■スポンサードリンク
心淋し川
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
心淋し川の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.21pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全57件 41~57 3/3ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
水が流れない濁った川近くに住む人々の暮らしを描いた江戸時代を舞台とした連作短編。 住民たちは日の当たる世界に生きる人達とはちょっと距離を置く、それぞれに訳ありな人々。 他人を詮索はしないが、それぞれが住人の事を少し気にしている様子がじんわりと伝わる。 生きることの辛さと同時に人のぬくもりを感じることが出来る。 著者の作風らしい穏やかな文章ながら、すっと心の内に入ってくるような作品であった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
心と書いて、うら、響きの中人と人の狭間に醸し出す彩と囀ずる叫び、渦巻く思いをページをめくる度に現れる、優しさに出逢える作品です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
金春屋ゴメスのシリーズでトリッキーな時代物を読み、すっかり魅了されていたものの、それ以後は熱心な読者ではなかった。今回直木賞受賞作として購入し、どこかで見た名前だなあと作者プロフィールを読んで思い出した。 本格江戸時代小説。連作短編で、底辺の庶民たちにスポットを当てた。運や才能にさして恵まれず、地道な努力だけでどうにか暮らしている人たちに寄り添った筆致だ。とりわけこの作家は、容色に恵まれない人たちを好んで登場させる。映画もドラマも小説も、ほとんどの作品では平均以上の容姿でさっそうと活躍する。娯楽である以上そうなるのが必然だが、いやいや目鼻立ちのパッとしない人だって残り半分いるじゃないの、というスタンスを提示してくれている。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
時代ものはあまり、読んだことがないのですが心に染みる作品でした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
短編集なのですが、江戸時代の千駄木の貧民街を舞台にしたファンタジー時代小説。登場人物がどれかの短編作品にダブっているので、長編とも言える読みやすい作品です | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
日本人の持つ“利他の心”或いは“人を想う心”を、上手いストーリー性で表現されており、ついつい読むふけってしまった作品で大変万満足。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
『心淋(うらさび)し川』(西條奈加著、集英社)は、江戸のうらぶれた長屋に暮らす人々の哀歓が滲む連作短篇集です。 「その川は止まったまま、流れることがない。たぶん溜め込んだ塵芥が、重過ぎるためだ。・・・岸辺の杭に身を寄せる藁屑や落葉は、夏を迎えて腐りはじめている。梅雨には川底から呻くような臭いが立つ」。「この千駄木町の一角は、心(うら)町と呼ばれていた。小さな川が流れていて、その両脇に立ち腐れたような長屋が四つ五つ固まっている」。ここに暮らす人々は、それぞれの重荷を背負っています。 「心淋し川」では、十九歳のちほの儚い恋が語られます。「縁談などというかしこまった形ではないものの、二、三は嫁入り話がもち込まれたこともあった。いずれも同じ土地の振り売りや薄給の雇人ばかりで、ちほの家に釣り合うのはそれくらいがせいぜいだ。家が貧しく、特に器量が良いわけでも秀でた才があるわけでもない。ここで手を打たねば、行き遅れるだけだと頭ではわかっている」。 「閨仏」は、四人の妾が同居する「六兵衛旦那の、ろくでなし長屋」が舞台です。「上は三十過ぎから、下は二十二まで、四人の女が同居して、もっとも年嵩にあたるのが、りきだった。・・・四人の女は、いずれも見目が良くなかった。歳も故郷も、背丈もからだつきもさまざまなのに、醜女の部類に入るという一点だけは同じなのである」。 「はじめましょ」では、ささやかな飯屋「四文屋」を営む与吾蔵が、捨てた女と思いがけない形で再会します。「互いに七年分、歳をとった。与吾蔵の四つ下だから、るいは三十四のはずだ。それでも昔よりきれいに見えた」。 「冬虫夏草」では、日本橋の大店の内儀だったが、今は落ちぶれている吉の、三十一歳になる息子に対する猫可愛がりぶりが描かれています。「嘘でも見栄でもない。吉の目は、幸せそうに微笑んでいた。『息子のため、富士之助のためなら、苦労とは思いません。それが母親というものです』。そこにいるのは、息子の我儘にふり回される哀れな母ではなかった。憑かれたように我が子に執着し、獰猛なまでに情という刃をかざす姿があった」。 「明けぬ里」は、根津遊郭の女郎上がりのようの物語です。「人の一生とは、生まれ落ちたその時から決まっているのだ。ようは強くそう思った。学なぞないから、小難しいことを考えたわけではない。ただ漠然と感じただけだ。貧乏な家、ぱっとしない顔立ち、並外れた気性の強さ。どれもが足枷となって、ようの足首に重くまとわりつく」。 「灰の男」では、この一角の差配(世話役)を務める茂十こと、元同心の久米茂左衛門の謎が明かされます。差配は、江戸を騒がせた野盗の頭、地虫の次郎吉に一人息子を殺された彼の、敵を探し求めるための仮の姿だったのです。「ひそかに後をつけ、千駄木町の片隅にある窪地に行き着いた。まるで江戸の掃き溜めのように、心寂れた町だった。『地虫め・・・こんなところに潜んでいたか』。日暮れを待たずに、夕刻には日が遮られる。地虫には似合いの、薄暗さを抱えた町だった」。 不細工な女たちや冴えない男たちが蠢く、「川底から呻くような臭いが立つ」場所なのに、いつの間にかどっぷりと馴染んでしまっている私に気づき、慌てています。こういう気分にさせられるとは、この作者は、間違いなく「才能あり」です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
