短刀を忍ばせ微笑む者
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本作では、ナイジェル・ストレンジウェイズの登場は序盤とラストのみで、主役はナイジェルの妻で探検家のジョージア。 偶然に反政府組織の存在を示すロケットペンダントを拾ったことをきっかけに、ロンドン警視庁のお偉方であるストレンジウェイズ卿に請われたジョージアは、単身でその怪しげな反政府組織に迫っていくというストーリー。 作風は、リアリズム重視というよりはエンターテインメントに徹した、ヒロインのハラハラドキドキの活躍を楽しむサスペンス・スリラーである。 特に際立ったヤマ場はないものの、スパイであることがバレそうになったり、敵に監禁されたり、敵から逃れるために変装したりと、心理戦ありアクションありの波乱万丈の展開で、勝気で才気あふれるヒロインの大活躍がなかなか楽しめました。 | ||||
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原題 The Smiler with the Knife 1939年発表。名作『野獣死すべし』(1938年)に続く長編第五作。 題名はチョーサー『カンタベリー物語』からの引用。 ブレイクのシリーズ探偵ナイジェル・ストレンジウェイズの妻である元冒険家ジョージアが政権奪取を目論む秘密結社に単身潜入する冒険スパイスリラー。 英国の探偵作家が余技的にスパイ・スリラーを執筆する例は数多いが(クリスティの迷作『ビッグ4』(1927年)やクロフツの『列車の死』(1946年)など)良くも悪くも保守的な政治思想の産物がほとんどだ。例外的にブレイクは一時コミュニズムにも関心を寄せていたらしく当時の知識人としてもラジカルな部類であった。傑作『死の殻』(1936年)にもアイルランド独立問題への政治的姿勢が見てとれる。 本書の背景になっているのは大陸では台頭するナチズムへの危機感であり、英国内ではサー・ウォルター・モズレー率いるイギリス・ファシスト同盟(所謂「黒シャツ隊」)の存在であった。本書に登場する秘密結社はそのあからさまな揶揄であろう。 そのような時代性を考慮せずとも、本書は可憐なヒロインの活躍と逃亡劇を初期のブレイクらしい教養に裏打ちされたユーモアを持って描き、テンポ良く面白く読むことができる。ジョン・バカン以来の英国冒険小説の伝統を豊かに感じる愛すべき作品だろう。 | ||||
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