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黄色い家
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黄色い家の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.06pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全87件 61~80 4/5ページ
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新聞で読みました。読者を惹きつける文章表現、やはり、長けています。これだけ詐欺が社会問題化している時に選択すべきテーマではないと、感じました。反社と関係している内容です。新聞の中刷り宣伝、見ましたが商業主義が先行する印象。氏の他の作品、エッセイはリラックスして読めます。 | ||||
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「人はなぜ、金に狂い、罪を犯すのか」と帯に書かれているが、そんなことは結末に至るまでの本作の小道具に過ぎず、著者の表わしたかったものは、20年後の再会と懐旧であろうと思う。色あせていた記憶にさっと色が付くような、鮮やかな結末に導く著者の力量は素晴らしい。いつものことながら、作品を誤解させるような帯の文章は誰が書いているのかと、疑念に思う。販売を伸ばすためには仕方ないことなのか? ひとつだけ、著者の女性特有の匂がやや強すぎる点、私の好みからは少しずれるが、それは個人に好き嫌いに属する程度ものである。 | ||||
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文学でした。面白かった。村上春樹『街と不確かな壁』と太田光『笑って人類!』もたまたま同時並行で読んでいて、それぞれどれも強く文学だった。 友人関係に「お金」と「仕事」を持ち込むと、全体的にあんまりうまくいかなくなると実感していたけれど、この物語を読んで再認識した。できるだけ今後も気を付けたい。 | ||||
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人間は生まれた家で大半の人生が決まるのではないか、という人間であることの悲しい性を思うに至った。犯罪に手を染める大人の背景には在日韓国人としての差別や父親のいない家庭、足りないものは愛とお金。小説の中の文章に「金は権力で、貧乏は暴力」と書かれていて唸らされた。黄色は風水では金運をあげる色。不運を幸運に変えるために犯罪で大金を得る主人公の少女に涙を流した。 | ||||
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ファイナンシャル・ファンタジーと呼んだらいいのでしょうか。題材はダーティーであるにも関わらず、文体がとてもカラフルでキラキラしていました。人間にとって蓄えとはなんだろう、人生に表と裏の分岐点があるとすればそれはどこなのだろう、という疑問を持っている人にお薦めします。 | ||||
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(ネタバレありです) 稼いでも稼いでも盗られたり不本意な形でお金を使わないといけなくなったり、お金に苦労してとにかく稼いで貯めなくちゃとの妄念に取り憑かれる花ちゃん。 稼ぐのはれもん再建のため、家のため、黄美子さんのため、友達のためだけど、 犯罪に手を染め荒んでいって結局どれも叶わずばらばらに。 花ちゃんがどうなっていくのか見届けたい気持ちで、一気に読めて、面白かったです。 ただ共同生活が破綻に至った、ある女性の死にも直接は絡んでないし、お金を精算して解散する際はわりとさらっと辞められてるし、黄美子さんはあんま何もしてないしというところで、カード詐欺以降は事件が起きるわけでもなく花ちゃんの一人相撲だったなーという感じが否めず。 一気に読んだ後はなんだったかなぁという気持ちにも。 | ||||
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最近はやりの発達障害、知的障害系毒親に苦労する子供の話がリアリティがあってよかったと思う、私は毒親に負けず幸福になる話を期待してたのだが、裏切られた感じがして読後は多少落ち込んだ。毒親に一生影響されてしまった子供と悪気はないが子供に悪影響を与えてしまう障害者系の大人に軽く絶望してしまった。ヤングケアラーの話を聞いた後のなんともやるせない感覚が残ってしまった。希望は大人を批判する精神をもった蘭が幸福そうなのが唯一の救い。 | ||||
