■スポンサードリンク


君が手にするはずだった黄金について



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
君が手にするはずだった黄金について

君が手にするはずだった黄金についての評価: 3.70/5点 レビュー 33件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.70pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全20件 1~20 1/1ページ
No.20:
(5pt)

急に引き込まれ最後は笑いました。

初めは作者の過去の思い出話?と思いながら読み進めていったんだけど途中からえ?そんな展開!?っと驚かされてどんどん読むスピードも早まりあっという間に物語の世界に引き込まれていきました。

そしてラストの話でまさかの笑いが出てきました。そんな事件からそんな事を深く考える?え?そことそこ繋がるの?
やっぱり頭いいと言うか。作者が何かを考える時にもし頭の中に人が何人かいて、脳内会議をしているのだとしたらぜひ参加したいと思いました。

初めてこの方の小説を読みましたが他の作品も読んでみたいと思いました。
君が手にするはずだった黄金についてAmazon書評・レビュー:君が手にするはずだった黄金についてより
4103553111
No.19:
(4pt)

小説家についての話

短編集。「小説家の鏡」が一番気に入りました。
主人公に相談に来た友人の妻の恵梨香。仕事を辞めて、小説家になりたいと思っている。人間は、自分の聞きたいこと、見たいことを、聞いたり、見たりしたいと思う。答えは最初から自分の中にあって、それを正解だと言ってもらいたい存在。恵梨香もそう。占い師や小説家は、人々の鏡。全編を通して、小説家であるということについての自省も主題の一つかな。
君が手にするはずだった黄金についてAmazon書評・レビュー:君が手にするはずだった黄金についてより
4103553111
No.18:
(5pt)

たくさんのギャツビー

側だけの人についての話。ウソをつき続ける
君が手にするはずだった黄金についてAmazon書評・レビュー:君が手にするはずだった黄金についてより
4103553111
No.17:
(5pt)

この世は虚構である、嘘である、妄想である

主人公は著者と同名の「小川」。小説家でもある彼の視点で語られる連作短編集。どの作品も虚構や虚飾、嘘、妄想がエッセンスとして入っている。もちろん楽しむべきはその虚構世界であるが、著者と主人公が似た境遇であるため、フィクションとノンフィクションの間で頭を揺さぶられる。その混乱の極みが「受賞エッセイ」である。「プロローグ」で自分は何者なのかを問い、最後の「受賞エッセイ」でも自分について考えるという構成だと思うが、間にある短編も自分への問いのようになっていたような気がする。
君が手にするはずだった黄金についてAmazon書評・レビュー:君が手にするはずだった黄金についてより
4103553111
No.16:
(4pt)

小川哲さんの3冊目でした

初めて読んだのは想像見聞録「Voyage」内のフューチャーな織姫彦星「ちょっとした奇跡」。続いて、「嘘と正典」へ。そして当書は著者が主人公となり、「黄金」になりうる怪しげなヒトとコトに遭遇する実話?或いは小説?
君が手にするはずだった黄金についてAmazon書評・レビュー:君が手にするはずだった黄金についてより
4103553111
No.15:
(5pt)

めっちゃ面白かった!

章が進むにつれて、点と点が繋がる心地があり、ひとつひとつの章も面白かったです。
君が手にするはずだった黄金についてAmazon書評・レビュー:君が手にするはずだった黄金についてより
4103553111
No.14:
(4pt)

若いひと向けかな

社会に出る前か、もしくは社会に出たばかりの年代のひと向けに書かれていると感じました。
中高年が読んでも退屈ですね。
君が手にするはずだった黄金についてAmazon書評・レビュー:君が手にするはずだった黄金についてより
4103553111
No.13:
(5pt)

これは、スルメイカ

あとから味が滲み出てくる。初めて1日で読了した。
君が手にするはずだった黄金についてAmazon書評・レビュー:君が手にするはずだった黄金についてより
4103553111
No.12:
(4pt)

1日でさくっと一気読みした短編小説集。

読書とは、就職する動機とは、震災前日の平凡な一日とは、小説家とは…、人間観察の哲学的な切り口というか、際立たせ方が面白くて好みです。
君が手にするはずだった黄金についてAmazon書評・レビュー:君が手にするはずだった黄金についてより
4103553111
No.11:
(5pt)

作品ごとにスタイルを変える人?

