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囮弁護士
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囮弁護士の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全5件 1~5 1/1ページ
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リーガルサスペンスの傑作は枚挙に暇がない。殊に世界一の訴訟王国アメリカに於いては。 物語の主幹は賄賂を受け取っている上位裁判所判事達とそれらを狡猾に操る黒幕の立件。 罪の免責軽減を条件に悪徳弁護士を捜査陣側に抱き込み、囮にして架空の事件をでっち上げFBI指揮の下に証拠固めを始める・・・ 最新機器を用いた盗聴、監視等、科学捜査の一面と登場人物が出揃うまでの前半は冗長でここまでは割と良くあるストーリーだが この小説が傑出している点は登場人物達を勧善懲悪に選り分けず人間の持つ多面性を友人関係、共生関係と絡ませ終始揺れ続ける中に描写している事にある。 現在の各々の立場や姿はどのような経緯で至ったかといった要因とその前後にあるドラマを複雑に交錯させ、 内面の葛藤や心理描写も巧みに用いている為にミステリとしても読み応えがある。 反面、文体が難解な箇所もあって読み辛くセリフの意味や人物相関が時に分からなくなり 一度戻ってから読み返す事を繰り返したので読了に時間を要した。 劇的な展開を迎え物語は収束するが、個々に訪れた運命と身の処し方には一考するものがある。 大衆的と純文学的なものを併せ持つ作家だと、S・トゥロー自身があとがきで述べているが、今作は正にその融合である。 | ||||
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囮弁護士のロビー弁護士、最高にすばらしい。口がうまくて女を喜ばせるのが上手でとことん浮気者で、そういうタイプの中年男の魅力が手にとるようだ。 ヒロインはまじめすぎるFBI捜査官。彼女の成長物語でもある。 ロビー弁護士が母を語るP226が好きだ。タイトスカートにハイヒールで近所の男どもをふりかえらせる若き日の母、しがない売り子の帰り道の楽しみ、芝刈り機の手をとめて、男どもがじっくりと眺めてうなる。「母にはそれがこたえられなかったんだ」 ロビーの母への理解はすべての悪行を償ってあまりある。 作者のトゥローは死刑反対の知性派弁護士。 | ||||
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『囮弁護士』とは、文字通り、FBIの『囮』となって不正な収賄をおこなう判事や裁判所の職員をひっかける役目のことをいう。そんな囮になる弁護士だから、もちろんロクなもんではない。事実ロビーは、嘘つきで、みえっぱりで、徹底的に不実な男である。しかし、愛に満ちたこの男を、FBIの捜査官は憎めない。読者である私も彼を愛さずにはいられなくなる。登場人物は、それぞれ、まったく性格も利害もことなる友人の弁護士、FBIの捜査官、やり手の検事の三者の人生と家族たちが絡みあい、単なる法廷サスペンスを突き抜けた、矛盾に満ちた人間そのものを描いたドラマになっている。どの人物もキャラがたって見事だが、やはり主人公の造形はすばらしいと思った。誠実であるがゆえに、裏切ってしまう人間を、トゥローの奥深く一級のユーモアで描いた筆致は見事。余韻も深く、長く残りました。 | ||||
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トゥローはル・カレのようだ。かたやスパイ小説を文学としてしまい、そしてトゥローはリーガルサスペンスを文学にしてしまった。トゥローの辿り着いた最高峰がこの作品である。ここでは、ある弁護士のトホホな生態が描かれる。その実態が暴かれるたびに「えっ?」という苦笑いとともに本を読む手が止まり、そこまでのストーリーを反芻してしまう。そいうえば、ル・カレもスパイの(他人の郵便箱を覗いたりといった)トホホな生態を描いていた。現実世界というのはこの程度のもの、改めて再確認してしまう。 | ||||
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文学作品と娯楽作品の両方の要素を持つ、とんでもなく刺激的な本だと思う。この筆力にして、しかも読む者をあっといわせる展開。すごすぎる。 | ||||
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