■スポンサードリンク


君のクイズ



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
君のクイズ
君のクイズ (朝日文庫)

君のクイズの評価: 3.64/5点 レビュー 160件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.64pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全97件 41~60 3/5ページ
No.57:
(5pt)

あなたの好きなものはあなたの人生すべてと繋がる

おもしろさが何層にも仕込まれた小説だ。

生放送のクイズ番組で決勝に出場した三島は、「まだ一文字も問題が読まれてない」のにボタンを押して正解した本庄に敗北して優勝を逃す。なぜ本庄は正解できたのかを三島が解明していくことが物語の軸だ。

長編にしては少なめの分量、「クイズ」という多くの日本人が親しんできたジャンル、そして内容のエンタメ性。これらが揃っているので、何も考えず読んでも「楽しかった」という読後感を得られる。

単純にエンタメとして面白いで終わっても構わない。だが、より深く潜ると何通りもの切り口で語りがいがある本になっている。僕もそのひとつについて書いてみたい。

三島は本庄の優勝の謎を解くべく、対戦した決勝戦を1問ずつ振り返る。そこで彼は「なぜ自分が正解できたか」に向き合うことで人生を振り返っていく。単純に知識を頭に蓄えたから正解ができたわけではない。そこに人生の記憶がフックとなっているから正解できた。それは本庄も同じである。この結論にたどり着く過程はさながら映画『スラムドッグミリオネア』を見ているようだ。しかし、その結論には大きな落とし穴があった。

三島はこれまでの人生の記憶がクイズに生きている。それは良い記憶も嫌な記憶も振り返れば取るに足らない記憶もなにもかもだ。

逆にクイズは三島の人生を救っている。クイズに向き合うことで三島は行動が変わり、人とも出会った。そしてクイズによって自分の人生を肯定されていく。

三島にとって仕事もプライベートもすべてクイズに繋がっている。僕はそこにいたく共感した。

様々な方と出会って思うのは、多くの人は仕事の脳みそとプライベートの脳みそがうまく接続されてないのではということだ。どちらかのモードのときはどちらかのスイッチを切っている。もっと言えばプライベートでも、たとえば趣味Aの脳みそと趣味Bの脳みそが接続されてないこともある。

僕にはそれができない。仕事のときにはプライベートのスイッチがどうしても切れないし、プライベートのときには仕事のスイッチがどうしても切れない。なんか考えること多くて頭パンクするなと感じていたのは、僕の脳みその容量が少ないことに加えて、スイッチを切れるところが一つもないからだ。正直生きにくさはある。

でもいいこともある。思わぬところでまったく関係のないジャンル同士や記憶同士が繋がって思わぬ考えが浮かんだりする。仕事で考えたことがプライベートで生きたり、プライベートで考えたことで仕事で生きたりする。

おそらく三島もきっと同じなのではないだろうか。脳みそのスイッチが切れない代わりに考えたこと、見てきたことのすべてがクイズに収れんされる。そんな気がして僕はうれしくなった。ある意味、僕もこの本で僕の生き方を肯定された気持ちになったのだ。

結末まで読むと、三島と本庄では「同じ競技をしていたようで実は土俵がまったく違っていた」ことがわかる。これはちょっとした社会批評性を帯びているのではないか。

「好き」を原動力にクイズに取り組む者と、「ハックして名をなすこと」を原動力にクイズに取り組む者。現代では、後者が賢く成功者であり、「ハックすること」が成功の秘訣として語られる。三島と本庄のコントラストはどちらが正義でも悪でもないが、どう生きたいかを読者に問いかけるものになっている。
君のクイズAmazon書評・レビュー:君のクイズより
4022518375
No.56:
(4pt)

おすすめの本

表面上に見えるのは、謎を解くことを中心とした推理物語。だが、その実、小説の各エピソードは深く味わいを湛えていて、その一つ一つが人間の生涯を織りなす多種多様な糸だ。そしてその謎解きの番組、それはまるで一人の人間が歩む生涯のようなもの。なんとなく予測はつくけれど、結末までは誰にも見えない。それが人生だし、それがこの物語だ。
君のクイズAmazon書評・レビュー:君のクイズより
4022518375
No.55:
(4pt)

面白い発想

ミステリーの発想が面白いと思った。
君のクイズAmazon書評・レビュー:君のクイズより
4022518375
No.54:
(4pt)

