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壬生義士伝
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壬生義士伝の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.65pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全285件 221~240 12/15ページ
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映画もいいですが、私は原作を読むのが一番好きです。 愛情にはいろいろな表現・形がありますが、主人公の吉村貫一郎は家族のために脱藩という罪を犯して京へ登ります。 そして新撰組に入隊し、家族を養うために人を斬ります。 「おもさげねがんす(申し訳ありません)」といって人を斬ります。 脱藩する日の朝、吉村貫一郎は次のように語ります。 『ワシは生きんがために国をば捨てるが、お前たぢを捨つるわけではねぞ。・・・わしは一生懸命働いて、必ずや銭こば送るゆえ、しばし辛抱してけろ。母(かか)は奥の間で藁蒲団にくるまり、父は土間に座って頭ば下げたまま、互いに忍び泣くばかりの別ればいたした。 父はそのとき、はっきりと気づいたのよ。 ワシの主君は南部の御殿様ではねがった。御組頭様でもねがった。お前たぢこそが、わしの主君じゃとな。 何となれば、わしはお前たぢのためならば、いつ何時でも命を捨つることができたゆえ、さしたる覚悟もいらず、士道も大義もいらず、お前たぢに死ねと言われれば、父は喜んで命ば捨つることができたゆえ。 んだからお前たぢこそがわしの主君に違ぇねと思うた。』 これが真面目で正義感が強く優しい吉村貫一郎が人を斬ることができた唯一の理由だと思います。 この作品の長所であり短所でもあるのは、泣かせる場面が多すぎる、ということです。 泣かせるところが随所にあり、涙腺が緩みます。泣かせるばかりではなく大事なことを作者は語りかけているように思います。 この長編の中で、作者は登場人物の口を借りてさまざまなことを言います。そこに注意して読んでみるのもいいと思います。 | ||||
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物語は吉村貫一郎と関わりのある男達が、自らの幕末の人生とともに、吉村貫一郎との関わりを歯切れのいい語り口調で伝え聞かせるという形で構成されています。 「義とは、武士の踏むべき正しい道のことではない。人の踏むべき、人として歩まねばならぬ正しい道のことです。だから義を貫くのであれば、たとえ武士道をたがえても人の道を踏み誤ってはならない。」 「あの人、誰よりも強かったもの。それに、誰よりもやさしかったですよ。強くてやさしいのって、男の値打ちじゃないですか。」 「ひとかどの人物というのは、親しい仲でもこんなふうに互いの立場を斟酌するものなんだと思いました。」 『「…拙者は義のために戦ばせねばなり申さん。お相手いたす。」みんなが見ていたはずです。その時だけ風がやみ、はっきりと声が聞こえたように思えるのは、気のせいでしょうか。』 『「…わしは兄者ゆえ、腹などへりはせん。飯なぞ食わねでもえがんす。」喜一郎は、わずかかぞえの9つでござんした。』 「本物の男はあすこまで気迫を見せることはねえ。本当に力が入るのはね、てめえ自身の心に立ち向かうときなんだ。」 どれもかっこよすぎました。南部訛りもたまりません。この時代を生き抜いた人には、「生きる」ということ自体があまりにリアルだったと思います。その目で見ているからこそ、人の死の悲しみを知っていたと思います。それが強さにつながっている。 その象徴とも言うべき吉村貫一郎の生き方。私たちは到底及びません。だからこそ、あこがれ、鳥肌が立ちました。そして、吉村貫一郎の「義の心」を受ける志高き者達の必然たる大成。 学ぶべきものの多い作品でした。 | ||||
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これは、浅田次郎の映画にもなった 作品ですが、「燃えよ剣」の流れで 読んだら、もうやばかったです。泣きそうになって。 文武両道が完璧で、セコイ面もあるけど それ以上に良い性格の持ち主なんですが 可哀想なんですよ。この吉村貫一郎が。 映画を見たいんですが、泣きそうな自分が 既に出来上がってるんで、迷ってます。 新撰組が好きならば迷わず。 | ||||
