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ホッグ連続殺人
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ホッグ連続殺人の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.76pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全10件 1~10 1/1ページ
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ジャンルの枠に収まらない、一見奇妙な作品です。謎解きを中心にした本格ミステリと サイコスリラーが融合というか同居してます。途中の猜疑心が次々と生まれていく過程に もやもやしながら、ラストの謎解きにははっとさせられました。奇妙な味わいです。この 作家の別の作品も読みたくなりました。 | ||||
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70年代の米国ミステリは、ハードボイルド・警察小説・サスペンス物といった系譜が大半で、本格パズラー系のミステリはほとんど(少なくとも翻訳では)なかった。思いつくのはスラデックの『見えないグリーン 』(1977年)ぐらいだろうか? なので、本書が出たとき(原書1979年、邦訳1981年)、本格ミステリのファンは久々に本格物の傑作が出た、と歓喜したのである。特に瀬戸川猛資氏などが諸手を挙げて本書を絶賛した。 が、ちょっと激賞しすぎた反動か、そのうち巷の一般評価は「そんなに大したことないじゃん」ということになった。特に序盤に張られた伏線があからさま過ぎて、「犯人ミエミエじゃん」との批評が多い。 本作のメイントリックはいわゆるミッシングリンクに関わるものだが、私としては本家クリスティよりは、エラリー・クイーンの『九尾の猫』の影響が大きいと思う。都市型の無差別連続殺人という設定もそうだが、エンディングの風情(詳しくは言えない)がすごく似ている。 いずれにしても、本作ではミッシングリンクのお約束を「一ひねり」というか「裏返し」というか、そのへんにオリジナリティがある(あった)。 日本では、70年代までは清張流の社会派ミステリが隆盛したが、80年代に島田荘司や笠井潔あたりがパズラー復興的なミステリを書き始め、90年代の「新本格派」の隆盛につながった。新本格の作家たちは、片っ端から古いトリックを掘り返してはそのバリエーションを書きまくったので、90年代以降のミステリ読者は、本作のトリックぐらいではびくとも驚かないようではある。ましてや、古畑任三郎の一編で本作のもろパクリをやっていたりするので、あれ?どこかで見たようなネタだなあ、と思った方も多いかもしれない。 が、久しぶりに再読してみて、総じてプロットの組み立てもバランスよく無理のない構成になっているし、キャラの書き分けも堂に入っている・・・などと言っても今さらしょうがないか? わたくし的には、思わせぶりに「犯人が現場から持ち去ったものは何か?」とやったり、ベネデッティが「一週間以内に解決してみせる!」と大見得を切ったり、最後に「HOG」の意味深な象徴を解読をしたり、そのへんの古き良き時代的な「ケレン」が何とも楽しかった。 30年代の古典パズラーを巧くモダナイズした秀作、と評価したい。 | ||||
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今の目で見ると、確かにアレだなぁと思うけれども、楽しめる作品。 再読だけれども、「ホッグ」とは何かということにワクワクしながら読めた。 このタイプの「古典」になるのだと思う。ぜひ一読してもらいたいと思う。 | ||||
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トリックが命のミステリーの世界で新たな名作をものするのは至難の業である。ましてやアガサ・クリスティ、エラリー・クイーン、ウィリアム・アイリッシュ、レイモンド・チャンドラーなどといった大御所がすでに多くの優れた作品を書いているのであってみれば、それらをしのぐオリジナルなアイディアを発掘するのはもはやほとんど不可能ではないかとさえ思われる。 そんな中で1979年という「比較的」最近に発表された本作は、ハヤカワ・ミステリハンドブックの総合ベストテン13位にランクインするなど善戦している。 一見事故としか思えないような連続殺人事件。HOGからの犯行声明文には、しかし犯人しか知りえないような情報が記載されていた。被害者に共通項はなく、動機も目的も全く分からない。HOGとは何者なのか? いかにしてこのようなアクロバティックな連続殺人を実行することができたのか? 有名な謎の凍死――凍死者はなぜヒーターをつけなかったのか?――に対する解答があまり紙幅を置かずに開示されてしまうのが残念だが、犯人およびトリックの妙は見事としか言いようがない。終わり方もきれいだし、個人的には好きな一冊である。 | ||||
