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カリ・モーラ
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カリ・モーラの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点2.78pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全12件 1~12 1/1ページ
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「羊たちの沈黙」のトマス・ハリスの13年ぶりの新作が出版されたと聞いていましたが、私の引きこもりがひどく、5年経ってやっと読むことが出来ました。 おそらく70代後半の期間に執筆したのだろうし、まったく衰えを感じさせないというところがまず凄いと思いました。 また、この部分の感想を書いていると気持ちが悪くなってしまうくらいなのですが、国際臓器売買にタッチしている変質サディストたちの描写や、敵対する犯罪者グループの奇妙なエスカルゴ缶詰の製造など、正直言って言葉を失ってしまいました。 「羊たちの沈黙」や「ハンニバル」で猟奇的な殺人事件や変質者たちを扱うのは、それらと相対する人間の精神の崇高さを浮き彫りにするためだと思っていましたが、本作はただ単に「悪趣味」と切り捨てる読者がいるような気がします。 執筆者トマス・ハリスにしても、本作を読むまではひたすら尊敬していましたが、読後は、「やっぱりこの人ヤバい人かも...」と感じてしまいました。 主人公カリ・モーラにクラリス・スターリングほどの魅力を感じなかったからだと思います。 それはハリスのせいではなく、もしかしたら映画「羊たちの沈黙」で、影のある美女ジョディ・フォスターがクラリス・スターリングを好演したからではないか?と感じました。 カリ・モーラが活躍する続編が出れば、彼女に対する印象も変わるでしょうが、ハリスはもう80代なのでそれはないでしょう。 もちろん、「羊たちの沈黙」や「ハンニバル」の魅力が失われたわけではありません。大好きな作品たちです。 また、かなり微妙な表現が連続するこの小説は、カリ・モーラが少女時代に生きた世界と比べると、完全にぬるま湯としか思えない現代の日本に暮らす我々にとって「生きるためのバイブル」になる可能性はあると感じました。 | ||||
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トマスハリスは 数十年前に読んだブラックサンデー以来です。 ハンニバル系は映画では見てますが、 小説では1冊も読んでません。 ブラックサンデーはいまいちぴんとこなかった。 そんな自分からすると、 緻密さを求めるなら、 分量も圧倒的に多いトム・クランシーの方が面白いと思います。 トム・クランシーの本はほぼ読んでましたが、ライアンが大統領になるあたりから なんでややねん!って感じでやめましたw 単行本4冊続きなど、分量も大量になってくるしw でも、クレムリンの枢機卿などは好きで、 いまだに買い直して読んでます。 カリモーラですが、 映像を見ているかのようでサクサク読めます。 完全に映画化を狙ったプロットと描写なのでは?と思ってしまいます。 老眼の自分にも字が少し大きめで読みやすいです。 場所も海沿いの描写が多く、 描写はハードだけど、精神的ないやったらしさはなく、カラッとしてるためか、 ジメジメとした雰囲気はなく 全体としては明るい雰囲気に感じます。 特にお勧めはしませんが、 エンタメとして楽しく読めます。 | ||||
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あまり肩肘をはらずに読むと楽しいかと。悪趣味なことをサラリと読ませてしまうハリスさんはさすがだなぁと。 | ||||
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トマス・ハリスは過去の栄光、レクター・クロニクルにあっさりと別れを告げ、かなり悪趣味なピカレスク小説、クライム・アクションへ舵を切った。ただしいくつかのハリス節を引き継いで。それは魅力的なヒロインの創造とサディスティックなサイコパスの存在。本作でカリが動物たちの守護者であることは、クラリスと重なる。そして気持ち悪くて気持ち悪くて寒気がする悪の筆頭としてのハンス・ペーター。あとがきで高見氏が述べるように、本作はエルモア・レナード(あるいはウエストレイク)作品を思わせる。ブラックユーモアを含んだ犯罪もの、具体的には金庫の金塊争奪戦である。有象無象の悪党たちの滑稽味を含んだドタバタ劇である。その悪漢・悪党たちの中を、過酷な過去を生き延びたカリという力強いヒロインが颯爽と駆け抜ける「慈悲の聖母」を描くことである。これは惹句に惹かれ読み進めていても、ちゃんと読んでいれば途中で気が付く。つまり力まずに読むことができる(悪趣味な)娯楽作である。 