■スポンサードリンク


黄色い家



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
黄色い家 (単行本)

黄色い家の評価: 4.06/5点 レビュー 87件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.06pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全87件 41~60 3/5ページ
No.47:
(5pt)

様々なことを考えさせられる

とてもいい作品でした。
お金というものの恐ろしさだけではなく、
女性の貧困やある特定の人種への差別など、弱い立場にいる境遇を丁寧に描いています。
途中まで読んでいて苦しくなりますが、是非おすすめしたい一冊です。
黄色い家 (単行本)Amazon書評・レビュー:黄色い家 (単行本)より
4120056287
No.46:
(5pt)

人間の隷従あるいはお金の力について

川上未映子さんの『黄色い家』読了。圧倒された。かつてここまで『お金』を主題にした小説はあっただろうか。いや、厳密には『人間の隷従あるいはお金の力について』を主題にした小説であり、なおかつ人はその中で、自分の人生が自由であったと肯定できるのか、ということが問われるのである。

『黄色い家』はたんなるノワール小説ではない。この小説が描いているのは「お金」と「家」という幻想であり、しかし単なる幻想としては片付けられない人間の心身を物質的なまでに支配する「リアル」である。そしてそのリアルを支えるのが、意識的であれ無意識的であれ、それらを信じる人間の信仰だ。したがってこの小説は、宗教や国家というものが何であるかを示唆する小説でもあり、私達が生きるうえで前提としているものがいかに、もろく、しかしそのもろさを強固なリアルにしているのが人間の隷従と信仰に他ならないということを示してくれる。

この人間の信じてしまう力はどこからくるのか。それがわからないから、これらの観念が持つ「力」というものは恐ろしい。柄谷行人が『力と交換様式』で言っていた「霊的なもの」としか呼びようがない何かである。試しに、「お金」と「家」を「神」「国家」と置き換えてもこの小説は成立するだろう。それくらいわれわれの世界の構造の根本的な原理に迫った小説であるといえる。しかしこの小説のすごさは、そのような人間を雁字搦めにしている世界の構造の中で、なおかつ人は自分の人生が、自由であったと肯定できるのかまでをも問うてくるのである。

主人公の花は、救いをお金と家に求めてきたといえる。あるいは自分以外の誰かである他者に。だが、誰も何もどこにも救いはないとわかった時に、彼女は坂口安吾が言うところの「救いがないことが救い」「モラルがないことがモラル」という「文学のふるさと」に到達してもいるのだ。
黄色い家 (単行本)Amazon書評・レビュー:黄色い家 (単行本)より
4120056287
No.45:
(5pt)

【ややネタバレあり】読み終わったあとすぐにもう一度最初から読見直したくなる

普段あまり小説は読まない(ハマりすぎるので読まないようにしている)のですが、久しぶりにまとまった時間がとれるようになったので読んでみました。
素人の感想ですが、まず全体的な構成の仕方が良かったです。
黄美子さんの本性がいつ現れるのかとハラハラしながら読み進めたが、結局全体の8割くらい読んでも本性は現れず。
というか、べつに本性を隠していたわけでもなんでもなかったんですよねこれ。
個人的にはすごく面白かったです。
本作品内では解明されず、真意のわからないまま終わった出来事もいくつかあります。
娯楽作品としては無責任っぽいところもありますが、でも人生ってそういうもんだよな。と実感。
なんかよくわからないけど回りから消えたり拒絶されたりすることもある。
現代人だって生きていく大変さは原始人や野生動物と大して変わらないのではないか。
最後まで読み終わったあと、すぐにもう一度最初からじっくり読んでみたくなる作品。
黄色い家 (単行本)Amazon書評・レビュー:黄色い家 (単行本)より
4120056287
No.44:
(3pt)

トロスケ

本当はあの時トロスケが取ったんじゃなかったという展開を予測して読み進めたらそのままで終わった。
矯正下着とか当時実際にあったことなど「ああ、そういや身内で買ってたのがいたなあ」と懐かしく読めました。
半狂乱の人物が丁寧な描写で進んでいた物語を全部ぶっ壊してエンディングに向かう。
あれ、昔もこんな感じで終わった作品が有ったなあという未映子あるある。
川上未映子は好き嫌いが別れやすいかも。私は好き。
黄色い家 (単行本)Amazon書評・レビュー:黄色い家 (単行本)より
4120056287
No.43:
(5pt)

