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熱源
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熱源の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.07pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全101件 61~80 4/6ページ
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おもしろ! 北海道出身のせいもあり、夢中に最後まで。 オススメです!! | ||||
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この時節柄、家に篭っての読書に長編をと思い買い求め、只今読書中。ぐんぐん引き込まれて読み進めでいます。 | ||||
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日本・ロシアの2国の狭間で崩れていくアイヌを描いた小説。 誰のものでもなかった樺太(サハリン)がいつの間にか日本になり、ロシアになり、そして戦争の舞台となる。 アイヌたちはただそこで生きていただけなのに。 感染症や戦争によって命が奪われながらも、それでも前に進み生きていこうとする、まさに熱とも呼べるエネルギーがあれば人にはまだできることがある。 コロナで危機的状況にあるこんな時だからこそ、ダイレクトに胸に押しつけられるものがありました。 | ||||
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なにせ今コロナもだけど、 この実話な歴史でのこういう小説として描き、ましてや流行のウィルスと・・ しかし、アイヌやら樺太の歴史を知り、 そこに思想やら民族やら想いやら愛やら・・・ 今こそ読んでまた何かを感じる事できる相当テーマもいろいろあり、濃い内容の良書です! | ||||
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取材力の高さを感じました。恥ずかしいほど日本の歴史に疎いので、とても勉強になる部分が多くありました。テンポ良く読め、読書好きの知人にもオススメしました。 | ||||
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自分が何者なのか、どの様に生きるべきなのか考えさせられる、良い小説だと思います。 | ||||
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少数民族、先住民を踏みにじってはならない。軽蔑してもならない。 この民は劣っているのでもなければ遅れているのでもない。「未開」なのでもない。「人間」(ギリヤークの言葉では「ニグブン」、アイヌの言葉では「アイヌ」)だ。「同じ人間」なのではない。言葉も文化も歴史も状況も「違う」。ただし、生きる存在という意味では「同じ」。 この本は歴史物語であるが、思想書でもある。筋だけが気になり、ただ消費するだけの商品や娯楽ではない。 「俺たちアイヌは子供じゃないし、和人どもの望むようになってやる義理もない」(p.51)。 このセリフを一般化すれば、人は皆、子ども扱いされたり誰かの利益のために利用されてもならない、ということになろうか。けれども、これがアイヌと和人の関係で言われているから、思想になる。「俺たちアングロ系アメリカ人は子供じゃないし、先住民どもの望むようになってやる義理もない」なら、思想ではなく、反思想になってしまう。 「学校について、出てれば偉いとか行けないやつは出来が悪いなどとは、露も思わない。けれど、学校というものに希望を託し、未来を信じ、駆けずり回った大人たちをイペカラは知っている」(p.413)。 現状では、「同じ」はずの人間を「優」と「劣」に細分する教練所になっているが、学校は、在り様によっては、少なく踏み躙られる民の「希望」や「未来」になるはずだ。ここにも熱い思想がある。 ただし、物語は思想の道具でも器でもない。物語そのものが思想なのだ。 | ||||
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私も樺太生まれのためこの本に興味があった。 1歳位のため樺太の記憶はありませんが、 | ||||
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時代背景の描写が素晴らしくアイヌの人たちの素晴らしさ、民族を超えた人間性に感銘 | ||||
