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楽園とは探偵の不在なり
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楽園とは探偵の不在なりの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.11pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全38件 21~38 2/2ページ
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こんな話よく思いつくなと感心する。若い人の感性でなければ書けない話だと確信する。天使が実在し、どこにでも居て空中を浮遊している世界なんて。SFとミステリーが混在したような舞台設定である。 天使は二人以上を殺した人間を否応なく地獄に連れていくのに、連続殺人事件が起きる。あれ? そのパズルを解くのは確かに面白い。そして、提示された回答は複雑極まりない。 まあ、それはいい。けれど、私はもっと人間中心のドラマが読みたい。謎解きはあくまでその背景にあって、人間を理解するためのツールなのだと思うのだが。でも、若い人はこういうの好きだろう。かつて私がそうだったように。 276頁に「一、二も無く」とあるが、「一も二も無く」の間違いでは? 若くて有能なミステリー作家にはどうか日本語やその表現も磨いて欲しい。 | ||||
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特殊世界の下での本格ミステリというと、米澤穂信氏の「折れた竜骨」を思い出します。「折れた竜骨」が特殊世界で成り立つ論理を突き詰めることを目指したミステリといえることに対して、本書は今の世界から異なる論理で成り立つ世界に放り込まれた社会の変容を描くことに注力した作品といえるのではないでしょうか。 なので物語の主眼は、(異世界の論理を土台にした)事件の謎解きではなく、世界が変わっても変わらないものを見出そうという点にあるように思います。この意味において、探偵が不要になった時代、ということがアピールされている物語を通して、探偵役が何を見出すのか?という点が犯人当ての謎解きよりも、本書の読みどころだと思います。、 ミステリなんて、犯人を見つけたら終わりでしょ、と思っているような方にこそ読んでいただきたい一冊だと思います。 | ||||
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二人以上人を殺した者は、天使によって地獄に堕とされる。そんな世界では連続殺人は起こらないはずだったが、孤島に集まった客が次々と殺されていく。探偵の出番はあるのか。 超自然のルールが存在する世界のミステリである。残念ながら天使や地獄の設定にリアリティがなく、あまり魅力がない。理不尽な存在に対して「わからない、わからない」と言ってるだけでは、現実とあまり変わらないのではないか。この世界なりの論理による謎解きは、まあ普通に面白かった。最後の死者についての記述がいい加減すぎる。 どう考えても絶賛されるような作ではないと思うが。 | ||||
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2人以上を殺した人間は、天使によって地獄に送られる。 上記の設定や天使という存在は魅力的でした。 ただ、もう少しその設定を活かした(あるいは裏切った)事件だとより面白かったと思いますが、一気読みするぐらいには続きが気になる本でした。 ミステリというより、主人公の心境の変化や、どうやってそこに至るのか、を楽しむのであれば良いと思います。 (同作者がSFマガジンにて書いた『回樹』を考えれば、心情を描く方が得意なのかもしれないです。) テッド・チャンの『地獄とは神の不在なり』が着想点ということで、一変した世界やその不条理、その中でも生きていかなければならないということを描きたかったのかもしれませんが、もう一ひねりして欲しかったのが正直な所です。 上記の理由で☆3.4くらいなので、☆3としました。 | ||||
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特殊設定ミステリーは好きです。世界観を作り上げ、その中で事件がおこり、この設定だからこそ成り立つトリックあり。天使がいる設定にはのめり込めました。トリックに関しては予想通りの部分もあり、そこまでの驚きはなかったですが、この設定でまた別の話も見てみたいです。 | ||||
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一気読みする程度には面白かったです ライトノベルだと思えば☆4です。 ただ作者の他のタイトルも見ればわかりますが、オマージュばかりで芸がないです しかも相手が超一級のミステリばかりなのでこちらのレベルが悪い意味で際立ってしまう | ||||