直木賞受賞作「地図と拳」は正直まったくピンと来なかった、やたら長いだけで。
でも、「君のクイズ」は面白かった。そして、この作品はエンタメと純文学の境界を行ったり来たりと言うか、若干私小説を茶化していないかい?って感じでとても面白かった。
いま新聞連載している「オルロージュ」は新聞連載と言うこともあるのか今のところめちゃくちゃライトな作品だし、器用でカメレオンみたいな作家ですね。
1つ心配するとしたら器用過ぎてちょっと本物と見られない偽物感が付き纏いそうなところですね。もしかしたら、それも著者の狙いなのかも知れませんが。
君が手にするはずだった黄金についてAmazon書評・レビュー:君が手にするはずだった黄金についてより
4103553111
No.10:
(4pt)

人を選ぶが面白い作品

不思議な作品でした。
くどいところもあり人を選ぶ作品かもしれませんが、私には面白かった。
どこまでがフィクションで、どこまでがノンフィクションなのかわからないけど、そこも含めての面白さでした。
君が手にするはずだった黄金についてAmazon書評・レビュー:君が手にするはずだった黄金についてより
4103553111
No.9:
(4pt)

素晴らしかった

胡散臭い人が沢山でてきて、胡散臭い人達側の景色も見る事ができる。
ロレックスの偽物への怨念みたいなものが滑稽でした。
君が手にするはずだった黄金についてAmazon書評・レビュー:君が手にするはずだった黄金についてより
4103553111
No.8:
(5pt)

知的な筆致の純文学的エンタメ小説

小川さんご自身を主人公に書かれた短編小説集。
そのため、フィクションとノンフィクションの境目がわかりにくく、そこが面白いところでもある。
特に承認要求をきりとった表題作「君が手にするはずだった黄金について」が傑作!面白かった。
小説家に興味のある人も、読むと面白いと思う。
君が手にするはずだった黄金についてAmazon書評・レビュー:君が手にするはずだった黄金についてより
4103553111
No.7:
(5pt)

エッセイのような不思議な短編小説集

妻が大ファンである林真理子氏と中瀬ゆかり氏がYouTube で紹介してたので読んでみた。この著者は初めてである。
プロローグは、著者のエッセイで序文のようなものかと思っていた。2話目から小説になるのかな?と思ったが、またエッセイのような始まりである。実名で小説家として自分が登場し、友人も登場する日常である。読み進めていくとどうもこれは虚構だと、つまり現実を入り交ぜたように見せかけた小説だと気がついた。
現実にも居そうな人物に焦点を当て、その人間像と自分の主観を掘り下げていく。いわば他人の人間観察と小説家としての自分観察である。
以下ネタバレ含みます。
「三月十日」: これはちょっと村上春樹を彷彿させる記憶に関する考察。
「小説家の鏡」: オーラリーディングの詐欺師に対峙していく話。
「表題作」: 旧友が詐欺師に成り下がっていく話。その旧友と自分との関わり、旧友の人間性を分析している。
「偽物」: ふと知り合った、とある漫画家の話。これもこの人物を徹底的に分析している。個人的にはこの話が一番好きだった。
「受賞エッセイ」: これは題名でも言及している通り本当のエッセイだと思う。山本周五郎賞を受賞した前後の出来事。

こうしてみると、表題作含め題名から受ける印象とはちょっと異なる内容である。主にキーワードは「詐欺師」「偽物」「偽の記憶」などで(作者の意図は違うかもしれませんが)、何か題名から「冒険SFファンタジー」などを勝手に想像すると、全然違うのでそのことだけは言及しておきます。
日常に存在するような人間観察が好きな人にはお勧めです。
君が手にするはずだった黄金についてAmazon書評・レビュー:君が手にするはずだった黄金についてより
4103553111
No.6:
(5pt)

作者自身をモデルとした小説家をめぐる不穏な身辺雑記風フィクション

タイトルがなんとも秀逸。黄金とは、「あなたがしてほしいことを他人にも施しましょう」という道徳的黄金律のことだった。表題作だけでなく、いずれも思索的で哲学的だ。私とは何か。記憶は本当に事実なのか。創作とは一体何だ。
 「偽物」を読んで呆然とした。ババリュージとは、いったい何物だったのだ。
君が手にするはずだった黄金についてAmazon書評・レビュー:君が手にするはずだった黄金についてより
4103553111
No.5:
(4pt)

タイトルから受ける印象は誇張されています

著者の分身を主人公とする小説なのだが、パロディでもなく私小説でもなく、このような表現手法はオートフィクションと呼ぶそうだ。もちろん、エッセイでもない、にも関わらずエッセイ風にも読める。