其々の女性 みんな 掃きだめのような ところで 暮らしている。みんな美人じゃないのがよい。 良い意味で あきらめて暮らしているのがよい。助け合って暮らしているのがよい。生まれる年代。生まれる場所。 父も母も 自分の器量も何もかも 決まっているのだから。で、それぞれの章を 通じて 、 一貫して 登場する 2人の老男。 最後に この2人の話で バチッと終結。遡って 他も読んでみたい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
西條奈加さんの作品は初めて読みました。宮部みゆきさんの時代小説のようにほっこりした感じがワタシ好みでした。 個人的には、こういう小説はkindleより紙で読んだほうが更によかったかな。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
まるで落語の人情噺のように人生の舞台がひらひらと頭の中でまわりました それはとても小気味良く寂しく憂いがあり心の芯の部分に積もりました | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
直木賞受賞の報道を受けて、母のために購入しました。読みやすく楽しんでいます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
時代物は苦手だったので、構えてましたがとても面白いです。 短編集。恋愛物語。大人の恋愛。テンポ良し。 最高です。 映画のラブ・アクチュアリー、ノッティングヒルの恋人が好きな人にはオススメです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
最近、これはどうかな、と読み始めるも、文体がどうにも我慢できなかったり、厚みのない物語の予想がついてまた最後まで読む気になれず挫折、ほんとそんな繰り返しで、唯一の趣味とも言える読書なのに、歳だからかなあ、堪え性がなくなっちゃったのか、それともわがままになったのか、とひそかにじぶんにがっかりしたり。でもやっと久しぶりに読みたかった時代物に出逢えました。短編なのもよかったかな。でも全編心に染み入るお話でした。なんか、生きていく糧をほんの少しいただけたような。これから作者の他の作品も読んでみようかな。読書の楽しみが増えました。ありがとう。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この作者の小説はいつも一気に読んでしまう。引き込まれてしまう面白さ。 直木賞発表前だった為か書店になかったのでこちらで注文しました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
西條奈加さん、今まで読んだ本全部面白かったので、今回も読むの楽しみだった。 この前読んだ「猫の傀儡」と一緒で連作短編。 連作短編て良いよね。 ちょっとずつ繋がってたりして、何倍も楽しめる気がする。 今回のお話は『心淋し川』という題名にもあるように、ちょっと胸が苦しくなるような哀しみがあったり、そこから幸せが見えたりして色んな感情で所々涙ぐんだ。 読めて良かった。 西條さんの作品、まだ読んだことないのも読んでみたいな。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ここに登場する長屋は、人情に溢れ貧しいながらも助け合ってたくましく生きていく、という話しではなく、心淋し川という水の流れは滞り臭気も発するドブのような川沿いに住む人々が、日々の暮らしに汲々とし、生まれ育った環境を怨んでみたり、転落しやむなく棲みついてしまったり、悩み、苦しみ、いがみ合いながらも何かしらわずかな希望や喜びを求めて生きる人たちを描いた連作時代小説です。 「住めば都」という言葉にもあるように、そこがどんなに悪環境であろうとも、いったん住んでしまえば、その人たちにとっては住みやすく、精神的な安堵感が得られるところとなるもので、彼らはそんな心境でこの長屋を毎日見続け、泣いたり笑ったりしているのだろう。 「時代物はあまり・・・」という人にも私はおすすめできる作品だと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
芥川賞の方がアレだったので、口直しに読みました。こちらの方は、読んでよかった・・・人の心をこれほど丁寧かつ繊細に書く事ができる著者は「言葉で表現をする画家」なのではないか・・・と思わせるくらいの文章力です(まるで目の前で出来事が起きているよう!)。また、何気ない描写の上手さも見事!ネタバレになってしまうので詳しくは書けないのがくやしいです。一読の価値あり。著者の他の本も読んでみたくなりました。それにしても、本当に時代小説は良いですね。なんかホッとします、日本人の琴線に触れるのでしょうね。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!