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騎士団長殺し
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【この小説が収録されている参考書籍】
騎士団長殺しの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.46pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全407件 361~380 19/21ページ
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村上春樹の長編前作「1Q84」が発売された翌日にヤナーチェク作曲の「シンフォニエッタ」のCDが店頭からも通販サイトからも消えた。二つの満月が天空に位置するパラレルワ-ルド「1Q84」で、映画「華麗なる賭け」フェイ・ダナウェイの雰囲気を身にまとう女主人公「青豆」がこの世界に何度か足を踏み入れるきっかけになるのがこの曲だ。今回はどうか。長編「騎士団長殺し」の発売が2月25日。調べてもいないけれど、モーツァルトのオペラ「ドン・ジョバンニ」のDVD(とCD)が3日後の今日には売り切れているでしょう。そして、シュ-ベルトの一連の弦楽四重奏曲も店頭に残っているかどうかあやしい。クラシック音楽を作品に巧に溶け込ます作者だが、今回はオペラ「ドン・ジョバンニ」が影の主役だ。 これまでの長編のように、主人公「私」の物語と全編を構成するミステリ-という二つの物語が重ね合わされている。この主人公「私」の物語は既視感がある。喪失感を幾重にも重ねる技法の最近の到達点である名作短編「木野」(短編集「女のいない男たち」に収録)のモチーフがそのまま使われているからだ。離婚を宣言される「私」。「俺は傷つくべきときに十分傷つかなかったのだ。・・悔恨の錆びた碇が、本来あるべき時間の流れを阻もうとしていた。「木野」から」。そして、二つの作品に共通する主人公を柔らかに撃つ「冷ややかな雨」と再生の物語。 本作を展開し変奏させる大舞台には、巧妙な仕掛けが随所に張り巡らされている。だから、ミステリ-タッチのこの世界を少しでも紹介すると全部「ネタバレ」になってしまう。しかし、著者が偏愛する、暗い穴、戦争、異能な人物、そして現実世界とパラレルに同居する異次元の世界、は共通した通奏低音だ。 本作では、傑出した能力をもついわば色彩のない「免色(めんしき)」という異能者が物語を途中までを引っ張っていくが、「私」は徐々にその軌道から外れていく。その軌道修正をささやくのは、深い闇の世界そして時間を一方向には刻まない異世界からの啓示だ。作中では「メタフォ-」と呼ばれているこの世界には見覚えがある。村上春樹がこの作品で作り上げた異世界とは著者自身の小説の流儀とでもいうべきものだ。 「小説家の基本は物語を語ることです。物語を語るということは・・・心の闇の底に下降していくことです。大きな物語を語ろうとすれば、・・地下の暗闇はますます重く分厚いものになります。・・その暗闇の中には、ときには危険なものが満ちています。さまざまな形象をとって人を惑わそうとします。・・そのまま地上に戻れなくなってしまうかもしれません。その闇の中には、太古と現代が入り混じり・・持ち帰るわけですが、時に危険な結果を生みかねません。(職業としての小説家から)」 底の見えない漆黒の闇の中に足を踏み出すような底知れぬ不安定さが「騎士団長殺し」の物語を覆う。 「長編小説を書くためには時間を身につけなければなりません(同上)」。過ぎ去る時間を意識的にとどめておかないと「私」は闇の世界から帰還できないかもしれない。しかし、場合によっては、「記憶は時間を温めることができる。・・もしうまくいけばその記憶を形に変えてそこにとどめることができる(本作品から)」。 繰り返される記憶と時間の変奏。村上春樹は小説を書く自身の秘密を、この作品の中に長くとどめておきたいのだ。 | ||||
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ダンスダンスダンスを呼び起こさせる作品でした。 相変わらず仕事辞めたくなる。 | ||||