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二人以上殺すと、“天使”によって地獄に堕とされる世界での孤島・密室 ミステリー小説 です。 言い換えると、 一人までは殺しても許される、殺人が謳歌する混沌の世の中が舞台です。 この制約こそが、物語のクライマックスで生きてきます。 ミステリーのどんでん返し部分や、トリックはあまり派手ではないので、そういったミステリーをお求めの方には違うかと。 私達の住む(とされる)世界に、突然やってきた“天使”は、まるで悪魔の形相で、 顔がのっぺりとした「表面」と砂糖を好む、という不思議な特徴があります。 ファンタジーのようでいて、読み進めると 「神の不在」を否が応でも想起させられる、強くて太い幹の通ったストーリーが通っていると実感します。 主人公・探偵の青岸焦が館の殺人事件を解決すべく活躍する「現在」と、 回想される、探偵事務所の仲間との「過去」が、同時進行で明かされていきます。 タイトルの意味を、主人公・探偵の青岸の心中を図るに 現し世の無慈悲さを感じずにはいられませんでした。 追記 館での登場人物達、皆それぞれの肩書等にまつわる名前が付いています。 例えば、「政崎→代議士」「報島→記者」「小間井→執事」 読んでいる最中に、人物を混乱しなくてすむ、という私には親切な小説でした(笑) | ||||
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二人以上殺害すれば地獄に引きずりこまれる世界で、連続殺人が発生するという設定が魅力的。 この世界ならではのトリックには驚かされた。最近読んだ本の中では一番面白かったように思う。 ただ物語にのめりこめたかというとそうでもなかった。読んでいるうちに過去編のキャラクターで違う話を読みたいという思いが強くなったせいかもしれない。 天使の設定がもっと詳細に書きこまれていたらなお良かった。 | ||||
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本格ミステリーなのに、読みやすい | ||||
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天使登場の設定はおもしろい。しかし、連続殺人のトリックが浅いし、出会いの偶然が多すぎる。杭を打つのだっていつどうやってやったんだか……。せめて、犯人の手が荒れてるとか探偵の気づきを入れないと、犯人の憎しみの深さが表現できないのでは。ありふれた表現や修飾語が多く、推敲してないのが感じ取れてしまう。誤植や言葉の間違いに引っかかってしまい、楽しめなかった。ミステリーってこんな感じのキャラクターが顔を揃えると盛り上がるよね、的な公式に当てはめて作られたよう。正義正義のオンパレードも安っぽい。 | ||||
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「二人以上の人間を殺害した者は天使によって地獄に堕とされる」という世界を舞台にした特殊設定ミステリ。 設定を提示した上で、きちんとそれに則った世界観と動機、トリック、テーマなどを展開しており、好感が持てた。 ただ、いささか見逃しがたい疑問もいくつかあり、どうにも評価が辛くなってしまった。 少々粗くはあるものの、意気込みは感じられる佳作。次回作にも期待したい。 ※以下ネタバレで疑問を。 ・ボートを海岸から発進させれば、いくら何でも繋がれていたロープには気づくのでは。いかに錨が原因とはいえ、船が前に進まないとなれば振り返りもするだろうし、そのときにピンと張ったロープに気づかないとは思えない。 ・「コルクに毒が含まれており、その欠片が落ちたワインを飲んだことで死に至った」というが、具体的にその毒とは何だろう(そんなごく微量で致死量に達する毒というとテトロドトキシンぐらいしか思いつかないが、その場合速やかに呼吸が止まるので当てはまらないし)。 | ||||
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テッド・チャンの「地獄とは神の不在なり」にインスパイアされたと聞いて読んだ。 2人殺すと天使によって地獄へ落とされる設定は面白いと思うけど、これはどっちかっていうとパクリ元のテッド・チャンの功績だと思う。 その設定にしても面白いのは字面だけで物語には活かせてない。 加えて登場人物の考え、信条、台詞がめちゃダサいし、全体的に人物について描写不足で言葉の使い方も間違いすぎてるからまともに読む気にならなかった。 人物にもドラマにも引きがないからミステリ部分もふーんって感じ。 おすすめしません。 ちなみに元になってる「地獄とは神の不在なり」の方は人間の苦悩と葛藤と悲劇をアイロニカルに描いた傑作なので是非読んでください。正義って言葉の使い方がわかります。本当は本作でもミステリでそういうことをやりたかったんだろうけど失敗ですね。 チャレンジ自体は評価したいので星1つです。 | ||||