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途中までけっこう苦しくて絶望しかなかったけど最後花と一緒に泣きました… 花のお母さんとか絶対嫌いだったのに… それでもやっぱりお母さんなんだな… 電車の中なのに泣きました。 読めて良かった… みんながどうなるんだろうってある程度先が読めそうで読めない、続きが気になるお話。 自分はきっと経験しないであろうことだけど何かが違っていれば有り得ていた人生なのかも…って思うと全く他人事じゃないんだなって他人事みたいに読める本。 | ||||
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これまでの著者の小説は、主人公の内面の描写が多く、物語としてそれほど展開してゆくところが少なかったですが、本作は主人公が母親と暮らすアパートを出てからの展開が大きく、エンタメ小説として楽しめるものでした。これまでの小説は主に女性に好評だったのでしょうが、この作品は男女を問わず引き込まれる内容だと思います。貧しい家庭に育った少女の成長物語として楽しめる作品でした。 | ||||
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601頁すべてに「金」という言葉が出てくるのではと思わせるほどに金の話。金に関する事は何一つ取り零さんとする濃密な筆致から、金の向こう側が炙り出されていく。親も環境も身体も、実は自分が選べる事なんてほとんどないこの命。その説明のつかなさを抱え、引き摺り、生きるということ。 ----------- 相変わらず、川上さんは究極土壇場のシーンを印象的に描くのがすごく上手くて、何度も惹き付けられた。 「乳と卵」のラストや「ヘヴン」の並木道に匹敵する鮮烈なシーンが、今作には何度も出てきたように思う。例えば…シンナーでラリって黄色いペンキにまみれて「アンメルツヨコヨコ」で笑い転げる崖っぷち女子3人。ぐちゃぐちゃで、哀しくて、どこか可笑しくて、どうしようもなく胸に残る。 ----------- 川上さんの小説を読むといつも、この鮮烈な場面がまるでその場に自分もいたかのように身体感覚に残る。そして自分の思い出みたいに、読後も思い返すことがある。 小説の登場人物との思い出を思い返すこと。それは一体、誰に思いを馳せていることになるのか分からない。分からないけど、例えば自分が正義の側に立っている感じのときや、何かを決めつけてしまいたくなった時に、ふと思い返す。頭をよぎる。 ------------ 各登場人物の数ページにわたる長台詞が結構出てくるけど、その言葉回しが子気味いい。各キャラのラップパートみたいで楽しめた。ヴィヴと、桃子の長台詞がかなり好きで何度も読んでしまう。 | ||||
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面白くない訳じゃないが、若干くどい?「あるある」はもう少しさらっと流して、2/3位の量に纏めてくれた方が…。次から次へと各々の事情を開陳されると少々気分が降下してくるのは否めない 救いがないねえ… 気分ダウンの時には勧めない。滅入るのに拍車かかるのは間違いなし。読むタイミングは選んだ方が安全 概ね楽しみました | ||||
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作品の素晴らしさー星5 オススメ度ー星3 の間を取って星4にしました。 本当に文章が上手いなと思いました。 描写にオリジナリティがあるのに、物凄く的確で、よくこんな表現が出来るなぁ、と感動しました。 先も気になってグイグイ読みました。 しかし、一番の感想となると「気が滅入る」になってしまいます。 川上未映子さんの作品は全て読んでいると思いますが、初期の頃はツラ面白い、だったのが、近年の作品はツラいが大きくて… 心に迫ってくるし密度が凄い分、読んでいる方にも逃げ場なしです。 明るければ良いというものでもないでしょうが、内容、文体、登場人物、全てが沈鬱だと、救いかユーモアか何かしらないと、苦しいだけの読書体験になってしまう、と思いました。 | ||||
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川上未映子のヘヴンを読んでからファンで、今回の新作を買ってみました。ヘブンでもタイトルの意味を色々考察できたのですが、今回のタイトルの意味も、あぁ、そういうことかと。主人公の真っ直ぐで、でも壊れやすい純真なところが”金”で、後半ガラッと変化するところ、好きです。個人的には母の登場の箇所はもう絶叫したくなるほど、のめり込んで読んでいました。こういう負の連鎖を背負った人たちの心のうちを丁寧に描いていて、間違っていないと言い切る主人公にそうだそうだと大きく頷いたり。止められなくて、夜中になってしまいました。 | ||||
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清々しい気持ちになりました 水のように流れる文体が素晴らしく 博覧強記とも言える作者の知性 子どもたちにも勧めたくなった | ||||