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主人公が住む家から谷を隔てて見える邸宅に一人で住む謎の男性。 主人公が彼からの依頼を受けることによって物語が大きく進んでいきます。 20年以上の読者です。 村上春樹氏が「グレート・ギャッツビー」をどれだけ大切にしているか。 知っているファンなら、小説の中に取り入れるということが どれだけ意味を持つ作品なのか分かると思います。 トマトソースがニンニクとオリーブオイルとトマトが不可欠なように、 村上春樹氏の小説も妻に去られた男と謎の穴とセックスが必要なのかなとふと 思いました。 | ||||
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村上春樹氏の小説で一般に買えるものは全て買って読んでいるファンです。 一番好きな長編作品は世界の終わりとハードボイルドワンダーランドです。 この作品に私が順位をつけるなら3位です。 2位は1Q84です。 物語の出だしはとても緩慢です。 少し退屈であるくらいの緩慢さです。 いえ、物語が起こらないわけではありません。 もちろん、ページを繰る手が止まることはありません。 日常を離れながら、かと言って決して非日常に陥ることのない私たちのいつもの主人公がそこにいます。 古い音楽を聴きながら、型落ちした古い車に乗ったいつもの彼です。 色々な物事は取り留めなく示唆的に散らばっていて、物語が一体どこへ行くのか続きが気になって仕方ありません。 文学的な手法で言えば、余分なものをそぎ落としてシンプルな物になっていると感じます。 突飛な比喩はほとんど出てきません。 そういった飛び抜けた世界が苦手な、いわゆる、村上春樹だからこそ避けてきたという人にも読みやすい本であると感じます。 この巻では物語に引っ張り回されるような、いかにも小説的な展開はまだありません。 息吹は感じます。しかし、この巻だけではいけません。 必ず次巻も読まなければなりません。 ですので、必ず次巻とセットで購入して下さい。 これを読んだ誰かと面と向かって話し合いたい気持ちになります。 | ||||
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渡辺淳一の官能さに、オサレな日常を足した作品。相変わらずの安定感。 アマゾンのレビュー読むだけでお腹いっぱい。 時間とお金を節約したい方は本作のレビューを読んで済ませた方がいい。 ネタとして読みたい人はしばらく待って中古で買うといい。 | ||||
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第一部を読み終えた第一印象は、どことなく「ねじまき鳥クロニクル」を彷彿させられるというところでしょうか。 たとえば、 妻がいなくなる(親しい誰かがいなくなる喪失感というのは、ねじまき鳥に限らず村上春樹の様々な作品でみられます)。 井戸(もしくは井戸のようなもの)にもぐり、スピリチュアルな体験をする。 しっかりものの10代の女の子(ねじまき鳥では女子高校生、本書では女子中学生)が主人公に示唆的な発言をする。 戦時中に行われた暴力の存在が物語に絡んでくる。 といったところなど。 一方、プロローグでは「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」の「世界の終わり」側の世界の雰囲気を思いだし、なんだか懐かしい気分です。 生活のために始めた肖像画で顧客を満足させることができるようになったものの「自分のための絵画」を描くことに強い意欲を抱けなくなった「私」のもとから妻が去ってしまう。ただ、本書では、9ヶ月の別居期間ののち、妻とは「元の鞘に収まった」といきなり第一章で書かれ、「私」がその9ヶ月間を振り返る形で物語が始まります。この点、失ったものを取り戻せるか否かといったこれまでの作品の構成とはちょっと違った印象です。 この前半部分、ゆったりとした印象で進行しますが、そんな本書も、中盤あたりから上田秋成的な奇妙な出来事が発生し、それにより物語に対する関心度が高まり読書スピードがアップします。 特に347ページの描写にはスティ-ヴンキングのホラー小説ばりに「ぞぞっ」と鳥肌が立ちます。 「あとになって振り返ってみると、我々の人生はずいぶん不可思議なものに思える。それは信じがたいほど突飛な偶然と、予測不能な屈曲した展開に満ちている」 「たとえどんな結果が出てくるにせよ、ものごとには必ず良い面と悪い面がある」 さて、これからどのような展開になるのか楽しみにしながら第二部に突入です。 | ||||
