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深淵のガランス
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深淵のガランスの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.92pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全13件 1~13 1/1ページ
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とても面白い。 | ||||
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銀座の花師・佐月恭壱のもう一つの顔は絵画修復師。大正末期に活躍した画家の孫娘から、いわくつきの傑作の修復を依頼された佐月は、描かれたパリの街並みの下に別の絵が隠れていることに気づく…表題作ほか、欧州帰りの若き佐月を描いた文庫書下ろし「凍月」等全三篇。裏の裏をかく北森ワールドに酔う一冊。 | ||||
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またなんか完璧な 人間くさいない人物かな〜と読んでいくと 佐月の人間関係はまた 複雑で こんなに登場人物が必要なのかな、、それも濃い人間ばかり。 のおかげが 主人公である花師であり絵画修復も請け負っている 佐月に人間味を感じました。話し自体は絵画修復がメインですが。 3編でしたが、心に残ったのは 文庫本に書き下ろされた かなり短編の「凍月」でした。 「深淵のガランス」もそれなりに良かったですが、これからのキャストの顔見せ的に 濃いキャラが続々と登場しつつ、2編目では キャラ達の目論みが交錯して 何が謎で 何がミステリー?とやや混乱してしまいました。 香菜里屋の工藤マスターのように 安楽椅子探偵みたいな完璧?な人物像ではないので ちょっと嬉しい。絵画修復の仕事を依頼するのは 女狐女史です。←実はまだ冬狐堂シリーズは読んでませんが 、こんだけ他作品に登場するキャラなので 魅力あるんでしょうね。 でもなんか あまりに深そうな闇がありそうで、なかなか読む勇気が。 越名さんくらいのキャラが好みなので。 | ||||
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迅速かつ確実なご対応を有り難うございました。思っていました以上の美本でとても嬉しく思っています。 | ||||
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深淵のガランスの影の主人公はバーのマスター朱明花であり宇佐美陶子、蓮丈那智に連なるキャラである。 そして、薄っぺらな社交辞令とは無縁の世界に生きるその父朱健民(朱大人)、貿易商、美術品のコレクターにして荒事も辞さない横浜中華街の表と裏の世界の実力者、しかし明花との仲は複雑。 二人は、花師にして絵画修復師である主人公佐月恭壱とセットになっている。 こういう言葉がある。 「至高の美意識によって完成された名画たちを目の前に置き、自らも同じ境地まで高めることを常とするものにとってロマンスなどという言葉は、人間の貧しい感性が生み出した幻想に過ぎない」 第二話 血色夢は中編で美術系、民俗学系の色彩が濃い世界が描かれている。そして、「朱」が。 現代日本人の色彩感覚は中国水墨画の影響により黒系統になっているが、永きに亘って日本人の美意識を支配し続けた色彩は神への畏怖としての朱である。日本列島は巨大な硫化水銀の鉱床の上に乗っかっているようなものである。 登場人物は、多田、本業は岩手農業試験場の技師、そして旅館の実質的経営者にして低温に強い新種の蘭の開発者・栽培家、自分の眼鏡に適った愛好者にのみ株分けする、その極めて限られた愛好者が朱大人である。偶然に自分の持ち山で洞窟の壁面いっぱいに朱色によって描かれた壁画を発見した。 佐月の時により協力者、時により庇護者前畑善次朗(善ジイ)。 己の守備範囲を完璧に知る朱大人のボディガード ミヤギ。 いつもながらワキの存在感が光る。 こういう言葉がある。 「はじめに光ありき、言葉ありき。キリスト教世界においては言葉にできないもの、論争不可能なものは悪であり、偽物である。言葉という共通認識に支えられていないものに価値を認めることはできない」 けれど、佐月は真偽を超えたところに存在する価値観、言葉にするにはあまりに直観的な正義、そうしたものが己の胸中にあることを知っている。 無論、喉が鳴るようなおかしなものが何も入っていない菜っ葉や赤蕪の漬物、焼き味噌などがでてくる。 紛れもなくなく北森鴻の世界であり十分に堪能出来る。 | ||||
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花師・佐月恭壱には、もうひとつの顔があった。それは、絵画修復師の顔だった。 彼は、大正末期から昭和の初めにかけて活躍した長谷川宗司の絵画の修復を、孫娘から 依頼される。だが、この絵画には別の絵画が隠されていた。長谷川宗司はなぜ絵画を 隠したのか?佐月は、その謎に迫っていく・・・。表題作「深淵のガランス」を含む 3編を収録。 3編のうち一番印象に残ったのは「深淵のガランス」だ。絵画に隠された謎解きも 面白いが、私にとって未知の世界である絵画についての描写も面白い。佐月恭壱が 対峙する絵画・・・。緻密な描写は、読み手の頭の中に鮮やかな色彩を浮かび上がら せる。そして、息詰まるような修復の場面。隠された絵画を、佐月はどう処理するのか? 絵画が隠された理由もなかなか面白かったし、ラストも感動的だった。そのほかの2編も よかった。佐月にはまだまだ謎が多い。一体どんな過去を持つのか?魅力的な人物だけに、 かなり興味をそそられる。これからの展開が楽しみだ。 | ||||