この作品を読んで思ったのは、「作者はどれだけ生身の自分を公に晒すのか」というテーマである。それで昨今の音楽家たちの姿が思い浮かんだ。顔を隠す、仮面をつける、vocaloidに歌わせる。これらから感じるのは、自己表現の欲求と、プライバシーを晒すことへの抵抗感の両立である。そのことは、SNSなどによる、枝葉末節まで行き届いた情報流通社会とも関連しているだろう。

本作品中にも、主人公が、とあるマターについて強い価値観を表明するシーンが二箇所ほどある。これが小川さん本人の思想なのか?と問うことは無意味だ。だってフィクションなのだから。

作品と作者の関係性についての小説であり、それらと読書についての小説であり、それは小説の本質と繋がっていて、色々と想像を巡らせて楽しんだ。
君が手にするはずだった黄金についてAmazon書評・レビュー:君が手にするはずだった黄金についてより
4103553111
No.4:
(5pt)

1ページ目から面白い

お名前は元々知ってましたが『君のクイズ』で初めて著者の本を読み、これが2冊目です。
シンプルに文章が上手い。普段は休み休みゆっくり本を読むタイプですが、あまりに面白くて感心しながら一気読みしました。
個人的には「偽物」が1番好きです。
君が手にするはずだった黄金についてAmazon書評・レビュー:君が手にするはずだった黄金についてより
4103553111
No.3:
(5pt)

僕たちは手に入れることのできなかった無数の可能世界に思いを巡らせながら、日々局所的に進歩し、大局的に退化して生きている

小川哲という小説家はこちらの期待を良い意味で裏切り続ける非常に多彩な作家さんです。
 発表される作品ごとにこちらの想定を上回る作品であり、果たして次はどんなタイプの作品を発表するのかと、次回作が一番気になる作家さんです。
 思い返せば、デビュー作『ユートロニカのこちら側』や2作目『ゲームの王国』を読んだとき、これはとてつもなく凄いSF作家が登場したなと驚嘆したものです。
 特に『ゲームの王国』は今でも私の中で日本SF小説ベスト3のひとつであり(他2作は小松左京『日本沈没』と東山彰『ブラックライダー』)、今後どんなSF小説を発表してくれるのだろうかとワクワク楽しみにしていたところ、短編集『嘘と正典』、大長編『地図と拳』とSF的手法も活かしつつもSFというジャンルを飛び越えたジャンルレスな作品でなんと直木賞受賞、そして『君のクイズ』で完全にSFとは関係のないまさかのミステリー小説(しかもミステリーとしては誰も書いたことのないようなテーマ)で度肝を抜き、更に本作では、小川哲という小説家自らを主人公としたかのような私小説風連作作品集を発表するという、まさにこちらの予想を上回る本の登場でしたが、これがまた良いのです。
 小説家「僕」が主人公のため、小川哲が考える「小説」とは、「小説家」とは、といった思考も見られ興味深いです。
 本書収録のいずれの作品も素晴らしいのですが、特に冒頭の『プロローグ』が心にしみます。
 「手に入れることのできなかった無数の可能世界に思いを巡らせ」る青春小説のようで、胸がキュンとなりますよ。
 二つ目の『3月10日』は『プロローグ』とは対になる印象の作品、その後に続く『小説家の鏡』『君が手にするはずだった黄金』『偽物』では同じ人物の名前が登場するなど緩やかに繋がりがあり、全体として一つの長編小説を読んだ読後感を味わえます。
 また巻末に受賞エッセイが収録されていますが、これも作品の一部のように読むことができます。
 お勧めの一冊です。
君が手にするはずだった黄金についてAmazon書評・レビュー:君が手にするはずだった黄金についてより
4103553111
No.2:
(5pt)

小説家vs.占い師の章が最高

「僕の人生には、心の踊る物語なんてないんだ」

そう語る著者自身を主人公にした
現実と虚構の境目がおぼろげな小説。

ふだんは熱量の低い主人公が
たまに熱くなる場面が超ヤバイですね。

特に、占い師と対峙する章の吸引力が凄かった!

初対面から軽蔑した相手との意外なつながりや
愚かさを絵にかいたような男の思わぬ顛末も
グイグイ引っ張り込んでくる感じ。

さらに、小説家小川哲が生まれるまでの
葛藤ってのも、またユニークだわ~。

内面描写が多めですが
へぇ~、こんなこと考える人がいるんだと
興味をそそられ、ページが進む進む。

一章の途中では少し停滞を感じましたが
そこから先に進むと、絶対面白いので
もし、どこかでアレレ?と感じても
読み進めたほうがおトクですよ?

