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(短編集)

地雷グリコ



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【この小説が収録されている参考書籍】
地雷グリコ

地雷グリコの評価: 3.80/5点 レビュー 128件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.80pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全89件 41~60 3/5ページ
No.49:
(5pt)

傑作

各話の前半に仕掛けられた伏線が回収されて真兎の逆転勝利につながる流れが非常にスリリング。本格もの、頭脳戦ものが好きな方に強くお勧めします。また戦われるゲームは全て一般的なゲームにひねりを加えたものなので文章だけでは分かりにくい部分もあるのですが、各話に丁寧な図解が施されていて助かりました。
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No.48:
(5pt)

グリコ森永事件の亜種⁈かと思ったら、ロジックの戦いの学園ドラマ⁈

所々、ロジックすぎて、食傷気味になるけれど、総体して面白い⁈
一年も前の本なのに、青葉区の図書館では、20冊に、200人待ち=約一年待ちと聞き、電子書籍にしました。因みに図書館では、どうやるのか、電子書籍版の貸し出しも待ちだった。鮎川哲也のファンは好きかも⁈砂糖のスティックが2本と、出てくるのは鮎川哲也の例の刑事さんへのオマージュでは⁈
それにしても1週間で三つの賞を総なめって⁈他にいるのかなぁ⁈
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No.47:
(5pt)

手品のような小説。

天才高校生がいろいろなゲームに挑む、というお話。
読み味はカイジをはじめとするデスゲームものに近いですが、青春小説なので人は死にません。

どのゲームも、既存のゲームをひとひねりして独自の戦略性を持たせたものです。
主人公は限られた時間の中で頭脳をフル回転させ、攻略法を編み出し、敵に挑みます。

非常に読みやすい文章で、ページをめくる手が止まらないとはこのことか! というくらいさっさと読めるのですが、何気なく読んだ文章の中に攻略のヒントが隠されていることが多々あり、まるで手品を見ているようでした。

手品って、観客の視線や意識をうまく誘導することでトリックに気付かせないようにしていますよね。で、タネ明かしを見ると「ここに仕込んでいたのか!」とびっくりする。『地雷グリコ』はそんな驚きに満ちています。後から細かいところを確認すると、ちゃんと「仕込み」がなされている。この仕事の丁寧さはまさにミステリ作品です。

小説らしく人間を深く描いているかというとそうではないのですが、そういった点はあえて控えめにして青春エンタメ小説であることに徹し、ゲームの面白さを描くことに全力を注いでいる姿勢は、間違いなく評価に値します。面白いものを面白く描くぞ、という誠意を感じるのです。
とはいえ、関係性オタクにはある程度の栄養を与えてくれる作品でもあります。

面白かったです。ありがとうございました。
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No.46:
(5pt)

安心してください 誰も死にません

それでも、とにかくハラハラする。
殺人こそ起きないが、犯罪すれすれのグレーゾーンな事ばかり起こる
コージーミステリーとも少し違う
本格ミステリーが好きな人は、殺伐とした場面が出てこないと、少し物足りなさを感じてしまうかもしれないが、この作品に関してはそんな心配もいりません
唯一心残りは、若い頃に読みたかった
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No.45:
(5pt)

最高

嘘食い、カイジ、ライアーゲーム、ACMA GAME、…
頭脳バトルものってめちゃめちゃ面白いですよね。
この本でたっぷり楽しめます。
このジャンルで大事なのは、
・シンプルなルール(読者がルールの理解を諦めてしまうレベルでは全く面白くない)
・納得感のある勝利(ルール違反がなかったことを読者が完全に理解でき、読者もその発想さえあれば真似ができる方法)
・ゲーム情報の適切な開示(実はこんなことしてました、は最小限であってほしい)
・ロジックのストーリーテリング(プレイヤー視点、観客視点の情報開示・解説が読者の興味を持続させる)
・派手などんでん返し
あたりだと思っていますが、この本は完璧です。
さらには全体をつなぐサイドストーリーもちゃんとオチがついて、読後感が爽やかでした。
いやーー最高です。
もっと続きを、何卒ぜひお願いします!!
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No.44:
(4pt)

戦略ゲームと学園生活が絶妙に融合

この小説は、学園を舞台にした戦略ゲームを軸に展開するストーリーで、綿密な戦略設計に感心させられました。ゲームのルールや展開が非常によく練られており、読者を引き込む要素となっています。

登場人物たちの駆け引きや心理戦が見事に描かれており、まるで実際にゲームに参加しているかのような臨場感があります。ただし、細部まで突き詰めて考えると、いくつかの矛盾点もありえそうではあります。

