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ブラフマンの埋葬
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ブラフマンの埋葬の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.95pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全11件 1~11 1/1ページ
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小さな名もない生き物に愛情をかけ育てたにも拘わらず女の言葉に負けてブラフマンへの注意を怠る男、呆気なく女の車で引かれて死んでしまうブラフマン、事故を起こしひき殺したにも拘わらず何も反応しない女のその冷酷さを表現する作家としてのものすごさを感じた。又、その女を受け入れる男の矛盾が受け入れ難く、墓を掘った碑文彫刻師だけが唯一、信じられる人間に思えた。兎に角、後味の悪い消化不良を起こしてしまった作品だった。 私は、「ことり」の世界の信じられる優しさが好きである。 | ||||
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童話のような感じもする不思議さがある。超自然的な何かがあるわけではないが。 薄い本で、行間も広いので、あっという間に読める。 急に話が終わる感じのエンディングだ。 | ||||
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読んでいると、曖昧模糊とした雰囲気に包まれる。頭の中に霧がかかったみたいな気分にさせられる。 どことなく優しい。 ブラフマンが可愛い。 登場人物の名前が出てこない小説はあまり読んだことがなく、新鮮だった。 心を安らがせたい時にまた読みたい。 | ||||
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「博士の愛した数式」を読んで小川洋子さんが好きになりました。 2冊目としてこの本を読んで・・・ 全体に淡々とさわやかな感じではあるものの 期待したような感動はありませんでした。 | ||||
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古い農家を改装して作られた「創作者の家」に集まる 芸術家たちと 彼らの世話をする管理人。 北を山に、南を海に、東を川に、西を沼に遮られた 時間が止まってしまったような場所で、 表情のない彼らは、まるで死人のようだ。 村の一番南側にある古代墓地で無造作に転がっている石棺。 埋葬人に引き上げてもらえず、海に流された人々の幽霊。 雑貨屋で買った見知らぬ家族が写っている変色した写真。 碑文彫刻。篠懸の枝に干してある染めたばかりの布。 暴走する車。 死で彩られた世界で、ブラフマン(謎)と名づけられた小動物だけが、 生き生きとして駆け回る。 感情を押し殺して、坦々として語る作者の生と死に対する 静かな思いが、読み終わった後にじわりじわりと押し寄せる。(70点) | ||||
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小川さんをはじめて知ったのは、ベタに博士の愛した数式からです 笑。 私の大好きな数学の先生が紹介してくだすったんですけど、なんというか、独特ですよね、この人の描く世界は。 でも、それが作家に求められているものなのでは、と思います。 私はこの人の描く世界が好きです。 この物語は、芸術家が集う創造の家、で働く僕と、ブラフマンの出会いと別れです。 名前が出てくるのは本当にブラフマンだけで、僕も、娘も、他の芸術家、誰一人として名前が出てきません。 ブラフマンが何なのか、についても明言されず、それが少しもどかしかったけれど、作品の味かなとも思います。 物語自体は単調で、たんたんと全てのことが流れていきます。 疲れたときに読む一冊としておすすめです。 | ||||
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物語の軸は、確かに「僕」と「ブラフマン」の純粋な愛情。しかし単なる動物との交流物語に陥ってはいないところが、小川洋子氏の小説世界。 深い悲しみも、絶望も、欲望も、葛藤も、およそ小説のテーマとなるような物語や感情は何ひとつ提示されない。登場人物の描写もひどく淡白でそっけない。 確信的とさえ思えるような描き方をすることで、淡々とした人々の営みと命の物語は逆に深く心を捉え、蝋燭の仄か光のように心を暖めてくれる。そして、小説を読む愉悦を思い出させてくれる。 | ||||
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淡々と進む物語に特に何が起こるわけでもない。自分にとってはレースの着ぐるみがとても切なかった。こういう視点が、行間の感情を深いモノにしている。 | ||||
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親子間に感じる本能的愛情というのが、主人公である「創作者の家」の管理人とブラフマンの間の関係なのだと思う。 ある日傷ついて迷い込んできた奇妙な森の生き物を主人公は保護し、ブラフマンという名を与え、それこそ親が子供を愛するように慈しむ。 彼の(決して聞き分けのいい子とはいえない)ブラフマンへの愛情はまさに無償の愛である。 この小説で何より素晴らしいのはブラフマンの感情表現の素晴らしさである。この世に存在しないだろう架空の動物の姿形、そして表情の変化それぞれが詳細に浮かび上がってくるような優れた表現力には脱帽した。 とにかくこの二人の暖かい関係、ブラフマンの悪戯に怒りを感じない主人公の寛容さ、に学ぶ点が多いと感じた小説であった。 | ||||
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「創作者の家」と呼ばれるそこには、夏の間さまざまな芸術家が創作のために集まってくる。その人たちの世話をする男のところに、ブラフマンはやって来た。それは、飼い主とペットという関係ではなかった。友情という固い絆で結ばれた者同士だった。心の奥に寂しさを抱えた男と、親にはぐれたブラフマン。お互いがお互いの寂しさを分かっていたような気がする。出会いがあれば別れがある。その当たり前のことが、とてもつらく感じられた。 | ||||
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前作がベストセラーになったことで今作を読んだ方も多いと思います。 ただ、前作しか読んだことのない方には多少拍子抜けの感が否めないのではないでしょうか。 この話には明らかにされないことがたくさんあります。例えばブラフマンはなんという動物なのか?とか。そのあたりを読者に委ねる所が小川さんらしいと思いました。 犬だという人もいますが、僕はフェレットみたいなイメージで読んでました。(どうでもいいことですが) これは手抜きではなくて、現実と架想の中間みたいな世界観を得意とする小川洋子ならではの手法です。読んでいるといつの間にかその世界に居る…。そんな感じでした。 そして毎日の日記を書くようにゆっくり読んでください。一気に読むのは物語が味気なく感じるように思います。結末は何となく後味悪いけど、それが動物と人間の関係なのかな、とも感じました。 色々考えずに読めばあっという間に読み終わります。でも僕は色々考えて読むとさらに面白い本だと思いました。 | ||||
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