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書名を見たときは???でしたが、相変わらずの面白さです。 上下とも日曜日一日でつい読んでしまいました。 登場人物の少女は、1Q84のフカエリを彷彿とさせますね。 | ||||
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アマゾンレビューを見るというのはネタバレを見ても構わないという人々だと思われるので、少しだけネタバレしながら書いていこうと思う。 第1部ではイデアがメインというよりは作品に必要な「キーワード」や「キーアイテム」が提示される。 例によって、村上春樹らしく読者は何が書かれているかさっぱり分からないが、面白いのでページをめくっていく(この不安定さが村上春樹を嫌う人の理由の主だと思うけれど)。 イデアは、イデア界にある何らかの概念である、というのがプラトンを哲学屋ではない一般人が読んで考えることである(哲学屋からすれば、村上春樹のイデアの説明には反論があるかもしれないのでこういう書き方をした)。 そのイデアが顕れ、何もわからない読者と主人公に色々と語る。 鈴は何であるか、免色はどういう人間なのか、そんなことは第1部ではわからない。取り敢えず行きずりのセックスの話や、離婚話などが行われ、読者はよくわからないけど面白い、という感想しか持てないだろうと思われる(第1部だけ読んでそれなりの感想をかけるなら才能豊かな人だと考えられるので、文芸評論家になれるのではないだろうか)。 この「キーワード」と「キーアイテム」をしっかり頭に入れて第2部に進むことでようやくこの小説を「読む」ことができる。 そして忘れてはならないのが冒頭のプロローグである。プロローグは第2部を読み終わるまでは何の意味も持たないが、第3部(2.5部)くらいの役割を果たしている。これについては第2部のレビューで書こうと思う。 取り敢えず私が、このレビューで購入判断をしている人か、読むかどうか迷っている人に伝えたいのは、本当に面白い小説なので今すぐに読んで、村上春樹特有の象徴的な(抽象的な)世界を楽しんで欲しいということだ。きっと第2部のラストで不満を覚えながら、私の言うところの第3部(2.5部)を読めば未完成の読了感という奇妙であるが大きな喜びを得ることができると私は信じている。 | ||||
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プロローグは、秀逸である。まるで映画「アマデウス」で、謎の仮面をかぶった男が病床のモーツアルトに作曲を依頼する場面を彷彿とさせる。ペンギンのお守りとは、そしてこの顔のない男とは? ぞくぞく感一杯である。これからの展開の期待で胸が膨らむ。 が、本章に入ると、決して揶揄でない或は誉め言葉ともいえる「偉大なるマンネリ」が始まる。歌で言えば、聴いてすぐ分かる井上陽水やらサザンの桑田佳祐ではないが、村上春樹なのだ。水戸黄門や遠山の金さんのような安心感をもたらす。ファンにとっては嬉しいだろう。 まるでまるでが頻発する天外的発想な比喩やあるいはあるいはのオールターナティヴで文体の調子を整える。そこには、保育や教育・医療・介護・長時間労働・派遣・安保のような社会問題は出てこない。浮世の話ではなく、ファンタジーの世界を提供してくれる。 ああ、これは、どこかで見たな。そう「ねじまき鳥クリニクル」の自己オマージュではないか。有能な妻がいて謂わば家事が仕事になっている。その妻に浮気されて理解不能な理由で逃げられる、或は逃げる。乗った車はプジョーだ。トヨタや日産ではない。カセットデッキはCDプレイヤーになったけど。(一人暮らしでは、カローラを使うのだが)(このカッコ書きが村上節のミソではある) 暗闇や井戸・穴、月、音楽とセックス、珍妙な名前。マルタやクレタはいないのか。笠原メイのような女性も探したい。間宮中尉の長い話(のようなものは)はあるのだろうか。。。「海辺のカフカ」「1Q84」「スプートニクの恋人」、数々の村上小説が蘇る。 肖像画絵描きとは、もしかしたら、作者本人の矜持と悔悟のメタファー表現なのかも知れない。多分、3部作になるだろう。「1Q84」のように。だから慌てずゆっくり味わいたい。顔のあざは直ぐにはとれないのだから。 | ||||
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画家を職業とする人の成功例がこの物語の主人公そのものであるのですかな。 | ||||