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人間の善悪を一人の孤独な少女の視点から描いた作品。共同生活の年長者である黄美子さんが、いつその怪物としての姿を現すのかと思ったら、そうではなかった。ある出会いや関係性、時代背景、それらが作用して、モンスターになっていくのはむしろ少女の方。そういう意味では、いいかんじで読者を裏切ってくれる。 犯罪行為や人の死はあるものの、そこまで凄惨で救いようのない結末にしなかったのは、逆に良かったと思う。読みたかったのは強い刺激でなく、人間の愚かさとささやかな再生。 なお、90年代東京で10代を過ごした身としては、作品内に散りばめられたカルチャーが懐かしすぎて、東村山とか幸手という土地を出してくるのもまた絶妙で、その点で大いに楽しめました。 また、主人公が子どもの頃に観たという『魔女の宅急便』の感想を述べた下記部分は、彼女の価値観や人生観を端的に表していると思います。 “わたしはべつに空なんか飛べなくていいから、主人公みたいに家を出て、好きなだけ働くことができればどんなにいいだろうと、そんなことを思っていた。” 誰しも自立はあるのだけど、経済的資本、文化的資本が豊かな安定した家庭環境で、順当に進学や就職をしていくことが当たり前でなかった主人公にとって、黄美子さん達との共同生活は精一杯の自立と責任の日々だったのだろうなと思います。 | ||||
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描写が冗長な部分が多く、くどく感じた。 20年ぶりに昔の仲間と会って話をする場面で、みんながどんな生活をしていたか、どんな風に別れたかが語られてしまったので、回想の物語を読んでいても、何が起きるか予測できてしまう。 歴史を知っているから結末が分かっている大河ドラマみたいな感じ。 スリリングで引き込まれる所もあったが、後半のドタバタと病んだ主人公の言動に疲れてしまった。 他の作品も読んでみましたが、そちらもあまり好きにはなれない。 | ||||
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渾身の力で必死に生きた日々をたどり歩く608P。 未来の、希望の黄色を求めて。 巡り合ったなかま。 体力を使ってノワールなアタックナンバーワン。 黄色の波が喜怒哀楽にうねる。 その切ない青春のプロセス。 目いっぱいピュアなきもちに胸が詰まる。 そして今も。 | ||||
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まず、ページをめくる手を止めることができないくらい引き込まれるので、読ませる、という点においては成功していると思います。 でも、うわぁ、そうだったのかぁ〜っ!!みたいな伏線回収的なこともなく、サスペンスという紹介は疑問です。 上手く言えませんがあと味も良いものではなくて、けっこう集中して読んだのになぁ〜という疲労感が残りました。 | ||||
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くどくしつこい描写で主人公の整理できないつかみどころのないアタマの中を猛スピードで辿る気がした。なぜか共感していた。お金ではないなにかに救われる。オレンジジュースがいちどコーラになってまたオレンジジュースになってた。 | ||||
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毎日少しずつ丁寧に読みました。ずっと読んでいたい、川上さんの文体が好きです。独特な「〜たのだった。」そうそう、これこれ。この感じ。久しぶりの新刊なので、中学の同級生と10年ぶりに話をするような、嬉しいような恥ずかしいような感覚。 ラスト200ページ。だんだん終末へ収斂していくドライブ感があって、先が気になるけどもったい、そんな切なさがあります。黄美子さんのミステリアスな雰囲気、花の一生懸命さ、蘭、桃子との掛け合い。どれもこれも違和感なく一緒に家の中にいるような感覚。巧みです。 小説は自分の過去へのタイムスリップだと思います。三茶の街、世田谷通り、キャロットタワー、TSUTAYA、渋谷、新宿、学生の頃住んでいた経堂の商店街を思い出しました。車のクラックション、バスの排気ガスの匂い、吐き捨てられたガム。10年前の場面がふっと浮き上がってくるので不思議です。 ストーリー展開というよりもいかに小説を楽しめるか。小説を読む醍醐味です。それは違和感なく物語を受け入れられ、疑いなく主人公と同体になれ、描写が自分の記憶とリンクできるということだと思います。気がつけばテレビの音が聞こえなくなっている。そういう書き手の小説は自然とページを繰る手が止まりません(残りページがもったいないと知りつつ)。 母と子の幼少期の記憶、貧しかった頃の思い出、けれどもキラキラしていた日常。川上文学に普遍的に伏流しているテーマであり魅力が詰まった作品。今回もたくさん楽しませてもらいました。 あ〜楽しかった!次に読む本がなくてしばらく呆然状態です。 | ||||
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