学園を舞台にしているため、緊張感のある戦略ゲームの合間に日常的なシーンが挿入され、適度な息抜きになっています。この「ゆるさ」が物語に 深みを与えていると同時に、時折緊張感を損なうこともあり、評価が分かれるポイントかもしれません。

キャラクターの個性や表情、ゲームの展開など、視覚的な要素が豊富なこの作品は漫画化にも向いていそうです。アニメーションでキャラクターたちの駆け引きを見られたら、さらに楽しめそうですね。

全体として、戦略ゲームファンや学園モノが好きな読者におすすめの一冊です。
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No.43:
(5pt)

(2024-122冊目) 人生はゲームではないという言葉が読者に迫るもの

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 高校生たちが、特殊なゲーム競技を闘っていく学園青春ミステリーの連作短編集です。第171回直木三十五賞こそ逃しましたが、第37回山本周五郎賞受賞、第77回日本推理作家協会賞〈長編および連作短編集部門〉受賞、第24回本格ミステリ大賞【小説部門】受賞ほか、数々の栄誉に輝いた昨2023年の話題作です。

『地雷グリコ』
 頬白高校の学園祭で各クラスは模擬店を出すのに最適な場所を独特の競技で奪い合う慣習がある。校舎の屋上にカレー店を開きたい1年四組は、同じ場所にカフェを開店したい生徒会を相手に戦うことになる。学園祭実行委員が提案したのは「地雷グリコ」――頂上まで進む石段の数をジャンケンの勝ち負けで競っていく競技だが、各チームは階段途中に3個まで地雷を設置することができる。地雷を踏むと10段後退を余儀なくされるのがルールだ。1年四組代表の射守矢真兎(いもりやまと)は生徒会の椚(くぬぎ)先輩と「地雷グリコ」を戦うことになる。
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 階段のぼりの「グリコ」とは、グーがグリコで3段、チョキがチョコレートで6段、そしてパーがパイナップルでこれまた6段進めるという、日本全国津々浦々、子どもたちが必ずどこかでやっているあれです。これに、踏んだら10段後退を求められる地雷が組み合わさった独特のルールで戦います。進む段数が3の倍数という規則性と、後退段数が10という不規則性、さらにはどこに地雷を埋めたのか互いに隠しているという機密性が加わって、精緻な計算を求められる頭脳戦と、相手の心を読み解く心理戦の、複雑極まりない戦いが進むというわけです。
 もちろん地雷といっても本当に爆発することはありませんので、危険はないのですが、それでも知的で行き詰まる攻防が続く物語の見事な展開は、読んでいて一度も倦むことがありません。
 こんなゲームを考えるとは、なかなか粋な話です。

『坊主衰弱』
 頬白高校のかるた部は地元の〈かるたカフェHATANO〉と揉めて店を出禁になってしまう。なんとか禁を解いてもらおうと店にかけあうがマスターの旗野さんはけんもほろろ。たまたまそのやりとりの現場に居合わせた真兎は、出禁を解くことを賭けて旗野さんと勝負をすることに。旗野さんが提案したのは、「坊主衰弱」という独特の勝負だった。
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 百人一首かるたの坊主めくりに複雑なルールが付加された「坊主衰弱」。しかも最後に真兎が手にした札10枚ごとに、かるた部員1人を出入り解禁にするという話です。つまり部員10人全員を解禁するには手札100枚すべてを真兎が獲得しなければなりません。偶発性に左右される坊主めくりで、ひとつのミスも許されないなど、およそ無理無体な話です。果たして真兎はどうやって勝負に完勝するつもりなのでしょうか。
 ネタバレしないように記しますと、真兎は頭脳を駆使してというよりは――しかもあまりスマートだとは私には思えない――策を弄して勝ちにいきます。その点は少々肩透かしを食った思いが残りました。

