野獣死すべし
- 復讐 (159)
- 探偵作家フィリクス・レイン (1)
- 本格ミステリ (563)
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野獣死すべしの総合評価:
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全2件 1~2 1/1ページ
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著者初読み。余りにも格好良い表紙とタイトルに一目ぼれ購入。裏表紙の紹介文、解説は読んで無かったので、ハードボイルドかバイオレンスだろう、と思ってましたが、名探偵物の完全な本格ミステリーでした。前半は交通事故で息子を亡くした父親が、犯人に復讐しようとする中で書かれた手記で始まります。この辺は緊迫感が有って好きな感じ。後半探偵登場からは、犯人特定までの理論的な推理の過程が楽しめました。時代の違いによる違和感は少々有るが、サスペンス、ロジック、伏線の妙、何れも素晴らしく面白かった。 | ||||
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なかなか渋い話でした。 | ||||
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大藪さんの野獣死すべし は ニコラスブレイクの翻案なのかと思っていたので 当然ハードボイルドかと。 それが先日、こんなカバーのを見つけて思わずジャケ買い、 長年の思い込みが修正された 内容は、多少、教養と知識がないとわかりにくい話だし、 主人公が復讐しようとする犯人がほんとにちゃんと犯人なのか ずっと心配だったがそこは抜かりなく確証を持っていたことが後でわかる すべては序章の「日記」が鍵なんだけど1回読んだだけではわからない。 主人公が犯人の家に住み込んでからがyの悲劇に似ていて、 じゃあ犯人は・・なのか、とかいや逆に‥だけは違うだろうとか迷わせる 読んでいる間中どこかふわふわと頼りない気分で、 全部読んで再読すると理解できるタイプの本 小難しいからもう読まないけど。 解説によると「野獣死すべし」と訳したのは江戸川乱歩で あまりの名訳のためにそのまま使っちゃう人が出たのだろう。 本の装丁もヨットとかギャングっぽい男とか 「ハードボイルド」という雰囲気のものばかりだった。 暗鬱な表情でうつ向きがちの父親の前で無邪気に笑うどこか儚げな少年 のカバー絵は内容にピッタリで素晴らしい。 意外だったが、描いたのは浅賀行雄さんだそうです。 | ||||
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男手ひとつで育てていた幼いひとり息子を交通事故で失った探偵小説作家ケアンズは、深い悲しみのなか復讐を誓い立ちあがる。遅々として進まない警察の捜査に業を煮やしたケアンズは、個人でひき逃げ犯の分析と捜索に着手する。偶然も手伝って加害者の目星を付けることに成功し、目標達成のために作家としてのコネも利用しながら犯人への接触を試みるケアンズは、同時に復讐を果たすための構想を練りつつあった。 作品の舞台はイギリス、時代設定は、会話においてナチスドイツの名前が挙がることや、ラジオ放送を通して日本が中国を攻撃するニュースを伝える箇所が存在することから、発表当時の1938年頃と思われます。冒頭で記載した内容が第一部となっており、ひとり息子の復讐を誓ったケアンズが犯行にいたるまでの日々が描かれるのですが、これが日記形式で綴られていることがポイントです。ここまでのストーリーだけであれば犯罪小説として読むこともできるのですが、事件当日を描く第二部で趣きが変わり、第三部のおしどり夫婦である探偵夫妻の登場にともなって、完全に本来の探偵小説としての形式に転調し、この探偵パートと呼ぶべき第三部に続く解決編で完結する全四部の構成となっています。 事前に情報を調べず、犯罪小説を予期していたこともあって、大きくは第一部にあるケアンズの日記形式による記述と、典型的な探偵ものとして描かれる第三部以降という、異なった形式と視点が同居する特徴的な構成には驚かされました。ただし、構成だけの作品というわけではなく、作者の描写からはそれぞれの人物像や情景が自然に伝わり、全体を通して楽しく読むことができました。探偵であるナイジェルが天才型ではないことも、本作については有効に機能していると思えます。また、真相を知ったあとになって、ある有名なミステリ作品を思い出すことになりました。 最後に書名に関して。本来探していた大藪春彦の同名ハードボイルド小説が書店になく、本作が検索機の在庫情報にヒットしたのが読書のきっかけでした。刊行の順序から、大藪氏の小説タイトルは本作から取られたものなのでしょう。激しい印象を受けるタイトルですが、作品のイメージとは違っていました。 | ||||
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自分の息子を轢き殺された推理小説作家ケアンズが主人公。轢き逃げ犯のジョージに接近し、ボートから突き落として殺す計画を立てるが、知られてしまい失敗する。その夜に、ジョージが何者かに毒殺され、嫌疑を掛けられたケアンズが私立探偵ナイジェルに助けを求める話。 登場人物は限られていて、殺人も毒殺の一件だけで平凡な内容であり、犯人の意外性や奇抜なトリックはないので、真相を明かされても大きな衝撃はないが、真相説明では一つひとつの行動や表現の意味することが事細かく説明されていて、説得力のある真相が示されている点は高く評価できる。 ただし、作者なのか、訳者なのかわからないが、文章の相性が悪く、読みにくかった。 | ||||
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お、ハードボイルドのヤツね、と思われた方、残念ながら違います。それは大藪春彦です。 題名と表紙の雰囲気から、ハードボイルドと勘違いしてもおかしくないけどね、内容もハードボイルドになるし。 こちらは、ニコラス・ブレイク、本名はイギリスの桂冠詩人セシル・デイ・ルイス。 探偵小説家フィリクス・レインは息子を轢き逃げされ失ってしまった。 警察の必死の捜査にも関わらず半年も過ぎ、自分で復讐することを誓う。 最初はこのフィリクス・レインの日記から始まり、なんか倒叙ものみたいだなと読んでいってしまいました。 が、当然ながら倒叙ものではありません。途中、これってエラリー・クイーンのあの作品みたいになるの!? などと思い、年表を調べてしまいました。クイーンのアノ作品は1933年、で、この作品は1938年。 あ〜、ひょっとしたら、と思ったら、さすが名作、見事に私の考えを(いい意味で)裏切ってくれました。 | ||||
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桂冠詩人N.ブレイクのミステリとしての代表作。まず「野獣死すべし」という題名がイイじゃないですか。息子を殺された主人公の怒りがストレートに出ている。日本にもこれと同じ題名を自作に付けたハードボイルド作家がいましたねぇ。そして、題名の荒々しさとは対照的に構成が綿密に練られている所が本作の特徴。 前半は主人公の日記をベースに犯人への怒りと人物紹介がなされている。いわゆる倒述物である。後半は一転して本格風に犯人探しの展開となる。主人公が一気に犯人に復讐しないで、その周りで知人であるかのごとく振舞う理由も上手く考えられている。この倒述物と本格物の融合が作者の工夫であり、緻密な心理描写と相まって本作を代表作たらしめている。 N.ブレイクは純粋にミステリが好きなのであろう。文学関係者には意外とこのタイプが多い。ミステリの始祖ポーがそもそも詩人であるし、ヴァン・ダインも本職は美術評論家だ。日本では坂口安吾氏がその代表だ。N.ブレイクの作品に文学の香りを感じても、それは偶々だと思って、詩人N.ブレイクとミステリ作家N.ブレイクとは切り離して割り切って考えた方が良い。ミステリを書いている時のN.ブレイクはミステリに浸っているのだから、詩人N.ブレイクを引き合いに出されるのは本意ではないであろう。本作はミステリ作家N.ブレイクが斬新な構想と緻密な心理描写で読者を惹き付ける傑作。 | ||||
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