■スポンサードリンク
疑惑の霧
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
疑惑の霧の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全1件 1~1 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ロンドン名物の深い霧の中、一個の死体が横たわっている。撲殺された男の死体である。被害者を殺したのは七人の人物のいずれかに間違いないはずだが、彼らにはそれぞれの証言によりアリバイが成立して、殺害することは不可能なように思える。濃い霧が立ちこめていた事件当夜のロンドン。果たして、七人のうちの誰が(あるいは誰かと誰かが共謀した複数犯人説も捨てきれないのだが)ラウール・ヴェルネを殺したのか? 容疑者の身内として事件を調査していくコックリル警部だが、真相は五里霧中にすっぽりくるまれ、解決の糸口すらなかなか見えてこない。かなり期待して読んでいった本書だが、残念ながら、私はさほどの面白さは感じられなかった。事件当時の状況や容疑者間の心理模様など、ブランドが意図的にぼかして書いていたせいだろう、話の中を手さぐりしながらうろうろと進むような感じ。どうにも分かりづらい印象が拭えなかった。訳文の意味が掴みにくい箇所も多々あって、かなり戸惑ったり、いらいらしながら読んでいった。本書のミソは、ラストの記述によって、作中のある出来事がクローズアップされて読者の前に提示される、そこにあったんだろうと思う。このラストに、読者がどの程度の衝撃を味わうことができたか。それが、本書の評価の分かれ目となるのではないだろうか。私はこのラストに、期待していた切れ味を感じることができなかった。作者がラストに込めた意図は一応理解したつもりだが、それがすっと胸に届かなかったもどかしい思いのほうが強い。ブランドの『ジェゼベルの死』や「ジェミニー・クリケット事件」のような鋭い切れ味を期待して読むと、肩すかしを食らうかもしれない。訳文がかなり分かりづらかったこと、頁の両端の余白が少ないのが気になったことも加味して、辛口の評価となった。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!