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紅楼夢の殺人
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紅楼夢の殺人の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.64pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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皇帝の妃となった賈家の長女・元春は、彼女が里帰りした際につくられた 人工楽園を〈大観園〉と名づけ、賈家にいる娘たちにそこに移り住むように 命じた。それと同時に、弟の宝玉には、〈大観園〉の守護役を申し渡す。 やがて〈大観園〉で、不可解な連続見立て殺人が起こり……。 中国古典の物語世界を舞台とした本作は、作者による問題提起や告発を盛り込んだ 一種の寓話であるため、普通のミステリを期待する向きには肩透かしかもしれません。 個々の殺人事件のトリックも小粒で、あくまで 全体の仕掛けに奉仕するパーツに過ぎません。 作者は、本作において、本来の意味での“メタ・ミステリ”(「その作品が探偵小説である こと自体が探偵小説としての仕掛けにつながっている作品」)を志向したと書いています。 その目論見は成功していると思いますし、『紅楼夢』が題材に選ばれた必然性も理解できます。 ただ、個人的には、いまひとつ物語自体に入り込めませんでした。 | ||||
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本作は、中国の四大小説の1つである「紅楼夢」を題材に、その設定や登場人物をそのまま用いて長編ミステリーに仕上げたものです。作中、「紅楼夢」の名場面などもさり気なく組み込まれており、原作の雰囲気が巧く活かされていると思います。 主人公は元勲貴顕の名家に生を受けた絶世の美少年で、やはり美しい幾多の姉妹・従姉妹たち共に、贅と風流を尽くした庭園邸宅「大観園」で華やかな暮らしを送っています。永遠に続くかと思われた華やかな日々ですが、「大観園」の内外では様々な思惑と愛憎が渦巻いており、謎と悲劇が打ち続くなか、彼らの生活も徐々に変化を遂げていきます。 原作とも言うべき「紅楼夢」そのものは、大部で登場人物も多い上、清代中国の風俗習慣などを詳述したり、話が詩詞の評論に及んだりするといったヤッカイな小説です。文学的価値の高さは誰しも認めるものの、とにかく取っ付き難いので、我が国では必ずしも多くの人々に愛読されるところとはなっていません。その「紅楼夢」を本作のように「俗」な形でリメイクすることについて違和感を覚える向きもあるかもしれません。他方、あの難しい原作をいきなり読むのもキツイ話で、その前に、本作のようなカジュアルなものを入門書代りに楽しく読んでおくというのも良い考えかも知れません。また、原作との関係云々といった無粋なことは置いておいて、純然たるミステリーとしてもそこそこ楽しく読めます。 いずれにしても、「紅楼夢」の原作に興味がある人にもない人にも、一読をオススメしても良いかなと思うような本です。 | ||||
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