ハリスの目指すところは明らかだが、ハリスに限らず、作者が何をどう描こうとしたのかを推し量れず、ひたすら自身の思い込みと読書消費欲に固執する、宣伝文句に自分を合わせてしまうというひとがいるとしたら、そのような主体性のなさではいつまでたっても豊かな読書体験は得られない。自分の好きな餌だけを口を開けて待っているようなもの。 目指すところはわかった。わかったが素晴らしいのか、と聞かれればやや疑問であることは確か。各キャラクタへの踏み込みがあと一歩。ベニート、ファボリト、ビジャレアル、誰よりロブレス刑事らの輪郭がまだ甘めに感じられる。この放り投げも悪漢小説らしく、ドライといえばドライなのだが。カリも強すぎる。 また、レナード作品の持つ感じを狙ったのだとしたら、レナードを超えて欲しい。というか、誰とも似ていない作品を送り出した作者としてその追随路線でいいのか、という疑問もある。スタミナ不足も感じられる。金庫の状態もややわかりづらい。ただそこにハリスならではの人体破壊趣味ともいえる猟奇性(ひとによっては受け入れられないレベルの)、人間と動物の織り成す世界をブレンドしたことは個性といえば個性、味といえば味ではある。この路線としては必要十分に面白い。 ハリスはこの極彩色のマイアミ、中南米テイストを描きたかった。読み手のことなんか気にせず、伸び伸びとカリの次なる試練とサバイバルを描いて欲しい。実質星3.8。 余談。レクターの偽名かと思わせる人物がひとり、ちらりと登場する。人物リストには掲載されてないけれど。 余談2。カリはCARI。文中で触れるように慈悲(CARIDAD)の頭文字であり、慈悲に関する語の接頭語であり、CARIだけでは「はちみつ」を指すのかも知れない(スペイン語)。これも文中でカリがゲリラの「蜜蜂」であったこと、そこから脱却したことが描かれている。 CARI MORA 2019、新潮文庫、高見浩=訳 | ||||
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ほとんどのレビューが散々に言ってるけど、僕はわりと好きだった。 確かに「羊たちの沈黙」や「レッドドラゴン」のような繊細にして荘厳という雰囲気はまったくありませんでしたが、軽快に読めるクライムアクションノベルとしてはなかなか面白いと思います。 レビューの中に「タランティーノ映画みたい」という評価がありましたが、僕はタランティーノ映画大好きなので読んでみたら確かにそんな感じもあったので、もうトマス・ハリスという作者にこだわらずサクッと読めるクライムアクションを読むつもりならけっこう楽しめる作品だと思います。 | ||||
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綺麗でよかったです。また機会が有りましたら宜しくお願いします | ||||
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レクター三部作の後がいかに苦しいものかは想像するに余りある。 敢えて駄作としてライジングを書くことでレクターを葬り去り(そうとしか思えない)、ここに新たな世界の構築に成功した作者の力量は流石の一言。 大傑作を生み出す瞬発力より、傑作を書き続ける持続力の方が如何に困難なことか。 御年八十歳、これからも頑張って欲しい。オススメです。 | ||||
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あいかわらず、趣悪味。 でも、久しぶりに恐いものみたくない?小説だし。 期待しながらも、そんな自分に後ろめたさも感じる トマス・ハリスの新作です。 帰ってきました。相変わらずの酷さです。 そして、新しいヒロインは、強い。 暗い過去を持ちながらも、前向きでCOOL。 弱いものには優しい。そして、美しい(らしい) 全くひどいな~これでいいのかな。とつぶやきつつ 最後はちょっとすっきり。 映画化に期待してしまう本作なのでした。 (でも、コレAMAZONか、NETFLIX以外無理じゃない?) 多少酷くても大丈夫なら、新しいヒロインの 登場を読むべし。ま、毎度のことながら、こういうの ダメな人はやめた方がよいです。面白いけれど、万人むきじゃないし へたすると、トラウマになりそう、で 星4つです。 | ||||
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ハンニバル・シリーズを完結させてから13年も鳴りを潜めていたトマス・ハリスが帰ってきた。それもレクター博士シリーズのようなサイコ・サスペンスではなく、初期の『ブラック・サンデー』のような国際テロ小説でもなく。作者が現在生活し、その地に魅力を感じてやまないマイアミを舞台として、犯罪者たちの激闘をブラックでアップテンポな筆致で描きつつ、ひとりのニューヒロインを際立たせたエンターテインメント小説という形で。 本書は、『スカーフェイス』でお馴染みの、実在のコロンビア麻薬カルテル王パブロ・エスコバルがマイアミに実際に遺したとされる豪邸が軸となる。現在では何代目かの持ち主によって取り壊されてしまったらしいが、小説の世界では、その地下にあるばかでかい金庫には金塊の山が眠り、これをめぐって犯罪者どもの強奪戦が展開される。 