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10年ぶりぐらいに再読してみた。 昔読んだ時もHOGという意味が最後に明らかにされた時「なるほど」っと唸ったけど、再読しても拍手をおくりたくなるぐらい見事です。 作品の途中で何度ともなくHOGの意味を推測するのですが、その度にそれに当てはまる人物について深く掘り下げて捜査するところが面白いです。 クリスティのABC殺人事件を彷彿させるような犯人の意図。 HOGの手口が少し運に頼ってるようなところは目をつむるとしようかな(笑)。 伏線の張り方などは少し古典的なのが多いけど、逆にそれが新鮮に感じる今日この頃です。 | ||||
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1979年度のアメリカ探偵作家クラブ最優秀ペイパーバック賞受賞作品。 この作品の読みどころは、 犯行声明の署名であるHOGに どんな意味が隠されているのかというところと、 犯人の正体は誰かというところでしょう。 前者のHOGの意味については、 その単語の意味解析から推理を展開するシーンがあったりして、 なかなか楽しむことができました。 最後に明かされるその象徴的な意味については、 とても印象深いものがあります。 それに対し、後者の犯人の正体ですが、 容疑者は限られた何人かというわけではなく、 地方都市スパータに関連する人物全員が容疑者なわけです。 容疑者になりそうな怪しい人物が途中で突然現れてきたりと、 犯人を絞り込む推理という点では、 もう一つ楽しめなかったような気がしました。 それにしても、 探偵役である教授の名前の ニッコロウ・ベイネデイッティ、何とかならないでしょうか。 しばらくしたら、忘れてしまいそう。 その他の人物名も覚えにくいものが多かった感じでした・・・。 | ||||
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何らかの法則性や連続性に基づく犯罪が描かれ、 その繋がりを探っていく《ミッシング・リンク》がテーマ。 作中で、美しく抽象的な構図を描き出そうとするミステリと このテーマの親和性は高く、過去さまざまな作例があります。 ただ、犯行の動機や手順が現実離れしているため、どうしても 不自然さが目立ってしまう憾みがこのテーマにはあります。 そのため、特異な動機を抱いてもおかしくないサイコパスが投入 されたりもしたのですが、それもすぐパターンに堕してしまいました。 そういった意味で本作は、その種の不自然さを極力排除し、現実に 起こってもおかしくないリアリティを付与することに成功しています。 (その代わり、いくつかの奇跡的条件が揃うことが前提ですがw) また、本作はいわゆる《フィニッシング・ストローク》ものでもあります。 犯人の署名である“HOG”の意味が、最後の一行で初めて明かされる のですが、サプライズというよりは、落語のうまいサゲのような印象。 しかし驚くべきは、冒頭においてすでに、その意味を 暗示する伏線が、ぬけぬけと提示されていることです。 読み終えた後、ぜひ最初のページに戻って、 著者の大胆さを確認してみてください。 真相自体は単純な作品ですが、読者の注意を 微妙にずらしていく細心の技巧に感服しました。 | ||||
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当り前のことだが、うまく作者の術中にはまれた読者には、最後の驚きは格別なものであろうと思う。しかし、別のレビューアさんも書かれているとおり、類似のパターンを思い出したとか、あるいは単になんとなく怪しいと嗅ぎつけたとか、道筋はなんであれ、途中で犯人の目星をつけてしまえる人が少なくないのではないだろうか。何となく気が付いてしまうことへの障壁はあまり高くなく、「誰が?」の設定がシンプルであるがゆえに、一度目星がついてしまうと最後まであまり驚きのない読書になってしまう。私の場合も残念ながらそうであった。 とはいえ、フェアなパズラーであり、正統的な探偵ものであり、本格ミステリを愛される方にはお勧めできる。 | ||||
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正統派、と言ってはいけないのかも知れませんが、結末であっ、と気持ちよくだまされます。 最後だけウルトラCの結末に無理やりしてるのもたまにありますが、これは種明かしも納得。 | ||||
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アメリカ探偵作家クラブ賞を獲得した本書は、その賞に恥じない内容です。 奇人である天才犯罪研究家のニッコロウ・ベネディティ教授(マエストロ)を始めとし、 探偵、警視、新聞記者、心理学者などなど、登場人物は一癖も二癖もあるひとばかり。 物語のトーンとしては、クラッシックっぽいのですが、プロットが練られていて、面白いし 最後の謎解きでは、お約束の意外な結末が。 正統派の推理モノが読みたい方にはお勧めです。 | ||||
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