同業者である作家からも評価が高い作品

直木賞作家の小川哲氏が「めちゃくちゃおもしろかった」とあるラジオ番組で語っていた。
小川氏によれば、作家同士で読書会をしようということになった。
作家にしかわからない感覚があり、作家同士で話をすると盛り上がることがあるという。
読書会の課題作は3冊あり、本書はその中の一冊だった。そして、本書は、3冊のなかでもぶっちぎりで評価が高かった。
さらに小川氏が語るところによれば、
一つ一つのシーンの切り取り方や会話の進め方がすごい。
一見バラバラになりそうな話を黄色のモチーフやメタファーを使ってつないでいく組み立て方もすごい。
こういう本だろうって想像して読むと全然違う話になる。
ミスリードも川上さんが仕掛けている上に本書のテーマになっている。
重層的に読める作品。
※『アトロク・ブック・クラブ』epi.81
黄色い家 (単行本)Amazon書評・レビュー:黄色い家 (単行本)より
4120056287
No.42:
(3pt)

親ガチャとは・・・

「みんな、どうやって生きているのだろう。どうやって生活しているのだろう。まともな仕事をしてまともな金を稼いでいるのは知っているが、どうやって今のまともな世界でまともに生きていく資格のようなものを手に入れたのだろう。」

すごくよく分かる。自分もここでいう「まとも」の部類に入ってはいるのだとは思う。少なくとも表向きは。ただ働き始めてウン十年、条件の良い生活環境(つまり部屋)に引っ越せる余裕は生まれなかった。賃貸情報を眺めたり、散歩しながら通りすがりの家やマンションを見ては、一体どういう収入額のある人がこういった住環境を手に入れられるのか、ほとほと疑問に思う。考えて分かる疑問ではないけど、実際こういう物件があって成り立ってるのだから、このレベルで生活の成り立つ層というのが確実に存在するのは事実。ほんと、どういう仕事に就いている人なんだろう、どうやって手に入れたんだろうと思う。

600ページの超大作を一言でまとめるのも申し訳ないけど、「親ガチャ」これに尽きる。
はっきり言ってここで人間の不平等さの大半決まってしまう人間という生き物の生に、哲学とか学問はどう答えを見出してるのか気になってきている。
黄色い家 (単行本)Amazon書評・レビュー:黄色い家 (単行本)より
4120056287
No.41:
(3pt)

600ページのハードカバーだが一気に読める

全体的に読みやすい文章とストーリー展開で、600ページのハードカバーだが一気に読める。基本的に暗く、人生の底辺を垣間見るような内容。また詳細を端折ったような展開や組織の説明も少なくなくツッコミどころもある。後味もよろしくない。現在40代前半、作品の大半を占める90年代終盤に20歳くらいの主人公の話。
黄色い家 (単行本)Amazon書評・レビュー:黄色い家 (単行本)より
4120056287
No.40:
(5pt)

頭を使えるやつが苦労する

新聞に連載されていたので、気になっていた本です。
先が気になりページが進みます。新聞で読んでいた人は明日まで、待ち遠しかったんじゃないでしょうか。
なにかでレールから外れてしまうと、お金も信用もなくなり、八方塞がりになるところが、怖かったです。
真剣に考えて、犯罪に走る主人公と、あまり考えないけど、どことなくおかしいと感じている友人の対比は考えさせられました。頭を使えるやつが苦労する、というフレーズは印象に残りました。
黄色い家 (単行本)Amazon書評・レビュー:黄色い家 (単行本)より
4120056287
No.39:
(5pt)

わたしといこう

なんか内面描写が凄いので読むのが凄く疲れた。
途中大阪弁が変な感じ
アタックのところは面白かった。よく調べている。
毒親は最近の流行りかな
黄色い家 (単行本)Amazon書評・レビュー:黄色い家 (単行本)より
4120056287
No.38:
(5pt)