『自由律ジャンケン』
 生徒会長の佐分利は真兎の勝負強さを聞きつけて、生徒会に引き入れようとする。その強引な物言いに真兎は自由を奪われると反発するが、中学時代の同級生である雨季田(うきた) 絵空(えそら)の名を挙げられて、佐分利の提案するゲームに負けたなら入会することを条件に話に応じる。そのゲームとは「自由律ジャンケン」なる不思議な勝負だった。
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 この「自由律ジャンケン」とは、「7回勝負の勝ち越し戦。出せるのはグー、チョキ、パー+両者の考案した〈独自手〉を合わせた5種。〈独自手〉は基本何でもあり。そして効果はお互いにわからない状態で勝負を始める」のがルール。これが「地雷グリコ」に似てなかなかクセの強いゲームです。〈独自手〉が何に勝って、何に負けるのかは審判だけに事前に明かされ、プレイヤー(と読者)には伏せられたまま試合が進みます。読者はそのからくりを真兎と佐分利といっしょに推理しながら頁を繰ることになります。そしてその伏せられていた効果と、真兎の最後に仕掛けたトリックの見事さに息を呑むこと間違いありません。
 物語は特殊ジャンケンの勝負がついた後も続きます。佐分利が真兎を求めた真相の、これまた異様な状況が、さらに次の物語へと読者を牽引するのです。

『だるまさんがかぞえた』
 真兎らは星越高校の生徒会と故あって勝負をすることになる。相手方が提案してきたのは「だるまさんがかぞえた」。そしてこのゲームによって互いに1枚10万円のチップを取り合うことになる。
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 賭ける対象が1枚で10万円と高校生にとっては高額過ぎるのですが、それが1枚や2枚という話ではありません。特殊ルールのせいで賭け金の桁がどんどん積み上がっていきます。絶対不利の状況にもかかわらず、真兎はどうやって勝ちを収めるのか。
 その頓智のような、それでいてなかなか小気味よく相手をねじ伏せる展開には快哉を叫びたくなります。どんなにがんじがらめに見えるルールにも、解釈の自由が残されている点があり、それを見事に衝いていく真兎の勇姿が眩しいのです。

『フォールーム・ポーカー』
 真兎らは1枚10万円のチップを巡って星越高校の生徒会と最終決戦に臨む。対戦競技は頬白高校の旧部室棟内の4部屋を使った特殊なポーカーゲーム。チップを巡る掛け金はやがて数千万円レベルへとつり上がっていく。
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 真兎の対戦相手は中学時代の同級生の絵空。このふたり、中学卒業間際になにやらあったようです。表面上は元同級生という穏やかで懐かしげな様子を見せるのですが、高額掛け金を巡って容赦のないバトルを展開することに全くの躊躇がありません。
 ポーカーゲームの交換(チェンジ)の札は4つの部屋に配置されています。相手がどの札を手中に収めているのか、残りのカードは何であるか、を制限時間内に類推しながら二人の対決が進行します。取られる戦術はこれまでどおり、提示されたルールの中にある小さな抜け道を見つけるだけではありません。命の危険もありうるかなりヤバい手が繰り出されて、物語の緊迫感はかつてないほど高まっていきます。果たして闘いの決着はどうつくのか、手に汗握る物語を楽しめます。

――このように、5つの短編は緊迫感あふれる高度な頭脳戦の顛末を描いていきますが、物語の芯はそこだけではありません。それは人生はルールでがんじがらめのゲームではないという真理。そして高校生という若く、無知でありながら無茶を厭わない青さが放つ眩しさ。その青さが人間関係の気詰まりや行き違いを図らずも生んでしまうことはあるものの、壊れたり歪んだりした関係をしなやかな意思の力によって修復しける若者の逞しさです。
 真兎と絵空は中学時代にやらかしてしまった密かな負い目を抱えてきた経緯が最後に明かされます。そしてそれを正すのに自分たちがまだ手遅れではない事実を知るのです。
「『人生はゲームだ』なんてふざけたこと抜かすやつを信じちゃだめだよ。【……】人生はなかったことにできないじゃん」(52頁)
 こう話す真兎は、絵空との関係をリブートしようとします。人生にリセットボタンはない。やってしまったことを受け止めながら次の段階へと進むことが大切。そう覚悟するこの若さが本当に羨ましく感じられます。みずみずしい若者たちの物語を読めた満足感が残りました。

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No.42:
(4pt)

ジュブナイル嘘喰い

文化祭の出し物使用エリア一番人気の屋上をめぐり、『愚煙試合』という平和的&明確な勝敗がつけられるゲームで戦う習わしのある高校で、2年連続優勝かつ3年目のオープンカフェ開設を目論む3年1組椚迅人に、勝負事にやたらと強い1年生、射守矢真兎がクラスのカレー屋を背負い挑む。ゲームの名は『地雷グリコ』!

