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爆弾
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爆弾の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.51pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全116件 1~20 1/6ページ
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2025年の参院選では、良くも悪くも『日本人ファースト』というフレーズが飛び交ったが、この本を読みながら、それを思い出していた。 人間は小さな存在だから、自分がケアできる範囲なんて高が知れている。自分一人が生きていくだけで精一杯。それだけで立派な事だ。まして家族を養っているならば称賛に値する。その先はどうか。友人、知人、同僚。御近所さん、市民、国民、外国人。人それぞれ、ここまでしかケアできませんという線引があって、そこから先は関心が薄れざるを得ない。 本作は、そのような自分と他人との間の線引を容赦なく爆破してくる。 自称ホームレスのスズキタゴサクが、微罪で刑務所に自首をして取り調べを受ける最中に、自分が爆弾魔である事を匂わせる。彼は言う。貴方達はホームレスの自分が明日どこかの公園で死んでも無関心でしょう? 反対に私だって貴方達が明日どこかの爆弾で死んでも無関心ですよ、と。 自分は誰を守り、誰を守らないのか。タゴサクの爆弾が、容赦なく価値観を吹き飛ばす混乱の中で、一介の刑事や警官がどのように行動するか。そして読み手の価値観が、どのように変貌するか。重厚で読み応えのある一冊。 | ||||
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新品だったのて驚きました | ||||
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警察の取調官と爆破事件を予告する男との心理対決をえがく、とてもスリリングなミステリ。警察組織で方針をだすものと現場で動くものの姿を対比的にえがく、警察小説としても楽しめる。 両者の対決は、緊張感がありながらキツネとタヌキの化かしあいのよう。とにかく人をイラつかせる天才、スズキ・タゴサクの得体のしれない不気味な人物造形が最高に魅力的だ。 警察側がヒントを読み解き爆破を防ぐシーン、奮闘及ばず爆破がおきるシーンのそれぞれが目に浮かぶ表現力がすばらしく、映像化にとても向いた作品だと思う。 ただ、物語終盤にかなり意外な展開をみせ、おもての出来ごとの背後にある事実が明らかとなるのだが、真相解明に至る取調官の推理はほとんど推測に近く、強引すぎると感じる。 スズキの徹底的に嫌味な余裕と、焦る取調官のやり取りは緊迫感満点なだけに、最後まで両者の対決に絞った方が良かったように思われ、そこが残念。 | ||||
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タゴサク中毒が凄い 一気に読み進められますが 楽しみたくてあえて、止めてました笑 未読の方に是非。手にとって頂きたいです | ||||
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心の暗い部分から小蝿が湧くような不快なスズキタゴサクの語り口、しかしその内容にどこか納得してしまう自分がいる。 命の餞別は誰しもが無意識に行っている | ||||
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映画化するにともなって読んだ。おもしろかった。 | ||||
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面白い。概ねの結果は見えつつもそこに至るまでの展開に揺さぶられる。嫌気がさすほどにひねくれてて捉えどころがない悪者な知能犯。それに立ち向かうコレまた優秀な知能。勝ちとは命とは人生の価値とは。考えさせられる。 | ||||
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さえない中年の男が微罪で警察に捕まる。もともとホームレスだったこの男、自称「スズキタゴサク」は 自分の霊感ですぐに爆弾が爆発すると予言する。これが実現すると警察は大きな衝撃を受ける。 彼と本庁からやって来た尋問の専門刑事との息詰まるやり取り。スズキは多弁な中でヒント、いや クイズを出しながら警察を翻弄する。やがて東京は大惨事に襲われることになる。もちろん、この スズキが発するクイズのようなヒントを解くというミステリー的要素はあるが、やはりこの警察側とスズキとの 尋問のやり取りはまさに「呉勝浩ワールド」全開だ。名もない人間は果たして世間で生きる価値が あると思われるのか、マスというひとくくりの人間の集まりの中で、人命の優先順位はありうるのか。 やがてこれらの大量殺戮事件は、ある有能な老刑事の自殺に関連することが分かってくる。 その後の展開の速さとダイナミックさ。些か、この作者独特の「しゃべりすぎ」が気になるが、 面白くて一気読み必至の作品である。 | ||||
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爆弾は爆薬が詰まった容器です。けれど、爆弾は別の意味でも例えることができます。 腰の蓄積ダメージだったり、どんどん溜まっていく不満だったり。 それを爆発させるのは自分自身なんです。これは誰もが抱えています。 自分は犯人を否定はできませんでした。理解もできました。けれど、許せませんでした。でも、心の底から悪とは呼べませんでした。爆弾は誰もが抱えています。その起爆スイッチを持ってるのは自分なんです。それを思い知らされるお話でした。けれど、生きようと思える希望に溢れたお話でもあるんです。鬱屈としながらも、花火のような爽快感があるんです。 きっと爆弾を爆発させる時、自分はこう感じるんだろうな、と思いました。 | ||||
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面白かった。 展開も切り替わりがあり、読み応えがあった | ||||
