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爆弾
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爆弾の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.55pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全123件 101~120 6/7ページ
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なかなか凄かった。ちょっと手塚治虫の成人向け漫画のような悽愴な毒気があり、ミステリーとしても設定が斬新。後半の類家とスズキの一騎打ちは一気読みさせられるしかない迫力。もしこれが少年漫画だったとしたら、スズキタゴサクは怜悧な美青年として描かれたような気もするが、冴えないおっさんであることがリアリティを上げてる。多岐に渡る伏線が絡み合い謎が謎を呼ぶ感覚もスリリング。これだけ高い評価は全く肯けるものの、この作家の他の作品も読みたいかというとちょっと好みじゃない。一見ドストエフスキーの登場人物の思想対決のような類家とスズキの議論も、青臭いと言えば青臭い。若い女刑事が取り調べ室に乗り込んでいく様もいやいやさすがにあり得ないだろと思うし、女刑事と仲の良い男刑事のやり取りの描写もちょっと気恥ずかしい感じにさせられセンスないなとげんなりした。あと全貌が明らかになった時も感心しつつもなんかスッキリしない。スズキに底知れないラスボス感を期待し過ぎたのかも知れない。全体的にマンガチックであり、そこが混沌とした迫力を生んでるのは良さであるのだが同時に弱点である気もする。とは言え迫力と知的スリルと混沌とした悪意と毒気が並外れてるので傑作としか言えない。趣味ではないけど星5です。 | ||||
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序盤ですが、とてもおもしろいですよ | ||||
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前半は、得体の知れないスズキタゴサクと刑事とのやりとりが面白いが、まだ普通の面白さの範疇を出ない感覚でした。それが後半、取り調べの刑事が変わってからは加速度的に面白くなり、一気読みしてしまいました。うまく表現できませんが、自分のタイプとは合わないと感じる作品でしたので星は4つとしましたが、逆に言えば自分好みでないにも関わらず星4つつけたくなる完成度ということです。 | ||||
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「無敵の人」による犯行を題材にしている。 無敵の人とは、社会的繋がりが無いため、虐げられてきた社会に対して復讐をする人を指す言葉だが、社会的繋がりがあるから踏みとどまれているだけであって、社会には鬱屈とする現実が多く蔓延っている。 社会で生活していく内、建前と本音の差が広がる自分に辟易するとともに、そんな社会に対して多少の憤りを覚えている自分がいる人におすすめです。 | ||||
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私は今まで多くのミステリーを読んできましたがこんな面白いミステリーは初めてです。まだ読んでいない方もおられるのであまり詳しくは述べられませんが爆弾魔vs警察。爆弾魔はどこに爆弾を設置したのであろうか、それに対して翻弄され続ける警察。果たして警察は誰一人として被害を残すことなく平和を取り戻すことが出来るのであろうか読んでいる側も最後の最後でまで目が離せないミステリー今ここに。ミステリーが好きな方は是非読んでもらいたい一冊です。 | ||||
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帯を観て気になり購読しました。内容、展開等全てにおいて面白すぎて一気に読んでしまいました。久々に読みたい作者に出会い、今呉氏の本を読み漁っています。どの作品もそれぞれに味わい深く一言では表せない思いに驚くばかりです。 | ||||
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会話主体の構造。スズキと類家の会話のテンポ、物言いの応酬がすごい。 ストーリーの中には緩急を感じて、ページを捲る手が止まらなくなりました。 徹夜して読み切ってしまいました。 代々木公園や山手線駅に爆弾を仕掛け、爆発して100人以上が死ぬ、という 今の日本では現実離れした話でした。でも、げんじつに起こっている遠くの事件に胸を痛める自分の中にも、この小説の状況にワクワク感を感じている部分がありました。小説だからなのか、あまりにも非現実的なことが起こったらそう感じるのか…。人間って恐ろしいですね。 | ||||
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面白いの一言に尽きる。 間違いなく2022年ベスト3位に入る。 | ||||
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天才連続爆弾魔と警察との頭脳戦。取調室を舞台にした密室劇が中心ですが、大規模な爆発シーンなどもあり地味な印象はまったくありません(むしろ派手です)。そして本作の魅力はなんと言ってもキャラクター。というよりスズキタゴサクですね。本作の面白さの面白さのかなりの部分をこのキャラクターが担っているのは間違いないです(もちろんストーリーも凄く面白いですが)。ほぼ確実に映画化すると思うので、このスズキタゴサクという強烈なキャラクターを誰が演じるのかが楽しみです。 | ||||