人間の本質を見事に表現している

久し振りに、一気に読みたくなる本でした。
黄色い家 (単行本)Amazon書評・レビュー:黄色い家 (単行本)より
4120056287
No.37:
(5pt)

暑い夏に読みたい本

暑くて、肌にまとわりつく汗のベットリした感覚が蘇るような本。絶望の果てに救いはやってきたのだろうか。
黄色い家 (単行本)Amazon書評・レビュー:黄色い家 (単行本)より
4120056287
No.36:
(4pt)

途中で止められない

スリリングな展開に先が気になって、あらゆる時間の隙間を使って読み続けてしまいました。女の子たちの声や鼓動が間近に聞こえるような臨場感に、引き込まれました。
黄色い家 (単行本)Amazon書評・レビュー:黄色い家 (単行本)より
4120056287
No.35:
(4pt)

現代日本のハードボイルド?

川上未映子さんの「黄色い家」。今日1日で読みました。

私も含め、幸運にも、川上さんの小説の主人公たちのように苦しい生い立ちや境遇に置かれず「まともな生活」を送っている人々の中にも、自分の行動や生き方が正しいか、誤っているかを考えることなく、状況に流されて行くことが多いと思います。そうした中、「自分の行なっていることは確かに正しくはない。でも自分の生き方は誤っているのだろうか」という思いを抱きながら生き続ける主人公に、共感します。

ある意味では、チャンドラーの「フィリップ・マーロウ」物や、パーカーの「私立探偵スペンサー」シリーズのハードボイルドを読んでいる感じとも似ているのかもしれませんね(川上さんがチャンドラーを訳した村上春樹さんに対し、彼の小説の女性像をめったぎりにしたことを思えば皮肉ですが)。

一方で、これまでの川上さんの作品の主人公たちとだいぶ重なっていることも事実。そうした点で、次回は新境地を見られればと思わなくもありません。いずれにせよ、次作も楽しみです。
黄色い家 (単行本)Amazon書評・レビュー:黄色い家 (単行本)より
4120056287
No.34:
(3pt)

重い、めっちゃつらい。

とにかく重い。救いどころがほぼ無い。
精神的に追い詰められた主人公・花の「どうやってまともな世界でまともに生きていく資格が得られるの?どうやったらそちら側の人間になれるの?」という思考には胸がキュッとなった。

誰もが当たり前の生活を送りそれぞれ悩みを抱えているけれど、実はそれすら物凄く恵まれているんだということを再認識させられた作品だった。

桃子と金の取り合いになり、もつれ合いながら暴言が飛び交ったシーンは最も地獄絵図だった。

真夏日に黄美子さんがスナックのドアを開けて花と再会したシーンや、冷蔵庫から漏れ出す黄色い光などの描写は上手いと思った。
もう少し内容が軽くてそういった情景描写が多ければ読みやすいだろうと思った。
黄色い家 (単行本)Amazon書評・レビュー:黄色い家 (単行本)より
4120056287
No.33:
(5pt)

アイデンティティの探求、そして犯罪

東京にいた頃元彼と彼の母親と住んでた時があって、その頃を思い出しました。
個人的には悲痛さがもっと欲しかったし、後半が駆け足だったのが勿体なかったです
黄色い家 (単行本)Amazon書評・レビュー:黄色い家 (単行本)より
4120056287
No.32:
(4pt)

いっぱいの冷蔵庫

生まれながらに「何にも持ってない」奴が生きていくには、どうしたらいいんだろうか。主人公の花の必死さを読みながらそんなことを思った。けど、同時に自分も何にも持ってなかったと気づいて戦慄した。人生なんて紙一重だ。
「持ってる」けど浅はかな桃子は、結局ぜんぶを他人のせいにして金だけ持って帰った。こっちの人間の方が人生はイージーだよなと思うけど、全然羨ましくない。
花は、冷蔵庫をいっぱいにしておいてくれたこと、自分のためにそうしてくれた人をいつまでも忘れない。それって人として大事な部分じゃないかな。茨の道の人生にも心が温まる瞬間があれば、人は生きられるのかもな。
と思いました。
黄色い家 (単行本)Amazon書評・レビュー:黄色い家 (単行本)より
4120056287
No.31:
(5pt)

生きるために

次の展開が気になって読む進んだ。
環境や運に恵まれない主人公、成人前に経験したお金と家を巡る体験で、何か得た訳ではなかったが、彼女が生きていくためには必要だったのかもと思った。
黄色い家 (単行本)Amazon書評・レビュー:黄色い家 (単行本)より
4120056287
No.30:
(3pt)

ノワール??

