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雪だるまの殺人
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雪だるまの殺人の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.67pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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幼い兄妹が雪だるまの中から死体を発見する冒頭から引きつけられました。 その後の展開はやや地味ではありますが、事件の真相を追って、ああでもないこうでもないと推理の試行錯誤を積み重ねる過程は圧巻。 ストーリー展開の起伏などではなく、推理という行為そのものがサスペンスを生みだしています。 これこそ、本格推理小説の醍醐味のひとつであることは間違いないでしょう。 その真相はといえば、論理的というよりは、作者のさじ加減一つという感がなきにしもあらずですが、最後まで真相を読者に悟らせない手腕はお見事。 総じて大いに楽しめました。 | ||||
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原題The Case of Abominable Snowman (原著1941年刊) 『ワンダーランドの悪意』(1940年 邦訳 論創社)に続く長編第7作。 冒頭、雪だるまの中から子供たちが死体を発見する場面が印象的で、時系列を入れ替えた叙述構成も効果を上げている。 後に少年小説の佳作「オタバリの少年探偵たち」(セシル・デイ=ルイス名義 1948年 邦訳 岩波書店)を執筆した作者らしく子供たちの活き活きとした描写がプロットと見事に結合している。 典型的なカントリーハウス物の設定を踏襲しているが、第二次大戦統制下の生活描写や、プロットに麻薬中毒問題が絡むなど社会性を感じる筆致はブレイクならではの持ち味であり、そして巧みな人物描写、とりわけ女性登場人物の一人の悲劇的な肖像は永く印象に残る。しかし基本はウエルメイドな探偵小説に他ならず、伏線の張り方など巧妙極まりない。 「短刀を忍ばせ微笑む者」(1939年 邦訳 論創社)で主役として活躍した、探偵ストレンジウェイズの妻ジョージアが最後に登場する作品である。 | ||||
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ブレイクの作品によく言われるようないぶし銀の味わい深い'43年の作品。第二次大戦下の雪深い田舎の名士邸で起こった自殺に見せかけた殺人事件に居合わせた探偵ナイジェル・ストレンジウェイズは邸内の異常な空気を感じながら複雑な人間関係を解き明かそうとする。ブレイクの諸作に通ずる復讐劇が本作にも根本にあり、また主要人物の言動が真相を明かされると表裏二重の意味があったという、人物を描くのに長けたブレイクお得意の手法もいかんなく発揮されている。 ただ作品そのものは☆五つなのですが惜しむらくは翻訳が古く、最後の登場人物の物語の余韻を残すはずの手紙が古文調(『…で御座候…』って武士?)でやや違和感を覚えたため☆一つマイナスです。とはいえ作品自体はオススメします | ||||
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