こういう、脳汁ドバドバ出てくる頭脳戦ストーリー大好物なので、ページをめくる手が止まりません。

まぁ、正直ついていけない部分もあったが・・・作中の対戦相手同様、自分も騙されていることは分かったぞ(笑)
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No.41:
(4pt)

面白いけどちょっとゲームのオチに穴がある(ネタバレ)

地雷グリコですが、最終的に真兎が27段目(この先地雷無し)椚が12段目(42段目に30段さがる地雷あり)という状況になり、あとは大逆転は無理だから真兎が勝ちだろうで最後まで書かずに終わるけど、シンプルなグリコ勝負ならまだ椚が勝つ可能性があった。
だとすると、真兎は「この後グーとパーしか出しませんから」って言えば、椚はグーで勝って3段あがるが禁止されて、6の倍数でしか登れなくなり追い越しても42段目でまた地雷踏んで12段目にもどることになる。
それを防ぐには真兎より上の段になった状態で5連続あいこを引くしかないから、まず不可能。
ここまでやって「俺の負けだ」って言わせた方が矛盾なく終わると思うんだけどね。
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No.40:
(4pt)

人は死にません

グリコで特定の段を踏んだら爆死する、みたいな学園デスゲームかと思ったら違いました。
いや、全くの検討はずれではないけれども

謎解きというより頭脳ゲームでした
自分ならどうするかな〜と少し考えつつ、入ってくる情報のほうが圧倒的に上回っており、なるほどその手が、、となりました。

高校が舞台なのでわだかまりの部分に関しては個人的にすっきりしませんが、みんながまあるくおさまってよかったです。

主人公とその対戦者にスポットが当てられがちですが、周りにもとんでもなく賢い人が散りばめられています。
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No.39:
(5pt)

最高

とても面白くてどんどん読み進められた。
ゲームに参加してみたい
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No.38:
(5pt)

少年マンガの王道を感じさせるストーリー

とっても面白かったです。
主人公が主人公だし、周りを彩る先輩友人も異彩を放つ。
ルールや結果の解説もわかりやすく、頭を使いつつも楽しめました。
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No.37:
(4pt)

温めのカイジ

ゲームはよく練られていて、面白かった。

しかしキャラクターへの愛着があまりわかない。
賭けているものも、結末も中途半端でもう一つ物足りない。
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No.36:
(5pt)

賭ケグルイ?

この手のジャンルは絵で説明できる漫画には敵わないだろうと思っていたが
するする理解できた
最後のポーカーは嘘喰いvsラロばりの仕込み合戦が見れて痛快でした
一人称私が多すぎてちょっと混乱したこともあったけど意図的なのかな
どうせされると思うけど漫画化か実写化を強く望みます!
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No.35:
(5pt)

独創性満載! 他のどこにもない!

これは凄い! この著者の作品は初めて読んだが、これまでに読んだどの作品にもないテイストとプロット、そしてストーリー。いわゆる連作短編だが、どの話も独創性が満載。30年から50年に一人の逸材ではなかろうか。

 とにかく、レビューが書けない。青春とゲームの話、最後にはホロっと来る。抜群に面白いから読んで。絶対後悔しないから。そんなことしか言えない。でもそれで十分。

 難を挙げるなら、登場人物の名前に凝り過ぎていること。椚とか。もっと簡単な読みやすい名前で良いのに。私と同年代の読者には冒頭から拒否感があるだろう。年代を問わず、多くの人に手に取ってもらいたい。

 あと、317頁にある「名乗り出せる」という日本語。もとの形は「名乗り出す」ではなく「名乗り出る」だから、正しくは「名乗り出られる」だろう。基調はミステリーとはいえ、作家としての文章力は磨いて欲しい。
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No.34:
(5pt)

高校の文化祭での屋上使用の権利を賭けた「地雷グリコ」の勝者は

私はパソコンゲームやモバイルゲームを一度もしたことのないゲーム音痴だが、連作短篇集『地雷グリコ』(青崎有吾著、KADOKAWA)に収められている『地雷グリコ』には引き込まれてしまいました。

都立頬白高校1年4組の女子、射守矢真兎(いもりや・まと)は、文化祭で一番人気の屋上に出店できる権利を獲得すべく、クラス代表として、2年連続勝利を収めてきた生徒会チームの代表、3年生の椚迅人(くぬぎ・はやと)と決勝戦で対戦します。

頬白神社の46段の階段を、ジャンケンのパーかチョキで勝てば6段、グーで勝てば3段上がることができ、頂点まで先に辿り着いたほうが権利を獲得できるというゲームで勝負を争います。ここまではお馴染みの「グリコ」だが、独自ルールとして、予め、各々3つずつ、相手に分からないように選んだ階段に「地雷」を仕掛けることができます。相手が仕掛けた「地雷」を踏むと、審判の指示で10段下がらなければなりません。