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圧倒的スピード。人間の善意と悪意。爆弾はどこにあるのか?大量の情報を脳内にぶつけられ揺さぶられた。 | ||||
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実際の事件を下敷きにした小説と違い、人の心理や行動に関する濃密な描写はなく、いかにも全て机上で考えた感じのストーリーで設定や展開には強引さがあり、リアリティには欠けるが緊迫感と勢いにその不満は押し流される。話は酔っぱらって酒店で暴れたスズキタゴザクを名乗るさえない中年男が警察署に連行されて来ることから始まる。取り調べの最中に自分は霊感が有ってこれから起こる爆破事件を予言できると言い出す。そして起こる1度目の爆発。爆発は3度起こると言う。情報を謎かけで出して楽しむタゴサク。物語は取調室のタゴサクと取調官のやり取りが中心。タゴサクが口にする不祥事で自殺した元警察官の名前。捜査が進むにつれて発見される共犯とみられる3人の若者の遺体。youtubeで自動配信されるタゴサクのメッセージ。沢山作られた小型の爆弾。いったい爆発はいつ?どこで? 警察は続く爆発を阻止できるのか? だが事件が進むにつれて徐々にわく違和感。タゴザクと若者達の接点は? 最後は誰が本当の首謀者なのかが焦点となる。 | ||||
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9月27日(日)、東京・野方警察署に49歳の男が連行され、傷害容疑で取り調べを受ける。中野の酒販売店で酔った勢いで店員を殴ったという。男はスズキタゴサクと名乗り、特殊な霊感があると言いだす。そして午前10時に秋葉原で何かが起こるといった直後、現地で爆弾が炸裂し、死傷者が出る。しかしスズキのこの“霊感”は、東京じゅうで起こる連続爆破事件の始まりにすぎなかった……。 ----------------- 2022年上半期の直木賞候補作となったノンストップサスペンス小説です。 スズキタゴサクが連続爆破事件を予言し続けられるのはなぜなのか、次の爆発はどこで起きるのか、そしてスズキの素性と目的は何なのか――深まっていくばかりの複数の謎とあわせて、警察組織内における刑事と制服警官、本庁と地元警察、先輩と後輩、といった複層的な対立軸が絡み合い、なかなか濃密な人間ドラマが展開していきます。 なんといっても自己卑下と慇懃無礼な態度で人を喰った言を弄し続けるスズキなる人物が、取り調べ警察官のみならず読者を思う存分苛立たせてくれます。社会から顧みられることのない人生を送り続けた、と主張する彼の、いじけてねじ曲がった死生観が延々と披露され、この小説内でも触れられるようにまさに今の巷で恐怖をもって語られる《無敵の人》たるスズキに対しては、虫唾の走る思いばかりが募ります。 その一方で、尋問と捜査にあたる複数の刑事・警察官たちもが、スズキに魅入られ、取り込まれていくかのように、社会に対する怨嗟を徐々に露わにしていくさまもまた、薄気味悪いといえます。 スズキ自身は、爆破事件によって、彼が生きづらさを感じている世界から「もういいや」とばかりに完全に下車してしまった様子が見えてきますが、警察側もどこかそれに同調して「こんな社会なんか」と憤りを増幅させる姿を見せていて、彼らの態度に照らすと、この世界に踏みとどまってなんとか今日を生きていこうと考えている読者のほうが、どこかネジがはずれた少数派なのではないかと錯覚に陥りそうです。そこにこそこの小説の怖さが潜んでいるように感じられてなりません。 自分の正気を今一度見つめ直す契機となる長編小説です。 ------------------ この小説から連想して以下の書を紹介しておきます。 ◆安野貴博『 サーキット・スイッチャー 』(早川書房) :『爆弾』で容疑者のスズキは取り調べを受ける中で、「命は本当に平等なのか」と執拗に問いかけ続けます。近未来SF小説『サーキット・スイッチャー』も、自動走行が当たり前となった社会で発生した自動車事故の背後に、命の巧妙な選択があったのではないかという謎と恐怖を追う物語です。 ◆井上ひさし『 一週間 』(新潮文庫) :昭和21年の早春、ハバロフスクの捕虜収容所に移送された小松修吉は、その収容所からの脱走に失敗した元軍医・入江一郎から聞き書きする形で記録をまとめようとします。小松と入江の対話はまさに刑事と容疑者の尋問の様子と重なります。そしてこの取り調べの途上で、二人は国家、戦争、民族の理想と現実をめぐって熱い議論を積み重ねていくのです。 時代設定は終戦直後でありながら、この小説が浮かび上がらせるのは、日本人の権威への無批判な迎合、理想を見失って硬直化した“主義”の醜悪さなど、現代に通じる課題ばかりです。 ◆リチャード・マシスン『 運命のボタン 』(ハヤカワ文庫NV) :『爆弾』の292頁でスズキがこんな例え話をします。「たとえば目の前にボタンがあるとします。このボタンを押せばどこかの国の市街地に爆弾が落ちるとします。たくさんの人が死ぬとします。代わりに大金がもらえるとします」さて、あなたはボタンを押しますか? アメリカの作家リチャード・マシスンは今から50年以上前の1970年に、これとほとんど同じ設定で短編小説『Button, Button』を書いています。その邦訳が短編アンソロジー『運命のボタン』の表題作です。 マシスンの小説は、見知らぬ男がある主婦のところへやってきて、「このボタンを押したらあなたの知らない人が一人死んで、あなたに大金が支払われることになっている。さて、あなたはこのボタンを押すか?」と問う、というストーリーです。主婦がボタンを押した後、命を落としたのは果たして……。 この短編が突きつけるのは、<人と人との理解がかなわない>世界。それは、他者との間に理解という名の温もりを絶たれた絶対零度の世界ともいえるでしょう。そこに震えあがる恐怖を感じない読者はいないはずです。 . | ||||