その一方の悪辣な側の先頭に立つのが臓器売買を生業とするサイコパスのドイツ人で、その買い手を含め、あまりの異常さに吐き気を催したくなるほどでありながらどこかブラックなユーモアで包んでさらっと描いているところに作者の変化が見られる。重厚なゴシック・サイコ・ミステリーではなく、あくまでアクションを主体とした争奪戦というゲームの盤上にいるかのように。 訳者はまるでエルモア・レナードのよう、と書いている。まさに多くの悪党どもがしのぎを削り合い、化かしい合うアクションと殺戮で重ねてゆくハイテンポな展開と、からりと明るい陽光と海辺という舞台など、かつての暗いハンニバル・シリーズとは対極を成すかのようである。 ヒロインのカリの出自を描くシーンで、中南米からメキシコを経由してアメリカに密入国する手段としての<野獣>と呼ばれる鉄道のことが描かれている。機を同じくして翻訳されたばかりのドン・ウィンズロウ『ザ・ボーダー』でニコという少年が辿る南米からアメリカへの脱出方法として実は印象深い<野獣>。鉄道の屋根に飛び乗って移動するこの危険極まりない方法は、銃撃や転落などが頻発し、成功率が低く、鉄路近辺には子どもたちの手足が散らばっている、などと本書でも描写されている。 ウィンズロウの描いた過酷なメキシコの麻薬戦争を尻目に、本作では、ヒロインであるカリ・モーラは<野獣>ではなく、運よく空路にてマイアミへの移住を果たしている。トランプ政権下で移民として生きる苦境と、それに抗う主人公の生活については作中でしっかり語られる。彼女が手をかける野鳥たちの環境保護活動もプロットの最重要武器として含めつつ、トマス・ハリスがマイアミに生活しながら実際に感じているであろうリアルを、作品というフィクションの海に、錨のように降ろしているのではなかろうか。 何はともあれエンターテインメトとして巻置く能わずの面白さである。何も考えずひたすらマイアミの太陽と青い海に身を委ねてみては如何。少々チリが効き過ぎのきらいはあるが、カリという25歳女性の魅力は日々の読者の内外のジレンマを、きっと、すきっと、払拭してくれるはず。 | ||||
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私にとってのトマス・ハリスは、「ハンニバル・シリーズ」は勿論ですが、やはり「ブラック・サンデー」を忘れるわけにはいきません。新潮社の黒い表紙の単行本が、家のどこかに眠っています。「黒い9月」対モサド。フランケンハイマーの映画も、スリリングでした。ロバート・ショー絶頂期。 途中、大部の「ザ・ボーダー」に手間取って(笑)、遅まきながら「カリ・モーラ("Cari Mora")」(トマス・ハリス 新潮文庫)を読む。 コロンビアからの移民、カリ・モーラ対臓器密売商人、ハンス・ペーター。マイアミの極彩色の風俗描写、ヴァイオレンスが唐突に始まり、「スカーフェイス」が語られ、それらはまるでカリ・モーラの肢体のように、イリエワニの尖ったV字型の口のように官能的ですね(笑)。カリ・モーラはクライム・ノヴェルの伝統的なファム・ファタールでありながら、その「過去」によって清冽な印象を与えてくれます。キューバの"コブレの慈悲の聖母"の役割も担っているのだと思います。 言わば彼女はクラリス・スターリングであり、ハンス・ペーターは、矮小化されたハンニバル・レクターなのだと思います。 プロットに特筆すべき点はありません。しかし、その「ハンニバル世界」はトマス・ハリスの凝縮された猟奇趣味に満ち満ちています。よって、今でも作者は比較対象が見当たらない「かつてのトップ・ランナー」の一人として認知されることになります。 マイアミ・ビーチで美味しいと言われる魚は何なのでしょうね?セントピーターズバーグで「ワニ肉」を食べた記憶がありますが、そう、トマス・ハリスは腐ってもクロコダイル!? | ||||
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麻薬王の旧家の管理を任せられている女性カリモーラ。 その地下に眠る金塊を巡って盗賊グループと異常な臓器販売業者が争奪戦を繰り広げる。 カリモーラも争奪戦に関与することになる。 金塊は誰の手に、そしてカリモーラの運命は、という話。 現代を舞台にスリリングな頭脳戦が展開され、アクションシーンも意外と充実しています。 キャラクターも立っているし、読んでいるだけで気持ち悪くなる悪党も興を添えます。 アメリカでの評判もイマイチだったみたいですが、私はかなり楽しめました。 アーバンウェイトの「生、なお恐るべし」に近いテイストで、それなりに読みでもあります。 少なくともハンニバルライジングよりは私は好きです。 | ||||
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先にグイグイと引き込まれる感はあります。久々に早く読みたいって感じになる。 そんなに分厚くないし、割と早く読み切れそう。この先が楽しみ。 | ||||
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