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裁判員法廷
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裁判員法廷の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.11pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1~9 1/1ページ
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「薄いブルーのワイシャツ」などという文章が出てきて、呆れた。 そもそもワイシャツは「ホワイト・シャツ」の短縮形で、これは、どの辞書にも出ている。 「ブルーのホワイト・シャツ」とは、どんなシャツなのか、全く想像できない。 | ||||
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芦辺拓氏の小説は、常に社会に開かれている、というまさにその点でエンターテイメントである(社会派でかつエンターテイメントというのではない)。『時の・・・』シリーズが国家のあり方を問うていたとすると、裁判員法廷は、私たちが社会の中でどのような法を持つべきか、考えさせる内容となっている。が、このテーマについては『13人番目の陪審員』の方がより深く考えさせられた。芦辺拓氏からはさらに深い掘り下げが期待される。 | ||||
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現在の裁判員制度を意識して作られたのか、それとも、以前の少しの期間行われた裁判員制度を研究した結果の産物か読み応えがあった。 芦辺ファンは必読の書だと思う。 | ||||
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芦部氏が手掛けた、本邦初の裁判員制度をモチーフにした本格ミステリー短編集である。 あなたという人称で読者が裁判員の一人となって事件の法廷にリアルタイムで参加しているという凝った体裁が取られており、いかにも技巧派の芦部氏らしい手堅い出来の上質な法廷ものミステリーに仕上がっている。 あなたという人称での参加趣向に加え、ラストではそれをうまく利用したミステリーらしい仕掛けも用意されており、ページ数は少ないが充実した読後感を味わえる作品である。 | ||||
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「あなた」(読者)が裁判員の一員となり、 法廷にて弁護士の森江春策、検事の菊園綾子や証人たちの証言を聞いていく形の連作短編集です。 僕にとって芦辺拓さんといえば、「殺人喜劇の13人」のような、トリック満載の本格モノというイメージでしたが、 この作もトリックが多用されていて、本格ミステリ小説のカテゴリーだと思います。 ですが、弁護士役にレギュラー出演の森江春策さんが起用されているため、結末の予測もしやすくなってしまいますので、 今回限りの弁護士さんにした方が良かったのでは、 また、検事役も若くて美しい女性という設定ですが、小説自体が軽くなってしまうように思いました。 | ||||
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「あーあ、芦辺さんも裁判員騒ぎに乗じちゃって」と思い込んで読まないでいました。もし同じように思って敬遠している方がおられるなら、騙されたと思って読んでみて下さい。色物どころか、力の入った本格推理です。シリーズ探偵を活躍させながら、しかも<われら国民>が本当の主人公であることをどうやって見せて行くか。一見日常的な事件を扱っている地味な小説ですが、高度な推理小説技法を駆使しています。それを味わうには、著者の言う通り、最初から通して読むべきです。 森江春策というなかなか微妙なキャラクターを持ったシリーズ探偵の存在が一つの勝因。そればかりでなく、行間から国民が司法に再び直接参加することになった喜びをはっきりと感じ取れます。新島ともか嬢のラブコメ(??)色が薄いのも良。 | ||||
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「あーあ、芦辺さんも裁判員騒ぎに乗じちゃって」と思い込んで読まないでいました。もし同じように思って敬遠している方がおられるなら、騙されたと思って読んでみて下さい。色物どころか、力の入った本格推理です。シリーズ探偵を活躍させながら、しかも<われら国民>が本当の主人公であることをどうやって見せて行くか。一見日常的な事件を扱っている地味な小説ですが、高度な推理小説技法を駆使しています。それを味わうには、著者の言う通り、最初から通して読むべきです。 森江春策というなかなか微妙なキャラクターを持ったシリーズ探偵の存在が一つの勝因。そればかりでなく、行間から国民が司法に再び直接参加することになった喜びをはっきりと感じ取れます。新島ともか嬢のラブコメ(??)色が薄いのも良。 | ||||
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平成21年1月4日付日経朝刊に「裁判員制度、小説に」という記事に紹介があったので手にした一冊。紹介されていた書は、「京女殺人法廷」姉小路祐著、「犯意」乃南アサ著、「死刑基準」加茂隆康著、そして本書「裁判員法廷」渡辺拓著である。本書の舞台はxx地方裁判所2009号法廷、裁判長は藤巻脩吾、ロマンスグレーの温厚そうで紳氏的、裁判官の玉村君枝は化粧無しにしては十分にみずみずしく物静か、判事補の青井涼太は学生のように若々しくお調子者の新入社員という感じの3人の職業裁判官。三つの話からなる連作ミステリーであり、1番目「審理」は検事の菊園綾子と、弁護士の森江春策の法廷弁論が主であり、2番目「評議」では3人の裁判官と6人の裁判員、野々内信人は30代後半の美術教師、福中郁代は40代半ばの主婦、佐橋薫は背広・ネクタイの自称サラリーマン、実は病院勤務医、浅葉理佳は最年少のOL、音川洋彦は無職の青年、そして6人目の裁判員が「あなた」と呼ばれる読者、が事件を法廷内或いは別室で考える。いずれの裁判も単純ではなく、特に3番目の「自白」では、被告は殺人を認め、弁護士は無罪と言う。その解明に裁判官と裁判員が議論するが、正直その場面に裁判員として立ち会ったら複雑で微妙な事件に頭を抱えるだろう。まず「あなた」に課せられた責任は非常に重い。被告という一人の人間の生と死に深く関わることになる。多数決であり、他の5名に責任を任せ切りにすることは出来ない。生半可な気持ちで裁判員の役割は果たせない。その為にもこれからの裁判員制度を扱った小説は有用だろう。 本書の法廷の藤巻脩吾裁判長は話術や一般市民への話し方は巧みであり、裁判官にかつて求められたことのない能力を持っているという。裁判長は裁判員をまとめるマネジメント能力が大いに必要なはずである。一方裁判員候補も色々と本制度に意見はあるのだろうが、裁判員になった以上は見苦しい忌避言動を取るべきではなく、真剣に与えられた役割を十分に果たすべきだろう。この数日間という期間は、知力、気力を充実させしっかり事件に向き合いたいものだ。 | ||||
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裁判員制度をテーマにした、おそらく本邦初の〈裁判員ミステリ〉。 三つの中篇から成る本書は、それぞれ別の事件を扱いながらも、 取り上げられる裁判の段階が、手続き順に配列されているので、 読了すれば、公判のおおよその流れが理解できる構成となっています。 ◆「審理」 弁護士・森江春策と若手の女性検事の証人喚問をめぐる法廷での対決。 ◆「評議」 審議後に行われる、裁判員たちの討議。 六番目の裁判員である「あなた」の視点から描かれます。 ◆「自白」 裁判の冒頭から、殺人の事実を「自白」する被告人と、 それを否定する弁護人という異様な図式のもとで、 審議が進められていきます。 前二篇が、オーソドックスな〈法廷もの〉といった 雰囲気であったのに対し、本作は、まさに本格テイスト。 二人称(「あなた」)という特異な叙述形式が採られた 理由も最後には明かされ、サプライズを演出します。 また、本件の被害者が、素人に甘言を弄して近づき、喰いものにする 出版ゴロであるというところには、著者一流の皮肉と風刺が。 昨今のラノベ≒「若さ」に偏重した風潮が戯画化した構図で示されており、 出版界の現状に対する著者の苛立ちと嘆きが窺われて興味深かったです。 | ||||
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