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他の方も指摘されているように過去の村上春樹に出てきたモチーフが頻出し、ある意味集大成のような感もありますし、村上氏が愛すると公言してきた小説(ギャツビーやドストエフスキー作品)や音楽(いつものように海外のロックやポップス、クラシック、ジャズ)が散りばめられています。 これらの要素はある意味マンネリとも言えますし、安心感があるとも感じられます。 ですが、この作品には今までになかった要素が1つだけ(他にもあるでしょうが、少なくとも私には目立ったものとして1つだけ)あります。 「日本」的なもの、あるいは「仏教」的なものです。 少し詳しい方ならご存知でしょうが、村上氏の父はパートタイムのお坊さんのようなことをやっていたらしいです。それに注意深く日本文学の話は避ける(特に若いころ)彼が、デビュー当時から比較的よく名前を出すのが上田秋成です。今回の作品はその上田秋成の『春雨物語』の話が出てきます。そして主人公は画家で、ある日本画家の家に住むことになって物語が始まるため必然的に絵(特に飛鳥時代をモチーフにしたある日本画)にまつわるエピソードが多く語られます。 その点が私には面白いと同時に奇妙に感じられました。もちろんこれまでの作品でもちょくちょく日本の近代作家の名前が出たりとか大日本帝国時代の戦争の話はありました。ですがこの作品の背景にある「日本」はもっと前の、江戸時代以前の空気です。 村上氏は、今まで丹念に西洋風のもので隠そうとしていたものを、ついに曝け出す勇気を持ったのかもしれません。『春雨物語』の話なんかあらすじだけ聞くと、「なんか村上春樹っぽいな」と感じるほど「論理の向こう側」を感じさせてくれるお話です。 今までの作品を読んだりインタビューを読んでもわかりますが、この人の作品は一作では大きく変化しません。あくまで一歩ずつ一歩ずつ変化してきた作家です。ですので最近の作品を読んで気に入らなかった方へ「今回は全然違うから!」と言って勧められるものではありません。 あくまで私にとっては「大きくはないが、やはり確実に一歩踏み出している」と感じさせてくれました。 第3部が出るのかはわかりませんが、個人的には村上氏はここから第3部(あるいは続編)を書いた方がいいと思いました。 あと妙な一致というか、漫画『ジョジョの奇妙な冒険』の最新作『ジョジョリオン』の主人公「東方定助」の元ネタがおそらく『春雨物語』の「入定の定助」なのだとこの作品を読んでいて気づきました。村上氏も荒木氏も欧米文化の影響全開でコツコツ作品を発表していらっしゃる方で、規則正しい生活習慣など共通点も多いと勝手に思っていましたが、この2人が3.11以降同じ日本の古い作品をモチーフにして新作を書き始めたとしたらと思うと不思議な気持ちになります(ジョジョリオンに関しては明言されてはいないため私の思い込みの可能性も高いですが)。 | ||||
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子作りの為にセックスする人の割合が、世界で一番低い国の最高峰文学って感じだわな。 目一杯オシャレして、ぐちぐち小難しい事をアレコレくっちゃべったり妄想しながら、終始一貫してセックスセックス。 日本人は進化してんのか退化してんのか、どっちなんだろな? なんで外国人はノーベル賞がどうたらとか言ってんの?日本人をバカにしてんのか。 | ||||
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新しさは、何も感じませんでした。話は面白いです。1部、2部合わせて、2~3時間、ハルキストは満ち足りた時間を過ごせます。 しかし、読み終わった瞬間、何も残るものは有りませんでした。良くも悪くも、『いつも通りの春樹さん』でした。 | ||||
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第1部で、精も根も尽き果てたのか、この第2部では、性熟女との2回のアヴァンチュールだけの射精しかしていない‥‥というより、夢魔が出てくるけどね。 お話としては実に面白かった、うまくいいところに収まったって感じ。 第3部、第4部まで行くのかなって感じだったけど、この第2部で、とりわけハッピーエンド気味に終わったので、ここまでなのかな?って感じ。 それはともかく、村上作品のいろいろなキャラクターは何のメタファー(暗喩)だったのか? にわか有識者なり、しょせんハルキスト連中が読書会等々で、なんたらかんたら、ああでもないこうでもないと、好き勝手にいいまくる、そのヒントの片りんのようなものが、この作品には少しばかりみられるようなものだったので、これはなかなか面白い作品だった。 