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すごくよかったが、ちょっと長かった。 | ||||
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ゆっくりあじわって読んだが、ちょっと長いような。。。 | ||||
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実際の歴史と多少違うかもしれませんが、実話も含まれたストーリー展開で侍の時代の終わりに命を散らした新撰組の面々の思いが心に響きます。誰が正しく、誰が悪ではなく、一人一人が誠を信じて命を賭けて国の為また、家族の為に戦います。「勝てば官軍」嫌な言葉です。 昔から武道をやっているので、「武士道とは?」と考えさせられましたが壬生義士伝の中にも答えの一部があるような気がします。 やっぱり浅田先生はうまいですね。 | ||||
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浅田次郎のよさはたくさんあるが、その一つに登場人物の魅力がある。大作「蒼穹の昴」で好きなキャラをあげろ、と言われたら片手では足らない。しかし、浅田次郎、いや小説のキャラの中で一番好きなキャラを一人だけあげろ、と言われたら、迷わず「壬生義士伝の吉村貫一郎」と答える。とにかく吉村の愚直なまでの家族へのまっすぐな愛情は、何度も涙を流させる。最後の血の一滴まで家族に捧げた吉村の人生は、僕のこれからの人生の指針になることだろう。 また、この作品は数人の語りで物語が進行するという、とてもテクニカルな文体をとっている。そのため、時代が少し前後するが、まったく気にならない。それどころかこの文体は、物語に厚みを持たせることになっている。吉村貫一郎、もしくは息子の嘉一郎を多面的に描き、より魅力的に見せることに成功している。ほんとに、浅田次郎っていうひとは天才だ。 時代小説が好きな人は絶対に読んでほしい。ここには真の侍の姿がある。これを読んで後悔する人はまずいないだろう。 | ||||
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私の場合映画を観てから小説を買いました。 小説だと映画では読み取れなかった感情などがさらに分かりやすく映画を観てから読むのもいいなぁと思いました。小説を読みながら映画で観たシーンを思い出してまた感動したりしました。主人公は東北弁(盛岡のナマリ混じり)なので東北弁が分からない人はかえって小説を読んでから映画を観たほうがいいと思います。 この小説の主人公は今まで見てきた侍とは一味違います!!潔く死ぬよりも馬鹿にされても生きるほうが辛いけれど家族のためにあそこまで出来る人はいないと思います。 ぜひこの小説を読んでください!!そして映画のほうもぜひ観てください!!! | ||||
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貧困が故に盛岡の南部藩を脱藩して新撰組剣士となった吉村寛一郎の武士としての生き様、というかむしろ男の生き様、人間臭さ、悲哀が如実に描かれている。近藤勇、土方歳三、沖田総司、斉藤一といった新撰組の面々のキャラクターがまた面白い。取材スタイルでの話の展開は、賛否両論あると思うが、最初読みづらかったが慣れてくると複数の視点から一つのことを見られると同時に徐々に核心に迫っていく感じがして良かった。ただ、このアプローチは映画とかでは表現し難いと思う。浅田次郎の巧みな構成・テンポの良さに引き込まれ、上下巻一気に読んでしまい、最後の東大教授の話のところで涙してしまった。南部訛りが妙に心にしみる。女性読者は随所で男性読者は最後にぐっとこみ上げてきてしまう。今度、盛岡の人にお会いしたら泣いてしまうかも知れない。男たる者、家族を持ったらかく生きるべし。そんなことを教わったような気がする。おまけとしては原敬や済生学舎のことも勉強になった。歴史物好きな方嫌いな方問わずお薦めの一冊。 | ||||
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時代の大きなうねりの中、人はどう生きていくべきか?死ぬことにも生きていくことにも、理由がなければならないのだろうか?おのれの信念のため戦う者、おのれの信念を捨て戦う者。激動の時代と呼ばれた幕末から明治。新たな扉を開くために、どれほど多くの人の血が流れたことか。そしてどれほど多くの人が涙を流したことか。読んでいて胸が痛くなるほど切なかった。吉村貫一郎と家族、そしてそれを取り巻く人々。彼らの目に、はたして今の日本はどのように映るのだろう。 | ||||