川上氏は乳と卵しか記憶に無く、そちらはとても好印象だった事、帯にあった言葉「圧倒的なスピード感と緻密な筆で炙り出すノンストップノワール小説」とあったのが決め手でした。
(ノワール好き)

読んでみるとクライムノベルって言葉ではないかなと。
ノワールならではの読んでいる間の気分の悪さや不安なドキドキがほとんどない。

読み終えてみればそれなりに納得いくのですが、ちょっと長いかな。
冗長とでも言えば良いでしょうか、(ここからネタバレあり)例えば最後の方でトロスケと対峙しますが、あれは何も生み出さないので不要なプロットではないかと思ったり、過去の回想がどこにも繋がらなかったり、もっと短くまとめられたのではないかと。

そうすれば更にスピード感増したかなと思ってしまいます。

ただ、人の心の移り変わりなどの心の描写は流石としか言いようがありませんでした。
黄色い家 (単行本)Amazon書評・レビュー:黄色い家 (単行本)より
4120056287
No.29:
(5pt)

ハッピーエンドだと思いたい。

花、15歳、本来は自立して慎ましく暮らしたいだけなのに未成年で保証人もないと部屋も借りられない。お金に執着するレベルが上がる事件がおこるのはこの後だ。1つ目は家を出るために貯めていたお金を母の元彼に盗まれる事件が起こる。2つ目は母の借金返済のため200万も差し出すことになった。3つ目は軌道に乗り始めていたスナックが火事で燃えたのだ。爪に火を灯すように貯めていたのに。必死で頑張っているのに。

 カード詐欺というシノギを始めた花。てっとり早くお金を貯めたかったのだ。こんな境遇の彼女を責められるだろうか。踏みとどまるべきだった。やっちゃいけなかった。しかし自分だって同じ境遇なら深みにハマったかもしれない。バレないかと怯えながらもやめられない花と仲間との溝は深まっていく。

 花が住む黄色い家、ボロだが外壁を黄色のペンキで塗った希望の家だ。読みながら思い出したのはゴッホのことだ。彼の生前は全く絵が売れず、一時期黄色い外壁の2階の部屋を借りていたことがある。極貧の彼を支えたのは夢だけだったはずだ。黄色い家が悲しく思える。そうだ思い出した。同居していた母の知合いの名前は黄美子さんだ。名前に黄色がつく。やっぱり幸せを夢見ていたんだろうか。

 花にも夢があった。自分のお店を持ち仲間と幸せに暮らすという夢。しかし、カード詐欺なんて続くはずもなく、花の夢と友人ふたりの関係は崩壊する。

 さて20年後の花はどうやら慎ましく暮らしてそうだ。コロナで客が来ずお店をクビになるが、それでも心の平安を得られている気がする。罪の意識に怯えることなく、将来の不安もなくお金にも執着せず慎ましく暮らしている気がする。ハッピーエンドだと思う。絶対に。
黄色い家 (単行本)Amazon書評・レビュー:黄色い家 (単行本)より
4120056287
No.28:
(4pt)

お金

ある事件記事を目にしたことで、記憶が甦った女性が十代の頃に経験した共同生活の始まるまでとそれが崩壊するまでを描いたクライム小説。

居場所がない少女たちが集まりお金を稼ぎ、やがてその少女たちの危うい均衡が崩れた終盤の感情のぶつけ合いは読んでいて息詰まるものでした。

人生経験によってお金を稼ぐ意味が変化していくなか、主人公のお金や仲間に対する執着や感情の揺れが大変な熱量で描かれていると感じました。
黄色い家 (単行本)Amazon書評・レビュー:黄色い家 (単行本)より
4120056287

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!