(2023-82冊目)あの小説のエピゴーネンかと思いきや、なかなか辛辣なラストに呆然とした。

.
 クイズ番組『Q-1グランプリ』のファイナリストとして勝ち残った三島玲央は今、対戦相手の本庄絆と雌雄を決する最終第15問に臨んでいる。しかし、本庄絆は問題が読み上げられる前にボタンを押し、――いわゆる「ゼロ文字押し」――しかも正解(「ママ、クリーニング小野寺よ」)を言い当ててしまう。賞金一千万円を獲得した本庄は番組プロデューサーから事前に答えを教えられていたのではないかと、世間から疑念を持たれるが、一切弁解をせずに沈黙を貫く。三島はこの疑惑という名のクイズを独り、解こうとするのだが……。
-------------
 第20回目(2023年)本屋大賞のノミネート作品です。私はここ何年もテレビのクイズ番組を見ていませんが、最近は有名大学の学生やその大学出身の芸能人などがクイズで知識と教養を披露する姿が人気だということは薄々知っています。そうしたTVのクイズショーで起こった不可解な「ゼロ文字押し」が果たしてやらせの賜物なのか、それとも何かタネのある手品のようなものなのかを探っていく、一風変わったミステリー小説です。

 謎解きの道行(みちゆき)の途上で、読者が目の当たりにするのは、三島玲央という主人公が百科全書的知識を脳内に単にひたすら詰め込んだ末にクイズ決戦に臨んでいるわけではない事実です。
 幼い頃、兄がこっそり聞いていたラジオ深夜番組の魅力だとか、京都旅行で宿泊したホテルの朝食バイキングで目にしたポスターの知識だとか、同棲相手と楽しんだアニメ番組の思い出だとか、そんな自らの来し方の中でゆっくりと積み上げてきた事柄がクイズ競技に生かされていくのです。
「クイズが僕を肯定してくれていた。君は大事なものを失ったかもしれない。でも、何かを失うことで、別の何かを得ることもある。君は正解なんだ――クイズが、そう言ってくれているみたいだった」(144頁)
「クイズに正解するということは、その正解と何らかの形で関わってきたことの証だ。」(同頁)

 こうした展開を目にしながら私が思い出していたのは、Vikas Swarupの小説『Q & A』(ISBN 9780552775427)です。インドに暮らすウェイターの少年Ram Mohammad Thomasはテレビのクイズ番組に出場して次々と正解を重ね、最高賞金10億ルピーを獲得するに至ります。しかし番組責任者は、満足な教育も受けていない孤児の少年が難問に答えられるはずがないとばかりに、彼をイカサマ容疑で警察に告発します。逮捕された主人公が語り始めたその生い立ちに、クイズに答えることが出来た理由が散りばめられている、という物語で、後にダニー・ボイル監督によって映画『 スラムドッグ$ミリオネア 』へと結実しました。
 小説『Q & A』が、インドの苛烈な貧困社会をたくましく生き抜く少年を描いている一方で、『君のクイズ』は天下泰平の令和日本が舞台なだけに、物語が相対的に軽く感じられる気がします。クイズに勝利した本庄絆が、世間からのバッシングをかわしたいがためにか、高額の賞金を放棄するというのですから、経済的な切実さをめぐる彼我の差が伺い知れるというものです。

 ところが、そんな私の少し冷めた目をあざ笑うかのような展開が最後に用意されていました。小説『Q & A』の亜流で終わるかと思われた物語は、現代日本のテレビとネットの関係を赤裸々に描いていて、呆然としたのです。
 なかなかあなどれない小説でした。

.
君のクイズAmazon書評・レビュー:君のクイズより
4022518375
No.53:
(5pt)

クイズの技術が面白い

なるほどね! と思わされました。クイズという独特の競技の技術と相まって楽しめました。
君のクイズAmazon書評・レビュー:君のクイズより
4022518375
No.52:
(4pt)

読み応えはないけど、スピード感は気持ちよかった

短めの話なので、ゲームの王国のような壮大さや読み応えはなかったが、コンパクトに話がまとまっていて、中弛みすることなくポンポン展開が進んでいくのは気持ちよかった。なんとなく謎解き型のロールプレイングゲームをしてるような気分でした。
君のクイズAmazon書評・レビュー:君のクイズより
4022518375
No.51:
(5pt)

最後まで読み終えたあとにタイトルの意味を考えてみた

人は、各々の人生、毎日のそれこそ無数にある分岐点の選択肢から一つ選び行動している。数えきれない分岐点。その選択には正解があるかないか。クイズ問題は正解が必ずあり、ヒトが作問したし、クイズ大会の背景、などから早押し回答も技術的に不可能ではない。毎日、更には人生の分岐点の選択肢に早押し回答は強制してはならないと感じた。
君のクイズAmazon書評・レビュー:君のクイズより
4022518375
No.50:
(4pt)

