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熱源
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熱源の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.07pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全101件 1~20 1/6ページ
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史実に基づく歴史小説。中央から離れた周辺地域を舞台にするのは他の作品と共通している。 死の描写も同様に生々しい。それを上書きするように生きる力は迫力がある。熱源とは命あるものが持つエネルギーのようなものか。それに火を灯す事で初めて前に向かって進む事ができるようになる。 サハリンもかつては日本人、ロシア人、アイヌが混じり合って生きていたのだ。そこに国家という中央の権力は国境という見えない線を引いて、意味のない分断を作ろうとする。 線を引く事が文明的であり、進歩的だというのは本当なのか。むしろ曖昧な国境という考え方こそが、現代に最も必要な知恵ではないだろうか。 | ||||
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小説とはいえ、史実を基にしているので、あいまいにしか知らなかったサハリン(樺太)での領土支配権のあらまし、そしてそこに元々住んでた人、後から来た人がそれぞれどんな人たちで、歴史というか戦争という領土争いの中で彼らが具体的にどのように影響を知れたのがよかった。テキストなんかで3行くらいで書かれていて、字面は追っても何も残らなかっただろうことが、登場人物たちを絡ませることでなるほどと頭に入って行く感じは脳が気持ちよかった。(いつまでこの記憶が残るかは別問題だがw) 元々大学で民俗学をかじり始めていたブロニスラフ・ピウツスキが、流刑地のサハリンで、土着の少数民族の生活をまさにフィールドワークを通して記し始めるところ、そしてどんどんのめりこんでいくところ、自分もそういう分野に元々興味を持っているので、彼が夢中になっていく気持ちとかすごく共感できた。その中でロシア人たちが入植してきて、村を燃やされたり、法的後ろ支えもなかったりして、その結果奥地へ居住地を移転させなくてはならなかったり、アイヌだけでなくこうやってマイノリティが排除されてったのもよく分かった。 400P超となかなか長い小説なので、正直流し読みになってしまった部分もあるけど、久々に読了満足間に浸れた小説だった。それにしても、アイヌの名前はロシア名よりなお覚えずらい。 | ||||
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アイヌを主人公やテーマにした小説は傑作が多いが、本書もまた傑作でした。小説とはいえきちんと取材をされて書かれていると感じました。 | ||||
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先住民や少数民のアイデンティティー、権利は日本で長らく剥奪され、無視されてきた。そうした厳しい環境の中で生きてきた人々にスボットを当て、その足跡を史実に基づいて辿り、さらに読みやすいエンタテイメントに仕上げた点が評価される。「北方領土」返還のための交渉でも、当事者として政府が認めているのは、日本から移住した元島民のみ。本来の住民であったアイヌやニブフなどは話し合いの席にもつけない。彼らこそが当事者なのに。この本は、こうした日本の原住民・少数民観、政策の歪みを見直すために少しでも風穴を開ける契機になったのではないかと思う。 | ||||
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中盤までは、文章の感じが変わったりして、複数の作家が描いているかのような違和感を感じた。しかし、話が面白く読み続けられた。後半は、勢いもあり考えさせられるところもあり、とても面白かった。 | ||||
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教科書で学ぶ歴史では、隅においやられがちな人々の事柄がすくいあげられ物語としてて描かれていく。様々な登場人物が語りて手として登場し、展開するのはそのためだ。少数民族と国家、アイデンティティーとは何か、そんなことを考える入口に立たせてくれる物語だ。 | ||||
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アイヌの闘いと歴史がわかりました。厳しさに耐え、守り抜くアイヌ文化は、今も息づいている。 | ||||
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日ロ対戦のさ中にあって、未開人との交流の中で日本人として、南極探検白瀬隊に参加して素晴らしい働きをして無事生還して、世界にその名を足跡を残した。その背景がものすごい。 | ||||
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色々と考えさせられる深い作品でした。 アイヌ文化に凄く興味深くなります。 | ||||
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学園ラブコメ映画が、恋の残り香すら忘れてしまった中年向けじゃなく 恋に恋する世代向けに作られているのと同様、 この小説も文明や少数民族のことをこれから考えたり知ろうとする層に向けられている。 物語も登場人物も対立構造もはっきりしているので、 そういう層にはとっつきやすい良書だと思う。 | ||||
