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煙で描いた肖像画
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煙で描いた肖像画の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全10件 1~10 1/1ページ
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最初の3分の2くらいは、男女交互のパートで、男のパートである時点の女の姿を描き、女のパートでなぜそのようになったかを説明するという作りで、それぞれの内面も描写されています。 最期の3分の1は、男の視点のみになりますが、すべて読み終わった後は、ここで語られない女の側の心情はどうだったかと語られない物語を考えさせられるのではないでしょうか。 物語をあらすじにまとめれば、今となっては他にも書かれたようなものかもしれませんが、女の半生を描いた過去パート(男女別々に語られるパート)で女の心情が描かれたことで、語られない物語への関心を掻き立てられるのではないでしょうか。 また、最終ページのあとの二人がどのような人生を送るのか、その物語も考えたくなる小説です。 | ||||
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男が偶然目にしたとある女の10年前の写真。その時から女は男にとって運命のひととなった。一目惚れした女の行方をひたすら捜す男と、その女の視点から彼女の歩んできた人生が交互に語られる。 男はまるっきるストーカーだが、女の方は自身の欲望を叶えるために手段をえらばない毒婦。 名前を変え、前歴を隠して居所を転々とする女。切れそうなつながりを懸命に手繰り寄せる男。さてさて、二人が出逢ってどうなるか?が最大の見所だ。 運命の女=ファム・ファタルものでお約束のオチではあるものの、お話しのもっていき方が優れている。 | ||||
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冒頭から淡々と静かに物語は進んでいく。いわゆる掴みが巧いので、読者はそれに引っ張られていくのだ。ラスト近くなって、俄然面白くなり、残り頁が愛しくなってきた。 ふとしたきっかけで見た写真の美少女は、10年前話しをする事もなく別れた女性だった。青年の物語と交互に語られる悪女の物語が凄い。少しの手がかりから、やがて現在の彼女の在処を突き止めて行く。そしてそれから――。サスペンスたっぷりの展開は何処へ落ち着くのか。シチュエーションが素晴らしい。 | ||||
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同じ作者の『歯と爪』と同じ構成。 すらすら興味深く読める。 だがやはり結末が普通すぎる。 2作とも同じ感想をもった。 他の作品もこうなのか? | ||||
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悪女ものの名作、アルレーの"わらの女"、アイリッシュの"暗闇のワルツ"も 良かったけれど、悪女ものではこの作品が一番と思う。なぜなら前者は玉の輿 のお膳立てに乗っただけ、後者はただ単に贅沢好きの女。どちらも男頼りの 他力本願的なところが魅力に欠ける。 だが、この作品の主人公は自力で男を踏み台にのし上がって行く、頭脳も 実行力も持ち合わせているところが共感がもてるし、現代的でカッコイイ。 | ||||
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探す男と 捜されてることを知らない女。 時間差で 男の話 女の話が進んでいきます。 出会ったこともない女に恋をしてしまう男。 探す男は やっとのことで その女と出会うことができますが・・・・。 当然 男は 自分の理想とする女を作り上げてしまいます。 恋をしてしまうのですから。 後半の恐ろしさ。 上り詰めたジェットコースターが急降下する あのスリルを味わえました。 | ||||
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「歯と爪」で、本格派推理小説並の鮮やかな大トリックを披露してみせたバリンジャーが、ここでは、それとは全く毛色の異なる傑作サスペンス小説を仕上げている。 今、「傑作サスペンス」と書き、実際に、この本の帯でも、講談社の文庫情報誌「IN・POCKET」の「作家が選んだ文庫翻訳ミステリー・ベストテン」(2002年)の第3位に入った作品と紹介されてはいるのだが、実は、この小説には、ミステリの要素は全くないし、サスペンスの要素も、さしてあるわけではない。にもかかわらず、私は、この作品が傑作であることに、全面的に同意するのである。本書の巻末に、ミステリ作家ブレット・ハリディの寄稿文が紹介されており、そこで彼が、バリンジャーの作品を、「サスペンス小説であるまえに、まず小説である」と書いているのだが、名言であり、その言葉に最もふさわしく、かなり出来の良い一般小説でもある作品が、この「煙で描いた肖像画」だと思うのだ。 この作品は、あるきっかけから、10年前に一度だけ出会い、言葉も交わしたことのない、信じられないほど美しい娘の写真入りの新聞記事を見た青年が、好奇心を抑えきれず、調査に乗り出すところから始まる。わずかな手掛かりを頼りに、一歩一歩、美女の足跡を辿っていく青年の調査の過程と、純粋無垢な青年が思い描いていたのとは異なる美女の実生活が交互に描かれるという、この作家が得意とするカットバック手法で描かれる物語は、派手なサスペンスはないにもかかわらず、読む者の好奇心をも捉えて離さず、一気に読ませてしまうだけの小説としての力を持っている。地道な調査の行き着く先で二人が交わったとき、どんな結末を迎えるのかも、必見だ。 「歯と爪」といい、この作品といい、この作家は、只者ではない。同じカットバック手法で描いた「消された時間」は、現在、絶版となっているのだが、ぜひ、早期の再版を望みたいものだ。 | ||||
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ミステリーファンを自称する人なら絶対に読んでおかないといけないのがバリンジャーだと思います。結局誰が死んだの?という「歯と爪」も凄かったけど、また全然違う意味で、こんな完全犯罪って・・・と、唖然としてしまいます。見事です。実際に起きた事件で、迷宮入りになっちゃうものや、色々な世の中の7不思議的な事件って実はこういうことだったのかもしれませんね。とにかくpage turnerです、どんどんめくってしまいます。どうぞ、楽しんで、驚いて下さい。男のピュアネスを描きたかったと作家本人も言っていますが、男ってのは、好みの外見を持った女に、感情をはさまずにかかわれないんだな。果たしてそれがピュアネスか、単なる勝手かは、置いといて。 | ||||
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集金代行業、要は借金の取り立て屋などというちょっと乱暴な仕事をしているワリには、とても純で、一度見ただけの娘をなんとか探し出そうとする青年の調査と、その「憧れの君」である娘の生い立ちとが交互に語られていきます。この二人、片や神聖視するほど理想化し、ほとんど病気、憑かれたように女を探し回る男と、片や自分の持っているもの全て、時には体を使ってまで冨と権力を得ようとする女、あまりにも違う立場と生き方が、イヤが上にもサスペンスを盛り上げていきます。そして終盤、二人に待ち受けていた運命とは・・・。病的とはいえ、ある意味純粋だっただけに男の悲痛さと絶望感、それにも増して女の怖さがとても伝わってきます。女性って、強くて怖いなあ・・・。 | ||||
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あまり恵まれない家庭環境を抜け出し、自身の美貌と努力でお金を手に入れていく女性と、その女性の美しさに一目惚れし、彼女を追い続ける男性の話。何人もの男性を掌で転がして進んでいく女性に、結局この男性も騙されて都合良く使われてしまうのですねぇ。しかし、本人は窮地に陥るまで気づけない。むむ。なかなか面白いですよ(^^) | ||||
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