旅人の首



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    ←非ミステリ

    ミステリ→

    ↑現実的

    ↓幻想的

    初公開日(参考)1960年01月
    分類

    長編小説

    閲覧回数1,309回
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    旅人の首 (ハヤカワ・ミステリ 610)

    1960年11月30日 旅人の首 (ハヤカワ・ミステリ 610)

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    旅人の首の総合評価:7.50/10点レビュー 4件。-ランク


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    ※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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    No.4:
    (2pt)

    死体の出し方は良いんですが、それ以外はすごく後味わるかったです

    若い男女が川岸に平底船を付けた時、首なし死体が!
     …と、いう紹介文(アオリ)の通りに書いてくれてた方が、なんぼかサスペンスで面白かったのではないか?という悠長というかだらだらと長ったらしいイギリスの田舎の描写に、主人公素人探偵ナイジェル・ストレンジウェイ(変わった名前ですね。変道氏とでも訳すべきか)が、のちにこの小説の舞台になる邸宅ブラッシュ・メド―を訪ね、詩人とその俗物的な妻、居候をしている彫刻家とその娘、といった人物たちをいわば「読者にご紹介」する出だしから、河で出現した首なし死体の首(しかもその正体は不明なのでタイトル・ロール「旅人の首」というわけだ)が見事、あっと驚くところから出現する第一部、全260ページの最初の100ページは退屈かつ冗長、人物は魅力がなく(それは結末まで首尾一貫している)なんども読み止めようかと思うつまらなさ(ないし波長が合わなさ)で、タイトルとアオリでつい好奇心を出して読んでみた自分の軽挙妄動を猛省した。

     後半160ページはこの冗漫の欠陥は同じだが、それでも静止していた物語は、登場人物たちが過去をさらけ出されることによって解凍されるので、イギリス式のしぶいユーモアと、人間観察の手堅い安定によって読み進める滑らかさを獲得する。

     「つまりずいぶん大勢の女の人がこんな目にあっているのね…とにかく、年頃の女なら」
     もちろんそうさ、そして、これで前途有望な彫刻家ともおさらばだろうな、とナイジェルはものうげに目を閉じながら胸中で呟く(167ページ)

     (根幹に触れずに紹介すると)彫刻家の娘はかつて強姦されたことがあり、それが主人公(探偵)と話をするなかでトラウマになっていたその過去と対決し、心理学的というかセラピー的な心理的な人格の変容、成長を遂げるところは、個人的にはたいへん感動した。ここが謎解きよりもクライマックスだったかもしれない。

     とはいえこの結末は納得がいかない。犯人も暴露され、真相もあらわになるが(ならないとミステリではない)それが、そこまでするべきものか疑問を抱く展開だし、探偵が公式真相をどうすべきか苦悩する、というミステリにあるまじき逡巡ぶりで、お前は太宰治かといいたくなるほどの現実世界の優柔不断をエンタメのミステリに持ち込むのはどうかと思う(いくら英国ミステリが半分純文学みたいなものだとしてもだ)やはりQ,E,Dとほざいて高笑いする脳筋な爽快さがなくてはねえ。
     
     と言う訳で、物語はすっきりと構築されている(でも見せ方が下手なのと、登場人物がグダグダで好感が持てる魅力がないのと、描写が物語を停滞させるのと、進行が唐突かつ停留させるという、娯楽小説としては致命的な下手糞さがあるけど)のにも関わらず、これほど後味の悪いミステリはまれである。
     リアルではあるのかもしれない。だが、ミステリに求めているものは(少なくとも筆者は)爽快な解決による宇宙の秩序の回復であり(大袈裟だな)、イギリスミステリなら社会分析や人間観察を大人の知性で記載する成熟であり、そしてユーモアでそれを辛く表現する現実逃避だった。

     著者ニコラス・ブレイクはペンネームで、俗名セシル・ディ・ルイス(1904-1972)。英国の桂冠詩人、つまり王室御用達の詩人に任命されたのだから詩人としては最高の栄達を遂げたというべきだろう。なお、ハリウッド俳優ダニエル・ディ・ルイスはこのミステリ作家としてはいまいち、と筆者には思えるこの人物の令息にあたる。
     このミステリというにはやや壊れた結末を持つこの物語は、詩、という複雑怪奇な見方をする世界観がもたらしたものなのかもしれない。正直、この著者の物語はもう読まずにおいても良いかな、という読後感でした。個人の感想ですので、これが世紀の大傑作と看破する方もいらっしゃるでしょうから、そのういう方には申し訳ないのですが…。
     が、私には時間の無駄でした。
    旅人の首 (ハヤカワ・ミステリ 610)Amazon書評・レビュー:旅人の首 (ハヤカワ・ミステリ 610)より
    4150006105
    No.3:
    (5pt)

    本格推理小説を読んでいるという実感を味わえました

    詩人とその家族が住むカントリーハウスの周辺で発見された身元不明の首なし死体を扱った本作。
    とはいえ、やがて死体の身元も首の在処も明らかになります。

    しかし、読みどころは、事件の真相を追ってあれやこれやと推理を巡らす過程で、まさに圧巻の一言。
    ストーリー展開の起伏などではなく、推理という行為そのものがサスペンスを生みだしています。

    「ああ、自分は今、本格推理小説を読んでいるんだなあ」という実感にしみじみと浸ることができました。

    最後まで真相を隠し通す手腕もお見事としか言いようがありません。

    大変楽しめました。
    旅人の首 (ハヤカワ・ミステリ 610)Amazon書評・レビュー:旅人の首 (ハヤカワ・ミステリ 610)より
    4150006105
    No.2:
    (4pt)

    余韻深き結末のブレイク中期の佳作

    原題 Head of a Traveller (原著1949年刊行)
    舞台となるイングランド南部の寒村に立つ美しいカントリーハウスの克明な描写と登場人物の複雑な愛憎関係がフーダニットの興趣と不可欠に絡んだプロットが素晴らしいブレイク中期の佳作。探偵ストレンジウェイズがある決断を迫られる心の揺れを描いた結末が印象的。訳文が古めかしいのは致し方ないとはいえ残念で、丹念な心理描写は改訳の機会があれば再評価されるだろう。
    旅人の首 (ハヤカワ・ミステリ 610)Amazon書評・レビュー:旅人の首 (ハヤカワ・ミステリ 610)より
    4150006105
    No.1:
    (4pt)

    証拠の問題

    ブレイクの9作目の推理小説で、ナイジェル・ストレンジウェイズもちゃんと登場する。 首なし死体の発見、異常な状況での首の発見とグロテスクに始まるが、意外に叙情的で繊細な物語。死体の正体を探るうちに10年前のさまざまな事件が明らかになり、それが登場人物たちの人間関係を縛っていることに気付くストレンジウェイズ。犯人は明らかなのに、証拠がどうしても見つからない。そして最後に彼が下した決断とは…。 いかにもブレイク的なお話で、その逡巡と叙情性を楽しみたい方にはおすすめ。
    旅人の首 (ハヤカワ・ミステリ 610)Amazon書評・レビュー:旅人の首 (ハヤカワ・ミステリ 610)より
    4150006105



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