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江戸一新
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江戸一新の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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読んでいて引き込まれてしまう。 | ||||
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直木賞作家の門井氏の作品では、宮沢賢治を題材にした直木賞受賞作と数年前NHKの正月ドラマになった江戸の都市計画の功労者の物語を読んで感銘を受けた。 これまでの、映画や芝居に登場した信綱とは異なり、本作品は老中首座として、明暦大火後の江戸城と江戸の街の復興を成し遂げる彼の大政治家としての挑戦の過程が丹念に描かれている。 フィクションと思われるが千姫や実の姉という手習い師匠を登場させて、女性の目線で男たちや時代を語っている点も新鮮だ。 出足の江戸城での大火の際の信綱の大奥の女たちの避難誘導の工夫の機転が頼もしいし、シナリオの勉強をしたことのある私には、作品中の会話が実に生き生きとしているように思えた。 焼け落ちた江戸城天守閣を再建するかどうかの議論は興味深い。莫大な費用を掛けて再建する必要があるのか、平和な時代に防御の目的の天守閣がいるのかという議論は現代にも通じる合理性が試される議論だ。信綱は結局天守閣は作らなかった。 幕府が市内で展開した炊き出しに粋な着物を着た商人親子が並び施しを受けようとすると、職人と言い争いになる。仲裁に入った幡随院長衛兵は、救援米の受益者は万人であると言い切る。少子化対策のために支給される子供手当支給において、政権与党は、一定以上の高額所得者の家庭には支給しないという政策だが、公明党や野党は反対している。正に古くて新しい問題を作者は提起している。 現代でも徳川時代でも、為政者は、世論を意識せずにはいられないことも本作品を通じて理解できた。幕政や都市改造という大きなテーマを、登場人物の細やかの性格描写によって読者を飽きさせない門井文学の秀作である。寒い冬の夜,久しぶりに読書に熱中できた。 | ||||
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