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薔薇のなかの蛇
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薔薇のなかの蛇の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.59pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1~9 1/1ページ
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こちらも十分面白いんだけど、振り返ってみると初期作品『麦の海に沈む果実』の学園のキャラクターや出来事の印象が強烈すぎて、本作の呪われた館は、なんだか物足りない。 | ||||
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久々の理瀬シリーズでわくわくしながら読みましたが、作者の悪い癖(私から見て)が大いに出ちゃっている作品。 恩田陸さんのミステリやサスペンスは、盛り上げるのは舌を巻くほど上手いんですが、畳み方が雑なんですよね。「ほんのひとさじの謎が残って余韻に浸れる」というタイプのものでもなく、最後にやっつけ仕事的に回収される感が強くてがっかりするような雑さ。今作もまさしくそれです。 恩田陸作品に慣れていて、ただ単に理瀬シリーズの続きが読みたい方、または雰囲気を楽しみたい方にはおすすめします。ミステリとして読むのはおすすめしません。他の理瀬シリーズを読んでいない方にもおすすめできません。 (以下、他作品のネタバレ含む) あとこれは個人的な好みの話ですが、『麦の海に沈む果実』の時点で、ユーロ・マフィア云々を入れ込んできたのがなんだかなぁと思っていました。ジャンルが違うのをぶち込んでいる感じ。 確かに『麦の海に沈む果実』は限りなくファンタジーに近い世界観ではありますが、マフィアは同じファンタジーでも「青の丘」「三月の国」から想起される世界観とはまた別物じゃないですか? というかヨーロッパを牛耳るユーロ・マフィアのボスって、単純にダサい。子ども騙しに感じます(当時子どもでしたが、それでも子ども騙しだなと)。『黄昏の百合の骨』やヨハン主役の短編でも執拗にその要素を入れてくるので、やめてくんないかなぁと思っていました。もちろん、あくまで個人の好みではありますが。 で、今作も結局真相の大部分はそれです。さらにはMI6まで出てきて、もうしっちゃかめっちゃか。『麦の海に沈む果実』のころの、ファンタジーと現実のはざまを揺蕩うような世界観はもう読めないのかな。 理瀬は確かに『黄昏の百合の骨』のラストで少女時代を終えますが、大人になったのでスパイ&マフィア映画の世界観に引っ越しまーす!ってのもなんだかなあです。作者の多彩さは大いに承知していますが、同シリーズ内では統一してもらえると嬉しい。 とはいえ雰囲気作りはさすがでした。途中までの面白さで☆3つ。 | ||||
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恩田陸さんの作品は、それぞれ本当に素晴らしいと思う。誰にも吹聴せず、心の中にしまっておきたいと思ってしまうような作品も沢山。 理瀬シリーズと呼称されている、『麦の海に沈む果実』『黄昏の百合の骨』も私にとって正にそうでした。 猥雑で妖しくてスノッブで艶やかで。 現実的でもあるしファンタジーでもあるこの2冊に、本当に惹かれました。 でも、本作品は、理瀬もヨハンも、ただ名前を借りただけのよう。お話も、恩田さんならこんなにページは要らないほど。 良くとれば、この先の展開のための布石なのか、と。 先を読むための案内人のような魅力的な挿絵も、今作品では可哀想に感じました。 | ||||
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一応ミステリーの形式をとっているが、なんか最後は尻切れトンボで、はっきりわからず、結局真っ二つに切り裂かれた遺体はなんだったの?まあ途中読むのが気味悪くなったことも事実だが、とどのつまりよくわからなかったと言うのが私の感想でした。なんかシリーズ化されているみたいだけど、もう少し下調べしていれば違った感想になっていたかも。残念です。 | ||||
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久々にリセが登場すると聞いて手に取りました。イギリスの大学に通うリセは完璧なブリティッシュイングリッシュを話す優美で謎めいた女性として描かれています。 貴族の田舎の屋敷が舞台です。やましい商売に関わって財を成した貴族。親戚中が屋敷に集まっている中で殺人や不可解な事件が起きます。イギリスミステリ好きなら設定にワクワクすると思います。 しかし、読者は謎解きに参加できません。それで星3つの評価にしました。ミステリとしては不完全燃焼です。 登場人物は魅力的です。いかにもイギリス紳士のアーサーのその後が気になります。次回作も想定されているようなので引き続き追いかけます。 | ||||