NHK-クロ現+で、想像力のないお笑い芸人が「村上春樹って、わかる?」って批判的なことを言ってたけど、村上春樹作品には賛否両論があっていい。しょせん、リアリズム文学ではなく、ファンタジー小説なんだから。 それにしても、アルマダ海戦のうんちくとか、Bruce Springsteen "The River"の正しい聴き方、The Doors Firstを聴くムード等々を披歴されるのは、同世代人としてリアルタイムで聴いてきたものとしては、面白くてよくわかるけど、BGMとしては、お話のテーマに沿ったモーツァルトの「ドン・ジョバンニ」だけでよかったんじゃあないのかな・・・ Jay Rubinn とか、Alfred Birnbaumが上手く翻訳してほしいね それはそうとして、久しぶりに聴いてみたAlabama Song (Whisky Bar)は、なかなかいいし、懐かしい… (P.S.) 2017-2-27 上野のパンダカップルは、52秒間の交尾に成功! だけど、「私」のセフレ・41歳の美熟女は、52分でも放してくれない…… | ||||
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物語は第1部から肉を蓄えて、一気に収束に向かっています。 散らばったカケラが拾われていく様がいつもながら心地よいです。 いつもの村上春樹的な物語で安心して読めます。 村上春樹氏のファンであればもうすでに読み終えている方ばかりと思いますので、イマイチファンではないというような方にオススメできる点をいくつか挙げたいと思います。 まずは、いかにもな比喩が減っています。 もちろん必要最低限の比喩はあります。しかし、これが好みでないという人でも読める程度にシンプルになっています。 そして、物語は完結しています。 第3部が出たらもちろん大喜びで、大急ぎで読みますけれども、とりあえず、ぶった切りで終わるようなことはありません。 主人公の目の前が丁寧に表現されていて、どこの場面でも目を瞑ればその空間が浮かんできます。 どこの場面でも、手に取るように質感までも分かるのです。 私のまわりにまだ読み終えた人が居ないので、誰とも語り合えません。 読み終えて、改めて第1部のプロローグを読みました。 プロローグは一体どこの時点の話なのでしょう。 やはり第3部が出るのでしょうかね? あー!誰かと語りたい! | ||||
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面白かった。最後がスカッとしないけど…。 読みやすいし、騎士団長と顔ながの喋り方も好きだ。 ただ受けを狙ったレビューが嫌な感じ。 だいたい村上春樹の書く物語に何を求めてるんでしょう? 非正規雇用の若者?貧困にあえぐ介護士?そんなの出てくるわけないじゃないですか。 そういう物語を読みたいならそういうのをテーマにしてる作家の本を読めばいいのに。ちょっと調べればわかるでしょ。 シャレオツ過ぎ?sexばっかしてる?その通りだけど、なんだか読むのが止まらないということは、やっぱり面白いんだと思います。私にとっては。 でもそういうこというとハルキストと呼ばれちゃうんでしょう。それも嫌。 | ||||
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春樹さん大好きです。 ほんとにこの30年間はほぼ春樹さんしか読めないほど好きです。 今回の新作も面白かった! 一気に読ませるし、世界観に引き込まれ、こんな風に強く生きられたらいいなと主人公を見て思う。女性はいつも魅力的で、神秘的。 僕ではなく、私という一人称もなんか新鮮。騎士団長も最高! でも、でも、 何故にいつも同じお話なの? 騎士団長のようなイデア、ワタヤノボルのような巨悪、少女も老人も穴も酒も音楽も高級車も大衆車も性描写も。パラレルワールド、失踪も、夫婦の再生も。 これって、ほんとにハードボイルドワンダーランドからなにも変わってない。 僕はファンだから、ほんとに嬉しいし、楽しく読んだ(騎士団長登場には歓声をあげました)けど、若い子がこの本を初めて読んで、遡って旧作を読んだ場合、昔の方がクオリティが高いという話にならない? 春樹さんは、昔の自作を読まないといい、筆に、キーボードに話の展開を任せ、語らせるという。 それって本気でそうだったの?だから同じ話になるってこと? そんなオチ? 