれ、処女作と同様、本作においても野心的に(クローズド・サークル) の新機軸を打ち出してくる著者の姿勢には、頭が下がります。 これからも、美しいロジックを展開して欲しいです。 | ||||
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うん♪ これはおもしろかった。 宗教ではないのだが、 社会的に適応できない子どもたちを引き受け、 キャンプに行き、 彼らを回復させて、社会にもどす。 “師匠”と呼ばれる、 圧倒的なカリスマ性を持った男。 その男が、皆既月食の夜、 月の扉を開くと言う。 その月の扉の向うに行けば、 生きながらに別の世界へ行けるという。 ユートピアへ。 信じるものだけが行ける世界。 しかし、その約束の日を前に、 師匠は略取誘拐の容疑で逮捕されてしまう。 約束の日を迎えるために、 師匠奪還のために、 師匠を慕う者たちは、 ハイジャックを試みる・・・。 宗教チックな説得力が、 ちょっと卑怯かな、と思いつつ、 そのおかげで、最後まで興味を引っ張られた。 登場人物たちも魅力的で、 犯人とは思えない。 目的が、人を傷つけるのではないことが、 なんとなく同情心を生む。 二重、三重の、アクシデントも、 その解決への展開も、 なかなか秀逸。 そして、 エンディングも、とっても悲しくて、 なんだか、やられました。 惜しむらくは、 物語の重要なファクターである、 月の扉の向うの世界については、 作者が逃げたな、 と言うのが、僕の感想。 そこまでいけてたら、 まちがいなく、★5つだったなぁ。 | ||||
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良くも悪くも、今日の「本格ミステリ」のありようを示す作品として、それなりに楽しく読んだので、他の方の評価が低いことに驚いた。 『生ける屍の死』(山口雅也)は、ありえない状況下での、ありえない事件を描いて、日本のミステリの新たな可能性を開拓した。 猫丸先輩シリーズ(倉知淳)は、素性のよくわからない素人探偵が“推論”を語るだけでも、ミステリ的興趣が生まれることを示した。 となれば、ありえない前提を踏まえた、ありえない状況下で、素性のよくわからない素人が推論を組み立てるだけでも、ミステリは成立し得ることを目指した“野心作”が、あっても良いことになる。 そうした意味づけで本作を読んだので、それなりの成功を収めていると思えた。 事件の関係者はあらかじめ限定されているのだから、フーダニットやハウダニットではなくホワイダニットが主眼であるのは明らか。 しかし、本来ありえない事柄が前提なのだから、本来ありえない動機が成立してしまう。 なるほど、と思える展開である。 本作がランキング本で高い評価を得たのは、ミステリを読みなれた者にとっては、こうした小説の存在が許せてしまうからであろう。 そういう意味では、一般向けではないのかもしれない。 | ||||
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ミステリーと言うよりもファンタジーに思える作品だった。状況設定よりも、そこからの解明の過程が素晴らしい。狂言回しが本当によく効いている。人間はみんな自分勝手な生き物なのだと感心してしまう。生かすことよりも生かすことを止めることで目的の実現を図るなんてばかばかしいことだ。 | ||||
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沖縄の空港で3人の男女が、乳幼児を人質に取ってハイジャックを起した。犯人の要求は、拘留中の師匠を空港に連れてくること。しかしその飛行機の中で死体が発見された。 密閉された空間ものは、よくありますが、これだけ独創的な設定は、なかなかありませんし、ファンタジーの要素も詰め込まれています(が、人によっては、この部分が受け入れられないかも) ハイジャックの手法も、にわか探偵の理路整然たる推理も見事です。ただ出来過ぎなのが、玉に瑕。 | ||||
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とあるボランティア団体のカリスマであり、師匠と呼ばれる石嶺を救出するため、 ハイジャックという手段に出たメンバーたち。 師匠は決して宗教者ではなく、善意の人であり、只々そのカリスマ性のみをもって 尊敬を一身に集める存在。囚われたのも理不尽な理由によるもの。 その師匠を命を賭けて解放しようとするメンバーたちの思いや行動の綿密な描写が あり、また、乗客の中に探偵の素質を持つ若者を見出し、共に不測の殺人事件を 解決しようとするユーモアと、論理的な解決、それでいてファンダジックなラスト シーンと、石持浅海らしい独特な作風、斬新な作品に仕上がっています。 非常に映像的で、映画向きな作品と感じました。 | ||||