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ゴシック調の世界観の描き方はさすがなのだけど、前半はストーリーが上滑り。 我慢して読み進めると中盤からは関係性も分かってくるしそれなりに楽しめるが、理瀬について消化不良。 そもそも前作をよく覚えていないのも理由かもしれないが、もっと想像する余地があった物語が中途半端に現実的になってしまって、どっちつかずに印象。 ミステリーとしてはイマイチだが、著者はそこは重要視していないでその世界観を描いているのかも。 すっきりした結末を求めるタイプの人には読み進めるのがちょっと辛い。 | ||||
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理瀬シリーズ、なんと17年ぶりに刊行とのこと。クリスティもののような雰囲気の作品でした。ミステリとしては物足りませんでしたが、理瀬やヨハンとまた会えた喜びが勝りました。今後も出演があると思わせるキャラクターたちの余韻があるうちに、続編を出していただきたいですね。 | ||||
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氏の著作はほぼ読んでるが、このシリーズは「読み込んで」はいない。故に多分忘却の彼方の部分が多々ある。おさらいするとなると、「シリーズ」とされてる以外にもカメオ出演みたいなモノがあるし… 新刊魅力に抗えず 延々と不穏とほのめかしが続くこの感じは懐かしい。現代とアンティークな世界が混在してる雰囲気も久々な気が。あー…歳食ったなあ。以前なら背中ゾクゾクして、背後を気にしながら読んだであろうが、歳と共にその手の感覚は鈍る。無念だ 氏のこの手のお話にはすっきりとした謎の解明は求めていないからそこいら辺はOK が、アーサーはニュートラルな人じゃなくて、自分が認めるレベルに達してないと判断した相手は「どうでもいい」タイプの人じゃないかな?と ちなみに画が沢山入ってるのが嬉しい。が、始め北見氏だと分からんかった。あれ?担当変わった?と思ってしまった自分が少々ショックだった。氏の画ならぱっと見で分かると思ってたのに。いつの間にかタッチが変わって顔も変わった。ちょっと驚いてみた。自分は元々北見氏の画は好きなんだが立体造形の方は「大衆性からは離れるよなー」と思ってたタチだったから、画から受ける印象が立体の方の印象に近くなってるなー…は寂しい様な嬉しい様な…複雑な気分になってみた 概ね楽しく読みました | ||||
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まるで海外の大作ドラマや映画を観ているかのような心地になる世界観、雰囲気作りは相変わらず上手い一方で、ミステリとしてはなかなかの尻切れとんぼ。これらの点は良くも悪くもいつもの恩田さんらしいということで見過ごせるとしても、読み終わった後の圧倒的な水野理瀬不足についてはいささか期待外れで物足りなかったと言わざるをえません。というのも全編の9割以上が、物語の舞台となるレミントン家の長男アーサーの視点で進行するため、『麦の海に沈む果実』、『黄昏の百合の骨』と異なり理瀬の内面描写はほぼ皆無なんです。はっきり言って今回の理瀬は脇役です。このため本作は水野理瀬シリーズの新作(当初このレビューでシリーズ第3巻と記載しましたが、そもそも理瀬の物語は『三月は深き紅の淵を』からの派生作品であることに加え、同じく『三月は〜』から派生した姉妹作である『黒と茶の幻想』や幼少期の理瀬の短編作『睡蓮』などを理瀬シリーズ第○巻と呼んでよいものなのかどうか曖昧で紛らわしいため、ナンバリングについては記載を削除修正いたしました。)というよりは、恩田さんの新作ミステリに理瀬がゲスト出演しているといった方が正確かもしれません。もっとも、自身の一族について語る理瀬や、『麦の海に沈む果実』以来となるあのパートナーとの絡みなど、シリーズファンならニヤリとさせられる描写も確かにあります。色々な意味で理瀬が強く、賢く、美しく順調に成長していることが伺えるだけに、渡英後の理瀬が何をしてきたのか、20歳前後と思われる今の彼女が何を考え、何を目指しているのかもっと知りたかったという飢餓感が余計煽られます。そして本作の事実上の主人公であるアーサーもどうやら、今後の理瀬の人生に大きく関わってくる人物である模様。海外の大作配信ドラマを思わせる壮大な未来が待ち受ける予感がこれまで以上にするだけに、読者としては第4作の実現を期待したいところではありますが、メフィストの連載で本作を完成させるのに恩田さんが10年超を費やしたことを考えると、恩田さんにとって理瀬の物語は既に「続きを描きたい気持ちがない訳ではないけど筆が一向に進まない作品」になり果ててしまったのかなぁという気がしてならず、半ば諦めております。 | ||||
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