一気読み必至

オチでもうひと展開欲しかった
あと、100%スッキリ爽快になるオチではなかったので、☆4
君のクイズAmazon書評・レビュー:君のクイズより
4022518375
No.49:
(5pt)

タイトルの意味

朝にパラパラとページをめくり気づいたら夜には読み終わっていました。
最近読んだ作品で一番面白かった。
君のクイズAmazon書評・レビュー:君のクイズより
4022518375
No.48:
(4pt)

やっぱり正解が知りたくなる作品

とても読みやすかった。
クイズプレイヤーは、ただ博識があるだけで無く、クイズ自体に対しても向き合っている様子が、とても深かった。
読み進める中で正解を知りたくなる、そんな作品でした。
君のクイズAmazon書評・レビュー:君のクイズより
4022518375
No.47:
(4pt)

この人の実力を考えれば

この本は少し力を抜いている気がしました。短編の魔術師に感動した私が、ハードルを上げすぎたのかもしれませんが
君のクイズAmazon書評・レビュー:君のクイズより
4022518375
No.46:
(5pt)

クイズとは何か

競技クイズとクイズ番組というとっつきやすい題材とミステリーが融合した作品。大変読みやすく、また没入性があり一気に読んでしまいました。
クイズと人生が糾える縄の如く絡み合い、プレイヤーの経験と記憶がクイズの答えを導き出す。競技クイズプレイヤーは魔法使いではない。しかし時に魔法のように回答するがゆえに超能力者のような捉え方をされることも。
果たして、魔法のような「0文字回答」をした本庄は魔法使いなのか、それとも...。
君のクイズAmazon書評・レビュー:君のクイズより
4022518375
No.45:
(5pt)

新感覚なのにエモい

クイズとは、まさにテレビ番組にもよくある
出題者が出題した問題に回答者が答え、競う
あのクイズです。

読了後、「君のクイズ」の"君の"が意味するところが分かった時、この本が
単なるクイズプレーヤーの思考回路描いたものではなく、社会派であると気づきました。

新感覚なのにどことなく漂うエモさがあります!
君のクイズAmazon書評・レビュー:君のクイズより
4022518375
No.44:
(4pt)

とても読みやすかった

とても読みやすくおもしろかったです
クイズについて興味がもてました
君のクイズAmazon書評・レビュー:君のクイズより
4022518375
No.43:
(5pt)

ゼロ秒回答の真相をめぐるクイズ愛に満ちた作品

〈クイズ愛に満ちた傑作ミステリー〉
クイズ大会決勝で対戦相手の本庄絆は、1文字も読まれていない問題を正解してみせた。番組と本庄がグルになったやらせがあったのではないか?納得がいかない主人公は本庄絆について調査を開始する。

競技クイズについてのテクニックやプレイヤーの考え方、一般人の誤解などが豊富に書かれており、クイズの世界にどっぷり浸かることができる。

真相に至る過程も、段階的に事実を提示され、説明されていくので、十分に納得できる。人は死なないが、これは上質なミステリーだ。

ラストの主人公のスタンスが私は好きだ。

〈評価〉
オススメ度 4.5
読みやすさ 5
意外性   4
君のクイズAmazon書評・レビュー:君のクイズより
4022518375
No.42:
(5pt)

クイズ好きは必読

カズレーザーさんのラジオで知り、興味が出たので読んでみました。一晩で読み切ってしまいました!面白すぎ!クイズが好きな人は、絶対読むべき!
君のクイズAmazon書評・レビュー:君のクイズより
4022518375
No.41:
(5pt)

没頭してすぐ読み終わってしまった。

すごく読みやすかった!
クイズプレイヤーの頭の中を見られた気がします。
君のクイズAmazon書評・レビュー:君のクイズより
4022518375
No.40:
(5pt)

たかがクイズ

クイズ番組をテーマにして切り口鮮やか。ほろ苦い経験もムダではないことを示唆していて、されどクイズ
君のクイズAmazon書評・レビュー:君のクイズより
4022518375
No.39:
(5pt)

面白い

あっというまに読めました。
クイズ番組の舞台裏を少し覗いた気分になれました。
君のクイズAmazon書評・レビュー:君のクイズより
4022518375
No.38:
(4pt)

新しい推理小説

推理小説なんだけど、事件物ではない。
私にはとても新鮮な推理小説でした。
語り口も、柔らかで読みやすく、
とっつきやすい話し面白かったです。
終わり方が好みです。
君のクイズAmazon書評・レビュー:君のクイズより
4022518375

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!