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とっても面白いんですけど、好みの分かれるところだと思われます。 主人公がスーパーマン過ぎるんですよ。ほとんど神様。 誰がスーパーマンの安否なんか心配するのかというと、スーパーマンは必ず勝つというお約束を知らない、ナイーブなお子様だけ。 この小説の中でも、主人公が絶体絶命のピンチに立たされるシーンが二回ほどあるんですけど、読んでいて全く心配になりませんでした。 だって、スーパーマンなんだもの。 このシリーズの主人公・佐月恭壱とか、考古学者・蓮丈那智とか、晩年になって作者は、完璧な男、あるいは女の、完璧に格好良いパーフェクトな事件解決を描くようになりました。 それを、素敵だ、格好良い、すっきりする、ととらえられる人たちには、たまらなく気持ちが良く、粋な世界だとは思うのですが。 もちろん、こんなスーパーマンは現実にはいないし、美の評価はここで描かれたように誰でも意見が一致するような単純な物でもないのです。 作者は、人間の弱さや、情けなさ、不安やだらしなさも描ける腕を持っていました。にもかかわらず、この方角に作風を変えてしまったわけです。 こういった完璧な世界を願わずにいられなかった作者の、スーパーマンならぬ自己への視線、置かれた環境を考えると、ちょっともの悲しく思えるのです。 色々と、許せないことが多い人生だったんだろうなあ。 | ||||
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絵画修復師・佐月恭壱を主人公とした贋作ミステリー3篇を収録。 花師でもある主人公のクールさがカッコイイ。 著者の作品はしばしば複雑でアクロバティックになりすぎるきらいもある。 本作は短編・中篇的ボリュームの作品なので適度なヒネリで読みやすかった。 柄刀一著「時を巡る肖像」も絵画修復師を主人公にしたミステリー短編である。 併せて読むとよりおもしろいかも。 | ||||
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2006年に出た単行本の文庫化。 絵画修復士兼花屋の佐月恭壱を主人公としたミステリ3編が収められている。 さまざまな絵画の修復を通して犯罪を暴いていく物語である。まさに著者のためにあるような題材で、盛り込まれた仕掛けやトリックも実に面白い。ファンなら見落とせない一冊だろう。 独特の緊迫感ある文体も健在で、読んでいると、なんだか全身に力が入ってしまう。 | ||||
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北森鴻さんの、佐月恭壱を主人公とした、美術修復師のシリーズ第一弾。 ビアバーの「香菜里屋」を営む工藤氏を主人公としたシリーズ、冬狐堂という骨董屋を営む宇佐見陶子の「狐罠」のシリーズ、民俗学者の那智と三国を主人公にした民俗学探偵のシリーズなど、北森鴻にはいくつかのミステリシリーズがありますが、そのどれよりも格好良くて気障な台詞が似合うシリーズが誕生しました。 彼の他の作品でも、裏京都シリーズや福岡のシリーズなど男が主人公のものはいくつかありましたが、今回の主人公ほどかっこよくてクールな男はいませんでした。普段は、花師として色々な店の花を活けているものの、紹介があればいかなる絵画の修復も可能な天才的な修復師という設定と、喋り方や周囲の登場人物などどれをとってもきまっています。主人公の美術に対する信仰に近いほどの思い込みも接し方も、美術ファンとしては二重にたまりません。 文庫ですし、是非是非ご一読を。 手放しでお勧めです。 | ||||
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絵画において本物とはオリジナルというわけではないのだろう。古い作品は修復しなければ観賞すらすることが出来なくなる。修復することでオリジナルであり続けることになる。そんな絵画の運命を軸に描かれた作品だけれども、頭の中にイメージが広がりきらなかった。自分に知識が不足していることを痛感した。 でも作家なら、そういう読者も意識して作り込んで欲しいとも思う。 | ||||
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これは私の憶測に過ぎないけど・・・ 電話の女性は、冬狐堂さんで、「封印されるべき記憶は・・・」を言った「知り合い」さんはきっと那智だな〜。 本当に、人物相関図を書いていただきたい! ついでに、これが冬狐堂も出ているとすれば、「狐闇」(これの表バージョン?が、那智のシリーズであるように)と同じように、冬狐堂サイドからの視点で書かれた作品もでてくるはず! ・・・と思っていますが、実はどんでん返しがでてきたりして? | ||||
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北森鴻氏の、骨董・美術系の流れの、絵画修復師の物語。 天才的な技を持った絵画の修復師が巻き込まれていく、美術品にまつわる物語。個々の美術品がもつ人間の物語と、繰り広げられていく美の技に、思わず引き込まれます。 物語の中に漂うのは、美をめぐる人間というもののほのぐらい影。美と、富と…。芸術を生むのは人間で、生ませるのも人間で。そしてそこに巣くう魑魅魍魎もまた、人間であって。 修復は、原作者以上の腕が無ければ出来ないという、そんな修復者の技。そして、作者と同様の心を持ってこそ為し得る修復。 そんな修復者が生み出す作品は、真作なのか贋作なのか。果たして贋作者によって創られた新しい作品は、未発見の真作と区別がつかなくなってしまうのか。 或いは、贋作者は、贋作が贋作と見分けられる様にその印を作品に刻むのか。 真贋を見極める目を持つということは、真贋を偽る能力もあるということであって。 …物語を支える、その「美の技」の世界も、非常に面白く、読み応えがありました。 世に現れない、美術品や絵画、遺跡など、実は数多存在するのだろうか、などと夢想しつつ。 1枚の絵の分割とか、実際にそんなことが行われたりしている世界があるのでしょうか。絵の下のもう一枚の絵、などは聞きますが。 そして、物語を彩る登場人物達もまた、なんとも魅力的で。 続編を、是非是非読みたいです。…北村氏には、あれもこれも続編を書いて貰いたい…。 | ||||
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