今まで僕らファンが甘やかし過ぎたのかな、何年も。 春樹さんファンにとっては、時間をかけた書下ろしの最新作をリアルタイムで読めるだけでも星は5つ、でも、 とても残念だけど、同じ話を何度も設定を変えて繰り返す春樹さんにノーベル賞が与えられたなら、それは、この人の生き方とか、考え方、思想に対してであって、この騎士団長殺しの内容によるものではないと思う。 春樹さん、今回は少し、海外読者が喜びそうな小ネタ、すなわち、刺身、富士山、プリウス、日本画、カセット、80'sとかを意図的に配置されたように感じてしまいました。ごめんなさい。あと、少女の胸の大きさへの執着やら、女性器の描写(そんな動き方ありえへんやろと思う、いつも)はしつこく感じ、ギャツビーとアイラモルトに至っては春樹さんの持ち駒をそのままストレートに出し過ぎちゃうか?と思ってしまいました。 それでも、やっぱり既視感があるとはいえ、大好きなおとぎ話だし、最後は癒されたから星は5つつけさせてもらいます。 ファンは、絶対満足できます。必読! けと、この内容なら、ノーベル賞はないなあ。 残念だけど、それが春樹さんの意思なのかな。 ボウイじゃなくて、ストーンズやスプリングスティーン、変化よりも反復を選ばれたのかなあと。やれやれ。 なんか自分が、やっぱサティスファクションでしょ、といってるストーンズファンのような気持ちになってることに気づかされました。 関係ないけど、免色さんは、僕にはずっと片岡愛之助さんに思えてました。 あと、他の方も言われているが、 確かに13歳の子とヤってしまったらどうしよう、それはないよね、春樹さん、と思って読みました。それはなくてよかったけど、第3部があったらマズイ予感が笑。 | ||||
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読み通せる力がある作家だと思う しかしデビューからオンタイムでその作品を読んできた僕にはやはり既視感が否めない。つまりこれまで春樹作品を読んできた人間にはふむ、あちらとこちら、結界、穴の底、古典からの引用、クラシック音楽、地震…何もかも過去の作品で体験してきたことばかりである。だから驚きの展開というものはない。 しかし初めて村上春樹を読むのならこの作品は意外とオススメかもしれない。主人公はかなり他人とコミットする。その感じは新しい。 今となってはこうした作品よりもむしろノルウェイの森のようなタッチで現在の日本を描いて欲しいと思うのは読者の勝手な希望なのだろうか。 | ||||
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さすが村上さん!登場人物の一挙手一投足がシャレてます。いや瀟洒です。 特に気に入ったのが、主人公と妻=柚とのベッドシーン。 二人の仲むつまじい会話が、こそばゆくなるほどシャレオツでした。 ──妻の名前は柚といった。料理に使うゆずだ。ベッドで抱き合っているとき、私は冗談でときどき彼女のことを「すだち」と呼んだ。耳元でこっそりそう囁くのだ。彼女はそのたびに笑い、でも半分本気で腹を立てた。 「すだちじゃなかて、ゆず。似ているけど違う」と。 僕がもし同じことを書いたら、親父くさいと言われるんだろうな。さすが村上さん!かっこいい!いや、瀟洒です! | ||||
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1Q84のときもそうでしたが せっかく前情報無しで読んでもらいたいと 村上さんや出版社が作品内容を発売日まで 極秘にして流出させなかったわけですから アマレビューなど見ずに先入観なしで 読んでもらいたいなと思います。 ここから少しネタバレありです。 私は発売日に買ったんですが 何か昔ほど村上作品を読みたいという欲求がわかず、 1日ほど積んだあとで読み始めたんですが 最初は内容的に主人公の離婚話や画家としての 仕事の話がメインで 文体がカフカや1Q84に比べると堅苦しいというのも相まって 少し読んでいて退屈だったんですが 四分の一ほど読み進めて免色という 本作品のキーキャラクターが 現れたあたりから一気にスリリングで ミステリアスで面白くなり 時間が経つのを忘れるほど夢中になりまして イデア編の最後まで読み終えてしまいました。 これだけ読んでいて続きが気になってしょうがなくなる作品は久しぶりでした。 さすがは村上春樹といったところでしょうね。 | ||||
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