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私に読書力がないのか、作者の書き方が分かり難いのか、45ページまで読んだところで、主人公らしき子供3人がいた(いる)場所がロシア本土なのか樺太なのか、そもそもアイヌ人なのか普段何語を話しているのか、ずっと不明なまま読み進めています。 日本にほぼ騙されてやって来た様だが、今立っている土地は北海道の今の稚内辺りなのか、樺太から来てどこなのか分からないから地を想像出来ない。そもそもその理解で合っているのかも分からない。出て来た喧嘩相手の日本人の親が江別村の者だと言う。江別とは今の札幌の隣だが、樺太から日本に渡ったのだからかなり道北だろうと思っていたのだが違うのか、舞台はどこなのか。石狩川というのだから、札幌近郊で当たりなのかも知れないが、樺太から渡った先が札幌、江別、岩見沢周辺?なのだろうか、凄く距離があると思う。対雁(ツイシカリ)という村にいるので石狩なんだろうとは暫くして思うが、それも当てずっぽうでしかない。 そういう分からなさはあり、読みながら土地を想像するタイプの私には難解ですが(私は北海道各地で働いて来た北海道通なので余計に混乱します)。それはさておき、三者(ロシア人、アイヌ人、日本人)が凛としていたり、頑としていたり、骨太であったりとその言動が本当に心に沁みる。まだまだ当初の本書を買った動機のポーランド人が出て来るのは相当先な様ですが、今にない人間の正しさ、正義を求める力、教える力などが私の背筋を伸ばしてくれる様で心して読んでいる、先人を尊敬して読んでいる。 そんな感覚になる読み物は素晴らしいに尽きます。これが文学というものか。感心してワクワクと読んでいる至福の時間です。 Ps.ただ1つ間違いだなと思えるのは、稚内から樺太が見えるという記述です。いかに樺太が大きくてもそれは無さそうです。私は稚内の沖に浮かぶ利尻島に数年働きましたが、その利尻山に1000mほど登って、翌日は雨が降る日にだけ、空気中の湿気が微細な玉の様になりレンズの役割をする。遠くのものが近くに見えます。それで辛うじて島影が見えるのですが、それとて樺太ではなくて、樺太のずっと手前にある小さな島なのです。だから海の上から樺太が見えるという本書の記述は昔々の空気が綺麗だった時を考えても、それはないなと思うのでした。野暮かなぁ。それほど実際は遠いという印象があります。 | ||||
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感動。とても考えさせられる良い本でした。 | ||||
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スペクタクルな長編であり、開拓とアイヌ、サハリンと日本の関係を、登場人物を通して魅せられる作品です。 | ||||
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アイヌと日本の物語です。 戦時中、翻弄されたアイヌの人々を描き出しています。 知らなかった歴史の一つを学んだ一冊です。 | ||||
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明治維新から第二次世界大戦終結までの樺太(サハリン)を舞台に、その島を故郷とする少数民族の人々の生き様を描きます。 サハリン→樺太→サハリンと100年足らずの間に2度も統治国が変わった地を故郷とするアイヌ、オロッコ、ギリヤークといった少数民族の人々は野蛮で無知な土人としてロシア人からも日本人からも蔑まれており、押し寄せる近代化の波に揉まれて彼ら自身も自分たちは劣った民族ではないかという疑念を抱えて葛藤しています。 しかし、彼らこそが樺太の地に最も適した風習に従って心豊かに生きている人々であることを、サハリンで刑に服するロシア系ポーランド人、ブロニスワフに見出されます。 -文明的な産業と文明を知る教育がギリヤークに必要と思えた。 だが、そのコツを得た時そこには誰が残るのだろうか… 近年「シェアリング」という言葉がキーワードになっています。 遠い将来、人々が所有という概念を捨てて土地の恵みを共有して生きる世界が再び訪れるかもしれません。 叶わぬ夢とは思いながら、どのような社会になるのかとても見たいです。 | ||||
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遠い国で起きている民族争い、近隣諸国によるアイヌが暮らす土地での争い、人間は愚かで悲しい生き物だと思いました。 世界では今でもあちこちで戦争が続いている。 この本の中で起きている苦しみ悲しみを繰り返してほしくないと思う。 知らなかった事を沢山勉強しました。 金田一さんの人柄も描かれています。 | ||||
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アイヌの文化に大変興味が湧いた。読み終わった後もしばらく余韻がありました。 | ||||
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この世はやはり弱肉強食、適者生存の摂理が普遍なのだろうか? 侵略者の権力、権威、文化に蹂躙され滅びゆく先住少数者民族(アイヌやオロッコの人達)、支配者の恣意、横暴により殺害され難民化する人々(かつてのポーランド)。本書はこのような弱き立場の人たちの抵抗、生き様をテーマとするが明るい希望が見いだせたとは言えない。未開の地、樺太を舞台とした着眼、構想は良かったが私には「熱源」という表題、結語がさほどぴったりとは来なかった。 | ||||
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あまり今まで知識が無かった、樺太に住む人々。厳しい自然と環境の中で生きた人たち。読んで良かったと思える一冊でした。 | ||||
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著者はおそらく多文化共生主義者なのだ。樺太のロシア人、アイヌ人、日本人の共生と、リトアニアのポーランド人とリトアニア人とロシア人の共生による繁栄を描いていて、ロシアの独裁、日本の軍国主義により壊されていく人種と文化の交差する地点の活力と豊かさを惜しむ気持ちが伝わってくる。 アイデンティティの問題に踏み込んでいる。自らの出自に対する愛着と自尊心、そして異なるアイデンティティを持つ者へのリスペクト、これがあるうちは豊かな交流が可能だ。自己のアイデンティティのみに固執して、他のアイデンティティを否定すればマイノリティには不利だ。 重層的な歴史のうねりと翻弄される人びとの生きた足跡を描き切った。日本人になろうとした少数民族は、ヤヨマネクフの懸念した通り、生き残っても文化、アイデンティティを喪失していくことになったのだ。 | ||||
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