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読んでいて気持ち悪いがグイグイ引き込まれます。また無差別の爆弾攻撃は今後現実社会で起こるだろうし、模倣犯が出ないか心配である。初めから最後まですっきりしないが、そこそこおもしろい。 | ||||
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呉勝浩作品、好みで、今回もとても面白く読んだ。 命の選別は古典的なテーマだと思うけれど、 それをいかにエンタメ化して読ませるか。 重いテーマだが、さすが、ワクワクと読み進めた。 退屈に感じる部分は、自分には、なかった。 類家にももっと負けてほしかったが、そこは好みかも。 次の作品も楽しみに待ちます。 | ||||
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呉さんは初読 ミステリーより文学性を大事にするタイプかと思っていたら全く違って次々と場面が変わるエンタメ作だった 取調室で不気味なおっさんに個性豊かな刑事連が翻弄される会話劇と都内各所で爆破事件が起こるスペクタクルと女性の制服警官の活躍もあって映画化に向いてそうだけどすんごいダサいタイトルに変えられそうだからやめたほうがいいかも | ||||
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皆さんのレビューがイマイチだったので期待していなかったのだが読んでみたら夢中でページを捲りました。 人によってはスズキと刑事の会話が退屈に感じるのかもしれないけど、会話の中に爆弾設置場所のヒントが隠されているわけだから刑事はそれを聞き逃すまいと必死だし、でもスズキの話に返事もしなきゃいけない、かなり緊張感があって面白い。 そして、読者も見事に騙されてしまう仕掛けがあります。 そんな数々の伏線が貼られている中、登場人物それぞれの思い、気持ちの変化などもうまく書かれていました。 悪とは何か、正義とは何か、という使い古されたテーマにも関わらず、随所に新しい試みが見られる小説だと私は思いました。 ラストも良かったです。 馴れ合うわけではないが、皆が抱えてる黒いもの、贖えない誘惑、納得できる見事な決着。 法廷劇などが好きな方はこの会話を楽しめるのではないでしょうか。 先の読めないスリリングなお話でした。 | ||||
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酔っ払いで連行された男が取調べ中に、霊感と称した爆発予告をし、その爆発が実際に秋葉原で起こるところから一気に物語が加速していく。 最悪の事態を想定して最善を尽くすという特殊班、目の前の命を救うことに必死な交番勤務の警察官、何のために働いているのか分からない自己満足で独りよがりの刑事など、個性豊かな警察組織の面々が、スズキが用意した大掛かりな仕掛けに立ち向かってく展開は読み応えがあった。 都内のどこに爆弾が仕掛けられているか分からない緊迫感の中、スズキの人を喰ったような話しっぷりが気持ち悪く、読んでいくのがとても疲れる。 ただ、この話の中にも爆発時刻や爆弾の場所などのヒントが散りばめられていて、意味のない話の中から、意味が隠されている言葉を見つけていくのが大変だった。 情報ゲーム自体は楽しめるのだが、いかんせんスズキとの会話がまどろっこしく、無邪気な笑い声や態度が本当に不快に感じくらい異常で怖かった。 ミステリ好きでも評価が分かれると思う作品だった。 | ||||
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恥もプライドも失うものもない。 そんな爆弾魔の容疑者、スズキタゴサク。 こんな奴の取調べはなかなかうまくいきません。スズキに翻弄される場面がしばらく続いて、怒りが膨らんでいきます。 ところが、途中から「命の選別と正義」という重要なテーマがこのクソ野郎から投げかけられます。 正義を振りかざす警察も、これには戸惑います。 読んでいると、自分の中にも知らないうちに、命の選別をしてしまっていることに気付かされます。 このレビューは直木賞発表前に書いていますが、もうこれが直木賞でも全然おかしくありません。 スズキへの取調べから、我が身を振り返ることができます。 もちろん、爆弾ミステリーとしてもよくできていて、読み応え十分です。 | ||||
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直木賞と言うより、「このミステリーがすごい」の候補と思っちゃいました。 | ||||
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本作のような場合、霊感で爆弾テロを予言するスズキタゴサクのキャラクターが最重要なことの一つと思いますが、その点は良く書けているのではと個人的には思いました。 スズキには必要な不快さや気味悪さは備えていますし、ややくど過ぎると感じた警察との言葉の応酬も、このぐらいでなければ、逆に物足りなさを感じるかもしれません。 爆弾テロの真相も、警察側の様々な事情・心情も巻き込んで、ミステリーとして望む期待に応えるものでした。 | ||||
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