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とても面白く、一気に読むことができました。歴史上の実在した人物が登場してくるのでかえって興味深く感じました。 当時の時代を弱肉強食と表現していることにも素直に納得できました。世界史は大航海時代を経て列強の植民地支配時代に入っていたのは現実でした。武力の強い国・民族は弱い国・民族を植民地化し搾取する帝国主義の時代でした。日本は幕末の混乱を経て他国に侵略されるという危機感から明治政府としてまとまったのだと思います。 この小説はこのような帝国主義の時代を背景に、民族浄化されようとしたアイヌの人とポーランド人を主人公に物語が、史実に基づいて展開する形をとります。 19世紀から20世紀世界が最も混乱を極めた時代を背景に、サハリン、ロシア、ヨーロッパを舞台にスケールのでかい小説となっています 。日本の小説では稀有の存在です。 人は大きな時代の流れに逆らうことはできないのではないかと思います。差別や搾取や民族浄化のようなことは現在でも露骨ではないものの根強く社会にはあると思います。人として大事なことは、他を思いやる気もちや他を尊重する気持ちにあるのではないかと思います。自分のアイデンティティが大切なように他人のアイデンティティも大事にすることで世の中が平和で楽しくなるはずです。 この小説はいろいろ考えさせてくれるいい小説だったと思います。それに作者の目線は優しく善意に満ちているように感じました。 | ||||
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樺太を舞台の中心とした、翻弄されるアイヌの物語。 アイヌという民族は聞いたことがあっても実態は中々伝わっていない現実の中、主に日本とロシアに翻弄される島の人々。 その中でも己の存在を意識していく人たちを物語の中で際立たせて描いている良作。 史実をベースにしているので、分かりやすさと同時に知っておくべき内容メッセージが強い。 これをきっかけにアイヌをはじめとする民族への興味もわく本である。 | ||||
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樺太の先住民だったアイヌ人が文明という御旗を掲げて土足で踏み込んできた日本やロシアに人生を翻弄される。そこにポーランド独立を目指しながらも樺太に流された主人公のアイデンテテイが重なったストーリー構成に引き込まれました。民族とは、人間とはどうあるべきか、次から次へと襲ってくる試練の中で考えさせてくれる力作でした。 | ||||
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教科書では知り得ない日本の歴史、北海道開拓史やアイヌの文化、悲しみや感動の渦に震撼した❗️ | ||||
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樺太のアイヌ、樺太に流刑となったリトアニア人、日本人、ロシア人兵士…明治維新から日露戦争、そして敗戦へと向かっていく日本で、大きな流れに翻弄されながらも熱を秘めて生きる人達の人生が交差する。滅びゆく人々と言われ、「何者かであること」を強要され、それに抗いながらも、アイヌの誇りを世界に知らしめようとするヤヨマネクフの姿に心がかき乱される。 | ||||
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「弱ければ喰われ滅びる。だから我が国は強さを目ざした」 と大隈伯爵が語る。 「なかなか死ねないんですよ。そう悲観するもんじゃないと思いました。 生きていれば仲間がいれば何とかなる」 とヤヨマネクフはと答えた。 「俺たちはどんな世界でも適応して生きていく。俺たちはアイヌですから」 かつて同じ問いに、ポーランド人のブロニスワフも答えていた。 「(弱肉強食の)摂理の中で戦う」 「弱肉強食は自然の摂理である」と昔学校で習った。 読後、この絶対な真理が崩れた。 ただ、支配者を肯定する理屈と思える。 生きていく源は数多ある。 | ||||
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白瀬矗、金田一京助、二葉亭四迷といった有名人も出てくるが、無名のアイヌやポーランド人も実在の人物である。タイトルは、人間は熱くなれるものがないと生きられないという主張に由来するらしい。だが、いかなる希望も奪われ、ただ心を寒風が吹き抜けるばかりの人生でも、人は生きなくてはならないのだ。どんなことにも熱い気持ちを持てなくなった人のための文学も必要だろうとは思う。 いずれにせよ、歴史小説の分野に久々の大型新人が現れたと感じる。 | ||||
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幼いころ近所にアイヌの家族が住んでいました。アイヌ文化に想いをはせました。 | ||||
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歴史の一端に興味を抱いた | ||||