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愛する妻子を残し南部藩から京都の新撰組にやってきた、まったく無名だが、学問と剣にはむちゃくちゃ強い吉村貫一郎とその家族の物語です。家内の実家盛岡の帰省と時期が重なって読んだからかもしれないけど、盛岡人の人情や、家族愛の描写が最高。電車の中で涙が出ないように目を見開いて読んでました。泣かす。 | ||||
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時代劇などに全く興味もなく、ましてや友達に薦められてこの本を手にした時の本のタイトルからして最後まで読みとおせる自信もなかった私ですが、南部訛にようやく慣れた上巻の後半から引き込まれるように読み続けて一気に読み終えちゃいましたね。何度も涙を流していました。読み終わったときはとてもすっきりして癒されていたような気がします。おもさげなござんす(笑)。 | ||||
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脱藩してまでお金を稼ぐことに没頭したのはなぜか? 学問や武術の腕が秀でているのに、恵まれない境遇で 生き、新撰組とともに悲しい末路をたどる吉村貫一郎が 多くの登場人物(斎藤一や、息子の友人等)の語りで 人物像や境遇が明かされていく過程で悲しく、むなしい 思いにとらわれます。苦労する人ほど幸せになって ほしいのに・・・ 映画を始めに観てから、興味を持ってこの小説を読み始めましたが、 吉村貫一郎が祖国や家族に思いを馳せるシーンというのは 何度読んでも泣けます。 剣の達人で、頭もよく、周りの人に優しいけれど、 身なりがみすぼらしくて、守銭奴だという部分のギャップが 今までの物語の主役になる武士や新撰組にないイメージで この小説の中の聞き手と同じように、吉村がどういう生き方を したかを解き明かしていきたい、理解したいと思いながら 読むことができました。 | ||||
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感動した。そりゃ感動したぜ。でも、架空の人物を作ってまでしてここまで「お涙頂戴きん」を狙うもんか、と少し鼻についた。この作家は他の本を読んだことないが、他の本もこんな感じか?あと、何かに連載されてたのでしょうか。妙にクドクドと長い部分がある。上下巻と連続して読むと違和感がある。妙に間延びしている部分がある。総じて、最高!映画も泣くらしいので見てみようと思う。 | ||||
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新選組の中でただ一人、庶民の心を失わなかった隊士・吉村貫一郎の生涯をゆかりの人物たちが語るという形の歴史小説。 上巻ではそうでもなかったのですが、下巻では何度あつい涙を流したかわかりません。 ≪脱藩は武士の罪じゃが、わが子を飢えで死なすのは人としての罪≫ こんな志を持っていた隊士は他にいたのでしょうか。 彼は「新選組隊士」「武士」である前に「父親」だった。 戦いに用いるのが刀ではなくなっただけで、今も昔も父親とは家族を命がけで守るもの、ということに変わりはありません。 この本は家族を持つお父さんたちに読んでほしいです。 本来の父親の姿が、ここにはあると思います。 | ||||
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泣かずに最後まで読むことは不可能です。 日本人として、武士として、努力の人であり、家族を愛し、故郷を愛し、そして無残な死を迎えた吉村貫一郎とその家族に感動を覚えます。 読んだら「石割桜」や盛岡の景色を感じに旅に出たくなります。 小説って本当にいいですね。 | ||||
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10時間ドラマ・小説・映画…作りが違えば別物といえど、 同じストーリーを3回みて3回とも号泣です。 時代小説として・新撰組を扱った小説として この作品がいかに秀逸であるかのレビューは 既に多くのみなさんが書かれているようなので別の視点から感想を。 ぐっと来た一番の理由は、「吉村貫一の父親っぷり」です。 ただひたすらに家族のために。 その貫一が、私には長いこと単身赴任で頑張っている父の姿に重なり 感謝の気持ちで胸がいっぱいになりました。 一緒に見た父は父で、遠い故郷に家族を残して過ごした十数年間を思い出たのでしょう。 