われらが父たちの掟
- 法廷サスペンス (18)
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点5.50pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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トゥロー氏の小説は割と気に入っていたのですが | ||||
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今回の主題は裁判そのものになく、起きた事件そのものは過去友人同士だった者たちが再び邂逅する単なる舞台設定に過ぎない(とは云え、裁判の丁々発止のやり取りが非常に面白いのも事実。本作が7点なのはそこに起因する)。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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40代後半になりある程度の社会的地位を得た嘗ての顔馴染み達が(判事、弁護側、ジャーナリスト、容疑者、加害者)として法廷で争うという内容に、彼等の学生運動時代の回想と親世代の出自から確執をからめて物語は進んで行く。 司法関係に籍を置きながら小説の執筆を行っているアメリカ人作家は多いが、現在の物語と並行して60年代の追想を描くというのも多い。 スティ―ヴン・ハンター、マイクル・コナリー、リチャード・ノース・パタースン等・・・ 彼等の小説の中では60年代=ベトナムでありそこで体験した事が現在進行形の物語の中で重要な要素になるのだが、この小説では従軍せず戦争を忌避した立場の人間が描かれている。アメリカ版団塊の世代、反体制の側で戦っていた登場人物達の日常~25年経過の現在、時の経過と共に変化したそれぞれの人生(結婚、出産、離婚、肉親との死別)は各々の思想や生き方に醸成と変革を齎すがミステリ的な要素も法廷劇の醍醐味も殆ど感じられず時の経過を跨いだ男女間の痴情的なエピソードを延々と読まされた印象。特にソニーとセスの件は冗長でうんざりした。4作目という事で実験的な試みをしたのかもしれないが尻切れトンボの公判とくどい文章に疲れ、濃密な人間ドラマと言えば聞こえはいいが上下巻にする意味が果してあったのか? 事件の真相と結果さえ、精読しないと分かり辛いのだがそこに何らかのカタルシスを得るこの作家特有の読後感は今回感じられなかった。 長い物語を読んだ唯一の収穫はセスの父親のバックボーンは出自に於ける変遷にあり、彼の死後セスとホビーが葬儀で捧げた頌徳文内容が圧巻で心に響いた。 | ||||
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最近、「有罪答弁」を読みとても面白かったので本書を読む気になった。文学性が高いとの評判なのでかなり期待していた。昔読んだ「推定無罪」も相当良かった。 が、本書はちょっと読んでみてかなりの違和感を覚えた。自分の知っているトゥローと違う。作者を間違えたかとさえ思ってしまった。 とにかく文章がひどい。冒頭からブチかましてくれている。 「ここは水のあるとこらからは何マイルも離れているにもかかわらず、空気は塩分を含んでいる」 はい???これは高校入試の英文和訳の答案用紙ですか? 以下、緊迫感を削ぐだらだらとした描写が続きまったく作品に入っていけない。言葉の端々がいちいち引っかかるのだ。 「もう手遅れだぜ」というセリフがあり素人芝居を見ているようなドッチラケの気分になり、「ほんとに手遅れだ」とつぶやき読むのをやめる。 表紙を見て訳者が変わっているのにようやく気づく。それで納得がいった。 それにしても翻訳が変わるとここまで違うのか、と驚嘆する。いくら作品の文学性が高くても訳者に文学性が無ければどうしようもない。 それにしても上田公子訳の「有罪答弁」は良かった。ツッコミどころはまるでなく、濃密で無駄がなく、スラスラ読めて、すんなり作品に入っていけた。登場人物はベテラン俳優のように味があり、憎いセリフを吐く。「推定無罪」にも共通しているが、何より語り口にペシミステックな情感が漂っているのが魅力だった。 トゥローの名誉のため星5をつけた。彼はこんなつまらない作家ではない。最近の作品を読んでおもしろくなかった方、是非上田公子訳の他の作品を読んで欲しい。全然違う。絶対面白い。 彼女の訳でこの作品を読みたかったが調べたらすでに御他界されていた。謹んでご冥福をお祈り致します。 | ||||
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