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「二名以上を殺した場合は即時に地獄行き」という設定自体は決して悪くないが、このような特殊設定を設ける以上どこまで緻密なルールを設けるか、といったことがこういった作品では肝になるが、その点で本作はちょっと納得がいかない。 というのも、本作のルールはいってみれば「神が作ったルール」であって、その点、如何様にもアレンジが可能である反面、最低限の合理性/公平性は確保されてしかるべきと思うからである。 本作におけるトリック上、仕方がないといえばそれまでだが、例えば本ルールを適用すると「テロリストが仕込んだ爆弾の起爆スイッチを爆心地から離れた場所にそれとわからないように設置した場合、地獄行きとなるのはテロリストではなく、スイッチを踏んだ一般の通行人」ということになってしまう。したがってそんな世界では自ら手を下さずに人を殺すようなトラップが横行するに違いなく、かつ真の殺人者が(少なくとも「天使」からは)大手を振ってまかり通ることになり、むしろ犯罪数が激増する可能性すらあるがそんな事情は一切考慮されておらず、恐らく作者もそういった矛盾については気がついていないと思われる。(もちろん警察や司法による裁きがなくなったわけではないが、その点を言い出すと作品の世界観が滅茶苦茶になるだろう) さらに言えば、ここまで不合理なルールであれば、却ってこの世界では周知の事実であるはずで、その点を一切触れずにトリックに用いるなどはもはや「アンフェア」とすら言えるのではないだろうか。 その辺の不合理をできる限り作らないということがこういった特殊設定の難しさであるとは思うが、その辺がいい加減な作品は読む気にならない、というのもまた然りと感じられた作品である。 (2020年10月10日補記) 上記の矛盾点につき、一部解決する方法を思いついたので、忘れないうちにコメント欄に補記しました。 | ||||
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二人殺せば地獄行きの設定にも驚きましたが、人間がよく書けていることにも驚きました。 近頃の本格ミステリは登場人物が生き生きとしていてロジックも面白いことが特徴ですが、 この作者特有のエモさと丁寧なロジックがふんだんに詰め込まれています。 本格ミステリが好きなひとはこれを読むべきだと思います。面白いです。 | ||||
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全体を通して楽しく読めました。 しかしヒントの散りばめ方が割とあからさまで、結末自体もこみ入ってもいないのでミステリーとしては物足りないような気がしました 神父と牧師について既に指摘されていますが、デビュー作では銀行振込に関して間違いがありましたし、そういう細かい部分を丁寧にしてほしいなとは思います。ただ、作品を重ねる毎に面白くなっている作家さんなので、次作に期待という印象です。 | ||||
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解決編にとんでもない人名の間違いがあって、版元からお詫びが出たが。それに限らず、間違いが多すぎる。神父と牧師を間違えたりしているのは、校正の問題というより作者の問題だろう。特殊設定を売り物にしているのに、説明が足りないのは疑問。設定をきちんと考えてないのでは、と思ってしまう。他にも突っ込みどころが多々あるが、ネタバレになるかもしれないのでこの辺で。 クローズドサークル、館、孤島とか、流行りのものを詰め込んで売ってやろうという姿勢が嫌だ。 前評判がよかったので、期待して読んだのに残念だった。 | ||||
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2人以上の人間を殺すと天使によって地獄に落とされるようになった世界で起こる殺人事件を描くミステリ長編です。 1人殺すだけでは地獄には落ちず、2人以上殺せば地獄に引きずり込まれるということが明らかになったことで世界は大きく変容していくことになります。 | ||||
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天使が降臨し、2人以上を殺害するとほぼ例外なく地獄に引きずり込まれるという、設定が最高に面白いし、バッチリ推理の中で生かされておりかなり楽しめました。 一方で、社会秩序の変容のあり方など、もっともっと魅力的に書けるところもあると思うので、この設定を生かした続編を読みたいな! と強く思わせる作品でした。 | ||||
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