親子で、夫婦で、兄弟で、友人同士で、お互いを深く想い合う心情が巧みに描かれていて、 周りの人を大切に想う気持ちを再確認できる作品です。 だけど、それだけで終わらないところがさすがの浅田次郎です。 「生きたいから人を斬る」はずの貫一は、義を貫くことを選び死んでいきます。 家族の為に生き続けたい、死にたくない。そのために人も斬る。 だけど、譲れないものがある。 現代に生きる私たちの多くは、信じるもの・何があっても貫き通す信念を持っていません。 だからこそ、貫一の生き方が強く胸を打つのでしょう。 厚くて読むのは大変と思うでしょうが、構成の巧みさ・テンポの良さ・ エピソードのせつなさに引き込まれ、読み始めると止まりません。 それもそのはず、作者は【泣かせの浅田次郎】という異名をとっています。 作品は他に「天国までの100マイル」「鉄道屋」などなど… 作品レベルも推して知るべし!!ですね。 | ||||
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電車の中で思わず泣いてしまいました。 新撰組ものはいろいろあるけれどこれはまた違う視点で幕末をとらえられる作品ではないでしょうか。 内容はみなさん語っておられるように 吉村貫一郎という一隊士の生涯をつづったものです。 幕末というと志士たちの活躍が目立つものですが底辺の人たち、 武士階級の底を支えていた人たちの本音が聞こえてきます。 関係者の語り口調で物語が展開されていくので幕末だけでなく大正にかけての庶民の生活もそこはかとなく伝わります。 それがまた江戸と維新後のギャップとなって貫一郎の生きざまを印象付けているようです。 作者の人を見る目の温かさ、鋭さ、岩手の情景の描写もすぐれており、 東北人の心の温かさも伝えてくれます。 とにかく我をわすれて読んで泣いてしまいました。 ブームになっていたころは見向きもしなかったのですが・・・。 いい話です。 | ||||
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本書は面白い趣向になっています。聞き手(誰であるかは特定されていない)が、主人公ゆかりのある人たちを訪ね歩き、個々の一人称語りという体裁で物語が紡がれていくのです。そして幕間に主人公の最期を前にした回想が挿入されます。語ってくれる人たちそれぞれ、主観を交え、自分だけが知っている話を持っているため、ひとりの人物、ないし事件が多角的に浮き彫りにされて行く故、小説に深みを与えると共に事の真相が明らかになり涙するのです。脱藩して新撰組に入隊したサムライ、そして彼の血をしかと受け継いだ長男。「義」とはなんだ。「本物の男」とはなんだ。ひしひしと胸にせまり涙腺がゆるみました。浅田次郎の新作「輪違屋糸里」(文藝春秋)も新撰組を扱っていますが、描かれる時期が異なるため、両方読んでみられるのも乙なものか、と思います。 | ||||
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余計なことは一切構わず読み進みました。 感想を書き留めたり心にとどめることもなく、ただひたすらに読みました。 だから読み終わった今も、想いが言葉に繋がらずまとまらないんです。 途中何度も何度も涙ぐみました。思い出しただけでも胸が熱くこみ上げてくるようです。 吉村貫一郎は、庶民の代表なのでしょうか?武士のあるべき姿だったのでしょうか? 彼は彼にできる限りの精一杯を義に尽くしました。 その義とは家族を守り養うこと。 それは本音を隠し建て前で生きる武士の中では守銭奴と呼ばれるあさましい行為。 でも私には彼が真の武士=男に思えてなりません。 今の世であれば当たり前であり、ここまでできる彼は天晴れというでしょう。 生きる時代が悪かったといえばそれまででしょうが・・・・・。 ここまで女房に惚れ抜いて、一途に家族のために責任を果たす彼は素晴らしいです。 果たして今の世にここまで責任をもって生きる男はいますでしょうか。 貫一郎の長男嘉一郎もまた、父親と同じく哀しい運命をたどります。 決して本音を漏らさずにきた嘉一郎の最後の最期に聞けた本音は、 子を持つ親としてはなんともたまらない想いです。 激動の幕末の時代にそれぞれが精一杯に生きた混沌の世を経て、 吉村貫一郎が盛岡に帰るラストでなぜか報われた思いを残して物語は終わります。 個人の時代といわれる現代だけど、 家族を守るという義をおろそかにしてはいけないと思いました。 | ||||
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