「晴天の昼下がり。神聖な神社の入口で。いい年した高校生二人が、叫んだ。『グー、リー、コ!』。真兎はパーを出し、椚先輩はチョキを出していた」。さあ、屋上を賭けた一大勝負の始まりです。

ゲームの特性を頭に入れて、地雷をどの段に置くか、相手の出方を読んでジャンケンは何を出すか、息詰まるような心理戦が展開されます。「『地雷グリコ』は読み合いのゲーム。行動や発言から互いに情報を集め、地雷の場所を察知した者、ジャンケンの手を操作した者が勝つ」。

どんでん返し、また、どんでん返し、さらに、どんでん返し。

果たして、勝利の女神はどちらに微笑むのか。

読者にも戦略思考が要求される作品です。
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No.33:
(5pt)

面白かった

最近まったく小説を読めていなかったのでリハビリに超話題作から。
「嘘喰い」が好きな人は必読。意表をつく心理戦がとても楽しい。『坊主衰弱』と『自由律ジャンケン』が好み。
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No.32:
(5pt)

グリコはクソゲー。そんなふうに考えていた時期が俺にもありました。

主に小学生の頃。まずチョキで勝ったときとパーで勝ったときとで進めるのが同じ6歩なのがありえない。グー勝ちのときに6の半分の数である3歩っていうのもセンスないし。どんな手で勝っても敵と差がつきづらくて、開発はゲームバランス調整したら?と幼心に思っていた。
それが、踏んだらペナルティの地雷という要素を一つ足すだけで、まさかこんなに面白くなるとは。
3歩又は6歩しか進めないというルールから、地雷を設置する場所も、一見限定されるように見える。なんなら3歩目と6歩目に地雷しかけりゃいいじゃん?でもそんなことは相手も当然わかっているし、ペナルティの内容と心理戦ゆえに、そう単純な話では全然なくて……。
というのが第一章の地雷グリコというお話。初っ端から展開されるのはもー脳汁出まくりの頭脳戦。こういうお話が5つもあって、どれもこれも完成度が高くて夢中で読めた。
こういうゲーム系の頭脳戦は漫画ではたくさんあるけど、小説ではあんまりないし、文字だけの小説のほうがむしろ適した媒体かもね。私が一番好きなのは自由律ジャンケンだった。著者の小説は最近アニメになったりドラマになったり絶好調なので、ぜひこれもアニメにしてほしい。だるだるカーディガンを羽織った真兎ちゃんが動いて喋るのを見たい。
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No.31:
(5pt)

世評どおりの面白さ

ここのレビュアー各位も、また某著名ミステリ評論家も激賞しているので、初めて青崎作品を手にしたが、なるほど本作は世評どおりの面白さであり、大いに楽んだ。
ゲーム勝利のための手順が論理的に考察されるのみならず、心理戦、さらにはコンゲームの要素まで盛り込んで、最後まで展開が予想できず、ハラハラドキドキの連続だった。また主要キャラクターの心理描写が章を追うごとに深まっていき、救いに満ちた大団円に繋がることで、心地よい読後感が得られている。
残念ながら直木賞は逃したものの、ご一読を強くお勧めしたい。
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No.30:
(4pt)

直木賞候補作として見たときに

直木賞候補作ということで手に取りました。我々が知っているゲームに少し手を加えるだけでこんなに独創的で白熱するゲームになるのか、と作者の創造力に感服。対戦相手同士の心理戦も非常に読み応えがありました。

めちゃくちゃ面白く読んだのですが、直木賞候補作として過去の直木賞受賞作品と比べてしまうと、物足りなさを感じてしまう点もありました。この題材だと仕方のないことかもしれませんが、どうしても「人間」より「ゲーム」が主役になっている気がして、ゲームを通してもう少し人間性が浮かび上がってくるような展開を期待してしまいました。例えば、ゲーム内での思考や選択に過去の出来事の影響があったり、ゲームの結果、その人物の考え方が変わったり(それが全くなかったとは言いません)。とても乱暴に言うと、ただすごい人たちが集まってすごいことを繰り広げているように見えてしまった。

直木賞受賞はなりませんでしたが、そういった権威のある賞というよりももっと一般読者に近いところで愛される小説なんだろうなと思います。私自身、直木賞候補作として見たときには少し厳しい評価になってしまいますが、一読者としての率直な意見は、非常に楽しい読書体験をありがとう、です。
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