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声に出して読むことで納得性が高まると思います | ||||
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後半ハラハラしながら、この話はどこに着地するのか?と思いながら読む手を止められませんでした。ラストまで緊張感を維持させた作者の力量は大したものです。似た読後感を味わったのはジェフリー・ディーバーの「リンカーン・ライム」シリーズ。その出来の良い作品に当たった時のようでした。日本のミステリとしては稀有な経験でした。 あらすじは他の方に任せて、主人公の爆弾魔スズキタゴサクの人物造形が出色で、その思考回路や語ることの気色悪さにゾクゾクします。その異常な、でもひょっとしたらいるかもしれないと思える人物の語ることは、取調室の刑事たちも翻弄させます。その取り調べを通じて刑事たちの持つ「囚われている」心情も吐露されます。作者は本作を通じてすべての人の中にある「囚われていること」を書きたかったのかもしれません。 ともあれ、2023年の「このミス」一位。逃しましたが直木賞候補作になったのも頷ける一作でした。 残念なところを一言だけ。取調室で刑事たちが入れ替わりながら爆弾魔スズキタゴサクと対峙しますが、入れ替わりすぎでしょう。その分ちょっと散漫になりました。 | ||||
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最初から最後まで飽きません 一気に読みました 久々に面白い作品に出会えました | ||||
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犯罪者と刑事とのかけひきが最高でした。 | ||||
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とても面白かったです スズキの描写がすごくて こんな風に人物を作り上げ書くのが圧巻でした ここまで表現している作品は他にないかも、、 スズキがすごすぎて、警官達の個性が霞む 記憶が薄れたらまた読みたいです | ||||
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クソムカつく冴えない中年スズキタゴサクに終始怒りながらも、時折言っていることに「それはそうかも」と思わせられたりしちゃって、最悪なヤツだと思いながらも少しだけ惹かれてしまって、『羊たちの沈黙』のレスター博士的なカリスマがある。爆弾2も出ているそうなので読みます! | ||||
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「人といふ人のこころに一人づつ囚人がいてうめくかなしさ」 石川啄木の詩集「一握の砂」に収められているこの歌に準えて、人の本性をテーマに描かれている作品だと思う。 とても印象深く心に残ったのは、警視庁特犯係のキレ者刑事、類家が言った一言 「人の心をのぞける能力があるとします。サトリって妖怪がもつような力です。これは一見、とても便利に思われますが、よくよく考えるとだいぶ怖い。相手の心をのぞけるってことは、相手の汚い部分から逃げられないってことですからね。」(P154) 連続爆破事件の容疑者であるスズキタゴサクも類家もサトリに近いような能力があり、日々、人の身勝手な支配欲や欲望、嫉妬、嘘に辟易しているのだろう。 作中でも、そのような人の本音は、冒頭の細野ゆかりのサークルの飲み会に対する本音(たぶんフラグ)、優秀な刑事長谷部の性癖、伊勢の出世欲を背景にしたスタンドプレーなど、たっぷりと描かれている。 それでも救いが無いわけではない。天秤のように微妙なバランスで善と悪が揺れ動きながら、迷うのが普通の人間なんだろう。 そして野方署の刑事である等々力功が最後に漏らした言葉が作者が伝えたかった言葉なんだろうと思う。 | ||||
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予告爆弾=無茶な納期ですよ。 爆破予告があったのに防げなかった警察が悪い。警察が被害者になります。 不法行為とは被害者が加害者に損害の賠償を請求することをいいます。 そこで警察は被害を抑えるよう努力をすることになります。 共感するべき点がありました。 捜査官が爆弾を防げなかったことで責任を取らされます。 頑張った人に対して何もしていない人から罵声を受けるのです。 仮に責任を取るのはいいとしても無能呼ばわりは我慢できません。 心が折れて世の中どうでもよくなります。 私も同じ状況です。 何もしなてナイから責任がナイ。 この構図はどうになならないものでしょうか。 | ||||
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引き込まれて一気読みしました! | ||||
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ひえー、こんなアクの強い悪役をみるのは久しぶりだ。 爆弾魔スズキタゴサクの造形が、とにかくムカついていやらしくて気持ち悪い(←褒めてる)。 中二みたいなご高説を披露し、かといって全く的外れでもなく、しかも失うもののない無敵の人が、大勢の命がかかった爆弾ゲームを仕掛けてくる。 もうこの時点で怒りゲージが溜まってくるのだが、それもまたスズキの狙いだったりするのだ。 しかもかなりの強敵。 警察側が何度もゲームを制しそうになるのだけれど、そのたびに「まだ俺のバトルフェーズは終了してないぜ」とか言ってきて、警察陣営が「ひょ!?」ってなって、読んでるこっちの「ひょ!?」ってなる。 スズキと警察のバトルは主に狭い取調室のなかでのみ進むのに、怒濤の展開で状況が二転三転して手に汗握った。 そこに警察陣営の濃厚な人間ドラマも絡んできて、それもまた面白いのだ。 みんなちょっと自分勝手に動きすぎだけど。すがすがしいくらい公私混同してるし。 けどその自分勝手な部分が、つまりその人の生き様であるっていうラストはすごく好き。 2もあるようなのでそちらも読みたい。 | ||||
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