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ネタバレが怖いので詳しくは書かないが、ハイジャック犯が解放しようとしているのが、<新興宗教の教祖的な存在の男性>であることから、物凄くアンフェアすれすれのファンタジックな展開が予想できる。 教祖を本当に超能力者ならば、本来の推理小説では禁じ手とされるトリックも成立してしまう。 このため、筆者は一体どうこの物語を完成させるのだろう、と非常に興味深く、ページをめくる手が止まらなかった。 一方で、このファンタジックな物語を、きっちり成立させているのは、細かい部分まで美しく構築された犯人たちの行動だ。 この筆力があるからこそ、あり得ない犯罪がリアリティを持ち、あっと驚く探偵役や、同じくあっと驚く(途中で推測可能だが)殺人犯の存在が、説得力を増すのだと思う。 「アイルランドの薔薇」もそうだったが、人の書かないような個性的なミステリを書く筆者だから、ミステリファンはぜひ一冊読んでみてほしい。 | ||||
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ミステリーのなかでも密室殺人系に属するだろうか。ただ舞台が飛行機の中でハイジャッカーが一緒に謎解きをするという設定が新しいし独自の緊張感を生み出す。 心理的物理的根拠から数々の仮定と洞察を生み出す展開はとてもしっかりしていて、石持 浅海という作家の能力の高さを表していると思う。 映画化してもおもしろい脚本になるのではないだろうか。サスペンス好きにもお勧めしたい本である。 星5つがあげられなかった理由はこの物語の根幹をなす師匠とよばれる石嶺という人物がブラックボックスのまま終わってしまったところに消化不良の感があること。 | ||||
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閉鎖状況ミステリの佳作。 綺麗なリドルストーリーです。 ミステリに実在性を求めると、ホワイダニットがすっきり納得できないかもしれませんが、それを展開のなかできちんと纏め上げ、きちんと風呂敷がたたまれていて、むしろ好感が持てます。 どこにたたむんだろうとヒントを小出しにしながら最後まで読まされます。 ドキドキ感やワクワク感は少ないかも知れませんが、のんびり、じっくり読むにはかなりお勧めの作品だと思います。 | ||||
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あらすじだけ読むと『アイルランドの薔薇』のような閉鎖状況での閉鎖社会(秘密結社)ものかと思ってしまいますが、雰囲気はだいぶちがいます。ハイジャック犯がたまたま殺人を発見した男を探偵役に指名した、というところが自分から首を突っ込む探偵ではなく、珍しい設定です。法月綸太郎のような全編推理のトライ&エラーという感じは個人的にはそれほど好きではないのですが、本作の場合は特殊な状況下での動機と絡んで面白く読めました。もうひとつのテーマがタイトルにもなっている“月の扉”。これが本作の小説としてのキモで、SFかどうかの境界線。境界線というのは中途半端という意味ではなく、リドルストーリー的な結末になっているから。そのあたりも小説として巧い部分で、どちらかというとこちらのほうが面白く、殺人と推理はおまけで、純粋にハイジャック犯のワイダニットとして読んでも充分面白いと思います。 | ||||
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普通に話にひき込まれて一気に読みました。最後が駄目って人とか多いでしょうが、自分はこういう終わり方最高です。なんか夢があるというか・・・。 三人組が飛行機をハイジャックして、トイレに何故か死体を発見し、事件を推理していく。最後の最後にとんでもない展開が起こって、読んでいて本当に面白かったと思いました。次の作品の「水の迷宮」も読んで、それも面白く!石持さんのファンになりました!たぶんこの人の本、好きな人は本当好きでしょう。 | ||||
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ハイジャックを実行した機内で起こる、密室殺人。しかも語り部はハイジャック犯。この独創的な設定だけでも、ミステリー好きならわくわくしてしまう。そんな不可能状態の事件を解決するのは、どんな探偵役なのか?読者の深まった興味と期待にきっちりと応えてくれる、「押しつけられ型」探偵。本格の論理だけを求める人には物足りないものがあるかもしれないが、ミステリーの意外性や、新しい驚きを求めるミステリー好きにはお奨め。「フーダニット」「ハウダニット」に加えて「ホワイダニット」までも一冊に閉じこめた意欲作だ。正統の本格としてまとめるのはではなく、ミステリーの新たな世界を見せるために設定したオカルティックととられかねない理由。読後に残る不思議な感触は、この設定と月によるものが大きい。それがこのミステリーの最大の魅力だ。この魅力を堪能して本を閉じた後、夜空を見上げて月を眺めたくなること間違いない。 | ||||
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