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実在の人物をモデルに、歴史的事実を、あるシンプルなテーマで物語化する。そうした作者の意図がしっかりと焦点を結んだ作品。その意味では会心の作と言っていいのではなかろうか。歴史を題材に取ることによる縛りを敢えて避けず、実在の人物と年代別のエポックと列強諸国の世界地勢図とをさらに抑えている。その意味でも、これはある意味快挙としか言いようのない作品だと思う。 北海道では、初の国立博物館ウポポイが今年白老に生まれる。その意味でも時宜を得た作品であり、虐げられ差別を浴びてきたアイヌ民族の歴史の中に見られる、民族の長所・美点・芸術性を、改めて世に知らしめこの民族に対する愛情を湧出させる力さえ感じ取ることのできる作品である。 作者・川越宗一は、大阪生まれの京都在住という純粋な関西人。夫人の希望で北海道旅行をした際にアイヌ民族博物館(ウポポイの前身)を訪れ、そこでアイヌ民族の研究者であるポーランド人、ブロニスワフ・ピウスツキの銅像に出くわしたことが本作創作の契機になったという。ブロニスワフはロシアの支配下にあった祖国から遠く樺太へ流され、契機終了後は獄舎からは出られるものの辺境に留め置かれるという条件下、樺太やウラジオストック、北海道などを歩き、アイヌ、ギリヤークなど北方民族の研究者となったらしい。 一方、アイヌ民族を代表する形では、山辺安之助ことヤヨマネクフが本書でのツイン・ヒーローの一角を担う。同時代の白瀬探検隊の一員として南極大陸の地を踏んだこのアイヌ人の生涯は、資料に乏しい分、作者の想像力の十分過ぎるくらいのフィールドとなったようだ。 そもそもどこの領土でもなかった樺太。日本が去りロシアの領土となったのが事の起こりである。アイヌ民族は、日本に移住し日本人として生きるか、樺太に残留しロシア国籍として生きるかを選択した。日本移住を選択したアイヌの移住先として描かれるのは、対雁(ツイシカリ)の地(何と、ぼくの住む石狩当別町内!)であり、さらに鰊漁場として群来が見られていた来札(我家から車で15分の石狩市!)への移住までが描写される。樺太からの移住の末、天然痘その他の流行り病が彼らを襲う。種痘などの治療法を嫌うアイヌ民族の中で感染者が続出し村が消失してゆく中、アイヌたちの一部は日本国籍を得たまま樺太に帰島する。 ポーランド流人ブロニスワフと、同化政策により日本人となったアイヌ民族ヤヨマネクスの人生を、交互に描きながら、その接点、彼らに関わる実在の有名人たちの物語がとても興味深い。政治家・大隈重信、南極探検隊長・白瀬矗、ユーカラ研究者・金田一京助、デカダンな人気作家・二葉亭四迷、ポーランド初代国家元首であるブロニスワフの実弟であるユゼフ・ビウスツキ。さらに、日本人とアイヌ人の混血で少年時代からの仲間であり、かつ本書で重要な役を果たす千徳太郎治は、『樺太アイヌ叢話』という書物を遺している実在の人物(巻末文献参照)。 本書では、アイヌに関わらず他の北方民族オロッコ(ウィルタ)も、ラストシーンで重要な役割を振られている。少数民族が連綿と残してきた命の火の尊さ。劣勢とされた民族の心や芸術の美しさ。作者が執拗に描こうとするこれらの描写こそが、純粋な感動を与えてくれる。主要な女たちの五弦琴(トンコリ)。そのきらきらと輝くような音色。多人種の人々が北方民族伝承の音楽や宴に魅了されてしまう辺りも、小説として重要なポイントであろう。 本書は、北海道での販売数が尋常ではないらしい。それは樺太が地理的に近いというだけではなく、共に生きる地域で、実在のアイヌ民族の血を引く方たちと平等に生きる地平にいながら、差別のあった過去への批評眼を我々も持ってゆかねばならないとする開拓者精神の遺伝子であるのかもしれない。その上、本年ウポポイが新たなアイヌ民族の歴史を伝える重要な拠点として北海道の地に改めて生まれることにより、共有される意識の高まりを示すものであるのかもしれない。 地理的にも時代的にも迎えられるべき作品。その意味で今、世に生まれ立ち、当然の結果としての直木賞受賞等、多くの評価を得たのが本書である。作者の創作に至る試走の十分さ。焦点とすべき事象の確かさ。登場人物たちの魅力。時代の荒々しさと対峙した滾るような生命力。どれをとっても第一級の娯楽作品であり、心に響く、命を宿した物語が完成したということなのだろう。 | ||||
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序章でテンポと流れがつかめるとすいすいと読めます。 樺太アイヌを中心として描かれますが、当時世界中にあった民族独立の運動の渦中にある人たちの気持ちを垣間見るような気持ちで読み進めました。 授業では項目的で、文字の名列でしかなかったポーランドや樺太の出来事が、そうだったのかもしれない近い事実のように感じられる作品だと思いました。 | ||||
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