(対象年齢は13歳半以上かな?)
君が手にするはずだった黄金についてAmazon書評・レビュー:君が手にするはずだった黄金についてより
4103553111
No.1:
(5pt)

「小川」が語ることが必然性を帯びた、「小説家」の輪郭に触れる連作短編

三軒茶屋で友人を待っている間、ふらりと立ち寄ったTSUTAYA BOOKSの入口にて本書のポスターを発見。どうやら発売日らしい。

タイトルと帯文の仰々しさから「タワマン文学」的なものを想像させる(といっても、私は「タワマン文学」の正確な定義を知らないし、そもそも「タワマン文学」なるものに定義などあるのだろうか)。しかし、著者には小川哲とある。こういったテーマを小川哲が書くのであれば俄然興味が湧く、と手に取った。

本書は冒頭のプロローグと最後の受賞エッセイを含む6つの連作短編で構成される。
友人を待っている間、駅前のフレッシュネス・バーガーで冒頭の一章「プロローグ」を読み終える。

「あなたの人生を円グラフで表現してください」という新潮社のエントリーシート内の質問。これにどう回答するか思案する「小川」なる大学院生の話。
随所に知的好奇心をくすぐる小ネタを挟みながらも、驚くほどするすると読めてしまう簡潔な文体が相変わらず見事である。しかも、そうした小ネタが単なる蘊蓄にとどまらず、全て物語を構成する重要な要素になっていくところに、エンターテインメント小説としての気持ちよさもある。

本章ではバートランド・ラッセルの確定記述について言及があるが、就職活動とはまさに、自分という固有名を説明する目的で確定記述の束をひとつひとつほぐしてエントリーシートに貼り付けていく作業である。着慣れないリクルートスーツをまとい、その一つを強調してさも自分自身であるかのように宣言する矛盾と虚構性は、本書が抉り出そうとする「小説家」の輪郭と呼応しているように思う。

友人との用事を終えて帰宅し、浴槽の中で5章まで読み終える。

3年前の震災の前日に何をしていたかを確かめようとするうち、自らと周囲の「記憶」が揺らいでいく話。
青山のオーラが見える占い師と対峙する話。
信じがたい利回りで多額の資金運用をしていると豪語し、有料ブログで儲けるトレーダーの話。
偽物のデイトナを身につけ、他人の思い出話を創作の「タネ」してSNSに投稿する漫画家の話。

詳しくは手に取って読んでいただきたいが、上記全てを貫くのは、「他人を(自分を)騙すために、あるいは納得させるために、自らの中に虚構性を飼うこと、偽物っぽさを受け入れること」であるように思う。

語り手である小説家は、上記の人物たちに対して過剰に肩入れすることもなければ、こき下ろすこともしない。これらの短編が全て、著者と同じ名前である「小川」という小説家の視点から語られていることに、フィクションの書き手としての誠意と後ろめたさを感じる。「結局、虚構で生計を立て、偽物として生きている最たる人間が、小説家ではないのか?」という後ろめたさ。

風呂から上がり、窓を開けて涼みながら末尾のエッセイを読み、このレビューを書いている。
このエッセイが本当に「エッセイ」なのか、はたまた「フィクション」なのかは分からないが、両者の間に明確な線引きなどできないだろうし、前5作を読んだ後ではそんな違いはどうでも良くなっている(少なくとも私にはそうだった)。

エッセイには、かの超有名な小説の冒頭が引用され、それに続く形で、「僕は多くの場合、自分が知りたいから小説を書く(P225)」と綴られている。なるほど。
小川哲は(あるいはこのエッセイを「フィクション」として読むなら「僕」「小川」なる人物は)、小説を、そして小説家を知りたいから、この小説を書いたのかもしれない。

しかし一方で、「小説を書けば書くほど、小説がわからなくなっていくような気分になることがある(P241)」とも語っている。
だからこそ著者は、小説を書き続けているのかもしれない。

追伸:余談だが、私はこのレビューの最後で、自分の文章に「かもしれない」が連続していることに気づき、ニヤリとしてしまった。その理由は「プロローグ」を読んで確かめてほしい。
君が手にするはずだった黄金についてAmazon書評・レビュー:君が手にするはずだった黄金についてより
4103553111

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!